第16回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 1993(平成5)年3月19日(金)
場所: 新高輪プリンスホテル 国際館パミール
司会: 高島忠夫/松坂慶子

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)1991 角川大映

最優秀作品賞 「シコふんじゃった。」


空前の相撲ブームの中、学生相撲というこれまで誰も着目しなかった世界の青春を痛快無比に描いたエンターテインメント作品。個性豊かな大学生たちが、暗くてダサイ学生相撲に必死で取り組む姿が不思議な感動を呼び、アクション映画ともいえるほどの躍動感が画面からあふれる。周防監督の若さとセンスが光る一作だ。(大映=キャビン)

優秀作品賞 「いつかギラギラする日」


ギャングの世界に生きる男たちが大金を巡って、激しい争いをくり広げる。中年ギャングの生き様と狂気にかられる若者像が鮮やかに浮かびあがるアクション大作。大量の弾薬を使用した銃撃戦や過激なカーチェイスなど、従来の日本映画を超えたスケールの大きいアクション・シーンが話題を呼んだ。(松竹第一興行=日本テレビ放送網=バンダイ)

優秀作品賞 「青春デンデケデケデケ」


瀬戸内海に面した町を舞台に、ロックバンドを結成し、青春と恋に情熱を燃やす高校生たちを生き生きと描いた作品。原作は直木賞を受賞した芦原すなおの同名小説。「転校生」以来尾道を舞台に青春映画を手掛けてきた大林監督が、香川県に舞台を移して温もりのある元気な青春を撮った。(ギャラックプレミアム=ピー・エス・シー=リバティフォックス)

優秀作品賞 「遠き落日」


幼いときの火傷がもとで左手にハンディキャップを負いながらも、世界的な細菌学者となった野口英世。その人生を単なる偉人伝としてでなく、母親シカとの強い絆と深い愛情を通して描いた人間ドラマ。猪苗代湖畔に約二億円をかけてオープンセットを作るなど、スケールの大きさでも注目された。(松竹グループ=テレビ朝日=東急グループ)

優秀作品賞 「ミンボーの女」


超高級ホテルにあの手この手で脅しをかけて金をゆすろうとするヤクザ。一方、対策を命じられたホテルの担当者たちは、ミンボー専門の女性弁護士や警察の助けをかりてヤクザを撃退しようとする。ミンボー=民事介入暴力をテーマに「組織暴力に屈しないため」のマニュアルを盛りこみ、軽快なテンポで見せた娯楽作。(ITAMI FILMS INC.)
優秀監督賞
最優秀賞周防正行(シコふんじゃった。)


相撲ブームが始まる2年も前から「シコふんじゃった。」を企画していたという周防監督。監督第二作にあたる、前作「ファンシィダンス」でもオシャレに生きる現代のお坊さんを描いて、ユニークな着眼点は注目されていた。今回も学生相撲という意外な題材で笑いあり、感動ありの娯楽活劇をものにし、その若き才能に熱い視線が注がれている。(1956年 東京都)
優秀賞伊丹十三(ミンボーの女)


監督デビュー作「お葬式」から、「マルサの女」「あげまん」など話題作を次々と生み出すヒットメーカーである。常にテーマを深く追求し、日本の社会事情を見事に反映させたドラマ作りは高く評価されている。今回受賞の「ミンボーの女」では、知らないうちに一般人を巻き込んでいく組織暴力=ヤクザの手口と撃退法を描き再びヒットさせた。(1933年 京都府)
優秀賞大林宣彦(彼女が結婚しない理由/青春デンデケデケデケ/私の心はパパのもの)


商業映画22作目となった「青春デンデケデケデケ」と「彼女が結婚しない理由」「私の心はパパのもの」の3作で受賞。特に1960年代を舞台に5人の男子高生のエレキと恋に燃える青春を描いた「青春~」では手持ちカメラ、ノーライト・自然光撮影と意欲的に映像テクニックを駆使し、「同級生」「さびしんぼう」といった“尾道シリーズ”とはひと味違う新しい青春映画を生み出した。(1938年 広島県)
優秀賞東陽一(橋のない川)


「四季・奈津子」「化身」などで女性映画の第一人者としての地位を確立している。「橋のない川」ではこれまでとは変わり、美しい四季の風景の中で、人間の尊厳をかけて激しく生き抜いた人々の生活を鮮やかな人間群像として描き出している。「日本人にとって、もっとも『プリミティブ』な世界を表現する作品にしたいと考えた」と監督。(1934年 和歌山県)
優秀賞深作欣二(いつかギラギラする日)


「仁義なき戦い」シリーズで、日本映画のアクションスタイルを確立させた実力派。「いつかギラギラする日」では20年ぶりに本格的アクション映画のメガホンをとり、近年の作品とはまた一味違った映画の醍醐味を見せつけた。「今なおアクション映画を愛している」と本人が語るとおり、今回も並々ならぬ情熱をもって新しい日本映画アクションに挑戦してくれた。(1930年 茨城県)
優秀脚本賞
最優秀賞周防正行(シコふんじゃった。)


「シコふんじゃった。」が作品賞以下7部門での受賞を果たしたのは監督自身によるシナリオの完成度の高さが大きな力となっている。ダサイと誰もが敬遠する学生相撲の世界で、個性豊かな面々が勝利を目指して奮闘する姿をユーモラスに、感動的に描く。そしてその中に格闘技としての相撲の面白さが盛り込まれた見事なエンターテインメントぶりが認められた。(1956年 東京都)
優秀賞石森史郎(青春デンデケデケデケ)


今回が初受賞だが、1959年に「噂の風来坊」でデビューして以来「旅の重さ」「博多っ子純情」など数多くの名作を手掛けてきたベテラン。「青春デンデケデケデケ」では直木賞を受賞した芦原すなおの同名小説をシナリオ化。たたみかけるような台詞の応酬が主人公5人の少年に命を吹き込み、ヴィヴィッドな青春群像を描き出すことに成功している。(1931年 北海道)
優秀賞伊丹十三(ミンボーの女)


詳細な事実調査に基づいた巧みな語り口には定評がある。今回は民事介入暴力について膨大な時間とエネルギーを使って徹底取材し、ヤクザ攻略マニュアルともいうべき斬新な作品を書き上げた。ヤクザとホテルマンの攻防、そして女弁護士の活躍をスリリングかつコミカルに描写、誰もが楽しめる娯楽作に仕上げた手腕はさすがといえる。(1933年 京都府)
優秀賞新藤兼人(遠き落日/墨東綺譚)


「遠き落日」「墨東綺譚」の2作で受賞。これで5度目の脚本賞受賞となったが、監督も兼ねた「墨東綺譚」は自身が25歳でその原作を読んで以来映画化を熱望し、8年前にはすでにシナリオを完成させていたという作品だけに喜びもひとしおだろう。永井荷風の80年の生きざまに、80歳になった新藤監督自身の生きざまが重なる力作だ。(1912年 広島県)
優秀賞丸山昇一(いつかギラギラする日)


「野獣死すべし」などのハードボイルドから「ラブ・ストーリーを君に」の純愛物まで幅広いジャンルをこなすベテラン。「いつかギラギラする日」は深作監督のアイデアを元にまず2本脚本を書いたが気にいらず、3本目でやっと満足のいくものができたという。鋭い人間描写とテンションの高いドラマ展開には、見るものをぐいぐいと引き込む力がある。映画に限りない情熱を持った人物である。(1948年 宮崎県)
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞本木雅弘(シコふんじゃった。)


ヌード写真集やロックアーティストとしての活動など、いつも過激なパフォーマンスで世間をアッと言わせてきたが、「ファンシィダンス」に続く周防作品「シコふんじゃった。」ではまわし姿を披露。文字通り体当たりの熱演で、高い評価を受けた。気楽に軽く生きる若者が、学生相撲の世界に足を踏みいれたことで熱くなれるものを獲得していく姿を等身大に演じている。(東京都出身)
優秀賞緒形拳(おろしや国酔夢譚/継承盃)


今回で通算10度目の主演男優賞受賞という実力派。 男くさい重い役から、コミカルな路線のものまでを得意とする演技力は誰もが認めるところ。今回受賞の「おろしや国酔夢譚」では18世紀にロシアという未知の大国を知った男・大黒屋光太夫を、また「継承盃」ではアル中のヤクザの親分に扮し、性格の異なる人物を見事に演じ分けている。(東京都出身)
優秀賞津川雅彦(墨東綺譚)


第11回の「別れぬ理由」での受賞以来二度目の受賞。往年の甘いマスクの二枚目から脱皮をはかり、近年はコミカルな役どころから重厚な役まで幅広くこなせる役者として活躍している。今回の「墨東綺譚」では45年を超える俳優生活を賭けて、永井荷風の 48歳から80歳までという半生を人間味あふれる演技で見事に演じ、円熟味を見せた。(京都府出身)
優秀賞西田敏行(寒 椿/釣りバカ日誌5)


すっかりお正月映画の顔として定着した喜劇シリーズ「釣りバカ日誌5」と、宮尾登美子原作による壮大な人間ドラマ「寒椿」の2本で3度目の受賞となった。特に「寒椿」では、今までにない骨太な男くささを感じさせる演技で新境地を開拓。三枚目からシリアスなものまでこなすことのできる役者として力量を見せつけた。今後がますます楽しみな役者の ひとりである。(福島県出身)
優秀賞原田芳雄(寝盗られ宗介)


強烈な個性と独特の魅力で、常に新しいキャラクターに意欲的に挑戦してきたが、今回は「この愛の物語」に続くつかこうへい作品「寝盗られ宗介」に主演。女房に浮気を仕掛けては自らの愛情を高揚させるという、とんでもない趣味を持つドサ回り一座の座長に扮して、究極の愛を演じた。「浪人街」「われに撃つ用意あり」以来二度目の受賞。(東京都出身)
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞三田佳子(遠き落日)


トップ女優としてテレビや映画で変わらない若さをみせて活躍中だが、「遠き落日」では野口英世の母親に扮して16歳から66歳までという女の一生を演じた。我が子に大やけどを負わせてしまったことに苦しみ、深い愛情で息子を支え続けたシカ役では今までのイメージを打ち破るフケ役にも挑戦。日本の母親像を体現する迫真の演技は人々の心を魅了した。(大阪府出身)
優秀賞大竹しのぶ(死んでもいい/復活の朝/夜逃げ屋本舗)


「死んでもいい」「復活の朝」「夜逃げ屋本舗」と話題作に出演し、演技派として面目躍如の一年だった。夫殺しに至る人妻の情念、終末医療の現場で働く看護婦の生きざま、ユニークな夜逃げ屋稼業を取り締まる女と、常に演じる役に全力でぶつかる姿は観るものに感動を与えてきた。主演女優賞は第3回の「あゝ野麦峠」以来、久しぶりの受賞である。(東京都出身)
優秀賞南野陽子(寒 椿/私を抱いてそしてキスして)


第11回で新人俳優賞を受賞してから5年、今回はベテラン女優に混じっての嬉しい初受賞となった。「寒椿」で見せた運命に流される遊女役、「私を抱いてそしてキスして」のエイズにかかり苦悩する女性など、これまでのアイドル色を見事に払拭した演技は、多くの人に新鮮な感動を与えた。これからの活躍が大いに楽しみな女優のひとりである。(兵庫県出身)
優秀賞宮本信子(ミンボーの女)


夫である伊丹監督の言葉を借りれば「ミンボーの女」の主人公・井上まひるは「弁護士として概念規定された言葉をきっちりと使い、対人関係において酸いも甘いもかみわけた百戦錬磨の大人」であるという。この複雑なキャラクターを見事に演じ、その魅力をあますことなく伝えた力量はさすがといえる。まさに伊丹作品には欠かすことのできない女優である。(北海道出身)
優秀賞吉永小百合(外科室/天国の大罪)


「つる」「華の乱」で最優秀主演女優賞を受賞した第12回以来すでに6回目の受賞となる。今回は坂東玉三郎監督の実験的作品「外科室」で泉鏡花の美の世界に生きる女を演じ、ハードサスペンス「天国の大罪」ではこれまでになく激しい生き方をする女検事に扮した。ふたつのまったく異なる役どころに挑戦し、女優としての力量を存分に発揮した一年だった。(東京都出身)
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞竹中直人(シコふんじゃった。/死んでもいい)


昨年は「無能の人」で監督賞と主演男優賞を受賞してマルチな才能が注目されたが、今年は「シコふんじゃった。」で持ち前の名バイプレイヤーぶりを発揮。助演男優賞初受賞を果たした。留年を続けて大学の相撲部に8年も在籍するほどの相撲バカなのに、試合には勝てない情けない男に扮して作品に笑いと独特の味わいを与えた。(神奈川県出身)
優秀賞木村一八(いつかギラギラする日)


14歳のときにテレビ番組で芸能界にデビュー。以来、テレビや映画で活躍し、長身を生かした陰影のある演技で注目を集めている。今回「いつかギラギラする日」での熱演が認められ、初の助演男優賞受賞となった。髪を金髪に染め、若さゆえに狂気に走る青年像は多くの映画ファンに驚きをあたえたにちがいない。今後の活躍が最も期待される役者のひとりである。(大阪府出身)
優秀賞大地康雄(ミンボーの女)


1983年のテレビドラマ「深川通り魔殺人事件」で主役の殺人犯を演じ注目される。存在感のある演技、またどことなくユーモラスな持ち味はこの人ならでは。「ミンボーの女」では、これまでのエキセントリックなタイプではなく、ヤクザの脅しに泣く普通の人を演じて好評を博した。日本の映画界に欠かすことのできない名バイプレイヤーである。(熊本県出身)
優秀賞西田敏行(おろしや国酔夢譚/天国の大罪)


主演男優賞と共に初のダブル受賞。「おろしや国酔夢譚」「天国の大罪」の2作品では、それぞれのキャラクターを深みのある人間としてとらえ、力のある役者であることを証明した。また「おろしや国酔夢譚」では厳寒のシベリヤ・ロケに臨み、猛吹雪の平原を舞台に迫真の演技を見せてくれた。役者としての意気込みを感じさせてくれる人物である。(福島県出身)
優秀賞村田雄浩(おこげ/ゴジラVSモスラ/ミンボーの女)


1979年に「思えば遠くへ来たもんだ」で映画デビュー以来、数多くの作品に出演し、キャリアを積んできた。今年はゲイ役に挑戦した「おこげ」を始め「ゴジラVSモスラ」「ミンボーの女」と3作に出演。地味ながら光る存在感と、伊丹十三監督をして“映画界の若花田”と言わしめた演技力で今後の活躍が大いに楽しみな存在だ。(神奈川県出身)
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞藤谷美和子(女殺油地獄/寝盗られ宗介)


可憐な表情ととらえどころのない不思議な魅力が「女殺油地獄」「寝盗られ宗介」の二作で存分に発揮された年だった。特に五社英雄監督の遺作となった「女殺油地獄」では男をきりきり舞いさせ、悲劇をもたらす小悪魔的女を演じて新境地を開いた。第8回には主演女優賞に輝いているが、助演女優賞は今回が初受賞である。(東京都出身)
優秀賞荻野目慶子(いつかギラギラする日)


舞台「奇跡の人」で一躍注目を集め、以来、映画、テレビで活躍している若手の演技派女優。第15回に「陽炎」で同賞を受賞している。「いつかギラギラする日」では、これまでの一途でひたむきなイメージから一転、愛人を裏切り、恋人と共に破滅の道へとつっ走る女ギャングに扮し、みんなをアッと驚かせた。今後の一層の活躍が期待される。(熊本県出身)
優秀賞かたせ梨乃(寒 椿)


モデル、タレントを経てテレビドラマなどで活躍してきたが、ヒット映画「極道の妻たち」以降、女優として急成長を見せている。遊郭の女将として遊女を取りしきり、導いていくみね……「寒椿」では、そんな頼りになる女将を存在感たっぷりに演じて好評を博した。揺れ動く微妙な女の心理を演じることのできる貴重な存在である。(東京都出身)
優秀賞清水美砂(シコふんじゃった。)


正統派美人女優として、一昨年の新人賞受賞以来テレビや映画にひっぱりだこの活躍を遂げてきた。受賞作の「シコふんじゃった。」では相撲部のマネージャー役で、相撲に熱くなっていく男たちをたのもしく見つめながら、まわしを締めることができない寂しさを痛感するヒロインを演じた。華やかさと演技力を合わせ持つ貴重な存在である。(東京都出身)
優秀賞牧瀬里穂(遠き落日)


「つぐみ」「東京上空いらっしゃいませ」の二作で第14回の主演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞した快挙はまだ記憶に新しい。その後のテレビ、舞台等での活躍ぶりには目覚ましいものがある。今回は「遠き落日」に野ロ英世が思いを寄せる女性役で出演。その美しさは英世の生涯の心のマドンナに相応しく、初の助演女優賞受賞となった。(福岡県出身)
優秀音楽賞
最優秀賞久石譲(青春デンデケデケデケ)


昨年は最優秀音楽賞を受賞し、名実ともに映画音楽の第一人者となった。今回の受賞作「青春デンデケデケデケ」は5人の高校生と共に音楽が主役とも言える作品で、画面に流れる1960年代を彩ったロックナンバーの数々と、久石オリジナルの劇用音楽が見事なコンビネーションを見せ、感動をより深いものにしている。(1950年 長野県)
優秀賞伊福部昭(ゴジラVSモスラ)


1954年に「ゴジラ」の音楽を手掛けて以来、世界的にもゴジラ・サウンドの生みの親として知られている。現代音楽の作曲家として活躍し、多くの音楽家たちを育てる傍ら、早くから映画音楽も担当。格調高いそのサウンドには定評がある。今回は「ゴジラVSモスラ」の音楽監督としてゴジラ映画史上最も音楽に満ちあふれた作品を仕上げた。(1914年 北海道)
優秀賞林哲司(遠き落日)


作曲家として稲垣潤一、杏里といったアーティストたちに曲を提供するかたわら、自らもアーティストとしてアルバムを発表するなど幅広い活動を続けてきた。映画音楽にもその才能は発揮され、これまでに「刑事物語」「ハチ公物語」などを手掛けてきたが、今回「遠き落日」で初めての受賞を果たした。新しさの中に郷愁がこめられた独自のサウンドが、感動をより深くした。(1949年 静岡県)
優秀賞星勝(おろしや国酔夢譚)


グループ・サウンズ時代に“モップス”のメンバーとしてデビュー。解散後はアレンジャー、作曲家として多くのアーティストの作品を手がけている。「おろしや国酔夢譚」ではロシア民謡の美しいメロディをとりいれたり、またエンディングでは120人という大コーラスの合唱曲を使いドラマの感動を見事に伝えている。(1947年 埼玉県)
優秀賞本多俊之(ミンボーの女)


これまで「マルサの女」「マルサの女2」と伊丹監督とコンビを組んできたが、監督の信頼もあつく再び組んだ「ミンボーの女」で3度目の受賞となった。ヤクザとホテルマンの対決を盛り上げるテーマ曲には彼の独特のセンスが光っている。日本を代表するジャズプレイヤー、そして幅広いジャンルで活躍するアーティストのひとりとして今、もっとも期待されている。(1957年 東京都)
優秀撮影賞
最優秀賞長沼六男(おろしや国酔夢譚)


これまで「座頭市」「魚影の群れ」などで卓抜した映像を見せてきたが、今回、延べ1万キロにも及ぶロシア・ロケを敢行した「おろしや国酔夢譚」で初の受賞となった。フィルムも凍る厳寒地ヤクーツクでの厳しい自然の風景、また荘厳・華麗なエカテリーナ宮殿など、壮大なスケールのドラマにふさわしい映像は観る者を感動させた。(1945年 長野県)
優秀賞飯村雅彦(遠き落日)


第4回には「二百三高地」で最優秀撮影賞も受賞しているベテラン。今回の「遠き落日」では神山征二郎監督と「白い手」でコンビを組んで以来の顔合わせとなった。美しい日本の母子愛を表現する作品に、そのキャメラがとらえた猪苗代湖畔を初めとする美しい日本の風景が生かされ、大作に相応しい仕上がりとなった。(1928年 茨城県)
優秀賞木村大作(寒 椿/天国の大罪)


大作、話題作にはかかせぬ撮影監督として、これまで「火宅の人」「華の乱」「夜汽車」など数々の作品を手がけてきた。あでやかな日本の美と、運命に翻弄される人間の表情を映しだした「寒椿」、近未来の東京の混沌とした風景を見せた「天国の大罪」など、彼ならではの映像センスが光っている。その実力は広く日本の映画界に知られている。(1939年 東京都)
優秀賞坂本典隆(外科室)


「外科室」で初受賞を果たしたが、「約束」「旅の重さ」「津軽じょんがら節」など50本あまりの名作を撮ってきたベテランだ。かつて「夜叉ヶ池」の現場で坂東玉三郎監督と出会った時から「外科室」の企画は聞かされていたという。今回の仕事では“ビューティフルに撮ること”にひたすら気を配ったと語る通り、ため息の出るような美しい画面が完成した。(1935年 熊本県)
優秀賞森田富士郎(女殺油地獄/豪 姫)


昨年に続きこれで6度日の受賞となった。第7回には「陽暉楼」で最優秀賞を受賞しているように故五社英雄監督とのコンビで数多くの名作を生み出してきたベテラン。「女殺油地獄」では監督の執念にも似た熱意に答えて女の情念を映し出し、勅使河原監督の「豪姫」では日本の伝統美の世界を見事に再現。あらためてその力量を見せた。(1927年 京都府)
優秀照明賞
最優秀賞熊谷秀夫(おろしや国酔夢譚)


「おろしや国酔夢譚」で素晴らしい光と陰の映像を作り出し、今回が嬉しい初受賞となった。シベリアロケでは厳しい寒さが心配だったが、無事に終わって安心したという。また一番苦労したというエカテリーナ宮殿の謁見の間のシーンは、その華やかさがドラマにいっそうの輝きを与えている。最近の代表作には「怪盗ルビィ」「東京上空いらっしゃいませ」などがある。(1928年 京都府)
優秀賞梅谷茂(遠き落日)


「二百三高地」「敦煌」で二度の最優秀照明賞に輝くなど、今回が4度目の受賞というベテラン照明マンだ。大自然が舞台のスペクタクルからこまやかな表情を照らす室内劇までを幅広くこなせる貴重な存在として知られている。猪苗代湖畔を中心にしたロケが多かった「遠き落日」でもその手腕が存分に発揮されている。(1932年 東京都)
優秀賞増田悦章(寒 椿/天国の大罪)


今回が8度目の受賞となるベテラン。これまで五社英雄監督との仕事が印象深いが、今回は降旗康男監督との「寒椿」で昭和初期の遊廊に生きる人々を鮮やかな演出によるライティングで描き出している。また「大国の大罪」では異人種のるつぼ、大都会TOKYOを巧みな陰影で表現した。経験に裏打ちされた仕事は高い評価を得ている。(1931年 京都府)
優秀賞渡辺康(外科室)


照明の仕事を始めて20年あまり、「外科室」でうれしい初受賞となった。坂東玉三郎監督独自の美学をどう表現できるか、どう近づけるかが今回の大きなテーマだった。監督からは「手術室には午前10時の明かりがほしい」などといったこれまでのパターンが通用しない要求が続き悩んだことも多かったがとても勉強になり、充実した現場だったと語る期待の若手だ。(1952年 新潟県)
優秀賞中岡源権(女殺油地獄/豪 姫)


動く美術館とも言えるほど、伝統美術品の数々がスクリーンを彩った「豪姫」、燃え上がるような女の情念をあふれる色彩で描き出した「女殺油地獄」の2作品で昨年に続いて3度目の受賞を果たした。特に「女殺油地獄」では人間の隠された本性を浮かび上がらせる印象的な赤い照明で観る者を近松の世界へと引き込んだ。(1928年 奈良県)
優秀美術賞
最優秀賞西岡善信(女殺油地獄/豪 姫)


「女殺油地獄」「豪姫」の二作品により、9回目の優秀美術賞を受賞。長らくコンビを組んできた五社監督の遺作「女殺油地獄」では、油搾りの作業場の見事な再現や、樽に付いた油の黒ずみに至るまでリアリティーを追求し、監督の気力あふれる映画づくりに答えた。また「利休」に続く勅使河原作品「豪姫」にもその手腕は発揮された。(1921年 奈良県)
優秀賞重田重盛(外科室/釣りバカ日誌5/ 墨東綺譚)


映画美術界の第一人者にとっても、今年は「外科室」で玉三郎美学を形にし、「墨東綺譚」で永井荷風の時代を再現するという充実した仕事を残す年となった。特に「墨東綺譚」では時代考証の困難な娼妓街、玉の井と荷風の住まい、偏奇館の二大セットを見事に作り上げ、そこに暮らす人々の息遣いが感じられるような画面に仕上げた。(1935年 兵庫県)
優秀賞徳田博/ワレーリー・ユルケーヴィチ(おろしや国酔夢譚)


旧ソ最古の伝統を誇る映画スタジオ・レンフィルムとの協同作業で撮影に臨んだ「おろしや国酔夢譚」。徳田氏とユルケーヴィチ氏はそれぞれ本領を存分に発揮し、ロシアと日本の当時の生活をリアルに再現した。漂流船や200年前のイルクーツク市街地の再現など、そのスケールの大きな美術は見る者を圧倒する。(1939年 大阪府)(1939年 旧ソ)
優秀賞内藤昭(寒 椿/橋のない川)


日本でもっとも古い時代劇撮影所であった大映京都撮影所の出身。「橋のない川」では自然を巧みにとリ入れて小森部落の大オープンセットを作り上げ映画に一層の現実感を与えている。また「寒椿」では昭和初期の日本の風景をスクリーンに再現。時代色と風土をリアルに反映した仕事ぶりには、長年の経験と綿密な調査が生かされている。(1927年 京都府)
優秀賞横尾嘉良(遠き落日)


「遠き落日」で4度目の受賞を果たした。明治から大正時代の日本の暮らしや英世の留学先のアメリカなど、バラエティーにとんだシーンの数々に堅実な仕事ぶりを見せた。特に猪苗代湖畔に約二億円をかけて再現した、野口英世の生家の大掛かりなオープンセットにはこれまでのキャリアの全てが注ぎ込まれ、作品に確かなリアリティを与えている。(1930年 東京都)
優秀録音賞
最優秀賞小野寺修(未来の想い出 ラストクリスマス/ミンボーの女/夜逃げ屋本舗)


1970年に日活入社、1979年「赤い暴行」で録音チーフとなる。以来、若手監督との仕事を中心に活躍、「家族ゲーム」「スウィートホーム」などを手がけている。1992年は「未来の思い出 ラストクリスマス」「ミンボーの女」「夜逃げ屋本舗」の3本で手腕を発揮した。いずれもスリリングな展開が持ち味の作品の中で見せた鋭い感性に、次代を担う人物としての期待が寄せられている。(1949年 宮城県)
優秀賞久保田幸雄(寝盗られ宗介/橋のない川)


これまでの代表作に「祭りの準備」「サード」などがある。特に「海と毒薬」「千利休本覺坊遺文」などの熊井啓監督作品で見せた繊細かつリアルな音作りが印象深い。「寝盗られ宗介」での芝居一座の生活感に溢れる音や、大自然を生かした「橋のない川」での実に自然な音作りなど、作品ごとに彼ならではの世界を作り上げている。(1932年 福岡県)
優秀賞信岡実/紅谷愃一(いつかギラギラする日)


自然に溶けこむ音作りに定評のある信岡氏、リアルな音作りで独自の世界を持つ紅谷氏。今回はアクション大作「いつかギラギラする日」での受賞となった。久しぶりのアクションで楽しかったという信岡氏、作品のボルテージを保つことに注意したという紅谷氏。その臨場感溢れる音作りは画面に迫力を与えている。(1934年 神奈川県)(1931年 京都府)
優秀賞橋本泰夫(おろしや国酔夢譚)


橋本文雄氏とコンビを組んだ佐藤純彌監督作品、「植村直巳物語」「敦煌」で優秀賞を受賞。今回は単独で再び佐藤監督の「おろしや国酔夢譚」を手がけて4度目の受賞となった。嵐の海や吹雪のシベリア平原、活気に溢れる町並など、壮大なスケールのドラマにふさわしい迫力あるサウンドはスクリーンにいっそうの広がりを与えている。(1944年 宮崎県)
優秀賞紅谷愃一/細井正次(遠き落日)


大ベテラン、紅谷氏と共に「遠き落日」を手掛けた細井氏は初受賞、今後の活躍が期待される。明治の時代となる「遠き落日」では、ロケ現場の録音を主に担当。車や工事といったノーマルの音が入らないようにかなり苦労したと言う細井氏。その意味で今回の受賞は録音クルー全員の苦労が報われた結果だと語った。(1931年 京都府)(1947年 北海道)
優秀編集賞
最優秀賞鈴木晄(一杯のかけそば/おろしや国酔夢譚/外科室/ミンボーの女)


「それから」「植村直巳物語」「光る女」「マルサの女2」など、あらゆるジャンルの作品をこなし、これまでに特別賞や最優秀賞を受賞している。今回は「一杯のかけそば」「おろしや国酔夢譚」「外科室」「ミンボーの女」で6度目の受賞となった。作品ごとのリズムを大切にした卓抜した編集技術に、多くの監督が厚い信頼を寄せている。(1928年 大阪府)
優秀賞市田勇(女殺油地獄/寒 椿)


「鬼龍院花子の生涯」「226」「吉原炎上」など多くの五社英雄監督作品を手がけてきたが、今回、五社監督の遺作となった「女殺油地獄」でも抜群の映画センスを発揮し、作品をバランスよく仕上げている。また降旗康男監督の「寒椿」では、ドラマの流れをしっかりとつかんだ巧みな編集技術で、画面に緊張感を与えている。日本映画界を支える名手といえよう。(1932年 京都府)
優秀賞井上治(遠き落日/橋のない川/ひかりごけ/落 陽)


「遠き落日」「橋のない川」「ひかりごけ」「落陽」の4作品が認められ、特別賞を含めて3度目の受賞を果たした。いずれもスケールの大きな作品ぞろいで、ベテランらしい誠実な仕事ぶりが今年も高く評価された。特に「ひかりごけ」の熊井啓監督とは「忍ぶ川」「海と毒薬」「千利休 本覺坊遺文」などの名作で長らくコンビを組んできた仲で、今回も監督の右腕となって作品を仕上げた。(1932年 京都府)
優秀賞川島章正(いつかギラギラする日/課長 島 耕作/未来の想い出 ラストクリスマス)


昨年の鈴木晄氏と組んだ「大誘拐-RAINBOWKIDS-」に続き優秀賞を受賞。1992年は「いつかギラギラする日」「課長 島耕作」「未来の思い出 ラストクリスマス」で、それぞれ個性溢れる3人の監督と組み、キレ味のよい仕事ぶりを見せている。それぞれの作品の特徴を適確にとらえたテンポのよい画面作りは高く評価されている。(1950年 東京都)
優秀賞菊池純一(悪友<ごろつき>/シコふんじゃった。/PATIO/ひき逃げファミリー)


「悪友〈ごろつき〉」「シコふんじゃった。」「PATIO」「ひき逃げファミリー」の4作により初めての受賞を果たした。編集の仕事を始めて23年。今回の受賞はその間に手がけた全ての仕事への受賞とうけとめ、今まで出会ったスタッフに感謝しているという。特にピンク映画時代からの仲間達との仕事「シコ~」と「ひき逃げ~」での受賞は一層感慨深いものがある、と語った。(1950年 北海道)
優秀外国作品賞
最優秀賞JFK


1963年11月22日に起きたジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺事件に材をとった政治サスペンス。ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリソンが関係者の証言を元に事件の真相に迫っていく。監督は「プラトーン」「ウォール街」のオリバー・ストーン。彼と調査スタッフが発見したケネディ暗殺にまつわる情報が盛り込まれ、見ごたえのあるドラマに仕上がっている。(ワーナー)
優秀賞愛人 ラマン


マルグリット・デュラスのベストセラーを「小熊物語」のジャン=ジャック・アノーが監督。デュラス自身の体験を元に、15歳の少女と金持ちの中国人青年との出会いと別れが鮮烈に描かれる。ヒロインには数百人の面接の末に選ばれたというジェーン・マーチ。彼女の透明感のある美しさがスクリーンに不思議な輝きを与えている。舞台となったベトナムのエキゾチックな風景も印象的。 (ヘラルド)
優秀賞氷の微笑


「ロボコップ」「トータル・リコール」など、次々に話題作を生み出してきたポール・バーホーベンが監督したサスペンス。残酷なバイオレンス・シーンと過激なセックス描写が話題を呼び、大ヒットした。巧妙なストーリー・テリングに散りばめられた効果的なトリックと謎解きの数々は見る者を最後までひきつける。主演のシャロン・ストーンは、本作の大胆な演技で一躍スターに。(ヘラルド)
優秀賞プリティ・リーグ


1943年から1954年にかけてアメリカで人気を集めた“全米女子プロ野球リーグ”のメンバーたちの活躍を描いたハートウォーミングな一作。田舎暮らしを捨ててプロ野球チームに入った姉妹を中心に、その仲間たちの一喜一憂が笑いと涙で綴られていく。監督は「ビッグ」「レナードの朝」で知られるペニー・マーシャル。(コロムビア=トライスター)
優秀賞ボディガード


「ダンス・ウィズ・ウルブズ」の主演・監督でトップスターの地位を不動のものにしたケビン・コスナーとミュージック界のスーパースター、ホイットニー・ヒューストンが顔を合わせたサスペンス・ラブストーリー。映画初出演のW・ヒューストンが自尊心の強いヒロインを好演。また彼女が歌った主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」も大ヒットとなった。(ワーナー)
新人俳優賞
優秀賞内村光良(七人のおたく)


「七人のおたく」で初めて役者に挑戦したお笑いコンビ、ウッチャンナンチャンのひとり。将来の夢は映画監督になることという内村は、コント活動と並行して自ら劇団、SHA・LA・LAを率いて活動中。そこでは脚本・演出も手掛け、才能の豊かなところを見せている。念願の映画界進出を果たした二人には、映画界での今後の活躍が一層期待される。(熊本県出身)
優秀賞大森嘉之(悪友<ごろつき>/青春デンデケデケデケ/ 墨東綺譚)


1984年に「瀬戸内少年野球団」のバラケツ役でデビューし、海に向かって『かえり船』を歌っていた坊主頭の少年が、今年は「墨東綺譚」「青春デンデケデケデケ」「悪友〈ごろつき〉」と話題作に次々と出演、大きく成長した姿を見せた。ユニークなキャラクターと元気一杯の演技は観る者に強い印象を残し、新しい個性派俳優の誕生を予感させる。(京都府出身)
優秀賞豊川悦司(課長 島 耕作/きらきらひかる)


「きらきらひかる」で同性愛者という難しい役に挑戦して注目を集め、「課長 島耕作」では持ち前のクールな表情を生かした演技でエリートサラリーマンを好演。様々な可能性を見せた1992年だった。劇団3○○の出身で、舞台、テレビ、CMにと活躍の幅を広げてきた。186cmという長身を生かしたスケール感のある役者への成長が期待される。(大阪府出身)
優秀賞永澤俊矢(豪 姫)


185センチの長身を生かしてトップモデルとして東京・パリ・ミラノのファッションショーやファッション誌で活躍していた。その姿が勅使河原監督の目にとまり、「豪姫」スクリーンデビューを飾った異色の新人。豪姫の恋人役といういきなりの大役にも物怖じせず、度胸のよいところを見せた。モデル業と同様に俳優業でもトップを目指せる逸材だ。(大阪府出身)
優秀賞南原清隆(七人のおたく)


ウッチャンナンチャンの相棒、内村とは横浜放送映画専門学校(現日本映画学校)の在学中に出会ったというエピソードが示す通り、もともと映画の世界を目指して勉強していた。初めて主演した「七人のおたく」では長年の映画への情熱をぶつけるかのように迷彩服に身を包むミリタリーおたくを熱演。俳優としての可能性を感じさせた。(香川県出身)
優秀賞林泰文(シーズン・オフ/青春デンデケデケデケ)


数々のテレビドラマに出演後「野ゆき山ゆき海べゆき」でスクリーンデビュー。「漂流教室」「北京的西瓜」「ふたり」と主に大林宣彦監督作品に出演し、その確かな演技力は早くから注目され、将来を属望されていた。今回主演した「青春デンデケデケデケ」では多感な10代の少年の情熱や青春を伸びやかに演じ、若手演技派の代表としての評価を決定的にした。(東京都出身)
優秀賞保坂尚輝(PATIO)


若い女性のアイドル的存在としてドラマやCMを中心にブラウン管ではすでにおなじみの存在だったが、今回テレビと映画のメディアミックスとして注目された企画「PATIO」で本格的なスクリーンデビュー。事件の鍵を握るキー・マン役を演じた。笑顔の合間にみせる陰のある表情が人気の秘密。今後は映画にも活躍の場を広げることを期待されている。(静岡県出身)
優秀賞奥山佳恵(喜多郎の十五少女漂流記)


3万人を超える応募者の中から選ばれて「喜多郎の十五少女漂流記」の主演デビューを果たしたラッキーガール。厳しい自然の中で撮影された映画では15人の少女のリーダー役を熱演。素顔を生かした明るく元気なキャラクターは、従来の女優像にはまりきらないスケールの大きさも感じさせ、将来が楽しみな存在である。(東京都出身)
優秀賞久我陽子(寝盗られ宗介)


歌手としてデビューした後、正統派アイドルとしてドラマやCM、ラジオを中心に活躍してきたが、初めての映画「寝盗られ宗介」でマドンナ役に抜擢された。つか喜劇ならではのにぎやかな画面にあって、さわやかな笑顔が一服の清涼剤としてひときわ輝いた。確かな演技力と表現力で正統派美人女優としての成長が大いに期待される。(東京都出身)
優秀賞コスモス(今村恵子・大沢さやか)(ゴジラVSモスラ)


(今村 恵子)三万七千人の中から第三回東宝シンデレラに選ばれた期待の新星。ザ・ピーナッツ、ペア・バンビに続く三代目“小美人”としてキュートな魅力をふりまいた。
(大沢 さやか) 東宝シンデレラコンテストでは審査員特別賞を受賞。「ゴジラVSモスラ」では特撮の難しい撮影にも挑戦した。(静岡県出身)(東京都出身)
優秀賞墨田ユキ(墨東綺譚)


「墨東綺譚」で永井荷風の理想の女、お雪に扮し、デビュー作とは思えない大胆演技で数々の新人賞を総嘗めにした若手実力派。この作品が本格的な映画デビューで、この芸名は新藤兼人監督から贈られたもの。匂い立つような大人の女の色気を持ちながら、少女のように清楚な美しさもあわせ持つ不思議な個性は、今後も注目を集めそうだ。(北海道出身)
優秀賞中江有里(奇跡の山-さよなら、名犬平治-)


六千人あまりの応募者の中から「奇跡の山-さよなら、名犬平治-」のヒロインに選ばれた。初主演となった役どころは失語症の少女という難役。動物や自然が相手の撮影も厳しいものだったが、持ち前の明るさと根性で意欲的に挑戦する姿は高く評価された。CMやドラマ、グラビアでもすっかりおなじみのさわやかな笑顔は好感度もナンバーワンだ。(大阪府出身)
会長特別賞
優秀賞五社英雄


昭和38年、34歳の時にフジテレビ在籍のまま松竹で「三匹の侍」を監督され、テレビディレクターによる映画進出の先駆となりました。徹底したサービス精神による映画作りは最後まで変わることなく、日本映画界に大きな足跡を残されました。
優秀賞八住利雄


昭和11年に現在の東宝の前身であるPCL文芸部に入社、以来シナリオ作家として映画約250本、テレビ60本のシナリオを書き、幅広いジャンルにおいて活躍されました。またシナリオ作家協会理事長として日本映画界のために尽力、貢献されました。
優秀賞若山富三郎


昭和29年、25歳の時に新東宝に入社、翌年「忍術児雷也」でデビュー。以後、数々の作品に主演され、三枚目や敵役などもこなす演技派として日本を代表するスターとなられました。63年の生涯を日本映画界に捧げられた功績は永く心に輝き続けるものであります。
協会特別賞
優秀賞佐々木秀孝(映画録音整備)


昭和9年松竹京都撮影所に入社。録音整備一筋に歩み、昭和40年に佐々木研究所設立。各種録音機材を開発したパイオニア。(1913年 徳島県)
優秀賞島倉二千六(背景)


昭和35年東宝撮影所に入り背景作画を学び、昭和55年に「アトリエ雲」を創立。雲の作画専門に映画・CMで活躍。最新作「まあだだよ」。(1940年 新潟県)
優秀賞堀北昌子(記録)


昭和25年大映京都撮影所に入社。スクリプターの草分けとして数多くの作品を手掛け、現在日本映画スクリプター協会会長。(1930年 京都府)
優秀賞森護(衣裳)


昭和27年東映京都撮影所に入り、衣裳担当一筋に40年歩んできた。男女優を問わない見立てと着付け技術、衣裳考証で活躍。(1933年 京都府)
特別賞
優秀賞厚田雄春(撮影)


昭和12年から撮影監督として約90本の作品を手掛けられました。同年の「淑女は何を忘れたか」以後、小津安二郎監督作品の大半を撮影されました。独特のローアングルで静謐な画面を作りあげ、小津安二郎の世界を作りあげることに貢献されました。平成4年87歳で没す。
話題賞

作品部門:「PATIO」


俳優部門:ウッチャンナンチャン