第21回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
開催日: 1998(平成10)年3月6日(金)
場所: 新高輪プリンスホテル 国際館パミール
司会: 関口宏/浅野ゆう子
優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)1997 二馬力・TNDG

最優秀作品賞 「もののけ姫」


日本映画史上、空前の大ヒットを記録した宮崎駿原作・脚本・監督のアニメーション映画。人を寄せ付けない深い神々の森と、鉄を作るタタラ場を主な舞台に、荒ぶる神々と人間の激しい戦いを通して、人間としての大切な核を失ってしまった現代人への強烈なメッセージを伝える。 (徳間書店・日本テレビ放送網・電通・スタジオジブリ)

優秀作品賞 「うなぎ」


心を閉ざした男が、唯一本音を語りかけるのは水槽の中のうなぎだけ。そんな寡黙な男の所に、自殺しかけた女が転がり込む・・・。静かな日常に投影される男の、女の、そして周囲の人々の心の動きが、きめ細やかな演出で描き出された作品。今村監督は、同作品で2度目のカンヌ映画祭最高賞であるパルム・ドールを受賞。 (ケイエスエス=衛星劇場=グルーヴコーポレーション)

優秀作品賞 「東京日和」


写真家・荒木経惟の同名のフォト・エッセイに題材を得た、竹中直人の監督第3作。写真家とその妻が二人で過ごした時間を描いた男と女の愛の物語。都内や柳川をロケしたノスタルジーあふれる映像と音楽が、心の奥深くにしみいってくる。愛するゆえの人間の寂しさが静かに伝わり、美しい余韻を残す。 (フジテレビジョン=バーニングプロダクション)

優秀作品賞 「誘拐」


森下直の95年度城戸賞受賞作の脚本を映画化。誘拐犯人からの3億円の身代金受け渡しをテレビ中継せよという前代未聞の要求に、ベテランと新米の刑事が解決に挑むヒューマン・サスペンス。謎解きの面白さと人間ドラマを巧みに織り交ぜ、ラストまで観客を引き込んだダイナミックなエンターテインメント。 (東宝映画)

優秀作品賞 「ラヂオの時間」


舞台・テレビドラマの脚本家として人気を博している三谷幸喜の初監督作品。全篇が深夜のラジオ局の中で展開される密室コメディ。ラジオドラマの生放送中に次々と起きるアクシデントを、多彩なキャラクターを登場させながら小気味のいいテンポで見せていく。三谷による舞台版の脚本を映画版にリライト。 (フジテレビジョン=東宝)
優秀監督賞
最優秀賞今村昌平(うなぎ)


人間の性を追求し続けてきた今村監督による「うなぎ」は、「黒い雨」以来の8年ぶりの新作である。第50回のカンヌ映画祭で「楢山節考」に続いて2度目のパルム・ドールを受賞したことは周知のこと。吉村昭の小説「闇にひらめく」を原作に、妻を殺した寡黙な男の心を中心に、周囲の人間も含めて人間の心の動きをていねいに追い、観客の心にひびく作品を作り上げた。(1926年 東京都)
優秀賞大河原孝夫(誘拐)


東宝のゴジラシリーズの監督として、その実力はよく知られていたが、今回は「誘拐」で初受賞を果たした。脚本の面白さを前代未聞の群衆ロケなどで十分に生かし切り、映画の醍醐味を味わえるスケールの大きな作品に仕上げた手腕は実にみごと。91年にオリジナル脚本「超少女REIKO」で監督デビューし、本作品は6本目の監督作品。これからの活躍が期待される監督の一人だ。1949年 東京都)
優秀賞竹中直人(東京日和)


監督としての受賞は「無能の人」「119」、そして今回の「東京日和」で3度目となる。同名のフォトエッセイをきっかけに、新しい物語を生み出し、一組の夫婦の過ごした時間とその時間を包んでいたものを、宝物のように大切に撮った。「映画作りはすべて皆との関係性によって決まる」が持論で、俳優、スタッフすべてにおいて会心の作品となった。 (1956年 神奈川県)
優秀賞三谷幸喜(ラヂオの時間)


初監督作品「ラヂオの時間」での初受賞。主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」での舞台版を基に、映画版の脚本も自ら手がけた。独特の視点から生まれる笑いのツボと、テンポの良い演出で、観客をおおいに楽しませてくれる上質のコメディに仕上げた。舞台、テレビドラマの人気脚本家として今をときめく存在だが、監督としての次回作にも大いに期待したい。 (1961年 東京都)
優秀賞森田芳光(失楽園)


一昨年は「(ハル)」で新しい恋愛の形を描いて話題を集めたが、昨年は流行語にまでなった「失楽園」を映画化し、みごと大ヒットに導いた。常に前作とは違うことにチャレンジする姿勢で、若手の多いスタッフの力を引き出し、まとめあげ、先行する話題に負けない作品を撮り上げたといえる。「家族ゲーム」「それから」の受賞から約10年、3度目の受賞である。(1950年 東京都)
優秀脚本賞
最優秀賞三谷幸喜(ラヂオの時間)


「古畑任三郎」「王様のレストラン」などテレビドラマで次々とヒットを飛ばす脚本家として活躍中。大の映画好きとしても知られているが、初めての監督・脚本に選んだのは、自身が主宰していた劇団で93年に上演した「ラヂオの時間」。舞台版にはなかったシーンやキャラクターをふんだんにもりこんで、スピード感あふれるコメディに仕上げ、観客をスクリーンに引き込んだ。(1961年 東京都)
優秀賞岩松了(東京日和)


長年舞台でコンビを組んでいる竹中直人の映画に、「東京日和」で初めて脚本を提供し初受賞となった。「喫茶店の片隅でゴソゴソ書きつづったものが、多くの人々の努力で映像となり、しかも、こうして賞までいただけるとは望外の喜びです。中山美穂さん、あなたがいたからこの本が書けました。友人でもある竹中監督に感謝。そしてこれからもお互いに頑張りましょう」。 (1952年 長崎県)
優秀賞筒井ともみ(失楽園)


第9回に「それから」で初受賞。今回3度目の受賞となった「失楽園」でも森田監督と組んでヒット作を生みだした。「不倫物を書きたかったのではありません。本然的なセックスをきっかけとして、ひとりの女が、遠くを見据えることのできる強靭な視線を獲得していくまでの過程を、ゆっくりと黄昏れゆく此の国の情景の中で描きたかったのですが──」。 (1948年 東京都)
優秀賞冨川元文/天願大介/今村昌平(うなぎ)


人間の心の動く様をていねいに描き込んだ「うなぎ」の脚本は、監督を中心に3人の手でつむぎ出された。代表して冨川さんは、「地味な作品なので賞をいただけるとは思いませんでした。私にとっては初めての映画で、今村監督と一緒に仕事できたことが一番嬉しい」と語ってくれた。<br>(1949年 愛知県)(1959年 東京都)(1926年 東京都)
優秀賞森下直(誘拐)


95年度城戸賞受賞作「誘拐」での初受賞。「まずは、監督、プロデューサーをはじめスタッフ、キャストの方々、また撮影にご協力いただいた全ての方々に。それから映画をご覧いただき面白かったと感じて下さったすべての方々、宣伝して下さった方々、応援して下さった方々に。最後に、友人、家族、親戚一同に。心より御礼申し上げます。ありがとうございました」。 (1964年 大阪府)
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞役所広司(うなぎ)


一昨年に続き、昨年も立て続けに話題作に出演。3度目の受賞は「うなぎ」と「失楽園」の2作品でのダブル受賞という結果になった。両作品では役柄は大きく異なるのだが、どちらも日常から一歩足を踏み出した所で普通の男がどう変わっていくのか、役柄の個性をしなやかに受け止めて、役者としての懐の深さを感じさせてくれた。昨年は受賞作の他に「CURE」でも主演。(長崎県出身)
優秀賞唐沢寿明(ラヂオの時間)


ミュージカルの舞台役者から、 92年の「おいしい結婚」でスクリーンデビューし、同年の新人賞に選ばれる。以後はテレビドラマ、CMなどで活躍し、幅広い役柄に意欲的に取り組んできた。「ラヂオの時間」では、やる気のないディレクター・工藤役を演じて初の主演男優賞を受賞。さわやかな風貌に人間味が加わり、演技の幅を広げている。 (東京都出身)
優秀賞竹中直人(東京日和)


自らの監督作品での受賞は「無能の人」「119」に続いて3度目になり、第15回以降は毎年のように授賞式の舞台に立つ。今回の「東京日和」で監督・俳優として新たな境地を切り開いた感がある。映画で演じた写真家・島津の妻への惜しみない愛情は、そのまま竹中のこの映画への愛情にもみえる。映画の他、舞台、音楽、著作でも活躍中。(神奈川県出身)
優秀賞長塚京三(瀬戸内ムーンライト・セレナーデ)


独特の個性と存在感を持つ俳優として、最近では特に若い女性を中心にファン層を広げている。初受賞となった「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」では、戦前のスタンダードな日本の父親を演じ、篠田監督をして「長塚君がいたからこの企画が成立した」と言わしめた。昨年は受賞作の他にも「恋と花火と観覧車」「東京夜曲」にも出演するなど、大活躍の年だった。(東京都出身)
優秀賞役所広司(失楽園)


一昨年に続き、昨年も立て続けに話題作に出演。3度目の受賞は「うなぎ」と「失楽園」の2作品でのダブル受賞という結果になった。両作品では役柄は大きく異なるのだが、どちらも日常から一歩足を踏み出した所で普通の男がどう変わっていくのか、役柄の個性をしなやかに受け止めて、役者としての懐の深さを感じさせてくれた。昨年は受賞作の他に「CURE」でも主演。 (長崎県出身)
優秀賞渡哲也(誘拐)


昨年「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」で久々に映画に復帰、初の助演男優賞に輝いた。今回の「誘拐」は実に21年振りの主演映画で、初の主演男優賞となった。誘拐事件の捜査を担当するベテラン刑事役、というとまさにハマリ役だが、脚本の面白さに引かれて役を引き受けたというだけあって、圧倒的な存在感で観客をスクリーンに引き込む熱演を見せた。(兵庫県出身)
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞黒木瞳(失楽園)


宝塚歌劇団を退団後、86年に「化身」で衝撃的な映画デビューを飾り、第10回の新人俳優賞を射止めた。それから約10年、再び渡辺淳一原作の「失楽園」でヒロインの凛子を演じ、初の受賞を果たした。小説の読者投票でもNO.1に選ばれ、その期待に応えるかのように、運命の男との出会いを通して変化していく女を繊細に、そして大胆に演じきった。(福岡県出身)
優秀賞清水美砂(うなぎ)


87年に「湘南爆走族」のヒロイン役で映画デビュー。以降、映画、テレビで活躍を続け、第14回の新人俳優賞、第16回「シコふんじゃった。」での助演女優賞と、着実に成長を遂げてきた。今回の受賞作「うなぎ」では、主人公の男が人間性を回復していくきっかけとなる女性を演じた。薄幸な女からコミカルな役までこなせる演技力と、女優としての華やかさを兼ね備えた実力派である。(東京都出身)
優秀賞鈴木京香(ラヂオの時間)


第18回に「119」で助演女優賞に輝き、今回は「ラヂオの時間」で初の主演女優賞を射止めた。自分の書いた脚本が採用され、ラジオドラマの本番に立ち会う主婦作家、というこれまでにない役柄で、新たな魅力を印象づけた。映画デビュー作は89年の「愛と平成の色男」。数々のテレビドラマなどでも活躍しながら、着実に演技の幅を広げてきている。 (宮城県出身)
優秀賞中山美穂(東京日和)


「東京日和」は彼女がいたからこそ撮れた、と監督・脚本家が口をそろえる。“そこにいるのにいないような存在感”を醸し出し、写真家の妻・ヨーコ役を大事に演じた。歌手としてデビュー以来、数多くの音楽賞を受賞。テレビドラマ、CMでも活躍し、好感度の高さでは群を抜いた存在だが、95年の「Love Letter」で女優としての魅力を開花。昨年は小説も発表している。(東京都出身)
優秀賞宮本信子(マルタイの女)


伊丹十三監督の女シリーズ第5弾「マルタイの女」の主人公・女優ビワコを熱演、主演女優賞としては7度目の受賞に輝いた。偶然に殺人事件を目撃し、証人として名乗りをあげたために警察に守られる“マルタイ”となった女優役は、自身が体験しているだけに説得力十分。劇中劇での多彩な演技でも見どころを作った。昨年の「スーパーの女」に続いての連続受賞である。(北海道出身)
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞西村雅彦(ラヂオの時間)


テレビドラマで人気に火がつき、いよいよ映画にも本格出演。初受賞が「マルタイの女」の刑事・立花役と「ラヂオの時間」の調子のいいプロデューサー・牛島役でのダブル受賞という、今ノリにのっている俳優。「ラヂオ」の三谷幸喜とは東京サンシャインボーイズからの付き合い。昨年は受賞作のほか「もののけ姫」の甲六の声、「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」にも出演している。(富山県出身)
優秀賞柄本明(うなぎ)


第6回「セーラー服と機関銃」「道頓堀川」などでの初受賞以来、久しぶりの登場である。受賞作「うなぎ」では、役所演じる主人公と刑務所で一緒だった清掃夫として登場。後半の展開の重要な鍵を握るキーパーソンを好演した。自由劇場を経て劇団東京乾電池を結成し、舞台・映画をはじめ、テレビドラマ、CMなどで幅広い演技力と個性を発揮している。(東京都出身)
優秀賞寺尾聰(失楽園)


話題作「失楽園」で、役所演じる久木の大学時代からの親友・衣川を演じた。愛に走る久木とは対照的な存在として描かれた人物を、自然体で好演。初受賞の栄誉に輝いた。映画出演は85年「乱」以降黒澤明作品では重要な役どころを演じている。93年「まあだだよ」では出演のほかにナレーションも担当した。俳優だけでなく歌手としても活躍、数々のヒット曲を持っている。(神奈川県出身)
優秀賞永瀬正敏(誘拐)


昨年の「学校Ⅱ」では初の教師役を演じ、今年は「誘拐」で初の刑事役に挑んで、連続受賞となった。前代未聞の身代金受け渡し要求に応じながら誘拐事件の解決にのりだす若手刑事・藤。コンビを組むベテラン刑事役の渡に見劣りしない、見ごたえのある男ぶりを見せてくれた。助演男優賞と新人俳優賞をダブル受賞した第15回の「息子」のほか、海外作品でも活躍する若手実力派俳優。(宮崎県出身)
優秀賞西村雅彦(マルタイの女)


テレビドラマで人気に火がつき、いよいよ映画にも本格出演。初受賞が「マルタイの女」の刑事・立花役と「ラヂオの時間」の調子のいいプロデューサー・牛島役でのダブル受賞という、今ノリにのっている俳優。「ラヂオ」の三谷幸喜とは東京サンシャインボーイズからの付き合い。昨年は受賞作のほか「もののけ姫」の甲六の声、「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」にも出演している。(富山県出身)
優秀賞萩原聖人(CURE)


普通の人々の中に潜む心の闇を描いた黒沢清監督の「CURE キュア」で、謎の放浪者・間宮役を演じ、つかみどころのない不気味な存在感を醸し出した。第17回に新人俳優賞・話題賞を受賞し、第19回に「マークスの山」で助演男優賞を獲得。映画のほか舞台でも活躍するなど、精悍な風貌の奥に演技への情熱を秘めた若手実力派として、今後も期待される存在。(神奈川県出身)
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞倍賞美津子(うなぎ)


「復讐するは我にあり」ほか今村作品には欠かせない存在。助演としては3度目の受賞作「うなぎ」では、保護司・中島の奥さん役を演じ、穏やかななかにもどこか芯のある女性という雰囲気を醸し出していた。昨年は「東京夜曲」にも出演している。第9回に「恋文」などで最優秀主演女優賞。今年も主演作が2本公開されるなど、ファンにとっては引き続き嬉しい年になりそうだ。(東京都出身)
優秀賞市原悦子(うなぎ)


57年に文学座に入り、同年「雪国」で映画デビュー。第13回に「黒い雨」で助演女優賞を初受賞、2度目となる今回も今村監督の「うなぎ」での受賞となった。清水美砂演じる桂子に暗い影を落とす母親役で、物語に起伏をもたせた。テレビドラマシリーズでも活躍しており、最近は若者の間でも人気が急上昇。高貴な女性から汚れ役まで幅広い役をこなす演技力が高く評価されている。(千葉県出身)
優秀賞酒井美紀(誘拐)


93年に「永遠に好きと言えない」で歌手デビュー。95年「Love Letter」「ひめゆりの塔」での好演が話題を呼び、第19回新人俳優賞に輝いた。その後テレビドラマやCMでも人気を博している。「誘拐」の米崎マヨ役は、明るい現代っ子だが、主役の渡演じる刑事の人間的な魅力を浮き彫りにする重要な役どころだ。男っぽいドラマのなかで、その存在感がひときわ光った。 (静岡県出身)
優秀賞戸田恵子(ラヂオの時間)


人気アニメ「アンパンマン」の声を筆頭にアニメ・洋画の吹き替えなどで声優として活躍。舞台でもミュージカルを中心に活動し、紀ノ国屋演劇賞を受賞した実績をもつ。今回「ラヂオの時間」で演じた千本のっこ役もラジオドラマの声優、というハマリ役で初受賞。生き生きとしたわがままぶりが強烈な印象を残した。昨年は三谷脚本のテレビドラマ「総理と呼ばないで」にも出演。 (愛知県出身)
優秀賞星野知子(失楽園)


80年にテレビドラマ「なっちゃんの写真館」で注目を集め、その後テレビを中心に活躍。82年~86年には「ミュージックフェア」の司会を務めた。今回「失楽園」で主人公・久木の妻を演じてみごと初受賞に輝いた。夫の行動に思い悩みながらも、平穏な家庭をあきらめ夫婦関係を精算しようと決意する現代的な女性像が、鮮烈な印象を残した。 (新潟県出身)
優秀音楽賞
最優秀賞大貫妙子(東京日和)


大学生の頃から大ファンだったという竹中監督の強い要望で、初めての映画音楽に挑戦。音楽と映像がさりげなく結び付いた「東京日和」で初受賞に輝いた。映画のサウンドトラックは、昨年リリースしたアルバム『LUCY』をプロデュースした坂本龍一の参加を得て、ニューヨークでレコーディング。歌手としてのソロ活動の他、雑誌に紀行文を発表するなど文筆活動でも活躍中。(1953年 東京都)
優秀賞池辺晋一郎(うなぎ)


過去6度の受賞のうち3度最優秀賞に輝いている。「台本を読んだ時から僕の頭の中で“口琴”のベンベンという音が鳴っていました。“演出の心”に入っていくのは楽しい仕事ですが、何本も体験した今村監督作品ではとりわけそうです。『うなぎ』は格別でした。受賞、嬉しいです。監督はじめ『うなぎ』チームの皆さん、ありがとうございます」と受賞の喜びの声を寄せてくれた。(1943年 茨城県)
優秀賞大島ミチル(失楽園)


「失楽園」での初受賞。「今回の受賞を心から嬉しく思っております。美しい作品と出会い、そして才能豊かな監督やスタッフに恵まれ、本当に素晴らしい経験をさせていただきました。大変感謝しております。これからも新しい音楽のスタイルを積極的に取り入れながら、シンプルで美しく、且つ大胆な音楽創りを心がけていきたいと思います」と受賞の感想を寄せてくれた。 (1961年 長崎県)
優秀賞服部隆之(誘拐)


2度目の受賞は「誘拐」「ラヂオの時間」でのダブル受賞となった。「映画音楽という大好きな仕事において、優秀賞をいただきましたことを大変嬉しく思っております。学生時代に映画を観てその音楽に感動し、体内の血がカーッと燃えたぎる程の幸福感にも似たあの熱い思いを忘れずに、いつまでも映画と係わることができたら本望です」と映画への思いを寄せてくれた。(1965年 東京都)
優秀賞服部隆之(ラヂオの時間)


2度目の受賞は「誘拐」「ラヂオの時間」でのダブル受賞となった。「映画音楽という大好きな仕事において、優秀賞をいただきましたことを大変嬉しく思っております。学生時代に映画を観てその音楽に感動し、体内の血がカーッと燃えたぎる程の幸福感にも似たあの熱い思いを忘れずに、いつまでも映画と係わることができたら本望です」と映画への思いを寄せてくれた。(1965年 東京都)
優秀賞本多俊之(マルタイの女)


日本を代表するサックス奏者として国内外で活動を続ける一方で、テレビのニュースやドラマのテーマ曲、映画音楽の作・編曲家としても幅広く活躍中。今回の「マルタイの女」は伊丹十三監督作品での5度目の受賞作となった。作品のテーマや持ち味を巧みに表現し、且つ時代を鋭敏にとらえる独自の音楽センスには定評があり、高く評価されている。(1957年 東京都)
優秀撮影賞
最優秀賞木村大作(誘拐)


過去12回の受賞歴が物語るように、大作・話題作には欠かせない日本映画界が誇るベテランの一人である。「誘拐」ではその経験を生かしてさらに新たな境地を開いた。「まず、スタッフに感謝。そして、スタッフが大撮影と言っている銀座・新宿など都内のロケで、私の仲間35人のキャメラマンがボランティアで参加してくれた。どうもありがとう。」(1939年 東京都)
優秀賞小松原茂(うなぎ)


今村監督の「うなぎ」で、みごと初受賞を果たした。「この度は優秀撮影賞をいただきありがとうございます。忘れもしない一昨年4月、桜の実景からクランクインしたのですが、その日以来神経性の胃炎になり、クランクアップで終わりを告げたはずでした。が、『うなぎ』を観る度、やはりというか、当然というか胃炎がぶり返します。この賞を薬にして胃炎を治そうと思います。」(1949年 福岡県)
優秀賞佐々木原保志(東京日和)


第18回「RANPO」に続き「東京日和」で2度目の受賞。「私も仲間たちも、誉められるのもけなされるのも両方ほどほどに好きですが、無視されるのを極度に恐れる普通の者どもです。体調の良い時はいくらけなされても平気ですが、悪い時は誉められないと良い仕事ができない軟弱者でもあります。この度は心身共に弱体の私達にすばらしい良薬をいただきありがとうございました。」(1950年 北海道)
優秀賞高瀬比呂志(失楽園)


「(ハル)」に続く森田監督作品となった「失楽園」で初受賞。「大変栄誉ある賞を受賞でき、嬉しく思います。ありがとうございます。これからもこの賞に恥じることのないよう、日本映画の撮影者として、映画を観ていただくお客さまに楽しんでいただけるような作品を撮り続けられるように、日々努力していきたいと思います」と受賞の感想を寄せてくれた。 (1955年 東京都)
優秀賞高間賢治(ラヂオの時間)


大自然のなかで繰り広げられるドラマの撮影に定評がある。今回は密室コメディー「ラヂオの時間」で初受賞を果たした。「これまで公式の賞には縁がなく、権威ある賞をいただき本当に嬉しいです。同業者の方々に選んでいただいたこと、そして自然を撮った映画ではないことでビックリもしています。やっぱり話が面白かったからでしょうか」と驚きと喜びが入り交じったコメント。 (1949年 東京都)
優秀照明賞
最優秀賞望月英樹(誘拐)


第4回に「復活の日」で初受賞以後、今回「誘拐」で6度目の受賞となった。久しぶりの受賞に、「やっぱり嬉しいものですね。ふだんどおりのライティングを心がけましたが、都内での追跡シーンは照明隊も全員参加でサポートにまわったり、そういう意味でも思い出に残る作品になりました。いつも精一杯の姿勢で仕事にのぞんでいきたいと思っています」と語ってくれた。(1937年 東京都)
優秀賞岩木保夫(うなぎ)


「復讐するは我にあり」「黒い雨」で最優秀賞に輝くなど今村作品には欠かせないベテラン。今回の「うなぎ」で6度目の受賞となった。「5千人の方が投票されるなかで5人に選ばれるのは、本当に嬉しく、これからももっと頑張ろうというエネルギーになります。撮影の小松原さんとは初めてでしたが、若い人が出てくることも嬉しいことです」と語ってくれた。(1927年 兵庫県)
優秀賞安河内央之(東京日和)


「夜叉」「RAMPO」そして今回は「東京日和」で3度目の受賞。「荒木経惟さんのマンションと広いベランダ、その向こうに広がる街並がセットに組み込まれた撮影で、遠景はミニチュア、さらに遠くは書き割り。これを限りある時間の中でリアルに見せるのに苦労しました。今回の受賞は大変嬉しいです。晴れがましい機会を与えていただき、竹中監督に感謝いたします。」 (1946年 東京都)
優秀賞小野晃(失楽園)


「失楽園」での仕事が評価されての初受賞に、喜びのコメントを寄せてくれた。「今回の受賞を大変嬉しく思っております。これもスタッフ全員の協力があったからだと思い、感謝の気持ちでいっぱいです。特に照明スタッフには頭が下がる思いです。これを励みに、またいい仕事をしていきたいと思います。皆さん、ありがとうございました。」 (1960年 北海道)
優秀賞上保正道(ラヂオの時間)


ラジオ局のスタジオ内で進行するコメディ映画「ラヂオの時間」での初受賞。「撮影中はスタッフ、キャスト共々、素になって爆笑してしまうことが度々あって、とても楽しい作品でした。ふだんから無茶な生活をしがちで女房・子供にずいぶん迷惑をかけていると思いますが、好きな仕事をして賞までいただけてとても嬉しいです」と受賞のコメントを寄せてくれた。(1951年 東京都)
優秀美術賞
最優秀賞池谷仙克(瀬戸内ムーンライト・セレナーデ)


戦後の風景をきめ細やかなテクニックで再現した「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」で、3度目の受賞。「今の日本で、戦後の風景を再現するのがいかにむずかしいか、この映画の製作を通して強く感じました。あの時代のことを知っている方に、懐かしいと感じてもらえたら嬉しいです」と語ってくれた。第19回には「写楽」で最優秀賞を受賞。(1940年 東京都)
優秀賞稲垣尚夫(うなぎ)


第13回に「黒い雨」で初受賞以来、2度目の受賞となるが、今回の「うなぎ」でも今村監督の期待に応えている。「栄えある賞をいただき、心から嬉しく思います。この悦びを苦楽を共にしてきた仲間や弟子たちと分かち合いたいと思います。『うなぎ』という映画のために心をこめて頑張った手作りの美術が評価されたことに大きな喜びを感じます。」 (1956年 東京都)
優秀賞小澤秀高(失楽園)


観客の心をとらえる美しいシーンを数々残した「失楽園」で初受賞に輝いた。「雪降り続き、滝の飛沫は悠久に舞い続き“時”だけが静かに流れてゆきます。スクリーンの内で演じられる人々の昂揚・沈黙・対峙。その制作の裏で淡々と刻み続けられる静かな“時”の音を、映像から感じていただければ幸いです」と作品を振り返ってくれた。(1951年 長野県)
優秀賞中澤克巳(東京日和)


「家族ゲーム」「病院へ行こう!」など常に新しさを感じさせてくれる作品を数多く手がけ、第19回に「学校の怪談」で初受賞。今回は竹中監督と初めて組んだ「東京日和」で2度目の受賞。「映画の中で美術が前面に出ていくのではなく、自然にバックグラウンドにあればいいなと思っていたので、トータルにいい作品に仕上がったことが一番嬉しい」と語ってくれた。 (1954年 京都府)
優秀賞部谷京子(誘拐)


「『誘拐』の製作に関われたことは、一映画人として大変貴重な体験でした。毎週繰り返される前代未聞の都心での撮影では、ハラハラドキドキしながら、エキストラの班長を務めたりもしました。セットでは重役室を最大限に生かして下さった監督と木村、望月両氏に感謝しています。」昨年の最優秀賞に続き、今回で 3度目の受賞。柔軟な感性と実力に、これからも注目したい。(1954年 広島県)
優秀録音賞
最優秀賞瀬川徹夫(ラヂオの時間)


第19回「写楽」で最優秀賞、今回「ラヂオの時間」で3度目の受賞となる。「映画の芝居とラジオドラマの芝居と2本立てで進行するドラマを同時録音でやったので、監督とはよくディスカッションしました。僕にとってはとても楽しい仕事でした。日本映画には良質のライトコメディが少ないので、三谷さんにはどんどん映画を発表してもらえたらいいなと思います」と語ってくれた。(1943年 岩手県)
優秀賞北村峰晴(東京日和)


竹中監督との作品では3本目にあたる「東京日和」で初受賞を果たした。「スタッフが全員で賞をいただけたことが、本当に嬉しいです。今回は音楽が早目にできあがってきて、現場で繰り返し音楽を流しながら撮影することがよくありました。音楽からシーンのイメージをふくらませながら仕事をしたことが印象に残っています」と撮影時を振り返りながら受賞の喜びを語ってくれた。(1951年 北海道)
優秀賞斉藤禎一(誘拐)


第18回「四十七人の刺客」で最優秀賞をはじめ過去4度の受賞に輝くベテラン。今回は「誘拐」で昨年に続いての受賞となった。「大変光栄に思っています。監督はじめ、俳優、スタッフの方々のおかげです。今回は都会のど真ん中での撮影で、これまでにない貴重な経験をさせてもらいました。ありがとうございました」と、緊張感あふれる撮影時を振り返ってくれた。 (1941年 千葉県)
優秀賞橋本文雄(失楽園)


過去3度の最優秀賞を受賞、日本を代表する録音マンの一人である。今回は「失楽園」で6度目の受賞となった。「50年以上映画の録音に携わってきましたが、今回の受賞を契機に、心新たにまたやっていきたいと思います」とコメントを寄せてくれた。確かな技術と豊富な経験を、これからの日本映画にさらに生かしてもらいたい技術者である。 (1928年 京都府)
優秀賞紅谷愃一(うなぎ)


今村監督作品の「楢山節考」「黒い雨」を含めて過去12回の受賞に輝く。リアルな音作りへの評価が高いベテランである。今回の受賞作「うなぎ」を振り返って、「条件の厳しいオールロケーションの作品であったが、ひたすら現場の臨場感を大事にしながらミックスしたつもりです。それを評価されて大変嬉しく、光栄です」とコメント。 (1931年 京都府)
優秀編集賞
最優秀賞長田千鶴子(誘拐)


第18回から4年連続、今回の「誘拐」が6度目の受賞となるベテラン編集者。「長年編集の仕事をしていますが、これだけ膨大なフィルムの山の中で過ごしたのは初めてではないでしょうか。苦しみも楽しみもそれだけに多く、編集者冥利に尽きる仕事をさせていただきました。スタッフ全員の努力の成果として、共に喜びを分かち合いたいと思います」と語ってくれた。(1942年 福岡県)
優秀賞阿部浩英(ラヂオの時間)


「ラヂオの時間」で2度目の受賞。「初めてアビット編集を取り入れ、現場の方には苦労をかけましたが、僕自身はいい経験をさせていただきました。また、 2台のカメラで撮影されたフィルムをカットバックを多用しながらうまくつなぐのに苦心しました。同世代の監督と一緒の仕事もこれまでほとんどなかったので、それも大いに刺激的でした。それが賞につながったことが嬉しいです。」(1960年 秋田県)
優秀賞岡安肇(うなぎ)


「うなぎ」での受賞は、第13回の「黒い雨」以来の2度目の受賞となる。「ありがとうございます。今回の受賞は一味違い、喜びもひとしおです。カンヌ国際映画祭でのパルム・ドールは、今村監督にとっては『楢山節考』に続き2度目の受賞となり、この2作品共を編集できたことは光栄至極です。今回の受賞に恥じぬよう今後も精進する覚悟です。」 (1936年 東京都)
優秀賞奥原好幸(東京日和)


第15回に「無能の人」で初受賞し、その後「月はどっちに出ている」「119」、そして今回の「東京日和」で4度目の受賞に輝いた。「これまで竹中組での技術パートの受賞はいつも私一人だけでした。竹中組は非常にアットホームなチームなので、今回は皆と一緒に受賞できてとても嬉しいです」と、スタッフ全員での受賞の喜びを語ってくれた。(1954年 長野県)
優秀賞田中愼二(失楽園)


森田監督作品では「(ハル)」に続く2作目にあたる「失楽園」での初受賞。「大きな話題になる作品で、私をはじめ若いスタッフを使ってくださった森田監督に感謝しています。この作品を手がけられたことを嬉しく思っている上に、賞までいただいて本当にありがとうございます」と弾んだ声で喜びを語ってくれた。これからの活躍を期待したい若手編集者の一人である。 (1958年 山口県)
優秀外国作品賞
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最優秀賞タイタニック


東京国際映画祭でのワールド・プレミアの記憶も新しい話題作。最新のSFX技術を投入した臨場感あふれる映像、悲劇のなかで燃え上がるラブストーリー、そして主演は今をときめくレオナルド・ディカプリオという、文句なく映画の世界を堪能できる超娯楽大作だ。監督は「ターミネーター2」のジェームズ・キャメロン。 (FOX)
優秀賞イングリッシュ・ペイシェント


マイケル・オンダーチェの原作「イギリス人の患者」を「最高の恋人」のアンソニー・ミンゲラ監督が映画化。事故で重傷を負い記憶を失った主人公と彼を看護する看護婦との出会いから始まるドラマは、二人それぞれの愛の物語を叙情豊かに描いていく。公開と同時に世界中を愛の渦に巻き込んだ大人のラブストーリー。 (松竹富士)
優秀賞エアフォース・ワン


合衆国大統領専用機エアフォース・ワンがテロリストに制圧され、大統領は国家の正義と家族への愛を賭けて、一人テロリストに立ち向かう。強さと知性を兼ね備えた大統領役のハリソン・フォード、狂信的なテロリスト役のゲイリー・オールドマンが緊迫感に満ちた演技を披露。監督は「Uボート」のウォルフガング・ペーターゼン。 (ブエナ ビスタ)
優秀賞Shine/シャイン


現在も演奏活動を続ける天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴッドの半生を描いた作品。オーストラリア出身のスコット・ヒックス監督による初の劇場長編映画だ。全篇にあふれる音楽への、そして人間への“無償の愛”と、不器用だが希望を捨てずに生きる天才の前向きな姿勢が、観客の心をとらえた。(KUZUIエンタープライズ)
優秀賞セブン・イヤーズ・イン・チベット


若き日のダライ・ラマと実在の登山家ハインリヒ・ハラーとの魂の交流が、素晴しい自然と共に綴られた一大叙事詩。人間性を再生していく登山家を演じたブラッド・ピットの魅力もさることながら、ダライ・ラマ役の少年のピュアさが心に残る。監督は「薔薇の名前」のジャン・ジャック・アノー。 (松竹富士=ヘラルド)
新人俳優賞
優秀賞岡田義徳(ときめきメモリアル/現代仁侠伝)


93年「浅草橋ヤング洋品店」の素人 BIGIモデルとして注目をあび、同年テレビドラマで本格デビュー。95年「渚のシンドバッド」でスクリーンに登場。昨年は人気ゲームソフトから誕生した「ときめきメモリアル」で主演、降旗康男監督の「現代仁侠伝」にも出演し、その演技が認められた。今年も主演作が公開されるなど、映画への意欲をみせる注目の新人。 (岐阜県出身)
優秀賞上川隆也(東京夜曲)


劇団キャラメルボックスの看板役者として活躍する一方、「大地の子」主演以降テレビドラマへの出演が続き、実力派の印象を広めていった。昨年は「東京夜曲」で映画デビューを果たす。倍賞美津子演じる人妻に秘かに思いを寄せる青年・朝倉を好演し、市川準監督の期待に応えた。スクリーンでの今後の活躍がますます楽しみな俳優の一人である。 (東京都出身)
優秀賞つんく(シャ乱Qの演歌の花道)


「シングルベッド」「いいわけ」など数多くのヒット曲を飛ばし続けている大阪出身のバンド「シャ乱Q」のボーカリスト。「シャ乱Qの演歌の花道」でメンバーとともに映画初主演し、芸達者ぶりを見せつけた。演歌を特に意識しないで、演技も歌も楽しめたと言う。谷川賢作とともに音楽も担当し、オリジナルサウンドトラックを出している。(大阪府出身)
優秀賞木村佳乃(失楽園)


話題作「失楽園」の役所広司の娘役でスクリーンに初登場。父と母を冷静に見つめる裏で、複雑に揺れ動く心を表現した。テレビドラマ「元気をあげる~救命救医物語~」で主役デビュー後、さまざまな役柄に挑戦し、その度ごとに女優としての魅力を印象づけている。テレビドラマ、CMなどでファン層を広げており、今年もますます活躍しそうな新人の一人である。(東京都出身)
優秀賞西田尚美(ひみつの花園/学校の怪談3)


93年のテレビドラマ「俺たちのオーレ!」がデビュー作。インディーズ系の監督として期待されている矢口史靖の「ひみつの花園」で、バイタリティあふれる主人公・鈴木咲子役を熱演。スクリーンから飛び出してくるような弾けた魅力と体当たりの演技で、新人賞を射止めた。昨年は「学校の怪談3」にも主演のほか、テレビドラマ、コマーシャルでも活躍中。(広島県出身)
優秀賞広末涼子(20世紀ノスタルジア)


原将人監督初の劇場用長編映画「20世紀ノスタルジア」で、主役の杏を演じた。映画がクランクインした頃は、まだ無名の存在だったが、撮影が中断している間にCMやドラマで人気がブレイク。彼女の原点ともいえる魅力がスクリーンに焼きつけられている。昨年は竹内まりやプロデュースによるCDも発売され、歌手としてのデビューも果たした。(高知県出身)
優秀賞吉川ひなの(瀬戸内ムーンライト・セレナーデ/デボラがライバル)


13才で伊勢丹のポスターでデビュー。モデル、テレビドラマ、CM、そして歌手と、活躍の場を広げてきた。抜群のスタイルと天真爛漫な個性で、ティーンを中心に人気を集めている。昨年は「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」に出演、「デボラがライバル」では主役を演じて、スクリーンのなかで新たな魅力の一面を開花させた。不思議な存在感に注目していきたい。 (東京都出身)
会長功労賞
優秀賞徳間康快


平成9年、高い芸術性と娯楽性が結実した劇場用アニメ作品「もののけ姫」の製作、総指揮にあたられ、多くの人々に深い感動を呼び起こし、日本国内での映画動員の最高を記録する快挙を成し遂げられました。永年にわたる映画への情熱と、その成果に、尊敬と賞賛をこめて称えたいと思います。
会長特別賞
優秀賞勝新太郎


1954年に大映入社、同年「花の白虎隊」で映画デビュー。「不知火検校」('60)の悪役で注目を浴び、「座頭市物語」('62)では大映の看板スターに。盲目の居合い斬りの使い手を演じた「座頭市」シリーズは一世を風靡する当たり役となった。一方の人気シリーズ「兵隊やくざ」等でも大物スターとして活躍しつつ、'67年には勝プロダクションを起こし、監督等でも特異な才能を発揮した。
優秀賞杉村春子


新劇女優への夢を抱いて上京、1927年に築地小劇場・築地座に入団。'37年には久保田万太郎らが創立した文学座に参加。'45年に新劇の代表的舞台「女の一生」の初演で主役の布引けいを演じた。以後、上演回数は947回に及ぶ大記録を持つ。舞台のみならず、映画、テレビにも多数出演、数々の名演を残した。生涯現役を貫き通した稀有の大女優。永年に亘る貢献で'74年には文化功労者に選ばれた。
優秀賞田中友幸


映画「ゴジラ」シリーズ生みの親として知られる名プロデューサー。1940年、東宝映画に入社。 '44年にプロデューサーとなり、 '54年には自らが命名した怪獣映画「ゴジラ」を製作。以後 '94年まで「ゴジラ」シリーズ全22作をプロデュースした一方、「赤ひげ」「影武者」などの黒澤明作品、「日本沈没」、「八甲田山」などを含め、実に 222本を数える作品を手がけた。'81年には勲三等瑞宝章を受章。
優秀賞西村晃


日大芸術学科在学中に国民新劇場「江戸城総攻」('43)で舞台デビュー。特攻隊員として終戦を迎え、'51年に「風雪二十年」で映画デビューして以後、名バイプレーヤーとして数々の作品に出演。'89年から9年間、二代目黄門様役としてテレビドラマ「水戸黄門」に主演。'87年には勲四等旭日小授章を受章。好人物から悪役まで実に幅広い芸域を持つ大ベテラン俳優として親しまれた。
優秀賞三船敏郎


東宝ニューフェイス第一期生となり、1947年「銀嶺の果て」で映画デビュー。「酔いどれ天使」('48)から「赤ひげ」('64)まで巨匠黒澤明監督と強力コンビを組んだ16本もの名作傑作をはじめ数々の映画を世に送り、世界のミフネとして名声を馳せた。「用心棒」と「赤ひげ」でベネチア映画祭主演男優賞を受賞、外国映画出演も14本を数える。豪快な演技で世界を魅了した戦後最大の男優である。
優秀賞萬屋錦之介


歌舞伎俳優、三世中村時蔵の四男として生まれ、四歳の時、東京・歌舞伎座で初舞台を踏む。'54年に映画界入りして「ひよどり草紙」でデビュー。「笛吹童子」「紅孔雀」でトップスターとなる。以後、「織田信長」('56)、「一心太助」('58)、「反逆児」('61)、「宮本武蔵」('61~'65)、「武士道残酷物語」('63)など数々の時代劇傑作に主演、賞賛を浴びる。芸歴60年を誇る戦後最大の時代劇スターだった。
協会特別賞
優秀賞角川歴彦


平成9年度公開された上記3作品は観客動員に於て多大な成績をあげ、日本映画復興の大いなる原動力となりました。これらの作品を企画、製作された着眼点と、素晴らしい実行力に敬意を表して栄誉を称えたいと思います。
優秀賞佛田洋をはじめとする特殊映像技術スタッフ


実写フィルムとCG画像とのデジタル合成技術を駆使し、新しい映像表現の可能性を大きく拡げ、チームワークによるベストの成果を発揮した。「北京原人Who are you ?」の特殊映像技術チームの功績を顕彰します
優秀賞米良美一


国際的カウンター・テナーの第一人者として、「もののけ姫」の主題歌にその卓越した歌唱を見事に結実。秀でた芸術性のもと幅広く大衆から支持を獲得、主題歌として成功しただけでなく、映画の記録的興行に大きく貢献したことに対し初の主題歌賞としてその栄誉を称えたいと思います。
話題賞

作品部門:「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」


俳優部門:西村雅彦(「ラヂオの時間」)