第35回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2012(平成24)年3月2日(金)
場所: 新高輪プリンスホテル 国際館パミール崑崙
司会: 関根勤/深津絵里

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞

最優秀作品賞 「八日目の蟬」


【受賞コメント】
夢を見てるみたいです。映画を作っていたときは、こんな9日目を迎えられるとは思ってもみなかったので、本当に夢の中にいるみたいです。(成島監督)
何よりも欲しかった賞なので嬉しいです。何度も成島監督から逃げたいと思いました。逃げずに付いて行って良かったです。(井上真央)
観てくださった方に、本当にありがとうございます。そして小豆島の風景を皆さんに観てもらえてよかったと思います。(永作博美)
【作品情報】
喪失感から不倫相手の赤ちゃんを誘拐した女・希和子と希和子を母と信じて育った恵理菜。成長し身籠った恵里菜は希和子の軌跡を辿るうちに、初めて自分自身、そして決して再会することのない希和子と向き合う。風光明媚な瀬戸内海の小豆島で過去と現在を交錯しながら、誰にも伝えられなかったそれぞれの心のひだが、力強く豊かに描かれた女性映画の傑作。報知映画賞で作品賞、キネマ旬報主演女優賞、エランドール賞プロデューサー賞など、今年度の映画賞を席巻した。今回の日本アカデミー賞では、11部門において12賞(助演女優賞は2人)の優秀賞と新人俳優賞を受賞。

監督:成島 出 脚本: 奥寺佐渡子
製作:日活/松竹/アミューズソフトエンタテインメント/博報堂DYメディアパートナーズ/ソニー・ミュージック エンタテインメント/Yahoo! JAPAN/読売新聞/中央公論新社
(製作)セディックインターナショナル/パパドゥ/関西テレビ放送/講談社/TOKYO FM/KИHO

優秀作品賞 「大鹿村騒動記」


【作品情報】
原田芳雄が「自らの原点を確認するためにどうしてもやっておきたい」と切望し、映画化が実現。“日本で最も美しい”と言われる長野県の大鹿村で300年以上受け継がれてきた実在の村歌舞伎を背景に滑稽でほろ苦く、人間味溢れる群像劇が描かれる。タイトなスケジュールのもと、キャスト・スタッフが一丸となって創り上げた本作は原田芳雄の遺作となった。ヨコハマ映画祭で最優秀主演男優賞、キネマ旬報で主演男優賞と脚本賞を受賞し、エランドール賞プロデューサー奨励賞も受賞している。 今回の日本アカデミー賞では8部門で優秀賞を受賞。

監督:阪本順治 脚本:荒井晴彦、阪本順治
製作:セディックインターナショナル/パパドゥ/関西テレビ放送/講談社/TOKYO FM/KNHO

優秀作品賞 「最後の忠臣蔵」


【作品情報】
主君の命が絶対だった時代、忠誠を誓うということの過酷さと壮絶さを国民的人気ドラマ『北の国から』(CX)の杉田成道が描く。原作は、心ならずも生き残った2人の浪士の生き様を通し、忠義という名の気高く美しい愛を描く池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」。ワーナー ブラザースが屈指のスタッフ・キャストを終結し、日本の魂とも言われる赤穂浪士の討入りという史実に真っ向から取り組み、ローカルプロダクション第一作として製作した。今回の日本アカデミー賞では、11部門の優秀賞と新人俳優賞を受賞。

監督:杉田成道 脚本:田中陽造
製作:ワーナー・ブラザース映画/電通/角川映画/日本映画衛星放送/レッド・エンタテインメント/角川書店/Yahoo! JAPAN

優秀作品賞 「ステキな金縛り」


【作品情報】
殺人事件の証人は、落ち武者の幽霊。弁護を担当することになったのは、失敗続きで後がない三流弁護士・エミ。10年以上この奇想天外な構想を温め続け、三谷にとって監督5作品目にして実現したという渾身の作品。これまでにはない積極的なカット割りやCG合成などの新しい手法を取り入れ、“法廷”という特殊な設定を絶好の舞台に、映画愛溢れる新たな三谷ワールドが生まれた。今回のアカデミー賞では、10部門で優秀賞を受賞。

監督:三谷幸喜 脚本:三谷幸喜 
製作:フジテレビ/東宝

優秀作品賞 「探偵はBARにいる」


【作品情報】
アジア最北の歓楽街、札幌・ススキノ。酒好きで女に弱いが、依頼人は最後まで守り抜く探偵“俺”の活躍を描く。札幌市出身の気鋭のミステリー作家・東直己の人気シリーズをプロデューサーが16年の構想期間を経て映画化。大泉洋と相棒の松田龍平の予測不能なコンビネーションが本作の肝となり、かつてのプログラムピクチャーを彷彿させる醍醐味ある娯楽性で、興行ランキング初登場で首位となり、早々にシリーズ第2弾の製作を発表した。今回の日本アカデミー賞では、7部門で優秀賞を受賞。

監督:橋本 一 脚本:古沢良太 須藤泰司
製作:東映/テレビ朝日/木下グループ/東映ビデオ/アミューズ/クリエイティブオフィスキュー/東映チャンネル/北海道新聞社/北海道テレビ/メ~テレ/朝日放送/広島ホームテレビ/九州朝日放送
優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞

最優秀アニメーション作品賞 「コクリコ坂から」


【受賞コメント】
今日はこのような賞をいただきまして本当にありがとうございます。これを渡してくれたのが同じスタジオの米林宏昌監督であること、そしてこのステージに(長澤)まさみちゃんと立てたことを大変嬉しく思います。アニメーションは本当にたくさんの人の手を経て完成しますので、今日はその大勢のみんなを代表して受け取ったと思います。それから、この映画を見てくださった大勢の観客の皆さんに心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。(宮崎吾朗監督)
【作品情報】
80年雑誌「なかよし」(講談社)に掲載された漫画を原作とし「ゲド戦記」(06)の宮崎吾朗が演出。企画の宮崎駿は、舞台を63年、東京オリンピックの前年の横浜、海の見える坂道の上にある下宿屋コクリコ荘と設定した。いつの時代も普遍にある初めて恋をする少女の初々しい姿を描き、高度経済成長の日本を懐かしく思う世代を含める老若男女の観客層を集め、昨年のアニメ作品および邦画作品NO,1ヒット作となった。トロント国際映画祭で招待作品として上映された。

監督:宮崎吾朗 脚本:宮崎 駿 丹羽圭子
製作:スタジオジブリ/日本テレビ放送網/電通/博報堂DYメディアパートナーズ/ウォルト・ディズニー・ジャパン/ディーライツ/東宝

優秀アニメーション作品賞 「映画「けいおん!」」


【作品情報】
女子校の軽音部員5人の日常を描いた単行本1〜4巻で累計250万部を売り上げた4コマ漫画が原作。このアニメ版が、TVの深夜枠で放送(TBS)され、最終回放送週の公式Webサイトへのアクセス数が234万にもおよぶヒット作となった。映画版では、高校卒業間近の冬から春に移り変わる季節が描かれ、ロンドンへの卒業旅行で新しい体験をし、5人はさらに絆を深めていく。実写さながらの女子高生の日常描写が、同世代の男女の共感を呼び映画も大ヒット中。興行成績は17億円に迫る勢いで更新中。

監督:山田尚子 脚本:吉田玲子
製作:TBSテレビ/ポニーキャニオン/ムービック/京都アニメーション

優秀アニメーション作品賞 「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」


【作品情報】
手塚治虫の最高傑作と称えられ、コミック界のアカデミー賞といわれるアイズナー賞最優秀国際作品部門を04年、05年の2度にわたって受賞した漫画『ブッダ』の映画化作品。その発行部数は、2000万部を超える。10年以上に渡って連載された原作を3部作でアニメ化。本作はその第1部である。吉永小百合、堺雅人、吉岡秀隆という邦画作品で主役を張る役者たちが声優を担当したことでも話題を呼んだ。また、フランスのアヌシー国際アニメーション映画祭パノラマ部門にも出品された。

監督:森下孝三 脚本:吉田玲子
製作:東映/木下グループ/ワーナー・ブラザース映画/東映アニメーション/東映ビデオ/加賀電子/手塚プロダクション/読売新聞社

優秀アニメーション作品賞 「豆富小僧」


【作品情報】
お盆にのせた豆富を持って、ただ立っているだけで、人間を恐がらすことのできない出来そこないの妖怪・豆富小僧というキャラを3DCGアニメで映画化。監督の河原真明は、3DCGでありながら、手書きアニメーションのテイストを取り入れ、新しいジャパニメーションを確立させた。直木賞作家・京極夏彦の「豆腐小僧双六道中ふりだし」が原作。アニメ界をけん引し続け、第30回日本アカデミー賞アニメーション作品賞を受賞した「あらしのよるに」(05)の脚本・監督である杉井ギサブローが総監督を務めた。

総監督:杉井ギサブロー 監督:河原真明 脚本:青木万央 藤井清美 杉井ギサブロー
製作:ワーナー・ブラザース映画/フジテレビジョン/ブロスタTV/電通/ラピス/EPICレコードジャパン/アバン/TIS(ソラン)/創通/角川書店/サイバード

優秀アニメーション作品賞 「名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)」


【作品情報】
第30回から設けられたアニメーション作品賞を連続して受賞している唯一の作品が、劇場版「名探偵コナン」シリーズである。本作は、97年から製作されている劇場版の第15作。毎年GWに公開され、30億以上の興収を上げ、総計400億を超える興収を今年も更新中。劇場版としては、初めて冬の季節を舞台にしており、タイトルの15分は、人間が雪崩に巻き込まれた際に生存出来る時間を表している。恒例のゲスト声優では、戦場カメラマンの渡部陽一が声優初挑戦している。

監督:静野孔文   脚本:古内一成
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
優秀監督賞
最優秀賞成島出「八日目の蟬」


この映画は、撮影に協力していただいた小豆島の人たち、その他にも大勢の方の力を借りてできあがりました。改めて皆さんに感謝を申し上げたいと思います。今日はみんなが賞を獲れたので本当に嬉しく思っております。キャストがそれぞれきつい役で、スタッフもきつい仕事だったと思いますが、本当に全員が全力を尽くしてくれて、チームの誰一人欠けてもできなかった作品だと思います。この映画を愛して、3回、4回、5回観てくださったお客様たちに、本当にありがとうと言いたいです。感謝しています。
【受賞歴】監督賞は、第34回の「孤高のメス」に続き2年連続2度目の受賞。第32回に「クライマーズ・ハイ」で脚本賞受賞。
優秀賞阪本順治「大鹿村騒動記」


まさか、賞を頂けるなんて。でも一片の緩みも、汚れもない現場から生まれたこの作品に誇りを持ちたい。すべて、原田芳雄さんが私たちを引っ張って行ってくれたおかげです。ありがとうございました。嬉しくもあり、そして悔しさも半分です。
【受賞歴】監督賞、脚本賞の初受賞となった第24回の「顔」で最優秀監督賞に選ばれる。第29回の「亡国のイージス」に続き3度目の監督賞受賞。
優秀賞新藤兼人「一枚のハガキ」


映画関係者の投票で選ばれたことを誇りに思います。ありがとう。
【受賞歴】第19回に「午後の遺言状」で最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞し、同時に特別賞企画賞も受賞。第2回に「事件」で最優秀脚本賞を受賞。第26回に協会栄誉賞受賞。脚本賞は7度受賞、監督賞は3度目の受賞。
優秀賞杉田成道「最後の忠臣蔵」


天災ならぬ福の神も忘れた頃にやってくる。3・11の激震ですっかり忘れた頃に朗報が届いた。公開から一年余り経つというのにまだ記憶に残っていてくれたことに感謝、感謝。日本人の底に流れる静謐とした慈しみの情こそ、天災に対しても耐えて耐えてしなる竹のような強さを持つのではないか。そうした先人の姿に映画を通して出会えることは嬉しい。まだまだ僕らも捨てたもんじゃない。久しぶりにスタッフ、キャストに会える喜びに感謝。
※初受賞
優秀賞三谷幸喜「ステキな金縛り」


僕は撮影現場ではいつもスーツ姿です。なぜなら現場では僕は映画学校の生徒だからです。僕にとっては、撮影部さんも照明部さんも録音部さんも美術部さんも制作部さんも演出部さんも映画の先生です。ベテランのスタッフたちに『映画はどうやって作るのか』を教えてもらいに、僕は現場へ通います。だからきちんとスーツを着て行くのです。今回も沢山、教えて頂きました。その結果、僕は今、ここにいます。先生たちに心から感謝。
【受賞歴】第21回に「ラヂオの時間」で初受賞。監督作5作すべてで監督賞を受賞。
優秀脚本賞
最優秀賞奥寺佐渡子「八日目の蟬」


私も監督にだいぶしごかれまして、そのおかげで今回の素晴らしい賞をいただくことができました。スタッフの皆様、キャストの皆様に感謝いたします。ありがとうございました。
【受賞歴】第19回に「学校の怪談」で初受賞。2度目の受賞。
優秀賞荒井晴彦/阪本順治「大鹿村騒動記」


荒井晴彦 「大鹿村騒動記」
三回優秀賞を受賞したことがありますが、最優秀賞は衆寡敵せずでした。違う世界の賞だと思っていました。26年ぶりです。驚きました。「大鹿村騒動記」は原田芳雄さんの為に書いたのですが、若者向けばかりで大人の映画が無い今、大人が喜んでくれるといいなとも思って書きました。老人は笑っているけど、どこが面白いのか分らないという書き込みがありました。小さな「R-60」の映画が、最優秀もらえたら、画期的だし、うれしい。
【受賞歴】第3回に「赫い髪の女」「神様のくれた赤ん坊」「ワニ分署」で初受賞。4度目の受賞。

阪本順治 「大鹿村騒動記」
【受賞歴】第24回に「顔」で初受賞。2度目の受賞。 
優秀賞古沢良太/須藤泰司「探偵はBARにいる」


古沢良太 「探偵はBARにいる」
賞とは無縁の徹底した娯楽作を作ろうと思って書いたので、受賞には驚きと戸惑い、そしてやはり嬉しさでいっぱいです。共同脚本であり企画者である須藤プロデューサーに感謝します。また多くの意見を下さった主演の大泉さん、監督にも感謝申し上げます。
映画界が多様な作品があふれ、ますます盛り上がることを願います。
【受賞歴】第29回に「ALWAYS 三丁目の夕日」で初受賞にして、最優秀を受賞。3度目の受賞。

須藤 泰司 「探偵はBARにいる」
何だか盆と正月が一緒に来た上にサンタが煙突から滑り落ちて来たような気分です。人生のハイライトはまだまだ先でありますように!と祈りつつ、この過分な評価を謙虚に受け止めて、パート2へ向けスタートします。観客の皆さん、アカデミー会員の皆さん、そして最後まで粘り強く付き合ってくれた古沢良太さんに心から感謝致します。
※初受賞
優秀賞田中陽造「最後の忠臣蔵」


この作品には、ちょっと苦労しました。立派な原作がありながらその一片しか使えないというカセがかかっていて、おまけに私は時代劇を書いたことがない。時代劇に対して教養も下地もなく、まず元禄時代の歴史書を読むことからの作業を始めました。その結果がこの映画ですが、自分もこの映画が好きで、賞を頂けるのが、すごくうれしい。ありがたく感謝しております。
【受賞歴】第4回「ツィゴイネルワイゼン」「女の細道 濡れた海峡」で初受賞。6度目の受賞。
優秀賞三谷幸喜「ステキな金縛り」


日本ではコメディーはあまりヒットしないのですが、「ステキな金縛り」はとても沢山の方が観てくれました。僕が観に行った時も映画館は満席でした。そして常に笑いに溢れていました。喜劇作家にとって、これ以上の喜びはありません。お客さんの笑い声こそが、最大のご褒美。ですから本来はそれで十分なのですが、今回こうして賞まで頂いて、本当に感激しています。これからも喜劇作家としてステキな作品を沢山作っていくつもりです。
【受賞歴】脚本賞は7度目の受賞、うち第21回に「ラヂオの時間」で最優秀を受賞。
優秀主演男優賞
最優秀賞原田芳雄「大鹿村騒動記」


(代理:娘・俳優の原田麻由さん)
【受賞コメント】
「大鹿村騒動記」は本当に大鹿村があってこそ生まれた映画です。「大鹿村生まれの映画だ」と芳雄も申しておりました。大鹿村で、300年間、戦争の間も絶やさずに歌舞伎をし続けた村の方々と、それを見にきてくれた観客の方々があったからこそ今回の映画ができました。また、スタッフの皆様、共演者の皆様、映画を見てくださった方々がありまして、今回この賞を芳雄がもらうことができました。本当に、本当にありがとうございます。

遺作となった本作では「どついたるねん」(89)以来、6本の映画を一緒に作ってきた阪本順治監督と企画から参加し、病気を感じさせない姿をスクリーンに刻んで、公開を見届けるように逝ってしまった。日本アカデミー賞では、第14回「浪人街」「われに撃つ用意あり」(ともに90)、第16回「寝盗られ宗介」(92)で主演男優賞を受賞。本作で、キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞。これまでの功績に対して、ブルーリボン賞は特別賞、ヨコハマ映画祭は最優秀男優賞を授与している。
優秀賞大泉洋「探偵はBARにいる」


大学在学中から出演した深夜番組『水曜どうでしょう』(北海道TV)は、道内ばかりでなく、全国に広まりその独特の風貌と語り口でカルト的人気を博した。北海道での舞台中心の活躍から05年『救命病棟24時』(CX)で、全国放送のドラマに初出演。その後、数々のドラマ出演で全国的にお茶の間の人気を不動のものとする。「千と千尋の神隠し」(01)で声優も経験し、「アフタースクール」(08)では主演を務めた。愛して止まない北海道を舞台とした本作は、早くもシリーズ第2作の製作が発表されている。今回が、初受賞での主演男優賞である。
優秀賞堺雅人「武士の家計簿」


日本アカデミー賞では、第32回「クライマーズハイ」(08)、第33回「ジェネラル・ルージュの凱旋」(09)で助演男優賞を連続受賞。今回は、初の主演男優賞受賞となる。本作では、江戸時代後半『刀ではなく、そろばんで家族を守った』実在の人物、御算用者(経理係)の猪山直之を演じた。第34回モントリオール世界映画祭でも上映され、つつましくも堅実に生きた武士の姿が話題となった。来年春まで4本の公開待機作がある。本作と「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして。」で報知映画賞 最優秀主演男優賞を受賞している。
優秀賞三浦友和「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」


本作品では企画から参加し、『人生は、鉄道に乗った旅のよう。いつ新たな出発をしても、決して遅すぎることはない』というテーマのもと、自身と同じ60歳で定年を迎えた男の心情の機微を丹念に演じ、観客に深い感銘を与えた。前作「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で、息子である三浦貴大が俳優デビューを飾っており、昨年の日本アカデミー賞で新人俳優賞に輝いている。日本アカデミー賞は、第33回「沈まぬ太陽」(09)の助演男優賞に続いての受賞で、主演男優賞は初受賞となる。
優秀賞役所広司「最後の忠臣蔵」


前回の第34回「十三人の刺客」(10)に続き、時代劇での受賞となった本作では、密かに大石内蔵助の命を受け生き残る寡黙な武士を好演。第14回「オーロラの下で」(90)で主演男優賞を初受賞して以来、日本アカデミー賞の常連ともいえ、今回最多受賞歴を更新し、14回目(ダブル受賞の年があるので15賞)の受賞となる。第20回全部門最優秀賞受賞の快挙を成した「Shall we ダンス?」(96)と第21回「うなぎ」(97)で、2年連続最優秀男優賞を受賞。以来第26回まで7年連続主演男優賞を受賞という記録も持っている。
優秀主演女優賞
最優秀賞井上真央「八日目の蟬」


【受賞コメント】
「八日目の蟬」のスタッフの皆さんや共演者の皆さん、そして評価をしていただいた皆様に本当に感謝を申し上げます。私なんかが言うのも生意気なんですが、映画がこれからもっともっといろんな人の心に届いていけばいいと思いますし、貢献できればいいと思います。またその映画に貢献できる役者に私自身がなっていけるようにこれからこの賞をまた一つの自分の自信として誇りに変えて頑張っていきたいなと思っております。本当にありがとうございました。

子役で活躍したあと、「チェケラッチョ!!」(06)で映画デビュー。主演した人気少女漫画『花より男子』を原作にしたTVドラマは、2シリーズ制作され(TBS)高視聴率を記録し、劇場版「花より男子ファイナル」(08)はその年の(実写)興収1位という快挙を遂げている。昨年はNHKの連続テレビ小説「おひさま」の主役に抜擢され、その知名度と人気をあらゆる年齢層にまで広げた。本作では、生後から4歳まで誘拐犯に育てられたため、喪失した実の母親との乳幼児期を埋めることが出来ずに悩み続ける難しい役を演じた。日本アカデミー賞は、今回が初受賞で主演女優賞を獲得。ほかに山路ふみ子映画賞新人女優賞、日刊スポーツ映画大賞新人賞、エランドール賞新人賞を受賞。
優秀賞長澤まさみ「モテキ」


初めて主演した「ロボコン」(03)で、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞とヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。翌年、興行成績85億円を上げ、社会現象まで巻き起こした「世界の中心で、愛をさけぶ」(04)で、第28回の助演女優賞と話題賞(俳優部門)を受賞し、更に最優秀助演女優賞に輝き、その年の主要映画賞も席巻した。本作では、突如“モテ期”を迎えた全くモテたことのない男を“殺しの笑顔で瞬殺”する女性を演じ、これまでの清楚なイメージをくつがえし新境地を切り開いた。本作では、ブルーリボン賞助演女優賞も受賞。日本アカデミー賞は、第30回「涙そうそう」(06)の主演女優賞に続き4度目の受賞となる、
優秀賞中谷美紀「阪急電車 片道15分の奇跡」


タイトル通り、片道たった15分で走るローカル線を舞台に偶然乗り合わせ交差した乗客たちの人生を描き、OLたちの心を揺さぶりヒットした。傷ついた心を強く生きる姿で覆い、ひたむき一人で生きる女性を演じ、全国の女性たちの強い支持を得た。「嫌われ松子の一生」(06)で第30回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞。主要の映画賞であるキネマ旬報、報知映画賞、毎日映画コンクールでも最優秀主演女優賞を受賞している。昨年はカナダ人演出家による舞台「猟銃」に出演。自身にとって初めての舞台である初演が、カナダ・モントリオールでの上演となり活躍の幅を広げることとなった。日本アカデミー賞は、これまで主演女優賞、助演女優賞を含め今回が5回目の受賞となる。
優秀賞深津絵里「ステキな金縛り」


オールスターキャスト映画ともいえる豪華出演陣の中、裁判の証言者が“幽霊!”という荒唐無稽な三谷ワールドの主演女優として見事に役割を果たし、2年連続の主演女優賞獲得となった。昨年は、「悪人」で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したほか、モントリオール世界映画祭と報知映画賞で最優秀主演女優、日刊スポーツ映画大賞で主演女優賞を受賞している。映画のほかTVドラマ、舞台と活躍の場は多岐に渡っている。日本アカデミー賞は第13回「満月のくちづけ」(89)で新人俳優賞を受賞して以来、主演女優賞2回、助演女優賞3回受賞している。
優秀賞宮﨑あおい「ツレがうつになりまして」


カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞した「EURIKAユリイカ」(01)での演技が鮮烈な印象を与え、初主演作「害虫」(02)でナント三大陸映画祭主演女優賞、日刊スポーツ映画大賞新人賞を受賞。08年のNHK大河ドラマ『篤姫』では最年少で主演を務め、平均視聴率24.1%という高視聴率を上げた。本作では夫がうつ病になったことをきっかけに夫と共に自分を見つめ直し、成長していく妻の役を演じている。日本アカデミー賞は、第33回の「少年メリケンサック」(09)の優秀主演女優賞以来2回目の受賞となる。本作と「神様のカルテ」で、日刊スポーツ映画大賞主演女優賞も受賞している。
優秀助演男優賞
最優秀賞でんでん「冷たい熱帯魚」


【受賞コメント】私が“でんでん”と申します。幸か不幸か同じ名前の役者さんはいません。まあ、似たような名前っていうのは、よく考えるとパンダがいました。リンリンランランでんでんといって……すいませんでした。こういう私が今、この晴れの舞台にいます。本当にとっても嬉しいです。これも一重に「冷たい熱帯魚」を製作していただいた日活さん、園子温監督、それからスタッフ、キャストの皆さんのおかげだと思っております。本当に、本当に、ありがとうございます。「冷たい熱帯魚」バンザイです。この、「冷たい熱帯魚」のメンバーを代表してこの賞をいただきます。

『お笑いスター誕生!!』(NTV)へ出演して芸能界に入った後、俳優に転向し、森田芳光監督作品「の・ようなもの」(81)で映画デビュー。各局のTVドラマや映画にバイブレーヤーとして多数出演。本作では、やわらかい物腰で熱帯魚店を経営する裏で、いとも簡単に人殺しを繰り返す狂気を帯びた男を演じている。報知映画賞助演男優賞、ヨコハマ映画祭助演男優賞、キネマ旬報助演男優賞、毎日映画コンクール男優助演賞、東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞し今年の映画賞を席巻している。日本アカデミー賞は今回が初めての受賞。62歳での初受賞は史上初となる。
優秀賞伊勢谷友介「あしたのジョー」


伊勢谷が演じた力石徹はジョーのライバルで、原作の連載中に力石が死んだ際には実際に葬儀が行われ多くのファンが参列したほどのカリスマ的なキャラクター。伊勢谷は力石を演じるにあたり過酷な減量とトレーニングを積み、その容姿と演技は原作ファンのみならずボクシングファンをうならせるほどだった。「ワンダフルライフ」(98)で映画初出演。映画を中心に活躍し、得意の英語を活かし「ブラインドネス」(08)でハリウッド映画も経験している。また、ロッテルダム映画祭で上映された自身の監督作「カクト」(02)に続いて、本年も「セイジ‐陸の魚‐」を監督している。日本アカデミー賞は今回が初めての受賞。本作と「カイジ2~人生奪回ゲーム~」でブルーリボン賞助演男優賞を受賞。
優秀賞岸部一徳「大鹿村騒動記」


ミュージシャンから俳優に転身し、映画出演は優に120本を数える。カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞した「死の棘」(90)で、第14回日本アカデミー賞の主演男優賞を初受賞し、同時に最優秀賞も獲得した。本作では、幼馴染の妻である女と駆け落ちし、悪びれもせず18年後に夫に返しにくる男を飄々とかつコミカルに演じている。昨年から今年にかけ、ミュージシャンに戻り30数年ぶりにベースを弾き、旧知のザ・タイガースの面々と全国33都市を回り38公演を行った。日本アカデミー賞は「僕らはみんな生きている」「水の旅人 侍KIDS」「病院で死ぬということ」「帰って来た木枯らし紋次郎」(ともに93年)で、第17回助演男優賞受賞。
優秀賞佐藤浩市「最後の忠臣蔵」


自分の意思とは反して『生きなければならない』使命を与えられた『死に損ない』の赤穂浪士・吉右衛門は、もう一人の生き残りであり親友の孫左衛門と対決するという非常に難しい役を的確な演技で魅せた。日本アカデミー賞は、第5回「青春の門」(81)で新人俳優賞を受賞以来、助演男優賞4回、主演男優賞2回受賞し、第18回「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(94)で最優秀主演男優賞、第24回「ホワイトアウト」(00)、第27回「任生義士伝」(03)で2度の最優秀助演男優賞を受賞している。
優秀賞松田龍平「探偵はBARにいる」


大島渚監督作品「御法度」(99)で、第23回日本アカデミー賞をはじめ、キネマ旬報、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞を始め、その年の新人賞を総なめするデビューを飾った。映画を中心に活動し、この12年で30本以上の出演作がある。本作では、父である松田優作の代表作でもあるTVドラマ『探偵物語』(NTV)を彷彿させる、腕っぷしは強いが飄々とした相棒兼運転手役で独特な味を出している。
優秀助演女優賞
最優秀賞永作博美「八日目の蟬」


【受賞コメント】
感無量という感じです。本当にありがとうございます。「八日目の蟬」に参加させていただいたことを本当に感謝します。スタッフはもちろんのこと監督にもだいぶご指導いただき、役者として掘り下げられる部分はまだまだいっぱいあるんだなと思いました。役者の可能性をまた一段と感じた作品となりました。いろいろ迷惑をかけた家族に感謝します。周りのスタッフもありがとうございました。

歌手でデビューしたあと女優として活躍。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(07)で、報知映画賞最優秀助演女優賞をはじめ、ブルーリボン賞、キネマ旬報、ヨコハマ映画祭の助演女優賞を受賞。本作では、自分の子を亡くした後、思わず愛人の赤ちゃんを誘拐し、愛情深く育てるほど罪の重さを感じ、追いつめられていく女性を演じている。日本アカデミー賞は、今回が初受賞。ほかにキネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール女優助演賞、ブルーリボン賞主演女優賞、本作と「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」で、報知映画賞主演女優賞を受賞した。
優秀賞麻生久美子「モテキ」


「カンゾー先生」(98)に大抜擢され、第22回日本アカデミー賞において、初受賞で新人俳優賞と最優秀助演女優賞を獲得。ほかにも報知映画賞最優秀助演女優賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞などを受賞。主に映画で活躍し、「夕凪の街 桜の国」(07)では、報知映画賞最優秀主演女優賞、毎日映画コンクール女優主演賞、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞している。本作では“モテ期”を迎えたさえない男にゾッコンの、恋をしたら怖いほど一途になる“イタイ” けどチャーミングなOLを熱演。日本アカデミー賞は、2回目の受賞となる。
優秀賞小池栄子「八日目の蟬」


バラエティのドラマなどで魅せる演技は、当初から演技派女優の片りんを見せていた。デビュー以降この10数年で20本以上の映画出演作があり、08年の「接吻」で、毎日映画コンクール女優主演賞のほか、ヨコハマ映画祭主演女優賞、高崎映画祭最優秀主演女優賞を受賞する。本作では、主人公と共にかつて過ごした軌跡を辿り、お互いの心の奥底に潜む傷を癒していく心情を見事に表現し、日本アカデミー賞助演女優賞初受賞となった。本作と「RAILWAIS 愛を伝えられない大人たちへ」で、キネマ旬報助演女優賞も受賞している。
優秀賞満島ひかり「一命」


ダンスヴォーカルユニットで芸能界デビュー。「愛のむきだし」(09)で、ヨコハマ映画祭、報知映画賞、毎日映画コンクールでの新人賞を受賞し、キネマ旬報では助演女優賞を受賞している。昨年は「悪人」(10)での演技が認められ、日本アカデミー賞助演女優賞、山路ふみ子映画賞 山路ふみ子新人女優賞を受賞。ヨコハマ映画祭では、「カケラ」「川の底からこんにちは」(ともに10)で、主演女優賞を受賞するなど女優として活躍。初の時代劇で、昨年に続き2年連続の助演女優賞受賞となった。
優秀賞宮本信子「阪急電車 片道15分の奇跡」


夫である伊丹十三が自ら『妻を主役にして映画を撮る』と言ってメガホンをとった「お葬式」(84)で、日本アカデミー賞主演女優賞受賞。以後、全ての伊丹監督作品に出演。日本アカデミー賞では7回の主演女優賞を受賞しており、受賞歴では第3位を記録している。「マルサの女」(88)では最優秀主演女優賞受賞。10年ぶりに映画出演した「眉山 -びざん-」(08)では再び高い評価を得て、助演女優賞を受賞した。本作では、相手の心を動かす一言をさらりと発し、物語をつなぐ重要な役柄を演じている。報知映画賞助演女優賞も受賞している。
優秀音楽賞
最優秀賞安川午朗「八日目の蟬」


選んでいただいたことを感謝します。ありがとうございます。成島監督から、この映画の原作をまず読んでくれと言われまして、それを読んで、第1稿ができあがったときに音を探しながら僕も小豆島を旅しました。それが映像となって、みんなと作り上げた作品に参加できたことは大変いい思い出です。ありがとうございました。
※初受賞
優秀賞池頼広「探偵はBARにいる」


私のように半端な者がこのような誉れ高い賞をいただけた事に感謝の気持ちと戸惑いを感じております。この光栄な賞を頂けたのは、プロデューサーで脚本も手がけた須藤泰司氏の企画力や音楽に対する思い入れの深さ、スタッフの皆様の志の高さの賜物だと心に命じ、作曲を続けて行く糧にさせて頂きます。今回のサウンドトラックでは、演奏家としても多くの曲を演奏していますので、喜びは大きなものです。ありがとうございました。
※初受賞
優秀賞岩崎太整「モテキ」


この様な名誉ある賞を頂いて大変光栄に思っております。映画「モテキ」は恋愛映画であると同時に紛う事なき音楽映画でもあります。その為、喜びも一入(※ルビ:ひとしお)です。そして、本作は私のみならず、大根仁監督、原作者である久保ミツロウさん、出演や楽曲提供を頂いた数々のミュージシャンの皆様の力が一つに収斂されて完成した作品です。その様な作品を評価頂けたという事は本当に嬉しいです。チームモテキ、最高でした。
※初受賞
優秀賞荻野清子「ステキな金縛り」


素晴らしいキャスト、スタッフの皆様とともにこの「ステキな」作品のチームの一員になれたことをとても光栄に思います。今回は『見えないもの』が題材だけに、音のほうでも普段使ったことの無い『のこぎり』や『ホラ貝』などを用い、不思議な世界を表現したくて様々なチャレンジをしました。無理難題を聞き入れ、快く楽しんで演奏して下さったレコーディングミュージシャンのメンバーにも感謝の気持ちでいっぱいです。本当にたくさんの人の支えがあっての受賞だと感じております。
【受賞歴】第32回に「ザ・マジックアワー」で初受賞。2度目の受賞。
優秀賞加古隆「最後の忠臣蔵」


最初の打ち合わせで杉田成道監督から『メインテーマは透明感のある、静かで懐かしい感じの曲』という言葉をいただきました。映画全体のトーン(色調)を思い描きながら、哀しみの中にも凛としたものが感じられる、そんなことを考えて作曲しました。時代劇の音楽は初めての体験でしたが、日本人の美意識を再認識させてくれた、この素晴らしい作品に参加できたことを心から嬉しく思っています。
【受賞歴】第26回に「阿弥陀堂だより」で初受賞。2度目の受賞。

優秀撮影賞
最優秀賞藤澤順一「八日目の蟬」


こういう壇上に立つのは初めてのことで緊張してますけども、この作品に出会えたことが僕にとって幸運だったと思います。スタッフキャストの方々はもちろんのことですが、今回の別班で実景とか芝居部分のBカメを回してくれた向後カメラマンにまず感謝したいと思います。そしてロケ地の段取りとか、薫役の(渡邉)このみちゃんの演技指導とかを大変な思いでやってくれた助監督の猪腰さんに感謝したいと思います。そして小豆島の島民の方々と、この喜びを分かち合いたいと思います。最後ですが、毎朝見送りに出てくれた妻に感謝しております。
※初受賞
優秀賞笠松則通「大鹿村騒動記」


短い日照時間、限られた日数との戦いでしたが、精神面では非常に豊かな現場でした。
これ以上はない素晴らしい演技陣のお芝居をファインダーを通して見れたことはキャメラマンとして貴重な財産になりました。阪本監督とも相談して出来るだけカットを割らずにワンカットの中に引きも寄りもある様な、それを感じる様な画作りを心がけました。それらが評価された事が嬉しく、これも厳しい条件のなか参加してくれた撮影・照明スタッフのおかげと感謝しています。
【受賞歴】第29回「亡国のイージス」で初受賞。昨年の「悪人」に続き4度目の受賞。
優秀賞長沼六男「最後の忠臣蔵」


11~12~1月、寒い京都での撮影でした。
時代劇を熟知した京都のスタッフと時代劇に最適な京都近郊での撮影は、竹藪とか寺社とか、東京の仕事が多い私には特に新鮮で、どこも画になる、そんな思いの連続でウキウキと楽しい仕事が出来ました。日本アカデミー賞・優秀撮影賞に選ばれてとても光栄です。
【受賞歴】第30回に「武士の一分」で3度目の最優秀を受賞。10度目の受賞。
優秀賞藤石修「岳 -ガク-」


優秀撮影賞ありがとうございます。風と行軍と寒さの中で耐え抜き、それが一体感を作り上げ、さらに楽しみにまで発展させたスタッフ、キャスト、そしてプロフェッショナルな地元の人々の協力があってこそ完成した映画だと思っています。穂高連峰の写真を見て『また登ってみたい。もう一度味わってみたい』と思うのは、きっと私だけではないでしょう。この作品に参加された皆様方に感謝致します。
【受賞歴】第22回「踊る大捜査線」で初受賞。3度目の受賞。
優秀賞山本英夫「ステキな金縛り」


法廷が舞台のコメディー。三谷作品に関わって三作目ですが、正直、今回はハードル高いなと思いました。監督を含め、スタッフと色々な事を話し合いました。『幽霊の表現は?法廷シーンはどうするか?』そんな中から沢山のアイディアが生まれ、その脚本から俳優さん達に命が吹き込まれ、本当にスタッフ、俳優、一人一人が皆で作っていると言える、とってもステキな現場でした。
【受賞歴】第22回に「HANA-BI」で初受賞。4度目の受賞。
優秀照明賞
最優秀賞金沢正夫「八日目の蟬」


とても嬉しいです。この場に上げてくれた藤澤キャメラマン、スタッフ、キャストにとても感謝しております。どうもありがとうございました。
※初受賞
優秀賞岩下和裕「大鹿村騒動記」


優秀照明賞に選出頂き、有り難うございます。
二週間という限られた時間の中、少数精鋭で阪本監督や原田芳雄さんを中心に全員が一丸となり、撮影に取り組み 毎日が楽しく過ぎて行きました。常に映画の事を考え 前に向かって行く姿勢や、どう表現したら見ている人に伝わるか等、多くを芳雄さんから学び、私自身が成長出来た作品でした。
【受賞歴】第34回「悪人」で初受賞。2年連続2度目の受賞。
優秀賞宮西孝明「最後の忠臣蔵」


このたびは日本アカデミー賞技術部門の受賞者に選ばれ大変光栄です。
この作品では背光はもちろんのこと、色味に関してもこだわりたいと監督の杉田氏と撮影の長沼氏から言われ、プレッシャーのかかる中で撮影をしていたと記憶しています。
『自然で違和感のない照明』を心がけました。初受賞の喜びとともに責任を感じます。
今まで一緒に仕事した仲間、支えて下さったすべての皆さんに感謝いたします。
※初受賞
優秀賞川辺隆之「岳 -ガク-」


このような栄誉ある賞を戴き、とても光栄に思っています。作品に感謝。片山監督に感謝。藤石カメラマンに感謝。照明助手の皆さんに感謝。「岳‐ガク‐」に携わった全てのスタッフに感謝。そして美しい大自然に感謝したいと思います。
【受賞歴】初受賞となった第33回「劔岳 点の記」で最優秀賞を受賞。2度目の受賞。
優秀賞小野晃「ステキな金縛り」


三谷組で再び賞を頂き大変光栄に思っております。
現場の雰囲気が良く、日々の撮影がとても楽しかったのを覚えています。
そんな環境で仕事が出来たことにこの作品に携わったすべてのスタッフ・キャストに感謝します。ありがとうございます。
【受賞歴】第21回に「失楽園」で初受賞。第30回に「THE 有頂天ホテル」と「フラガール」でのダブル受賞に続き3度目の受賞。
優秀美術賞
最優秀賞西岡善信/原田哲男「最後の忠臣蔵」


【受賞コメント】日本映画でいろいろお世話になって、昨日考えましたら、65年間映画の美術の仕事をやっております。最後にこの賞をいただけて、大変嬉しいです。題名も「最後の忠臣蔵」で私の生涯でも最後にこういう賞をいただいて、大変嬉しく思っております。ありがとうございました。(西岡善信)
頭に偉大な先生がいらっしゃって、私はおまけのようなものだったので、ここに立っていいか疑問なんですが、こんな機会もめったにありませんので、謹んでお受けいたします。(原田哲男)
西岡 善信 「最後の忠臣蔵」
【受賞歴】第6回に「鬼龍院花子の生涯」「怪異談生きてゐる小平次」の2作品で初受賞し、最優秀賞を受賞。最優秀を9回受賞。ダブル受賞が2回、第23回は3作品で受賞。18度目の受賞。
原田 哲男 「最後の忠臣蔵」
※初受賞
優秀賞近藤成之「武士の家計簿」


京都スタッフとの混成で始まった「武士の家計簿」は、溝口組や黒澤組の「羅生門」(50)を経験された大道具の重鎮を中心に、装飾、小道具、衣装、メイク、結髪の準備スタッフ、彼等は京都の時代劇の伝統を受け継いだ時代劇のプロの仕事を見せてくれました。「武士の家計簿」は彼等の知恵と技術に助けられて完成しました。サポートしてくれた松竹京都撮影所の皆さんに感謝いたします。今回は皆さんの代表のつもりでこの賞を頂きます。
【受賞歴】初受賞となった第30回「男たちの大和YAMATO」で最優秀賞受賞。2度目の受賞。
優秀賞種田陽平「ステキな金縛り」


「ステキな金縛り」の美術空間は、三谷幸喜監督の愛してやまない映画の断片を集めつくりあげたものです。今日のような厳しい時代に、この、大人のためのファンタジー映画と美術の仕事が認められたことは大変嬉しく、感謝しています。
【受賞歴】第33回に「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」で最優秀受賞。第30回は「フラガール」「THE 有頂天ホテル」でダブル受賞し、今回が4年ぶり7度目の受賞。
優秀賞林田裕至「一命」


本作は「切腹」(62)の原作の再映画化です。何せ「切腹」。美術は戸田重昌さんですから半端なことでは太刀打ちできません。模倣すべきところはとことんさせて頂き、なおかつ少しでもオリジナリティを出せばとあがきました。全てのセットは東映京都撮影所で作っていただき、ここには大ベテランから若手まで素晴らしいスタッフが揃っています。そんな中で21世紀に時代劇に関われることを本当に幸せに思いました。
【受賞歴】初受賞となった第34回「十三人の刺客」で最優秀賞を受賞。2年連続2度目の受賞。
優秀賞松本知恵「八日目の蟬」


台本を読んで、生命を優しく包んでいる繭玉をイメージし、全体に彼女たちを優しくつつみこむ様な舞台を準備できたらと思いました。
言葉では表現できない幼い薫が見た景色と時を経て身籠った恵理菜が追体験して見た景色と、ふたつの時間を限られたスケジュールで造るのは大変でしたが、ロケ先の地元の方々の協力があってなんとかつくりあげることが出来たと思います。ロケ先のみなさんに本当に感謝しています。
※初受賞
優秀録音賞
最優秀賞藤本賢一「八日目の蟬」


とても嬉しいです。今回の作品は僕が助手時代からご一緒させてもらった方々が多く、その諸先輩たちとメインという立場で肩を並べて作品ができることが、(撮影に)入る前から感無量でしたが、このような賞をいただき、どうしようかなという感じです。あと、撮影と照明が対のように、録音も効果音と対であると思っています。僕のほとんどの作品を一緒にやってくれている岡瀬さんにも、お礼を言いたいと思います。
※初受賞
優秀賞瀬川徹夫「ステキな金縛り」


三谷監督とは映画監督第一作の「ラヂオの時間」以来、今回の作品でおよそ16年間のお付合いになります。サウンドへのこだわりは作品を重ねるごとに高度な要求に変わってきていて、今回の「ステキな金縛り」では落ち武者の幽霊がテーマということもあり、私も音の扱いにはいつもより一層苦労しています。しかし、いまは現場仕上げとともにとても楽しかった思い出だけが心に残ります。名誉ある賞を頂けてとても嬉しく思っております。
【受賞歴】第30回に「男たちの大和YAMATO」で3度目の最優秀を受賞。9度目の受賞。
優秀賞田村智昭/室薗剛「探偵はBARにいる」


田村 智昭
今回、録音技師としてデビューさせて頂いたうえ、受賞した事に大変驚き、感謝しています。この作品に呼んでくれた橋本監督と須藤プロデューサー、そして技師として経験の乏しい私を支えてくれた助手さん達や仕上げスタッフの方々のおかげです。自分一人で成し遂げた事など何ひとつありません。これからも頂いた賞に恥じぬ技術の研鑽に努める所存であります。
※初受賞

室薗 剛
たいへん名誉な賞を受賞できてうれしく思います。そしてすばらしい作品に携われたことに感謝しています。東日本大震災の大混乱の中、スケジュールの大幅な変更があり、自分が納得できる音響に仕上げられるか自信がありませんでしたが、まわりのスタッフの協力と家族の支えがあって完成させることができたと思っています。この場をお借りしてお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。
※初受賞
優秀賞照井康政「大鹿村騒動記」


この度は、優秀賞をいただきありがとうございます。技師としてのキャリアも浅く学ぶ事が多い身分にとっては贅沢な賞です。
この作品に参加出来た事、今まで教えて下さった先輩の方々に感謝します。
※初受賞
優秀賞中路豊隆/瀬川徹夫「最後の忠臣蔵」


中路 豊隆
杉田成道監督、録音スタッフ、関係者の皆様に感謝をし、この作品に参加が出来た事が自分自身の誉れです。時代劇が元気のない状況での、完璧な脚本、頑張りの俳優陣、粘り強い演出、そんな空気の雰囲気の中、このまま録音をすれば、いいのではないかと思ったのです。晩秋からの2ヶ月余りの撮影は、私にとっても楽しい時間でもありました。ありがとうございます。
※初受賞

瀬川 徹夫
杉田監督とは初めてのお付合いでしたが、サウンドに対する感覚が鋭く、特に音楽の扱いについてはいろいろとご指摘を受け、ミックスには随分と工夫をさせて頂きました。また、作曲の加古隆さんにも大変お世話になりました。杉田流美の世界に圧倒されながらの整音でしたが、浄瑠璃『曽根崎心中』の挿入も含め、久々に情緒溢れる時代劇に接することができました。それだけに今回の受賞は嬉しく、監督はじめスタッフには感謝しております。
【受賞歴】上記「ステキな金縛り」参照
優秀編集賞
最優秀賞三條知生「八日目の蟬」


ありがとうございます。嬉しいです。僕はもう、ただただ監督を筆頭に素晴らしいスタッフとキャストの方が撮っていただいた絵を熱意に負けないように1コマ1コマ繋いだだけです。本当にありがとうございました。
※初受賞
優秀賞石田雄介「モテキ」


テレビシリーズから携わった「モテキ」が、映画になり多くの皆様にご覧頂き、このような栄誉ある賞まで受賞できたことを大変嬉しく、また誇りに思います。
大根仁監督を始め、キャスト、スタッフの『面白くて、新しい作品を作りたい』という熱意と努力で作り上げた作品だからこそ頂けた賞ですので、この受賞を共に喜びたいと思います。ありがとうございました。
※初受賞
優秀賞上野聡一「ステキな金縛り」


選出していただき、ありがとうございます。受賞のみならず、これまで三谷作品に携われた僕は本当に果報者です。劇場で声を出してみんなと笑える。これがどれだけステキなことか。そのことの意味を2011年は教えてくれました。
【受賞歴】第26回に「ピンポン」「突入せよ!「あさま山荘」事件」の2作品で初受賞。6度目の受賞。
優秀賞長田千鶴子「最後の忠臣蔵」


久しぶりに賞をいただき感激しております。フィルムの撮影にこだわった杉田監督の熱い思いは膨大なフィルムとして編集室を埋め尽くしました。1カット3分位のOKテークが5本もある中からT−3にしようかT−5にしようかと時間の経つのも忘れ、孫佐衛門の気持ちになったり吉右衛門になったりと1カット1カット、フィルムのコマを確認しながらの闘いは苦しいけれど楽しい時間でした。デジタルの時代にフィルム編集の面白さを再確認、この仕事にたずさわれたことを感謝いたします。
【受賞歴】第18回に「四十七人の刺客」と第21回に「誘拐」で最優秀を受賞。8度目の受賞。
優秀賞只野信也「探偵はBARにいる」


やっと、私のふるさと札幌が舞台の映画が出来上がりました。三月のロケには札幌に同行しましたが、毎日の雪にもかかわらず地元の皆様のあたたかい協力、感謝・感謝です。
我等がスーパースター大泉洋で2弾、3弾と札幌・北海道を盛り上げていく映画をつくり続けられるよう頑張りたいと思います。
【受賞歴】第25回に「千年の恋 ひかる源氏物語」で初受賞。2度目の受賞。
優秀外国作品賞
最優秀賞英国王のスピーチ


【受賞コメント】
このような素晴らしい大きな賞をいただき、誠にありがとうございます。この賞に選んでいただきました日本アカデミー賞協会の会員の皆様方に心から御礼申し上げます。私どもギャガがこの作品に関わってから2年が経ちます。その間、全社一丸となって頑張ってまいりましたが、特に日本のマスコミ、報道陣の皆様方、興行の皆さん、そしてまたプロモーションにご協力いただいた方々、そして今日お集まりの映画業界の皆様が支えてくださったと思っています。ギャガもまた、日本の洋画ビジネスを少しでも大きくしたいという信念で全社一丸となって頑張ってまいりたいと思います。(登壇者:ギャガ株式会社 代表取締役会長兼CEO依田 巽)
【作品情報】
幼い頃から吃音に悩む王子がジョージ6世として王位を継いだのは、ヒトラーが巧みなスピーチで国民を魅了している時代だった。脚本家のデヴィッド・サイドラーは、史実に基づくこの話で30年以上前に映画や舞台として企画を立てていたが、エリザベス2世の母であり、ジョージ6世の妻であるエリザベス女王は、自分が生きている間はこの件を公にして欲しくないと許可しなかったという。サイドラーは、本作で昨年のアカデミー賞脚本賞を73歳で受賞。これは、最年長記録。他に作品賞、監督賞、主演男優賞も受賞している。ゴールデン・グローブ賞では、主演のコリン・ファースが主演男優賞を受賞。

原題:THE KING’S SPEECH
監督:トム・フーパー 脚本:デヴィッド・サイドラー
配給:ギャガ
優秀賞猿の惑星:創世記〈ジェネシス〉


68年の「猿の惑星」日本公開時、その衝撃的なラストに観客は驚愕し、大ヒットを記録した。その後、4本の続編が製作されシリーズ化した。2001年に再映画化作品として「PLANET OF THE APES/猿の惑星」が公開。本作は、新シリーズ1作目となる位置付けで製作された。1作目の『何故、猿がしゃべるようになったのか?』という大きな謎を解き明かすヒントとなるストーリーとなっている。本作のVFXは「アバター」(09)も手がけたWETAデジタル社が担当。
本年のアカデミー賞視覚効果賞にノミネートされている。

原題: RISE OF THE PLANET OF THE APES 
監督:ルパート・ワイアット 
脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルヴァー
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞ソーシャル・ネットワーク


日本だけでも500万人の登録会員を有するソーシャル・ネットワーク・サービスサイトfacebook。それは、03年ハーバード大学の2年生だったマーク・ザッカーバーグらが立ち上げたサイトが、ほんのわずかな時間で大学のサーバーダウンを引き起すほどの話題となったことから始まった。若きビリオネアのサクセスストーリーは、昨年の映画賞を席巻。アメリカ映画賞のトップ、ナショナル・ボード・オブ・レビューで作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞を受賞。続くアカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、作曲賞を受賞した。アカデミー賞では、8部門にノミネートされ脚色賞、編集賞、作曲賞を受賞。

原題:The Social Network 
監督:デヴィッド・フィンチャー 脚本:アーロン・ソーキン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
※本年の映画賞情報は、2月中旬現在
優秀賞ブラック・スワン


13歳の時「レオン」で映画デビューし、「スターウォーズ」シリーズのエピソード1,2,3,(それぞれ99,02,05)のアミダラ姫役で世界的に有名になったナタリー・ポートマン主演作。劇中の『白鳥の湖』さながらの鬼気迫るバレリーナ役で初のオスカーを手に入れた。当初の公開館数は、わずか18館。それが話題が広まるにつれ2週間目には90館、3週間後には959館で公開されるようになった。日本では、R15+の公開ながらも大ヒットし、昨年の興行成績トップ10に入っている。幼少時代にダンスを習っていたというナタリーだが、複雑な内面を追求するこのヒロイン役で、昨年のアカデミー賞主演女優賞のほか、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞も受賞している

原題:BLACK SWAN
監督:ダーレン・アノロフスキー 脚本:マーク・ヘイマン アンドレス・ハインツ ジョン・J・マクローリン
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞マネーボール


独自の“マネーボール理論”でメジャーリーグの貧乏球団を強豪に作り替えた男ビリー・ジーンの実話に基づくベストセラーの映画化。若くしてメジャーリーガーからGMに転身し、データ分析を基に“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”を追求してチームを常勝球団に育てたビリーの半生をブラット・ピット主演で描く。本年のニューヨーク映画批評家協会賞で主演男優賞、脚本賞を受賞。全米映画批評界協会賞で主演男優賞を受賞。アカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞、編集賞、音響録音賞の6部門にノミネートされている。

原題:Moneyball
監督:ベネット・ミラー 脚色:スティーブン・ザイリアン アーロン・ソーキン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


※本年の映画賞情報は、2月中旬現在
新人俳優賞
優秀賞熊田聖亜「さや侍」


今回こういう素晴らしいと言うか、素敵なと言うか、カッコいい賞をいただいて本当に嬉しく思っています。野見さんと一緒に同じ作品から新人賞に選ばれたのはすごいことだと思っていて、たぶんそれは、やっぱり松本監督の力がすごかったんじゃないかなと思います。これからもこういう場に呼ばれるように一生懸命頑張りたいと思います。今日はありがとうございました。

幼少の頃から数々のCM、TVドラマなどに出演。映画は4本目だが、これまではヒロインの少女時という役柄が多く、本作が初めて自身の役柄となった。無用な芸しかできない父親・勘十朗を時に叱り、支え、引っ張っていくという重要な役を熱演して感動を与えた。
優秀賞桜庭ななみ「最後の忠臣蔵」


今回こんなに素敵な賞をありがとうございます。この賞をいただけたのも右も左もわからない私に、一から教えてくださった杉田監督、そしていつも温かく見守ってくださったスタッフの皆さん、そして、何度テイクを重ねても、何度も何度も一緒にお芝居をやってくださった役所(広司)さんや佐藤(浩市)さんやキャストの皆さんのおかげです。本当に感謝しています。この賞を糧にこれからもお芝居の勉強を頑張っていきます。本当にありがとうございました。

大石内蔵之介の娘であることを知らないまま、厳しいながらも慈しみ育てられ成長したかね可音を演じた。好きな人への思いを抑え、武家の娘としての宿命を受け入れて嫁ぐ、凛とした様が心を打つ。透明感のある居住まい、秘めた芯の強さが印象的な本作等で、既に昨年の新人賞を4つ受賞している。
優秀賞渡邉このみ「八日目の蟬」


渡邉このみです。ありがとうございました。今日はとても嬉しいです。撮影はとても楽しかったです。

撮影当時4歳、しかも演技経験はほぼゼロという状態で小豆島などの長期地方ロケに参加。助監督が付きっ切りで演技指導して自然な演技に作り上げていった。本作になくてはならない重要な役割をやりとげ、日本アカデミー賞新人賞受賞の最年少記録を更新。
優秀賞上地雄輔「漫才ギャング」


このように人生に一度しかいただけないすばらしい賞をいただけて、本当に光栄に思いますし、監督ならびに関係者の皆様に心から感謝しております。これからも羞恥心を持って頑張ります。ありがとうございました。

近年、バラエティ番組や歌手としても活躍しているが、既に99年に俳優デビューをしている。数多くのTVドラマや30本近い映画出演があり、本作が準主演2本目。仲間のために喧嘩を繰り返す破天荒な若者が、本気で芸人を目指す過程で少しずつ変わっていく姿を巧みに表現し、評価を得た。
優秀賞高良健吾「軽蔑」


最初この賞をいただけると聞いたときに自分がもらっていいものかなと思ったんですけれども、「軽蔑」という作品でこの場所に立てていることがとても意味のあることかなと思っています。これで、「軽蔑」という作品を知ってくれる方々が、一人でも多く増えるんだったら、僕がここに立っているのはとても幸せなことです。ありがとうございました。

06年の映画初出演以来、5年間で20本以上の映画出演作がある。主演として2作目となる本作は『廣木さんと出会ってなかったら今の僕はないと思う』と公言し信頼する監督と「M」(07)以来の仕事となる。繊細で優しい心根を持ちながら破滅に向かって突き進むこの役で、本年の高崎映画祭最優秀主演男優賞とエランドール新人賞を受賞。
優秀賞野見隆明「さや侍」


今回本当に松本(人志)監督ならびにスタッフの皆さんに感謝します。こんな賞を獲れると思わなかったので、びっくりです。本当にありがとうございました。

監督である松本人志が企画・進行するバラエティ番組「働くおっさん劇場」(CX)の素人の出演者だった。本作は、台本もない上に本人には映画とも知らされないまま撮影されたという。54歳にして、映画初出演・初主演。第26回の田中泯氏に次ぐ年齢で、新人賞を受賞した。
優秀賞長谷川博己「セカンドバージン」


僕は、本当に日本映画が大好きで、ずっとたくさんいろんな映画を見てきました。何としても早くこの世界に入りたいなとずっと思っていました。その一番最初の作品で、こうやって新人賞を獲れたというのは、本当に嬉しいです。こうして門を開いていただきましたので、そこから真っ直ぐとその道に向かって進んで行けるように日々精進したいと思います。どうもありがとうございました。

同名のTVドラマ(NHK)が高視聴率を上げ、その映画版で自身念願だった銀幕デビューを果たした。妻がある身で年上の女性を愛してしまう役ながらも、その純愛に身を任せる姿が女性の心をつかんだ。主演したドラマ『鈴木先生』(TX)は、業界内視聴率№.1と言われ『日本民間放送連盟賞』テレビドラマ番組最優秀賞を受賞。本年のエランドール新人賞も受賞。
会長特別賞
優秀賞岡田茂(製作者 2011.5.9没 享年87歳)


「昨年5月、父、岡田茂が亡くなりまして、はや10ヶ月が経ちました。父は映画界に入って60年の間、映画プロデューサーとして、東映社長・会長として、映団連会長として、映画と共にあった人生でした。これも父を支えてくださった映画関係の皆さんのおかげと家族を代表いたしまして感謝申し上げます。そして今日3月2日は偶然にも父の誕生日にあたっておりまして、この日にこのような栄えある賞をいただくというのも、何かの巡り合わせのように感じております。今日は本当にありがとうございました」(代理:お嬢様の大黒晴江さん/奥様の彰子さんも登壇)

豪放磊落にして、繊細かつ緻密、数々の伝説的なエピソードで多くの映画人から愛され、戦後の日本映画の礎を築いたといえる岡田氏は47年、東映の前身にあたる東横映画に入社。戦没学生の遺稿集を題材にした「日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声」(50)の製作実務を担当し、業績を認められる。入社4年目で、京都撮影所の製作課長に抜擢され、その後、京都、東京撮影所の所長を歴任。71年に東映社長に就任。60年代後半よりテレビに押されて衰退した時代劇に代わり「人生劇場 飛車角」(63)や「昭和残侠伝」(65~72)「緋牡丹賭博」(68~72)シリーズなどの任侠路線を導入する。また65年にスタートした『銭形平次』などテレビ時代劇にも力を入れる。70年代初頭には「仁義なき戦い」(73~74)シリーズなど実録路線をヒットさせて映画界をリードした。75年には京都太秦映画村をオープンさせるなど経営者としても手腕を発揮。93年まで社長を務めた後、会長、相談役を経て、06年に名誉会長。日本映画製作者連盟会長なども務め、また78年の日本アカデミー賞創設にも尽力し、79年より88年まで同協会会長を務める。84年藍緩褒章、95年勲二等瑞宝章を受章。著書に「悔いなきわが映画人生-東映と共に歩んだ50年」(01)「波瀾万丈の映画人生」(04)がある。『映画の本質は、泣く、笑う、(手に汗)にぎるの3つ。この3つの要素がないと当たらん』とスターや製作スタッフを叱咤激励した生粋の映画人だった。
優秀賞佐野武治(照明 2011.3.4没 享年80歳)


「佐野さんの功績は皆さんご存知だと思うんですが、照明の神様と言われた。佐野さんありがとうございました。長い間お疲れさまでした。日本照明協会としても、日本映画・テレビ照明協会の佐野さんの功績は偉大であり、映画のみならずコマーシャルの賞名においても我々後輩に対してすべての道をつけていただきました。これを機に照明一同、励みにしたいと思います。本日は本当にありがとうございました」 (代理:日本映画・テレビ照明協会副会長の西野哲雄さん)

佐野氏は生前、照明を絵に例えて『カメラマンがスケッチをした後にわれわれが色をつけていく』と発言されているが、照明は光と影や色彩によって映像に個性的な表現を定着させる重要なパートである。優れた照明担当者は、自然の中や社会生活の中でも、どのような光と影、色彩によって現実が成立しているのかを常に観察し、その雰囲気を映像の中に表現するには、どれだけの光を、どんな色調で、どの角度から照明するかを判断するが、佐野氏こそは、まさにその第一人者だった。映画を生かすも殺すも照明であることを知りつくした佐野氏は、48年松竹京都撮影所に入社、57年、同撮影所の契約技師となる。64年、松竹京都撮影所の閉所にともない、以後フリーランスの照明技師として活躍する。大島渚監督「無理心中日本の夏」(67)「帰って来たヨッパライ」(68)、実相寺昭雄監督「無常」(70)「曼陀羅」(71)「歌麿・夢と知りせば」(77)、小泉堯史監督「雨あがる」(00)、吉田喜重監督「鏡の女たち」(03)、大林宣彦監督「理由」(04)などが知られるが、晩年の黒澤明監督「影武者」(80)「乱」(85)「夢」(90)「八月の狂詩曲」(91)「まあだだよ」(93)、篠田正浩監督「沈黙」(71)「瀬戸内少年野球団」(84)「鎚の権三」(86)「舞姫」(89)などは特筆すべき成果といえるだろう。永年、日本映画テレビ照明協会会長を務め、後進の育成にも力を注ぐ。09年、旭日小綬章を受章。
【受賞歴】第8回最優秀照明賞「瀬戸内少年野球団」、第9回優秀照明賞「乱」、
第10回優秀照明賞「鑓の権三」、第14回優秀照明賞「夢」、第15回最優秀照明賞「八月の狂詩曲(ラプソディー)」、第17回最優秀照明賞「虹の橋」「まあだだよ」、第24回最優秀照明賞「雨あがる」
優秀賞高峰秀子(女優 2010.12.28没 享年86歳)


「うちの嫁さんは女優業が嫌いな人でした。しかし、いい仕事は残したと思います。この度はありがとうございました」(代理:夫で映画監督・脚本家の松山善三さん/娘の朋美さんも出席)

サイレント、トーキー、カラーという映画の発展と共に、名実ともに日本映画を代表する名女優として活躍した高峰氏は、5歳の時に松竹蒲田映画「母」(29)でデビュー。小津安二郎監督「東京の合唱」(31)などで愛らしい天才子役として注目され、山本嘉次郎監督「綴方教室」(38)「馬」(41)などでも好演。暗い世相の中で明るいキャラクターとして人気を集める。日本初のカラー映画である木下恵介監督「カルメン故郷に帰る」(51)で主演。木下監督とは「女の園」「二十四の瞳」(共に54)、そして「喜びも悲しみも幾歳月」(57)でもコンビを組み、それぞれ毎日映画コンクール女優主演賞を受賞する。また成瀬巳喜男監督「浮雲」(55)では戦争で人生の歯車が狂ったヒロインを演じて高く評価される。成瀬作品には「流れる」(56)「放浪記」(62)「乱れる」(64)「ひき逃げ」(66)など17本に出演し、日本映画史上絶妙のコンビと謳われた。55年には当時、助監督だった松山善三監督と結婚。松山監督の「名もなく貧しく美しく」(61)や「六條ゆきやま紬」(65)でも女優としての実力と貫禄を見せた。メロドラマからシリアスな社会派映画まで巾広い役柄を演じ分けたが、木下作品「衝動殺人 息子よ」(79)を最後に女優業を引退。テレビや舞台でも活躍したが「つづりかた巴里」(79)など軽妙なエッセイを多数執筆。「わたしの渡世日記」では76年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。75年に紫綬褒を受章。
【受賞歴】第3回優秀主演女優賞「衝動殺人 息子よ」、第19回会長功労賞
優秀賞原田芳雄(俳優 2011.7.9没 享年71歳)


「今までいろんな形で、映画を通してスクリーンを通して宴会を通して、原田芳雄と交流してくださったすべての皆様に代わりにお礼を申し上げます。昨年入院生活を送っていたんですけども、本人も含め、私たち家族は復活のことしか考えておりませんで、能天気にただただ生きて映画に戻るんだということを考えておりました。原田芳雄は、まだ新しい可能性を持っていた俳優だと思っております。それが見れなかったのは残念ではありますが、想像で楽しむことにして、これからもいろんな作品を見ていきたいと思っております」(代理:娘・俳優の原田麻由さん)


遺作「大鹿村騒動記」(11)まで見事に役者人生を全うしたと言っても過言ではない原田芳雄氏は、63年に俳優座養成所に入り、66年に俳優座入団。67年に舞台『どれい狩り』、TVドラマ『天下の青年』(CX)で頭角をあらわし、68年の松竹作品「復讐の歌が聞こえる」で映画デビューする。ジーンズにサングラスの異色のアウトロー役で主演した「反逆のメロディー」(70)で注目され、71年に俳優座退団後、数多くの映画やテレビドラマに出演。日本映画を代表するベテラン監督から若手、新人監督の作品まで100本を越える映画に似出演するが、その独特の台詞回しや仕草は、松田優作をはじめ多くの映画人に影響を与えた。盟友ともいえる黒木和雄監督「祭りの準備」(75)や「竜馬暗殺」(74)「父と暮らせば」(04)、若松孝二監督「われに撃つ用意あり」(90)「寝盗られ宗介」(92)などが代表作として挙げられるだろうが、鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」(80)「陽炎座」(81)、阪本順治監督「どついたるねん」(89)や「鉄拳」(90)「KT」(02)なども忘れ難い。ミュージシャンとしても積極的にライブ活動を行い、その独特の渋い声を生かしてナレーションも数多く担当した。また鉄道ファンとしても知られ、03年から10年まで『タモリ倶楽部』(ANB)にも度々出演。その思い入れの深さが新たなファンを獲得していた矢先だった。03年には紫緩褒章、そして没後には旭日小緩章が授与された。
【受賞歴】第14回優秀主演男優賞「浪人街」「われに撃つ用意あり」、第16回優秀主演男優賞「寝盗られ宗介」
優秀賞森田芳光(監督 2011.12.20没 享年61歳)


「この会場に参りまして、今までご一緒にお仕事したスタッフキャストの方がたくさんいらして、本当に感慨深く、日本アカデミー賞は日本映画のお祭りなんだなと実感しております。アカデミー賞は、最初に「家族ゲーム」のときに、最優秀賞は誰も獲れず、そのとき本人は、「1本や2本、いい映画を作ってもダメだ。日本映画界を支えるすべての方たちから、映画界に必要不可欠な人間と認められないとダメだから頑張る」と申しまして。それからも何本もお呼びいただき、「阿修羅のごとく」のときに最優秀をいただくことができました。そして、本人は志半ばで逝ってしまいましたけれども、今日このような日本映画での功績を認める賞をいただきまして、本人も心から皆さんに感謝していると思います。本当に今日はありがとうございました」(代理:奥様でプロデューサーの三沢和子さん)

家族全員が長い食卓に画面に向かって横一列に並んで座る――日本映画の伝統に果敢に挑み、なおかつ斬新なヴィジュアルが目をひいた「家族ゲーム」(83)で、森田監督は80年代の日本映画界を震撼させた。日大芸術学部時代から自主映画を製作し、8ミリ作品「ライブイン・茅ヶ崎」(78)が、ぴあフィルムフェスティバルに入選。81年、二つ目の落語家を主人公にした青春映画「の・ようなもの」で劇場用映画デビュー。「家族ゲーム」はキネマ旬報ベストワンをはじめ、数々の映画賞を独占し、新世代の旗手として注目される。カルト映画として語り継がれる「ときめきに死す」(84)や角川映画「メイン・テーマ」(84)を経て、夏目漱石原作、松田優作主演「それから」(85)も高く評価され、実力派監督として認知される。パソコン通信による男女の出会いを描いた「(ハル)」(96)、ベストセラー原作を大ヒットさせた「失楽園」(97)、向田邦子脚本のテレビドラマをリメイクした文芸作「阿修羅のごとく」(03)、黒澤明監督の名作のリメイク「椿三十郎」(07)など早すぎる晩年に至るまで、常に新鮮な映像表現に挑み、自主映画時代からの志を持続させた。約30年に亙る映画人生だった。幼い頃から好きだった鉄道を題材にオリジナル脚本で撮った「僕達急行・A列車で行こう」の公開を今年3月に控えていたが、これが遺作になった。久々のハートフル・コメディは、森田監督の本領発揮になっていた。
【受賞歴】第7回優秀監督賞、脚本賞「家族ゲーム」、第9回優秀監督賞「それから」、第10回優秀脚本賞「ウホッホ探検隊」「そろばんずく」、第12回優秀脚本賞「バカヤロー!」、第20回優秀脚本賞「(ハル)」、第21回優秀監督賞「失楽園」、第27回最優秀監督賞「阿修羅のごとく」

大野靖子
(おおのやすこ)
脚本
2011/1/6没 82歳
細川俊之
(ほそかわとしゆき)
俳優
2011/1/14没 70歳
坂上二郎
(さかがみじろう)
コメディアン・俳優
2011/3/10没 76歳
沖山秀子
(おきやまひでこ)
俳優
2011/3/21没 65歳
出崎 統
(でさきおさむ)
アニメーション監督
2011/4/17没 67歳
田中好子
(たなかよしこ)
俳優
2011/4/21没 55歳
児玉 清
(こだまきよし)
俳優
2011/5/16没 77歳
安藤庄平
(あんどうしょうへい)
撮影
2011/5/20没 77歳
長門裕之
(ながとひろゆき)
俳優
2011/5/21没 77歳
野田助嗣
(のだすけつぐ)
協会役員・プロデューサー
2011/6/1没 65歳
馬場 当
(ばばまさる)
脚本
2011/6/29没 84歳
武田 敦
(たけだあつし)
監督・脚本・製作
2011/7/12没 84歳
貞永方久
(さだながまさひさ)
監督
2011/7/14没 79歳
竹脇無我
(たけわきむが)
俳優
2011/7/21没 67歳
杉浦直樹
(すぎうらなおき)
俳優
2011/9/21没 79歳
山内 賢
(やまうちけん)
俳優
2011/9/24没 67歳
石堂淑朗
(いしどうとしろう)
脚本
2011/11/1没 79歳
市川森一
(いちかわしんいち)
脚本
2011/12/10没 70歳
吉田哲郎
(よしだてつろう)
脚本
2011/12/20没 82歳

(※前年没日順)

協会特別賞
優秀賞御所園久利「大道具」


「はじめに大道具というジャンルに注目していただいた日本アカデミー賞協会の関係者の方々にお礼を申し上げます。そして大道具という仕事を私に与えて、育ててくれた日活に感謝したいと思います。そして私にしたがって、私と一緒に大道具を作り、撮影を供にした日本活動装置の社員のみんなに感謝いたします。そして最後に私の背中を押し続けてくれている妻にお礼を言います。どうもありがとうございました。」

画面に写りこむものを具体化するために大道具担当者は他のスタッフよりも、たえず一歩先に仕事をスタートする。まず美術監督が作成したセット、デザイン図を基に詳細な打ち合わせが行われる。セットの全貌を把握し、他の美術職能と密接に連絡をとり、建て込み作業を進行させ、セットを期日までに完成させる。美術関係者は勿論、多種多様の職能を統括し、権限と重要性を担って膨大な仕事を完遂する。苛酷かつ芸術性を追究していく重要なポストであり、大道具は映像における統括的なイメージの表現者といえる。御所園氏は、その技術の発展に多大な貢献をされてきた。
 78年に日活撮影所美術センターに装置係として入社した御所園氏は、大道具責任者の重鎮、本間清二氏の薫陶を受け、映画美術装置の技術、技法を習得し、豊富な経験を生かして、綿密な作業工程の策定、適切な予算執行で効率的運用を実現させてきた。その技術の高さと共に関連する塗装、建具、造園、背景パートなどへの目配りの確かさによって、監督、デザイナーはもとより、全てのスタッフから絶大な信頼を寄せられている。「お葬式」(84)「キッチン」(89)「トキワ荘の青春」(96)「リング」(98)「雨あがる」(00)「木曜組曲」(02)「おくりびと」(08)「風が強く吹いている」(09)「告白」(10)など約180本もの作品を手がけ、2000年には日本活動装置を設立。個性的な美術を開発し、技術の継承を積極的に行っている。
(1949生まれ)
話題賞
作品部門:「モテキ」


大根仁監督
ありがとうございます。アカデミー賞の中で唯一、一般のお客さんが参加して投票できるこの賞をいただけたということは『モテキ』のようなエンターテイメント作品にとって、また、僕にとってもスタッフキャストにとってもおそらく最優秀作品以上の喜びであり誇りを感じております
俳優部門:前田敦子「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」


私はまだ女優業は何もわからない状態でスタートしたばかりですが、こんな素敵な賞をいただけてとても糧になります。映画が大好きなので、今日こうして素晴らしい役者の皆さんや監督、スタッフの皆さんとご一緒できるだけでもとても嬉しく思います。