第37回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2014(平成26)年3月7日(金)
場所: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
司会: 西田敏行、樹木希林

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞

最優秀作品賞 「舟を編む」


【最優秀受賞コメント】
金メダル取れました!この作品は非常に地味な作品なんですけど、石井監督、主演の松田龍平さん含め若いスタッフで一生懸命いい作品を作っていただきまして、ここにこの賞をもらうことになりました。本当にありがとうございました(製作 井澤昌平)。皆で作った映画なのでこうやってここにスタッフとキャストと皆で一緒にいられるのがすごく嬉しいです(石井裕也監督)。

【作品情報】
12年本屋大賞第一位に輝いた三浦しをん原作の小説を映画化。営業部から異動し、辞書編纂の仕事をすることになったちょっぴり変わり者の馬締(るび:マジメ)光也が、個性的な周囲の人たちと共に辞書作りに情熱を傾けていく。辞書完成までの15年の月日を温かな視点で、ユーモアも交えて描く感動の物語。メガホンを取ったのは「川の底からこんにちは」(10)で第53回ブルーリボン賞監督賞史上最年少受賞をはじめ数々の賞に輝き、国内外から注目を集める石井裕也監督。本作は報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞の作品賞、毎日映画コンクールの日本映画大賞と監督賞、およびキネマ旬報の監督賞を受賞。今回は12部門で優秀賞と新人俳優賞を受賞。

監督:石井裕也 脚本:渡辺謙作
[製作会社]テレビ東京/松竹/アスミック・エースエンタテインメント/電通/光文社/朝日放送/テレビ大阪/読売テレビ/朝日新聞社/フィルムメイカーズ/リトルモア

優秀作品賞 「凶悪」


死刑囚から出版社に届いた一通の手紙には、3件の余罪の告白が。半信半疑で取材を始めたジャーナリストが、やがて狂気に取りつかれたかのように事件解明にのめり込んでいき……。衝撃の実話を綴ったベストセラー・ノンフィクション、新潮45編集部編『凶悪-ある死刑囚の告発-』を本作が2作目の監督・脚本作品となる白石和彌監督が映画化。観客を震撼させるリアルな描写、スリリングなストーリー展開、役者陣の怪演で、心にずしりと響く一本となった。ヨコハマ映画祭ベストテン1位。報知映画賞の監督賞および、ヨコハマ映画祭森田芳光メモリアル新人監督賞を獲得。今回は4部門において5賞(助演男優賞は2人)の優秀賞を受賞。
監督:白石和彌 脚本:高橋泉/白石和彌
[製作会社]日活/ハピネット

優秀作品賞 「少年H」


「鉄道員」(99)で日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞に輝く名匠・降旗康男監督が、妹尾河童のベストセラー小説を映画化。昭和初期の神戸を舞台に、激動の時代を生き抜いた家族の姿を描く感動のドラマ。戦後、日本が復興に向けて動き出すさまが、震災後の日本の姿に重なり、観る者を勇気づける。ワープステーション江戸に戦前の神戸の街並みを再現したほか、韓国ロケなども行いスケールの大きな映像を実現している。少年Hの父親役を演じるのは水谷豊。実生活の妻である伊藤蘭と約30年ぶりに共演し、夫婦役を演じたことでも話題に。第36回モスクワ国際映画祭GALA部門特別作品賞、日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞を受賞。今回は2部門の優秀賞および新人賞を受賞。
監督:降旗康男 脚本:古沢良太
[製作会社]テレビ朝日/東宝/トライサム/博報堂DYメディアパートナーズ/朝日放送/クリーク・アンド・リバー社/メ~テレ/北海道テレビ/九州朝日放送/朝日新聞社/神戸新聞社/講談社/GyaO!

優秀作品賞 「そして父になる」


もともと是枝裕和監督作品のファンだったという福山雅治が監督にラブコールを送り、誕生した作品。「今まで見たことのない福山雅治を撮りたい」と考えた是枝監督が、福山に用意したのは初の父親役だった。6歳になる1人息子が、実は出産直後に取り違えられた他人の子だと判明したところから、平穏に見えた日常が崩れ、葛藤が生まれていく……。改めて、家族の絆とは何かを静かに力強く問いかける作品。第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を獲得するほか海外で高く評価された。また、日刊スポーツ映画大賞の監督賞およびヨコハマ映画祭脚本賞を受賞。今回は12部門で優秀賞に輝いている。
監督・脚本:是枝裕和
[製作会社]フジテレビジョン/アミューズ/ギャガ

優秀作品賞 「東京家族」


12年に世界の映画監督が選ぶ優れた映画第一位に選ばれた小津安二郎監督の「東京物語」(53)をモチーフに描く、現代版の東京物語。瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が、娘・息子のいる東京へ。しかし子供たちは日々忙しく、両親をもてなすどころか押し付け合うばかりで……。どこにでもいそうな現代日本の家族の姿を笑いと切なさを交えて映し出す。当初は11年に撮影される予定だったが、東日本大震災により撮影を延期。震災後の日本に舞台を置きかえて脚本を練り直し、撮影にこぎつけた。山田洋次監督にとって81本目の監督作品であり、監督生活50周年記念作品となる。日本アカデミー賞では12部門で優秀賞を受賞。
監督:山田洋次 脚本:山田洋次/平松恵美子
[製作会社]松竹/住友商事/テレビ朝日/衛星劇場/博報堂DYメディアパートナーズ/講談社/日販/Yahoo! JAPANぴあ/読売新聞社/TOKYO FM/朝日放送/メ~テレ/RCC/九州朝日放送/北海道テレビ

優秀作品賞 「利休にたずねよ」


大胆な仮説をもとに千利休の謎に迫り、第140回直木賞を受賞した歴史小説を、「火天の城」(09)などの田中光敏監督が映画化。安土桃山時代、“茶聖”と呼ばれた千利休の人生を遡り、その美意識の原点を探っていく。原作者からのラブコールを受けた市川海老蔵が千利休を存在感たっぷりに演じるほか、若き日の利休の師・武野紹貎役として海老蔵の父・市川團十郎が特別出演を果たしたのも話題となった。京都府や滋賀県の寺院などで撮影を敢行し、さらに実際に利休が使用したとされる茶の名器なども登場。日本文化の美を余すところなく表現した映像が心にしみる。第37回モントリオール世界映画祭では最優秀芸術貢献賞受賞。今回は9部門で優秀賞を受賞。
監督:田中光敏 脚本:小松江里子
[製作会社]東映/木下グループ/キングレコード/東映ビデオ/テレビ東京/東急エージェンシー/ギルド/テレビ大阪/クリエイターズユニオン/日本出版販売/PHP研究所/読売新聞社/東映チャンネル

優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞

最優秀アニメーション作品賞 「風立ちぬ」


【最優秀受賞コメント】
「ありがとうございます」と言いつつ、ちょっと複雑です。というのは、去年ジブリは「風立ちぬ」と「かぐや姫の物語」の2本の作品を作ってしまいました。(どちらかしか受賞できないため)同じ年に2本作るべきではない。そういう教訓を得ました。(鈴木敏夫プロデューサー)

【作品情報】
「崖の上のポニョ」(08)以来、5年ぶりの宮崎駿監督作品。実在した零戦の設計技師・堀越二郎と、同時代を生きた文学者・堀辰雄の人生を交えてひとりの主人公”二郎“として映画化。大正から昭和前期を舞台に飛行機作りの夢を追い掛けた1人の男性の半生を描く。ヴェネチア国際映画祭出品作。興行収入は120億円を超え、13年度最大のヒット作となった。第71回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞および第86回米アカデミー賞長編アニメ賞ノミネート。全米映画批評会議が選ぶ2013年最優秀アニメ賞、およびニューヨーク映画批評協会アニメ部門最優秀作品賞。また、宮崎駿監督は、アニメ界のアカデミー賞とも言われるアニー賞の脚本賞を受賞。なお、宮崎監督は本作を最後に長編アニメ製作からの引退を表明している。
監督・脚本:宮崎 駿
[製作会社]スタジオジブリ/日本テレビ/電通/博報堂DYMP/ディズニー/三菱商事/東宝/KDDI

優秀アニメーション作品賞 「かぐや姫の物語」


「火垂るの墓」(88)、「おもひでぽろぽろ」(91)などの名匠・高畑勲監督が、8年の製作期間と総製作費50億円をかけて日本最古の物語文学『竹取物語』を映画化。監督にとっては14年ぶりの新作となる。自らが共同で脚本も手がけ、かぐや姫の罪と罰、そして心情を細やかに描き出す。声を先に録音するプレスコの手法を採用。アニメーションは、濃淡や強弱のある描線が斬新で美しい。中でもすべて水彩画で描かれたかぐや姫が疾走するシーンは、スピード感と臨場感に溢れ迫力たっぷり。かぐや姫役は、数百人の候補者の中からオーディションで選ばれた朝倉あき。幼馴染の捨丸役に高良健吾、かぐや姫を育てる翁役をこれが遺作となった地井武男が演じている。毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞。
監督:高畑 勲 脚本:高畑 勲、坂口理子
[製作会社]スタジオジブリ/日本テレビ/電通/博報堂DYMP/ディズニー/三菱商事/東宝/KDDI

優秀アニメーション作品賞 「キャプテンハーロック」


77年に連載が開始され、翌年にはテレビアニメ化された松本零士の人気コミック『宇宙海賊キャプテンハーロック』を、「スターシップ・トゥルーパーズインベイジョン」(12)などの監督を務める荒牧伸志がCGアニメーション作品として映画化。モーションキャプチャーやフェイシャルキャプチャーで体の動きや表情をデータ化。それをもとにリアルなCGキャラクターが構築されている。総製作費は3000万ドル。人類のために戦う伝説の宇宙海賊ハーロックの生きざまやその過去を描きつつ、ハーロックの刺客としてやってきたスパイ・ヤマとの関係などをサスペンス仕立てで壮大なスケールで描きだす。ハーロックの声を小栗旬、ヤマ役の三浦春馬は本作で声優初挑戦。ヴェネチア国際映画祭特別招待作品。
原作総設定:松本零士 監督:荒牧伸志 脚本:福井晴敏・竹内清人
[製作会社]東映アニメーション/サミー/木下グループ/東映/東映ビデオ

優秀アニメーション作品賞 「劇場版魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」


11年にテレビシリーズが放映され、熱狂的ファンを生み出したオリジナルアニメーション『魔法少女まどか☆マギカ』。テレビシリーズは、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門など数々の賞を獲得し、劇場版前後編として再編集されスマッシュヒットとなった。それに続く本作は映画のための完全オリジナルストーリー。後編のラストで魔法少女たちによって新たに構成された世界のその後、“叛逆”の物語を描く。テレビシリーズのメインスタッフが再結集して手がけたアニメーションは、イマジネーション豊かに楽しませ、めくるめく“映像サーカス”も見もの。興行収入は20億円を突破し、深夜アニメの映画化作品として史上最高を記録している。
総監督:新房昭之 脚本:虚淵玄(ニトロプラス) 監督:宮本幸裕
[製作会社]Madoka Movie Project/アニプレックス/芳文社/博報堂DYメディアパートナーズ/
ニトロプラス/ムービック/シャフト/毎日放送

優秀アニメーション作品賞 「ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE」


モンキー・パンチ原作で71年にテレビアニメ化されて以来、長年にわたり人気を誇ってきた『ルパン三世』。一方、96年にアニメシリーズが放映開始し、現在も絶賛放映中の青山剛昌原作『名探偵コナン』。09年“金曜特別ロードショー”で初めてコラボレーションアニメが放映され、高視聴率を記録したが、その好評を受けて、第二弾として完全オリジナルストーリーで映画化。ハードボイルドな大泥棒ルパン三世とその一味VS天才的な推理力を持つ名探偵コナンの奇跡の真っ向対決は、大人から子供まで楽しめるエンターテインメントとなった。今回のスペシャルゲストは、声優は初挑戦となる内野聖陽、夏菜。そして、三浦知良が友情出演している。興行成績は42億円を超える大ヒットとなっている。
監督:亀垣 一 脚本:前川 淳
[製作会社]日本テレビ放送網/小学館 /読売テレビ放送 /トムス・エンタテインメント /東宝 /
ShoPro/ バップ/STV・MMT・SDT・CTV・HTV・FBS
優秀監督賞
最優秀賞石井裕也(舟を編む)


【最優秀受賞コメント】
今回は、松田さんをどうしても勝たせたかった、と言うか、勝たせようと思っていましたので(松田さんが最優秀主演男優賞で)良かったです。一緒に戦ってくれたスタッフの人たちが本当に素晴らしかったので感謝してます。
※初受賞
優秀賞是枝裕和(そして父になる)


監督賞を頂いたとのこと。本当にありがとうございます。日本アカデミー賞はテレビで観るものだとずっと思っていたのですが・・・。いったいどんな顔をしてあの場所に座っていれば良いのか、まだわからずにおりますが、スタッフ、キャストと一緒に“初体験”を楽しみたいと思っています。
※初受賞
優秀賞白石和彌(凶悪)


この度は優秀賞に選出して頂きありがとうございます。原作者であるジャーナリストの宮本さんの書かれた本に魂を奪われるようにして作った作品です。山田孝之さんを始め、全てのキャスト・スタッフ、そして映画を見てくださった観客の皆様に心より感謝致します。これからも奢ることなく、人間を見つめながら丁寧な映画作りが出来るよう精進致します。
※初受賞
優秀賞三谷幸喜(清州会議)


「清須会議」では、優秀監督賞を頂きましたが、肝心の作品賞は逃してしまいました。嬉しい反面、悔しいです。そして、僕が頂いたせいで、優秀作品賞は貰ったのに監督賞からはずれてしまわれた方が、きっとお一人いるわけで、その方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ごめんなさい。
でも僕だったら、監督賞貰って作品賞逃すより、作品賞貰って監督賞逃す方が、どっちかと言うと嬉しいかな。本当はどっちも貰うのが、そりゃ一番嬉しいに決まっているのですが。次、頑張ります。
【受賞歴】第21回に「ラヂオの時間」で初受賞。監督作6作全てで監督賞を受賞。
優秀賞山田洋次(東京家族)


この作品は素敵なキャスト、スタッフたちと共に戦前から戦後、そして現代に至るまでのこの国の歴史が、その大きな時代の中に遠ざかる男と女の切ない物語を通して見えてくるように作りあげたものです。みんなと共に受賞の喜びを分かち合いたい。
【受賞歴】監督賞は16度目の受賞。第1回「幸福の黄色いハンカチ」「男はつらいよ」シリーズなどこれまでに最優秀を3度受賞。第6回に特別賞、第36回に協会栄誉賞を受賞。
優秀脚本賞
最優秀賞渡辺謙作(舟を編む)


【最優秀受賞コメント】
こういう立派な賞をいただいてしまうと、酒飲んで暴れたり、悪さができなくなってしまう気がして、ちょっと戸惑っているんですが、脚本を書いているときに一番大変だったのは石井監督のいちゃもんというか、要望に応えることでした。とにかく嫁をいびる姑ぐらい細かいダメ出しをいろいろとされてきたので、こういう賞を獲れたのも監督のおかげかなと思っています。
※初受賞
優秀賞是枝裕和(そして父になる)


大学時代、実は脚本家になりたくて勉強していた人間としては、脚本を誉めていただけるのが何より嬉しいのです。本当にありがとうございます。
※初受賞
優秀賞高橋泉/白石和彌(凶悪)


高橋泉「凶悪」
この度は優秀脚本賞を頂き、とても嬉しく、光栄に思います。実際に被害者のいる事件が題材ですから、最後の最後までモラルとリアルのバランスに苦しめられました。「凶悪」が話題性のみに終わらず、基盤となる脚本が評価されたことは、今後の執筆の糧になります。ありがとうございました。
※初受賞

白石和彌「凶悪」
※初受賞 (コメントは監督部門参照)
優秀賞三谷幸喜(清州会議)


脚本家として本音を言わせてもらえば、脚本賞は、オリジナル脚本賞と、脚色賞に分けてもらえると嬉しいです。ゼロから物語を作るのと、原作があるものとでは、もちろんどちらも大変なんだけど、大変の質が全然違うと思うのです。おでんとブイヤベースを鍋料理としてひとくくりにするくらい、違和感があるのです。どなたに言えばいいのか分かりませんが、どなたか、御一考下さると幸いです(ただ、今回の僕は、原作も自分で書いているので、こういうケースはどうなるのだろう)。
【受賞歴】脚本賞は8度目の受賞。第21回「ラヂオの時間」で最優秀を受賞。
優秀賞山田洋次/平松恵美子(東京家族)


山田洋次 「東京家族」
【受賞歴】脚本賞は15度目。第26回「たそがれ清兵衛」など最優秀を4度受賞 (コメントは監督部門参照)

平松恵美子「東京家族」
「東京家族」は、2011年3月9日に印刷があがった脚本で撮影をする予定でした。その2日後に東日本大震災が起こり、撮影は一年間の延期。脚本も現在の東京を描くには、東日本大震災のことを抜きにできないと直しました。そのようなこともあり、私にとっては生涯忘れ得ぬ仕事のひとつです。
【受賞歴】第24回「十五才 学校Ⅳ」で初受賞。5度目の受賞。
優秀主演男優賞
最優秀賞松田龍平(舟を編む)


【最優秀受賞コメント】
嬉しいです。光栄です。大島渚監督の「御法度」で新人賞をいただいて、それからこうやって主演男優賞をいただいて。僕の親父を好きだった方に期待されているなとすごく感じます。いろんな方に、いろいろ影響を受けて、その中で自分のやれることを見つけていけたらいいなと思います。

※ ※ ※
99年「御法度」で俳優デビューし、数々の映画新人賞を獲得。以来、その独特の存在感で映画界に欠かせない役者として活躍を続ける。本作で演じたのは、辞書作りを通して人間的にも成長していく主人公・馬締役。一風変わってはいるが、マジメで頑固でいつも一生懸命。不器用だけれど思わず周囲を笑顔にするような、愛すべきキャラクターを作り上げた。報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、キネマ旬報、毎日映画コンクールの主演男優賞を受賞。
優秀賞市川海老蔵(利休にたずねよ)


七代目市川新之助として活躍し、04年に十一代目市川海老蔵を襲名。映画、ドラマなどさまざまなメディアで活躍する歌舞伎界のスター。「出口のない海」(06)、「一命」(11)に続く三作目の映画主演となる本作で挑んだのは、安土桃山時代の茶人・千利休役。若く情熱的な10代から円熟味を増した晩年までを演じ切り、作品を成功に導いた。歌舞伎で培った所作も美しく、まさにハマり役。日本アカデミー賞は今回が初受賞。
優秀賞橋爪功(東京家族)


61年、文学座の第1期生として演劇活動を始め、劇団雲を経て、75年、演劇集団円の設立に参加。映画、舞台、ドラマなど幅広く活躍。本作では、子供たちへの愛情表現が不器用で頑固な“日本の父親”の心情を絶妙に演じ、観客の共感を呼んだ。日本アカデミー賞は、第13回「キッチン」「ジュリエット・ゲーム」「善人の条件」(89)と第15回「おいしい結婚」(91)で助演男優賞を、第20回「お日柄もよくご愁傷さま」(96)で主演男優賞を受賞している。
優秀賞福山雅治(そして父になる)


88年に俳優として、90年にシンガー・ソングライターとしてデビュー。以降、音楽活動、俳優、ラジオパーソナリティ、フォトグラファーなど幅広い分野で活躍。初めての父親役となった本作では、家族と改めて向き合い、真の父になっていくエリート男性の姿をリアルに演じた。本作と「真夏の方程式」(13)の演技で、ヨコハマ映画祭の主演男優賞を受賞。高崎映画祭最優秀主演男優賞受賞。日本アカデミー賞は今回が初受賞となる。
優秀賞渡辺謙(許されざる者)


米アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「許されざる者」(92)を、北海道を舞台にした時代劇として再生した本作。クリント・イーストウッドが演じた主人公を釜田十兵衛として演じ、深い悲しみを秘めた男の佇まいを唯一無二の存在感で体現した。03年「ラスト サムライ」で米アカデミー賞助演男優賞にノミネート。日本アカデミー賞主演男優賞は第30回「明日の記憶」(06)、第33回「沈まぬ太陽」(09)で最優秀を受賞。また、優秀助演男優賞も3度獲得。
優秀主演女優賞
最優秀賞真木よう子(さよなら渓谷)


【最優秀受賞コメント】
本当に嬉しいです。ありがとうございます。「さよなら渓谷」の現場にいた1人残らず、すべての方々のおかげで、この賞が獲れたと本当に心から思ってます。本当にありがとうございました。本当に嬉しいです。

☆今回の最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞のダブル受賞は35年ぶりの快挙となる。

※ ※ ※
芥川賞作家・吉田修一の同名小説を原作に、絶望を抱えた男女の極限の愛、人間の業を重厚に描きだした本作で、「ベロニカは死ぬことにした」(06)以来、7年ぶりの単独主演を果たした。辛い過去を持ち、複雑に揺れ動くヒロインの心情を繊細に表現し、報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、ヨコハマ映画祭、キネマ旬報の主演女優賞、および山路ふみ子賞を受賞。日本アカデミー賞は今回が初受賞。助演女優賞とのダブル受賞である。
優秀賞上戸彩(武士の献立)


97年、第7回全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞を受賞し芸能界入り。ドラマ、映画などに数多く出演する。江戸時代を舞台にした本作で演じたのは、料理の腕を見込まれて、包丁侍に嫁いだ妻。年下の夫に当初は反発されながらも陰ながら夫を支え、その心を溶かし、やがて本物の夫婦になっていく過程を魅力的に演じている。日本アカデミー賞は第27回「あずみ」(03)で主演女優賞、新人俳優賞、話題賞をトリプル受賞して以来となる。
優秀賞尾野真千子(そして父になる)


97年、第50回カンヌ国際映画祭でカメラ・ドールを受賞した河瀨直美監督作「萌の朱雀」(97)のヒロイン役でデビュー。再び河瀨監督とタッグを組んだ「殯の森」(07)がカンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。本作では福山雅治演じるエリートサラリーマンの妻役。子供の取り違えという悲劇に見舞われながらも、母として前向きに、子供のためにも強く生きていこうとする女性の姿を深みのある演技で魅せた。日本アカデミー賞は今回が初受賞で、助演女優賞とのダブル受賞。
優秀賞宮﨑あおい(舟を編む)


「EUREKA(ユリイカ)」(01)で脚光を浴び、初主演映画「害虫」(02)で国内外の賞を受賞。08年、NHK大河ドラマ『篤姫』の主演で国民的な人気を博す。本作では、主人公に一目ぼれされるヒロイン役。自らの夢を追い、強さと包容力を兼ね備えた女性を凛とした美しさで演じ、爽やかな印象を残している。日本アカデミー賞は第33回「少年メリケンサック」(09)、第35回「ツレがうつになりまして」(11)で主演女優賞を、第36回「わが母の記」(12)で助演女優賞を受賞。
優秀賞吉行和子(東京家族)


映画、舞台、ドラマで長年活動を続け、近年も「人生、いろどり」(12)、「燦燦‐さんさん‐」(13)などに主演している。本作では、東京で暮らす子供たちの変化に戸惑いながらも笑顔を絶やさないチャーミングな日本の母・とみ子役。子供や夫への深い愛情を持ち、家族を一つにまとめる太陽のような存在を、とびきり魅力的に、説得力たっぷりに演じている。日本アカデミー賞主演女優賞は第2回の「愛の亡霊」(78)以来2度目の受賞。
優秀助演男優賞
最優秀賞リリー・フランキー(そして父になる)


【最優秀受賞コメント】
僕の尊敬する画家の大竹伸朗さんが僕に言ってくれたのが、「先のことなんか考えてもしょうがない。だってそのとおりになったことがないんだから。だから先のことを考えないで、俺は今日絵を描く」と。だから僕も30年ぐらい毎日いろんなことをして、失ったものもたくさんありました。でも、10年前、30年前、そして去年の自分も想像できないこんな賞をいただきまして、本当に夢があると思いました。

※ ※ ※
「凶悪」と共に、助演男優賞をダブル受賞。エリートサラリーマンの家庭と息子を取り違えられていたことが発覚する自営業の家庭の父親役。それほど裕福な暮らしではないが、真木よう子演じる妻と共に3人の子供を愛情豊かに育てる良き父をナチュラルに演じている。本作と「凶悪」の演技で、日刊スポーツ映画大賞、ヨコハマ映画祭、キネマ旬報の助演男優賞を受賞している。日本アカデミー賞は今回が初受賞にして、2作品での受賞となった。
優秀賞オダギリ・ジョー(舟を編む)


「アカルイミライ」(02)で映画初主演。その後も海外作品含め数々の映画に出演し活躍を続ける。本作で演じたのは、松田龍平演じる主人公と同じ辞書編集部で働くお調子者の先輩役。正反対のキャラクターの二人のやりとりが作品にユーモアを与えている。日本アカデミー賞は第27回「あずみ」(03)で新人俳優賞、第28回「血と骨」(04)で最優秀助演男優賞、第30回「ゆれる」(06)、第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07)で主演男優賞を受賞。
優秀賞妻夫木聡(東京家族)


98年にテレビドラマでデビュー。第25回日本アカデミー賞新人俳優賞と主演男優賞を受賞した映画初主演作「ウォーターボーイズ」(01)で注目を集める。09年にはNHK大河ドラマ『天地人』に主演、さらに舞台でも活躍するなど活動の幅を広げている。本作では、爽やかな笑顔で優しく大らかな性格の次男を好演している。日本アカデミー賞主演男優賞は、第34回「悪人」(10)の最優秀を含め4度受賞。助演男優賞は初となる。
優秀賞ピエール瀧(凶悪)


89年、電気グル―ヴを結成。ミュージシャンとして活動する一方で俳優としても活躍し、多数の映画に出演している。本作で演じるのは、数々の凶悪犯罪を実行してきた元ヤクザであり、共犯だった首謀者を告発する死刑囚役。圧倒的な存在感を醸し出し、強烈な印象を残した。13年は「くじけないで」「そして父になる」にも出演。報知映画賞、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。日本アカデミー賞は今回が初受賞となった。
優秀賞松田龍平(探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点)


日本アカデミー賞は、第23回に「御法度」(99)で新人俳優賞受賞。第35回日本アカデミー賞助演男優賞を獲得した「探偵はBARにいる」(11)の続編である本作で、再び大泉洋演じる主人公“探偵”の相棒兼運転手・高田役を演じ、2度目の助演男優賞を受賞。いつも寝てばかりでマイペースだが、ケンカになるとめっぽう強い個性的なキャラクターを演じている。大泉とのコンビぶりにも磨きがかかり、観客を楽しませた。今回は「舟を編む」の主演男優賞とのダブル受賞となる。
優秀賞リリー・フランキー(凶悪)


イラストやデザイン、文筆・写真・作詞作曲など多分野で活躍。初の長編小説『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』は220万部を超えるベストセラーになり映画化。さらに「ぐるりのこと。」(08)では第51回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、俳優としての活躍もめざましい。本作では“色気を感じさせる役者”として脚本段階から想定して書かれた“先生”役。一見普通の家庭人だが、いくつもの凶悪殺人事件の首謀者である冷酷なキャラクターを怪演した。
優秀助演女優賞
最優秀賞真木よう子(そして父になる)


【最優秀受賞コメント】
すごくびっくりしました。本当にまさかいただけるとは思わなかったので驚いています。でもリリーさんと一緒に(賞が)獲れてすごく嬉しいです。

※ ※ ※
01年「DRUG」で女優デビュー。「ベロニカは死ぬことにした」(06)で映画初主演を果たし、「ゆれる」(06)で演技派女優として注目を集める。NHK大河ドラマ『龍馬伝』では今回も共演した福山雅治扮する坂本龍馬の妻・お龍を演じ、高い評価を得た。本作ではリリー・フランキー演じる夫と共に3人の子供を育てる、強くたくましい母親役を好演。「さよなら渓谷」では優秀主演女優賞を受賞しており、2部門での受賞となる。
優秀賞蒼井優(東京家族)


99年デビュー。「リリィ・シュシュのすべて」(01)で映画初出演。日本アカデミー賞の助演女優賞は4度目の受賞。うち、「フラガール」(06)では第30回最優秀助演女優賞および新人俳優賞を獲得。また、映画のほか、野田秀樹、蜷川幸雄らが演出する舞台でも活躍を続けている。本作では、小津作品で原節子が演じた紀子にあたる役を好演。優しく礼儀正しく思いやりのある女性を可憐に演じ、作品を盛り立てた。
優秀賞尾野真千子(探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点)


清楚な雰囲気の人気ヴァイオリニストでありつつ、演奏を離れればイキの良い関西弁を話す異色のヒロインとして登場。そのギャップがチャーミングなキャラクターは、前作のファンを公言している彼女のために、ほぼあて書きで書かれたもの。大泉洋演じる“探偵”とのテンポの良い掛け合いは大きな見どころとなった。「そして父になる」では主演女優賞を受賞しており、2部門での受賞となる。
優秀賞中谷美紀(利休にたずねよ)


93年に女優デビュー。近年では舞台にも活動の場を広げている。本作では、利休の一番の理解者であり、陰ながら見守り支え続ける妻・宗恩(ルビ:そうおん)役を演じ、作品を支えている。日本アカデミー賞の助演女優賞は、第27回「壬生義士伝」(03)、第33回「ゼロの焦点」(09)に続き3度目の受賞。「嫌われ松子の一生」(06)では第30回最優秀主演女優賞を獲得。第31回「自虐の詩」(07)、第35回「阪急電車 片道15分の奇跡」(11)で主演女優賞を受賞した。
優秀賞余貴美子(武士の献立)


オンシアター自由劇場・東京壱組を経て、映画・テレビドラマへと活動の幅を広げる。「うみ・そら・さんごのいいつたえ」(91)で映画初主演。日本アカデミー賞の助演女優賞は5度目の受賞。第32回「おくりびと」(08)、第33回「ディア・ドクター」(09)、第36回「あなたへ」(12)で最優秀助演女優賞を獲得。本作では、西田敏行演じる加賀藩武士の妻役。夫の留守中に家を守り、息子夫婦を朗らかな笑顔で見守る姿が作品に温かみをもたらしている。
優秀音楽賞
最優秀賞久石譲(風立ちぬ)


【最優秀受賞コメント】
3作で(優秀賞を)受賞していたので、票が割れて賞は獲れないんじゃないかと思っていたのでとても驚いています。ありがとうございます。なにかと作曲家が話題になりがちなんですけども、今日受賞された方はみんな譜面も読めますし書けますし、幸い僕も自分で書いております。念のため。

【優秀賞受賞コメント】
「東京家族」、「風立ちぬ」、「かぐや姫の物語」と、3作において賞をいただき、大変嬉しく思います。監督・キャスト・スタッフと共に作り上げた、思い入れの強い作品ばかり。映像と台詞と音楽とが共存できるような“映画音楽”を目指して、非常に苦しみ抜きはしましたが、手応えを感じたことも確かです。理想の音楽にまた一歩近づけたのではないかと思っています。またこのような作曲の機会をいただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
【受賞歴】第14回で初受賞。13度目の受賞。第34回の「悪人」など最優秀を7度受賞。
優秀賞岩代太郎(利休にたずねよ)


この度の受賞を心から喜び、その喜びに感慨をもって浸っております。茶道が育む「侘び・さび」に魅入られつつ、音楽は勿論の事、音響効果音や出演者の台詞や息遣い等ありとあらゆる劇中の「音」に対し、出来る限りの繊細な感覚を持って取り組んだ作品でした。映画をこよなく愛する日本アカデミー賞会員の方々に評価して頂き、誠に光栄です。ありがとうございました。
【受賞歴】第28回「血と骨」で初受賞。3度目の受賞。
優秀賞荻野清子(清州会議)


優秀賞を頂きましてありがとうございます。
「時代劇だけど、大河ドラマっぽくない音楽を」という三谷監督のリクエストはかなりハードルが高く、何度も壁にぶち当たりました。しかし登場人物一人一人をイメージした各々のテーマ曲を作るのは、とても楽しい作業でもありました。
今は、素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと共にこの作品に関われた幸せと、感謝の気持ちでいっぱいです
【受賞歴】第32回「ザ・マジックアワー」で初受賞。3度目の受賞。
優秀賞松本淳一/森敬/松原毅(そして父になる)


この度はこのような名誉ある賞を頂き一同感激しております。これもひとえに、素晴らしい作品に出会い参加する事が出来たお陰です。監督や関係者ならびに劇場に足をお運び頂いた皆様に大変感謝しております。また私個人としましては、かねてより尊敬し大ファンでありましたグレン・グールドとのピアノ演奏での共演がスクリーン上で叶った事、生涯忘れられぬ良き思い出となりました。本当に、どうもありがとうございました。(松本淳一)
※初受賞
優秀賞渡邊崇(舟を編む)


このような名誉ある賞を頂けた事を喜ばしく思います。この度受賞にいたった訳ですが、私の音楽的技術が評価されたものだとは思っていません。映画という総合芸術において、音楽が上手く効果を発揮できるよう演出がなされていたという事だと思います。それから、私の癖のある曲を素晴らしい技術で具体化してくれた音楽スタッフにこの賞を送りたいと思います。音楽スタッフの皆、本当におめでとうございます。そして、ありがとうございます。
※初受賞
優秀撮影賞
最優秀賞笠松則通(許されざる者)


【最優秀受賞コメント】
ちょっと意外でしたがありがとうございます。これも作品が認められたおかげだと思っています。

【受賞歴】第29回「亡国のイージス」で初受賞、5度目の受賞。
優秀賞瀧本幹也(そして父になる)


初の映画撮影で素晴らしい作品に携われた上、名誉ある賞まで頂き怖いくらいです。自分は写真家なのでこれまで映画の世界を少々離れたところから好奇心と羨ましさと恐怖が混じった気持ちで眺めていましたが、実際に参加してみると全員が一丸となって目標に向かう姿がとても清く健康的で、純粋に楽しく、映画を通して大切なことを教わったと思っています。
当分は素人なりの強みも許してもらえそうなので、又トライしてみたいです。
※初受賞
優秀賞近森眞史(東京家族)


大船撮影所での撮影助手生活15年を経て、キャメラマンとしての仕事も18年。
助手としてついていた山田監督の盟友である高羽キャメラマンの言葉を忘れる事ができません。「カットバックはむずかしいヨ、どう撮ればイイか判るかい?」って。未だ判りません。小津さんは答えを知っていたのでしょうか?正しい答えもないかもしれませんが。今回の受賞を励みにしてこれからも答えを探し続けていきます。この度はありがとうございます。
【受賞歴】第34回「おとうと」で初受賞。2度目の受賞。
優秀賞浜田毅(利休にたずねよ)


心から嬉しいです。時代劇を新しいメディアで撮影したいと思い、東映京都のスタッフと一体になって撮影した日々を確固たる信念を持って振り返ります。これは、次へ踏み出す一歩だと。田中監督と市川海老蔵と中谷美紀と全てのスタッフ、キャストと共に戦えたことは、私の誇りです。ありがとうございます。
【受賞歴】第17回「僕らはみんな生きている」で初受賞、第32回「おくりびと」で最優秀を受賞。昨年の「天地明察」に続き、6度目の受賞。
優秀賞藤澤順一(舟を編む)


辞書作りと言う地味な作品ですが多くの方に観て頂き、この評価に結び付いた事に大変感謝しております。ありがとうございました。
今のスピードある時代に中々追いつきません。しかし「映画は撮影現場に在り」を信じ、こつこつ用例採集に励み、辞書を作る様に、これからも新しい感覚や感動を与えられる表現者の一人として頑張っていきたいと考えております。ありがとうございました。
【受賞歴】第35回初受賞の「八日目の彈」で最優秀を受賞。2度目の受賞。
優秀照明賞
最優秀賞渡邊孝一(許されざる者)


【最優秀受賞コメント】
何回もらっても嬉しいものです。だけどやっぱり大きいのが欲しかったです。すごく重いです。

【受賞歴】第26回「ピンポン」で初受賞。4度目の受賞。
優秀賞藤井稔恭(そして父になる)


日本アカデミー賞優秀照明賞に評価していただき有難うございます。キャスト陣の素晴らしい演技に感動し、是枝組スタッフの仕事ぶりに発奮し撮影をすることができました。作品関係者の皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。有難うございました。
※初受賞
優秀賞渡邊孝一(東京家族)


素敵な作品に参加でき、家族のような連帯感のあるスタッフ、キャストの皆さんと苦楽を共にした三ヶ月とても楽しかったです。
準備期間に山田監督が「できない事は要求していないんです。できる事をどれだけ努力を尽くしてやるかなんです」と言われ、この言葉を肝に銘じ照明部全員で頑張った結果が今回の受賞につながったと思います。本当にありがとうございました。
【受賞歴】第26回「ピンポン」で初受賞。4度目の受賞。
優秀賞安藤清人(利休にたずねよ)


田中光敏監督作品、市川海老蔵さんの千利休でお話があり、参加させて頂きました。
このような名誉ある賞を授かり、大変嬉しく感謝しております。そして「浜やん!」×「安ちゃん!」の仲で、共に受賞出来たことがなお一層の喜びです。
東映京都のスタッフと関係各位の皆様、誠にありがとうございました。
【受賞歴】第20回「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」で初受賞。昨年の「天地明察」に続き6度目の受賞。
優秀賞長田達也(舟を編む)


辞書作りと映画作り・・デジタル革命に大きく影響を受けざるを得ない現状に関わる者として共感を抱き、忘れてはならない事を再認識できた作品でした。機会を与えてくださった藤澤カメラマン、プロデューサーに感謝いたします。
【受賞歴】第20回初受賞の「Shall We ダンス?」で最優秀を受賞。6度目の受賞。
優秀美術賞
最優秀賞吉田孝(利休にたずねよ)


【最優秀受賞コメント】
「利休にたずねよ」は美を追求し続けた千利休さんのお話ということで美術チームにはプレッシャーがかなりかかっていたと思います。その重圧を、知識と創造力と努力ではねのけて下さったチームの方々には本当に敬意を表したいと思います。先日亡くなられた原作者の山本兼一先生にもこの賞をご報告させていただきたいと思います。(吉田氏急病で欠席により、代理・福島一貴プロデューサー)


【優秀賞受賞コメント】
東映京都の全美術スタッフの努力・技術力があってこそ、この作品は完成したと思っています。また、東映の福島さんをはじめ製作に関わってきた全ての方々に感謝します。利休さんの作った茶室を再現するのは大変プレッシャーがかかりましたが、各部スタッフが膨大な資料を調べ、ロケハンを重ね、不眠不休で頑張ったおかげでなんとか形になったような気がします。ありがとうございました。(吉田 孝)

【受賞歴】第31回「大奥」で初受賞。3度目の受賞。

優秀賞種田陽平(清州会議)


三谷幸喜監督と時代劇に取り組み、清州城のセットを黒澤組のベテラン大道具の宇津木一郎さんの指導のもとにつくり上げることができたことが大変嬉しく、また、衣裳の黒澤和子さんとコラボレーションさせて頂いたことも大変光栄なことでした。この度、日本アカデミー賞会員の皆さんに仕事を評価して頂き、ダブルで嬉しい。ありがとうございました。
【受賞歴】第20回「スワロウテイル」で初受賞。第33回「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」で最優秀を受賞。8度目の受賞。
優秀賞黒瀧きみえ(清州会議)


戦国好きの埃っぽい城を描くのではなく・・の言葉から、清州城構想が動き始めました。監督の気炎万丈な思いに頷き、種田さんの妙計奇策に寄り添えたのも、たくさんの方々の助けあってこそ。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
※初受賞
優秀賞中澤克巳(少年H)


「少年H」の舞台となったのは戦前から戦後にかけての神戸。今回は主人公の住む下町のオープンセットを建てました。最後に空襲のシーンでそれらをすべて燃やして撮影。その時舞い上がった猛烈な炎は本当の空襲の恐ろしさを十分に想像させるものでした。
「この戦争は一体何だったのか・・」この少年の台詞がずっと頭に残っています。
【受賞歴】第19回「学校の怪談」で初受賞。第22回「愛を乞うひと」で最優秀を受賞。4度目の受賞
優秀賞原田満生(舟を編む)


この度は優秀賞有難うございます。全スタッフ、キャスト、関係各位の皆様に心より感謝いたします。

【受賞歴】第29回「亡国のイージス」で初受賞、4度目の受賞。
優秀賞原田満生/杉本亮(許されざる者)


原田満生「許されざる者」
この度の優秀美術賞、誠に有難うございます。北海道の厳しい自然環境の中、監督、スタッフ、キャスト、関係者が一丸となって創りあげた作品だと思います。皆様に感謝したいと思います。
【受賞歴】第29回「亡国のイージス」で初受賞、4度目の受賞。

杉本 亮「許されざる者」
今作の美術は蝦夷地開拓時代の世界観を追求する為、一年間皆で北海道の原野を追い求め彷徨い歩き、知恵を出し合った苦労の結晶です。監督を始め、全てのキャスト、スタッフの皆様に改めてお礼申し上げます。
【受賞歴】第34回「悪人」で初受賞。2度目の受賞。

優秀録音賞
最優秀賞加藤大和(舟を編む)


【最優秀受賞コメント】
すごく緊張しちゃってちょっと(言葉が出てこないです)。いろんな人と今まで出会ってきて、ここに僕が立たせてもらってるんだと本当に思っています。

【受賞歴】第33回「ディア・ドクター」で初受賞。2度目の受賞。
優秀賞岸田和美(東京家族)


日本アカデミー賞優秀録音賞をいただき大変嬉しく思います。家族を通して大きな共感の笑いと涙を届けてくれる感動作です。空気感を大事に台詞を中心に自然な感じのMIXを心かがけました。山田監督をはじめとしてスタッフ、キャスト、特に録音スタッフで全力を尽くし「東京家族」を創り上げた結果、この様な名誉ある賞をいただけた事を大変嬉しく思います。
【受賞歴】第24回「十五才 学校Ⅳ」で初受賞。第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀を受賞。7度目の受賞。
優秀賞瀬川徹夫(清州会議)


思いがけない今回の受賞にとても嬉しく思っております。三谷監督とは長いお付き合いで、映画としては6作品ご一緒したことになります。今回の撮影では、夏のシーンを冬に撮り、合成によって夏を表現しています。サウンド的には辛いシーンは多々ありましたが、スタッフの協力で何とか乗り切ることが出来、画音的に見事な夏になっていると思います。仕上げに際しても、素敵な音楽に恵まれて楽しくダビングできたと思っています。
【受賞歴】第14回「天と地と」で初受賞。11度目の受賞。第21回「ラヂオの時間」など最優秀を3度受賞。
優秀賞弦巻裕(そして父になる)


是枝監督とはこの作品が6本目になりますが、現場はいつも刺激的です。役者さんの動きもセリフもその場に応じてどんどん変わっていくので、ついていくのが大変な時もあるのですが、その分演技が生き生きとしていて楽しみの多い現場です。そのエネルギーを確実に捉えることが出来るように、ワンカットごと最善を尽くしたつもりですが、このような形で評価して頂き、本当に光栄です。
※初受賞
優秀賞松陰信彦(利休にたずねよ)


監督をはじめ現場及び仕上げスタッフの皆さんに感謝します。特に(茶道指導の)鈴木先生には大変お世話になりました。音を通してお茶の世界が少しでも表現出来たらと思いながら仕上げしました。どうもありがとうございました。
【受賞歴】初受賞の第30回「男たちの大和 YAMATO」で最優秀を受賞。3度目の受賞。
優秀編集賞
最優秀賞普嶋信一(舟を編む)


【最優秀賞受賞コメント】
映画の仕事を始めて、あっという間というかやっとというか、ちょうど昨年30年になりました。そんな年にすばらしい作品に出会えたことに大変感謝しています。こういうすばらしい賞をいただいて光栄に思っております。

【受賞歴】第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で初受賞。3度目の受賞。
優秀賞石井巌(東京家族)


「東京家族」ですばらしい優秀編集賞を頂き大変嬉しく思っております。有難うございます。「東京家族」の撮影現場の雰囲気は非常に良くて、家族映画を作るに相応しい厳しい中にも笑いあり、それぞれ皆さん自分の持ち場の仕事を楽しんでいるような感じがとても印象的でした。又この映画に携わったスタッフの皆々様、そしてIMAGICA現像所の皆様、そして編集部の仲間たちのご尽力に心より感謝致します。誠にありがとうございました。
【受賞歴】第15回「男はつらいよ 寅次郎の告白」「息子」で初受賞。第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀を受賞。9度目の受賞。
優秀賞上野聡一(清州会議)


「清須会議」は三谷映画なのにコメディではない、時代劇なのにチャンバラがない。
三谷作品を期待して劇場に足を運んでくれたお客さんをいかに満足させ、いい意味で裏切れるかということで、監督のチャレンジは相当なものだったと思います。得意分野を捨て自分を追い込むその姿勢は、ミランに入団した本田選手を彷彿とさせます。今回の受賞は監督の入団を勇気づけるものになったと思います。ありがとうございます。
【受賞歴】第26回「ピンポン」で初受賞。9度目の受賞。
優秀賞是枝裕和(そして父になる)


ご存知のように、僕自身は編集のプロフェッショナルではありません。今回も編集の途中で迷うこともしばしば。そんな時、スタッフや主演の福山雅治さんに観ていただき、良きアドバイスをもらえたことが、この結果につながったのだと思っています。感謝です。
※初受賞
優秀賞藤田和延(利休にたずねよ)


今回、田中監督より「映画の編集をした事の無い人に頼みたい」とお声をかけて頂き、私にとって劇場用作品二本目として編集させて頂きました。東映京都撮影所として久しぶりの作品で、しかも完全デジタルでの作業は初めての経験する事が多く、監督にはご迷惑をおかけしたと思います。この賞を頂けたのは監督が与えて下さった機会と、色々なご助言を下さったスクリプターの松澤さんのおかげです。ありがとうございました。
※初受賞
優秀外国作品賞
最優秀賞レ・ミゼラブル


【最優秀受賞コメント】
本当に嬉しいです。タイトルは(邦訳すると)「ああ無情」でしたが、我々にとっては天にも昇るような気持ちにしてくれた最高の映画でした。(東宝東和株式会社代表取締役社長:松岡宏泰)

【作品情報】
ヴィクトル・ユゴーの小説が原作、85年の初演以来ロングランを記録し続ける傑作ミュージカルを「英国王のスピーチ」(10)でアカデミー賞監督賞を受賞したトム・フーパーが映画化。ブロードウェイでも活躍するオーストラリア出身のスター、ヒュー・ジャックマンが初めてミュージカル映画に出演し、ジャン・バルジャン役で、その美声と迫真の演技を披露している。ヒューは、第70回ゴールデン・グローブ賞のミュージカル/コメディ部門で主演男優賞を受賞。昨年の第85回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、アン・ハサウェイの助演女優賞など3部門で受賞している。日本では12年に公開された洋画作品において興行収入NO.1となったほか、日刊スポーツ映画大賞外国映画賞を受賞。
原題:Les Misérable (eの上に´)
監督:トム・フーパー
脚本:アラン・ブーブリル、クロード=ミッシェル・シェーンベルク、ハーバート・クレッツマー
配給:東宝東和
優秀賞きっと、うまくいく


超難関の工科大学に入学し、はちゃめちゃな珍騒動を巻き起こす“3バカトリオ”。卒業後そのうちの一人・ランチョーが消息不明に……。彼らの大学生活と交錯する形で、突然姿を消してしまったランチョーの行方をミステリー形式で追う10年後の物語が展開される。笑いあり、涙あり、メッセージ性あり、インド映画に欠かせないミュージカルシーンもあり。ハッピーでポジティブな気持ちになれる感動のエンターテインメント。インドで歴代興行収入1位となったほか、10年のインドアカデミー賞で史上最多16部門を独占するなど数々の記録を塗り替えた。主演はボリウッドで絶大な人気を誇る、アーミル・カーン。ハリウッドやイタリアなどでのリメイクも決定している。
原題:3 Idiots
監督・脚本:ラージクマール・ヒラニ
脚本:アビジャート・ジョーシー、ヴィドゥ・ヴィノード・チョプラ
配給:日活
優秀賞キャプテン・フィリップス


09年、ソマリア沖で起こった実話を「ボーン」シリーズなどのポール・グリーングラス監督が、名優・トム・ハンクス主演で映画化。トムが演じるのは、航行中に海賊に襲われたコンテナ船・アラバマ号の船長・フィリップス。船内の攻防後、乗務員は助かるものの、自らは人質となってしまう――。極限の恐怖の中、家族の元に生きて帰ろうと闘い続ける船長=トムの演技が圧巻。ちなみに襲撃シーンは、地中海に浮かぶマルタ島沖の洋上で、波に揺られながら撮影を敢行。リアリティのある映像が作品に臨場感をもたらしている。第86回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞はじめ6部門ノミネート。13年の東京国際映画祭ではオープニングを飾った。
原題:Captain Phillips
監督:ポール・グリーングラス
脚本:ビリー・レイ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
優秀賞ジャンゴ 繋がれざる者


クエンティン・タランティーノが監督・脚本を務め、マカロニウエスタンへのオマージュをふんだんに盛り込んだ復讐劇。19世紀半ば、ジェイミー・フォックス演じる奴隷のジャンゴが、賞金稼ぎと出会い自由の身になった後、奴隷となっている妻を助け出すために闘うバイオレンス・アクション。全米ではタランティーノ監督史上最高のヒットとなった。レオナルド・ディカプリオが悪役を嬉々として演じているのも印象的。第85回アカデミー賞では5部門ノミネート、うちタランティーノは「パルプフィクション」(94)以来2度目の脚本賞を受賞し、賞金稼ぎ役のクリストフ・ヴァルツが2度目のオスカーを受賞。2人は第66回英アカデミー賞、第70回ゴールデン・グローブ賞も受賞している。
原題:Django Unchained
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
優秀賞ゼロ・グラビティ


スペースシャトルの船外活動中に突然の事故が起こり、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士とメディカル・エンジニア。果たして彼らは地球に生還できるのか?サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー主演で描く、宇宙を舞台にした新感覚サスペンス。本作のために4年半かけて開発したという最新鋭の技術により、宇宙空間を疑似体験できるような映像を実現。オープニングの約12分間の長回しから驚異の映像に引き込まれる。第71回ゴールデン・グローブ賞で監督賞を受賞、第86回アカデミー賞では作品賞をはじめ主演女優賞など10部門にノミネートされている。日本では、アルフォンソ・キュアロン監督がキネマ旬報外国映画監督賞に輝いたほか、第56回ブルーリボン賞で外国作品賞を受賞。
原題:Gravity
監督・脚本:アルフォンソ・キュアロン
脚本:ホナス・キュアロン
配給:ワーナー・ブラザース映画
新人俳優賞
優秀賞忽那汐里(許されざる者/つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語)


【受賞コメント】
一日一日、本当に地道に妥協することなく作品を作ることができて、そういう環境がいただけたことにまずすごく感謝しています。この先も作品が本当に多くの方に見ていただけることを祈っています。
※ ※ ※
06年、第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞し、07年に女優デビュー。その後、数々の映画や『家政婦のミタ』(11、NTV)などの人気ドラマに出演し、着実にキャリアを重ねる。「許されざる者」では、顔と心に傷を持つ酒場の女郎役をオーディションで獲得。役が抱える悲しみと痛みを、渾身の演技で見せた。一方、「つやのよる~」では、愛とは何かについて悩む女子大生役。父親に対し、複雑な思いを抱き続ける娘の心情を丁寧に表現した。
優秀賞黒木華(舟を編む/草原の椅子)


【受賞コメント】
このような賞をいただけたのも「舟を編む」とか「草原の椅子」などで本当にいい出会いをさせていただいたからだと心から思っています。この賞を糧にこれからも一生懸命頑張ろうと思います。
※ ※ ※
10年、NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』ヒロインオーディションに合格しデビュー。「舟を編む」では辞書作りに魅了され成長していく新人編集者役、「草原の椅子」では、親に虐待を受けた子供を上司から預かる女子大生役を瑞々しく演じ、鮮烈な印象を残した。日刊スポーツ映画大賞、ヨコハマ映画祭、ブルーリボン賞の新人賞、およびキネマ旬報新人女優賞などを受賞。また「小さいおうち」(14)では第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。
優秀賞壇蜜(甘い鞭)


【受賞コメント】
賞というものはどんなに自分が切望していても必ずしも獲れるものではないものの一つだと思っています。そういうものを手にしたときに、まず最初に思うことは光栄だと思う気持ち、喜ばしいと思う気持ち、そしておごらずに粛々とやろうという気持ちです。支えて下さった方々に襟を正して心から感謝いたします。
※ ※ ※
29歳で雑誌グラビアデビュー後、瞬く間に注目を集め人気グラビアアイドルとして活躍する。12年「私の奴隷になりなさい」で女優デビュー。2作目の主演作となった「甘い鞭」では、高校生の頃の壮絶な体験のトラウマを抱えながら生き、昼は不妊治療専門医、夜はSMクラブのM嬢として働くヒロインを熱演。二つの顔を持つ、精神的にも肉体的にも過酷な役柄を、体にあざを作りながら全身全霊を捧げて演じ切り、観る者を圧倒した。
優秀賞濱田ここね(おしん)


【受賞コメント】
本当にこの賞を獲れて感謝でいっぱいです。この賞を獲れたのは皆さんのおかげです。これからもっともっとかんばっていきたいです。それでみなさんに恩返ししたいと思います。(おしんの口調で)これからもよろしくお願いするっす。
※ ※ ※
83年に放送され、一大ブームを巻き起こしたNHK連続テレビ小説『おしん』。その映画版の主人公として、約2500人の応募者の中から抜擢され本格的デビューを飾る。約1ヶ月半にわたる山形県での撮影に親元を離れて参加。奉公先でさまざまな苦労をしながらも、明るくたくましくひたむきに生きるおしんの姿を健気にまっすぐに演じ、観客の涙を誘った。山路ふみ子賞新人女優賞、毎日映画コンクール新人賞などを受賞している。
優秀賞綾野剛(横道世之介/夏の終り)


【受賞コメント】
こんな華やかな場所は自分に場違いなような気もしていますが「横道世之介」という作品や「夏の終り」がこういう形で愛されたんだなと思うと大変光栄に思っております。
※ ※ ※
03年俳優デビュー。アクション作品から、ナイーブな役柄までこなす幅広い演技力で、映画・テレビドラマ・舞台でめざましい活躍を見せている。吉田修一の小説を映画化した「横道世之介」では主人公・世之介の同級生で、男性にしか興味のない青年役。二人の間のほのぼのした空気感が作品を盛り立てた。一方「夏の終り」ではヒロインとその不倫相手との三角関係に苦しむ年下の男の心情を繊細に演じ、観客を魅了した。エランドール新人賞を受賞。

優秀賞菅田将暉(共喰い)


【受賞コメント】
今回「共喰い」という作品でこの賞を受賞できたことが本当に嬉しいです。撮影のときに「これで菅田くんが新人賞を獲ったらいいね」なんて話が出ていたので、その言霊が実現したことがすごく嬉しいです。この「共喰い」という作品を代表して、この賞をいただきたいと思います。
※ ※ ※
第21回“ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト”のファイナリストとなったのを機に芸能界入り。09年『仮面ライダーW』(ANB)でデビュー。以降、映画・テレビドラマ・舞台で活躍を続ける。芥川賞受賞の同名小説を、青山真治監督が映画化し高い評価を受けた「共喰い」では、オーディションで獲得した主人公役を熱演。暴力的な性癖を持つ父と同じ血を受け継いでしまった青年の苦悩と葛藤を、生々しく情熱的に表現し、強烈な存在感を見せている。
優秀賞星野源(箱入り息子の恋/地獄でなぜ悪い)


【受賞コメント】
二作の関係者の皆さんにまず御礼を申し上げます。こういういい意味でものすごく変な役で、こんなとても光栄な場所に来させていただいてとても幸せです。個人的なことではありますが、しばらく病気で休んでしまっていて。闘病をがんばってよかったな、あきらめないでよかったと心から思います。この経験をまた面白い芝居に生かせていけたらと思っております。
※ ※ ※
俳優、音楽家、文筆家としてマルチに活動。映画初主演作となった「箱入り息子の恋」では、彼女いない歴35年の内気でマジメな独身男性が、初めての恋をして、自分の殻を破り新たな一面を見せていく姿を全力で体現。一方、トロント映画祭ミッドナイト・マッドネス部門の観客賞を受賞した「地獄でなぜ悪い」では、ヤクザの娘と関わったことから映画製作に巻き込まれる普通の青年を魅力的に演じている。ヨコハマ映画祭新人賞、毎日映画コンクール新人賞などを受賞。
優秀賞吉岡竜輝(少年H)


【受賞コメント】
この中に立つと、一番皆さんに「誰?」と思われると思うんですけど、この「少年H」に出させていただいたら、今までテレビの向こうとか、雲の上の存在に感じていた方々が、目の前にどんどんどん現れてくるので、すごく不思議な感じだなって思っています。この賞を受賞できたのですごい嬉しいです。
※ ※ ※
97年に発表された妹尾河童の自伝的小説の映画化「少年H」で、2000人以上の候補者の中から主人公の妹尾肇役に選ばれ、初の映画出演を果たす。第二次世界大戦の戦前から戦後にかけて、日本を取り巻く状況が刻一刻と変化する中で、様々な体験を経て成長していく少年の姿を生き生きと表現。小学生から中学生までの多感な時期を一人で演じ切り、父親役の水谷豊と共に作品を牽引している。報知映画賞新人賞、およびキネマ旬報新人男優賞も受賞。
協会栄誉賞
優秀賞高倉健(俳優)


【コメント】
この度は、
日本アカデミー賞“協会栄誉賞”を戴き恐縮しております。
これからさらに勝負できる作品にめぐり合えるよう
願っております。

本日は、有難うございました。

【解説】
55年ニューフェース第二期生として東映に入社。翌56年「電光空手打ち」で主演デビュー。以降、半世紀以上の映画人生における主演作品は200本を超える。63年に出演した「人生劇場 飛車角」以降、「日本侠客伝」(64~71)、「昭和残侠伝」(65~72)、「網走番外地」(65~72)などの任侠映画シリーズで爆発的な人気を呼び、意欲作「新幹線大爆破」(75)で新境地を開く。フリーとなった76年以降は「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」(共に77)、「冬の華」(78)、「駅 STATION」(81)、「あ・うん」(89)、「鉄道員(ぽっぽや)」(99)、「ホタル」(01)などで、大スターとしての存在感を発揮する。海外の作品にも積極的に参加し、「燃える戦場」(70)、「ザ・ヤクザ」(74)、「ブラック・レイン」(89)といったハリウッド映画の他、06年にはチャン・イーモウ監督の中国映画「単騎、千里を走る」に主演。中国では文化大革命直後に公開された「君よ憤怒の河を渉れ」(76)が大ヒットし、チャン監督が主演に招いたという経緯があった。12年に公開された「あなたへ」は7年ぶりの主演作であり、その飾らぬ等身大の演技が多くの映画ファンの共感と感動を呼んだ。まさに日本が世界に誇る真の映画スターといえる。2013年文化勲章受章。

【受賞歴】第1回「幸福の黄色いハンカチ」「八甲田山」、第4回「動乱」「遥かなる山の呼び声」、第5回「駅 STATION」、第23回「鉄道員(ぽっぽや)」で最優秀主演男優賞受賞。第13回「あ・うん」、第18回「四十七人の刺客」で優秀主演男優賞受賞。
会長特別賞
優秀賞大島渚(「者に﹅」監督 1月15日没  享年80歳)


【小山明子さん(夫人)コメント】
今年の1月15日に大島の一周忌に、崔監督はじめ大島の映画のスタッフがお集まりくださいました。華やかなことが好きだった人なのでお寺の懐石料理ではなくホテルのフレンチを食べながら、映画の話で盛り上がりました。華やかな日本アカデミー賞の会長特別賞をいただいて、さぞかし本人は喜んでいることと思います。

【解説】
戦後民主主義の虚妄を暴きつつ、常に現代社会の本質に鋭く迫り、人間の存在を見据えてきた大島渚(者に﹅)監督は、60年代以降の日本映画を代表する監督として、世界中から注目されてきた。54年、松竹大船撮影所に入社。「愛と希望の街」(59)で監督デビューし、「青春残酷物語」「太陽の墓場」「日本の夜と霧」(全て60)で“松竹ヌーヴェル・ヴァーグ”の騎手として日本映画に新しい波の到来を印象づける。翌61年、松竹を退社し、同志と共に独立プロ「創造社」を結成。73年の解散まで「絞首刑」(68)、「少年」(69)、「儀式」(71)などの傑作を発表する。国内で撮影したフィルムをフランスで現像して逆輸入する画期的な方式で製作したフランスとの合作「愛のコリーダ」(76)、「愛の亡霊」(78)、「戦場のメリークリスマス」(83)は海外の国際映画祭でも高く評価され、遺作「御法度」(99)まで、想像力による現実の変革という創作のエネルギーは衰えることがなかった。
【受賞歴】第2回「愛の亡霊」と第7回「戦場のメリークリスマス」で優秀監督賞、第23回「御法度」で優秀監督賞と優秀脚本賞をW受賞。1980~96年、日本映画監督協会理事長を務め、日本アカデミー賞協会副会長も歴任した。
優秀賞高野悦子(岩波ホール総支配人/エキプ・ド・シネマ主宰 2月9日没  享年83歳)


【岩波ホール支配人、岩波律子さん(姪)コメント】
高野悦子は映画を見る側に10年、作る側に10年、そして上映する側に40年以上おりまして、生涯を映画と共に歩みました。特に日本映画にはお役に立ちたいとずっと願っておりましたのでこのように日本の映画人の皆さんにご評価いただけたことは大変感激して感謝していることと思います。

【解説】
商業ベースにのらない世界各国の作品を集め、岩波ホールを拠点とした名作上映運動“エキプ・ド・シネマ”が70年代半ば以降の映画文化の普及に大きく貢献したことは言うまでもない。その主宰者である高野氏は53年、東宝文芸部に入社し、テレビドラマの脚色や演出を手がけた後、68年、岩波ホールの創立にあたって総支配人に就任。74年、川喜多かしこ氏と共に“エキプ・ド・シネマ”を創設し、第1回上映作品のインド映画「大樹のうた」(59)を皮切りに、アジア、アフリカ、共産圏などの秀作も上映、宮城まり子や羽田澄子ら女性監督の作品も積極的に紹介した。80年より東京国立近代美術館フィルムセンター運営委員を務め、97年から07年まで、同・初代名誉館長に就任する。東京国際女性映画祭では、85年の第1回から12年までジェネラル・プロデューサーとして活躍し、成果を上げる。その独自の活動で、04年に文化功労者、没後に正四位、および旭日重光賞が追叙追贈された。
優秀賞熊谷秀夫(照明  3月26日没  享年84歳)


【熊谷日出子さん(夫人)コメント】
亡くなりましてからもこのような賞をいただきまして本当に感謝申し上げます。良い報告ができます。もうそろそろ一周忌ですので戻りましたら早速報告に参りたいと思っております。これも生前お世話になった方々のおかげだと心より感謝申し上げます。

【解説】
著書『降る影、待つ光』(04)には、ライトで稲妻を作り出そうとする助手に、熊谷氏が「雷の気持ちになれ!」と叫んだという逸話が書かれている。「嘘を重ねてリアルを作る」という至言を残した熊谷氏は、48年、大映京都撮影所照明部に入社。岡本健一氏に師事して、溝口健二、衣笠貞之助作品などに助手として就く。55年、日活撮影所に移籍し「赤いランプの終列車」(58)で照明技師として一本立ちする。以後、「非行少女」(63)、「けんかえれじい」(66)「紅の流れ星」(67)などを手がけ、81年にフリーになってからも「セーラー服と機関銃」(81)「怪盗ルビィ」(88)「夢の女」「学校」(共に93)など、数々の名作や話題作に取り組む。生涯の担当作品は160本にも及ぶ。04年には、その業績を描いたドキュメンタリー「照明熊谷学校」も製作され、同年旭日小綬章受章。日本映画テレビ照明協会会長も長く務め、業界の発展に寄与した。
【受賞歴】第16回「おろしや国酔夢譚」最優秀照明賞、第3回「太陽を盗んだ男」、第17回「学校」「夢の女」、第20回「学校Ⅱ」で優秀賞を受賞。
優秀賞三國連太郎(俳優  4月14日没 享年90歳)


【佐藤浩市さん(ご子息)コメント】
正直役者にとっての功労というか貢献っていうのは、すごくわかりやすそうで実は難しいなと思うのが本音なんですが、今日は三國連太郎という人が大きさも形も違う石をずっと積みあげて、その石の塔を久々に見上げる日だなと思って参りました。この1年間三國の映画を特集してくださった館主の方や、改めてそういう映画を見る機会を作っていただいた方々に感謝いたします。
【解説】
文字通り戦後の日本映画を代表する実力派俳優であり、怪優とも呼ばれたのは、三國氏が画面に登場するだけで、たちまちのうちに映画そのものを一瞬にして変容させてしまう力を持っていたからにちがいない。51年、木下圭介監督「善魔」の主役に抜擢され、新聞記者の役名をそのまま芸名として映画デビュー。以後「異母兄弟」(57)、「夜の鼓」(58)、「切腹」(62)、「飢餓海峡」(65)、「神々の深き欲望」(68)、「檻褸の旗」(74)、「復讐するは我にあり」(79)、「未完の対局」(82)、「息子」(91)と、善と悪を自在に往還する人間の生き様を鬼気迫る役作りで熱演し、180本を超えるフィルモグラフィは、日本映画史に燦然と輝く。一方では芸能者という俳優の来歴や、みずからの出自に対する考察を深めて、親鸞に傾倒し、監督作「親鸞・白い道」(87)を発表、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞する。88年に始まった「釣りバカ日誌」は22作の人気シリーズとなる。
【受賞歴】第13回「釣りバカ日誌」「利休」、第15回「釣りバカ日誌4」「息子」、第19回「三たびの海峡」で最優秀主演男優賞受賞。第10回「人間の約束」、第17回「大病人」「釣りバカ日誌6」で優秀主演男優賞、第1回「霧の旗」「八甲田山」、第3回「復讐するは我にあり」、第14回「釣りバカ日誌2・3」、第18回「釣りバカ日誌7」、第25回「大河の一滴」で優秀助演男優賞を受賞。第33回「釣りバカ日誌」シリーズで会長功労賞を受賞し、日本アカデミー賞協会副会長も歴任した。
優秀賞夏八木勲(俳優  5月11日 享年73歳)


【夏八木まり子さん(夫人)コメント】
この度は、このような身に余る賞を夏八木にいただきまして本当にありがとうございました。主人は仕事に人生を燃焼して、どこか侍を思わせるようなそんな気がしております。これまで、夏八木勲を支えてくださいましたたくさんの方々本当にありがとうございました

<解説>
最晩年の主演作「希望の国」(12)で、認知症の妻と息子夫婦の家族との葛藤に揺れる主人公を見事に演じた夏八木氏は、同作で芸術選奨文部科学大臣賞、第67回毎日映画コンクール主演男優賞、第27回高崎映画祭主演男優賞を受賞した。映画デビュー作は、東映作品「骨までしゃぶる」(66)。アクション俳優として「牙狼之介」(66)や「十一人の侍」(67)などで活躍。個性派役者として「軍旗はためく下に」(72)、「冬の華」(78)、「白昼の死角」「戦国自衛隊」(共に79)、「赤い橋の下のぬるい水」(01)など主役から敵役まで幅広く演じ、出演作は300本を超える。特筆すべきは、前述した「希望の国」を含む12年の公開作品が3本、13年には「そして父になる」「ひまわりと子犬の7日間」「永遠の0」など公開作品が5本と、俳優としての再度の絶頂期を迎えていたことだ。繊細さと豪快さを同時に表現しつつ、最後まで現役俳優として活躍し、惜しまれつつ逝去した。
【受賞歴】旧芸名・夏木勲時代に第2回「冬の華」、「野生の証明」、第3回「黄金の犬」「戦国自衛隊」「闇の狩人」で優秀助演男優賞受賞。


・本郷功次郎
俳優
2月14日没 享年74歳
・光本幸子
俳優
2月22日没 享年69歳
・坂口良子
俳優
3月27日没 享年57歳
・長門 勇
俳優
6月4日没 享年81歳
・塩屋 俊
俳優/監督
6月5日没 享年56歳
・野上龍雄
脚本
7月20日没 享年85歳
・石田太郎
俳優
9月21日没 享年69歳
・山崎豊子
原作者
9月29日没 享年88歳
・中西隆三
脚本
10月9日没 享年81歳
・やなせたかし
原作者
10月13日没 享年94歳
・津島利章
音楽
11月25日没 享年77歳

(※没月日順)

協会特別賞
優秀賞白鳥あかね(スクリプター・脚本)


【受賞コメント】
新藤兼人監督に「映画にはスクリプターという大事な仕事があるんだよ」と教えていただいて日活撮影所に入りましてから、ちょうど今年で60年になります。(今は)現場には出ることはありませんが、後輩を指導したり、小田急線の新百合ヶ丘で「KAWASAKIしんゆり映画祭」をやって今年で20周年になります。今後ともこの活動は続けていきたいと思いますので、お声をおかけしましたらぜひ映画祭にご登場いただきたいと思います。

【解説】
撮影のすべての現場に立ち合い、ショットの持続時間、小道具、カメラ及び登場人物の位置や動き、台詞など、あらゆるデータを細大漏らさず記録し、撮影終了時には編集からダビングまで一切の仕上げ作業を助ける、いわば映画の要となるのがスクリプターである。92年、日本映画・テレビスクリプター協会の設立に尽力し、会長を務めた白鳥氏は、新藤兼人監督「狼」(55)の現場の見習いスクリプターとして参加し、そのキャリアをスタート。同年、日活入社後は、小林旭主演「渡り鳥シリーズ」(59~62)をはじめ、45本もの作品でコンビを組んだ斉藤武市監督、11本の神代辰巳、そして藤田敏八、根岸吉太郎ら数多くの監督作品に参加。ロマンポルノ終了後も、平山秀幸、篠原哲雄、成島出ら多くの若手監督のデビューを支える。脚本家としても7作品を執筆。〈KAWASAKIしんゆり映画祭〉の実行委員長や、川崎市志民ミュージアム上映委員、あきた十文字映画祭顧問を長年務めるなど分野を問わず貢献する。
優秀賞福田明(衣裳)


【受賞コメント】
ありがとうございます。
【解説】
監督、撮影監督、美術監督らの立ち合いのもとに、出演者の個性、及び全体のバランスを踏まえた上で、役柄に合わせて、和・洋、あるいは新調か常備保管している有り物の衣裳かを選択決定していく作業は、映画の方向性に関わる重要な仕事である。64年に東京衣裳に入社した福田氏は、小津安二郎監督の衣裳スタッフ、中村重蔵氏に映画衣裳の何たるかを学ぶ。その後、萬屋錦之介氏との出会いにより、さらに時代劇衣裳への探求は10年に及んだ。「乱」(85)以降の4作品においては、黒澤明監督から厳しい指導を受け、さらなる研鑚を続ける。「忍ぶ川」(72)、「動乱」(79)、「博士の愛した数式」(06)、「のぼうの城」(11)などを担当するが、その卓越した技能は、アメリカ映画「ラストサムライ」(03)でも遺憾なく発揮された。長年の経験と研究を基にした深い知識と衣裳への熱い思いは、日本映画に豊饒な彩りを与えている。
優秀賞吉田晴美(大道具)


【受賞コメント】
今日は協会特別賞を受賞し、身に余る光栄でございます。私、大道具60年続けておりますが、これからも後進の育成に努めてまいります。どうもありがとうございました。

【解説】
美術監督が作成したセット、デザイン図により詳細な打ち合わせを行い、セットの全貌を把握、他のスタッフとも連絡を密にして建て込み作業を進行させ、期日までにセットを完成させる大道具の仕事は、映画の礎と言うべきだろう。54年に東宝撮影所に大道具係として入社した吉田氏は、稲垣浩監督「宮本武蔵」(54)以来、60年近く映画美術の根幹である大道具の製作に関わる。「蜘蛛巣城」(57)から「まぁだだよ」(93)まで、ほぼ全ての黒澤明監督作品の他、豊田四郎、成瀬巳喜男、市川崑、岡本喜八、山田洋次、三谷幸喜監督作品をはじめ、「ゴジラ」や「若大将」シリーズなど、豊富な経験を基に数多くの現場を支え続けた。技術の継承と経営の両面で手腕を発揮し、91年、有限会社吉田美術を設立、独立採算で後進の育成にも意欲的に取り組む。その技能で、国公立の博物館や文化施設の展示製作も多数手がけ、映画美術の力を広く世間に知らしめた功績は大きい。
話題賞

作品部門:「真夏の方程式」


監督:西谷 弘
脚本:福田 靖
製作:フジテレビジョン/アミューズ/文藝春秋/FNS27社

俳優部門:若林正恭(「ひまわりと子犬の7日間」)


監督・脚本:平松恵美子
製作:松竹/テレビ東京/衛星劇場/テレビ大阪/テレビ愛知/ぴあ/宮崎放送/博報堂/Yahoo! JAPAN