第40回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2017(平成29)年3月3日(金)
場所: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
司会: 西田敏行/安藤サクラ

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優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)2016 TOHO CO.,LTD.

最優秀作品賞 「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
こんなに(ブロンズが)重いと思いませんでした。特撮映画、怪獣映画、シリーズ映画はジャンルの中に押し込められがち。こうやって一本の作品として評価していただいたことを本当に感謝しています。(山内章弘プロデューサー)今までやってきて、こんなことが待っているのかという気持ちです。毎日、過酷な条件の下で映画を作っている皆にも、いつかこういう時が来るよと声を大にして言いたい。皆頑張ろう!(樋口真嗣監督)

【作品情報】
第1作の「ゴジラ」(54)が公開されてから約60年。「ゴジラ」国内シリーズとしては、12年ぶりとなる最新作。現代日本における、巨大不明生物“ゴジラ”の出現とそれに立ち向かう戦略を、徹底的なリサーチをもとにリアリティを追求し、見事に描写。緊迫感溢れる新時代のゴジラ作品となった。総監督・脚本を「ヱヴァンゲリヲン」シリーズの庵野秀明、監督・特技監督を「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の樋口真嗣が務め、興行収入80億円を超える大ヒットを記録。キャストは329名。史上最大となる体長118.5メートル、フルCGのゴジラを野村萬斎がモーションキャプチャーで演じたことも話題となった。第71回毎日映画コンクール日本映画大賞、同美術賞、第90回キネマ旬報ベスト・テン脚本賞、第59回ブルーリボン賞作品賞受賞。今回の日本アカデミー賞では10部門11賞を受賞。

総監督・脚本:庵野秀明 監督・特技監督:樋口真嗣
製作:東宝株式会社

優秀作品賞 「怒り」


「悪人」(10)で日本アカデミー賞をはじめ、国内の映画賞を総なめにした李相日監督が再び吉田修一の小説を映画化。東京で発生した夫婦殺人事件の犯人は、殺害現場に「怒」の血文字を残した後、顔を整形して逃亡し続けていた。事件から1年後、千葉と東京と沖縄に素性の知れない3人の男が現れる……。一つの殺人事件をきっかけに「信じる」とは何かを問いかけるヒューマンミステリー。“物語の登場人物には、映画「オーシャンズ11」のようなオールスターキャストを配してほしい”という原作者の要望に応え、日本映画界を牽引するスタッフ・キャストが集結し、迫真の演技を見せた。第40回山路ふみ子映画賞、第41回報知映画賞監督賞受賞。今回の日本アカデミー賞では11部門12賞を受賞。

監督・脚本:李相日
製作:東宝/電通/ジェイアール東日本企画/ケイダッシュ/KDDI/読売新聞社/中央公論新社/日本出版販売/ソニー・ミュージックエンタテインメント/GYAO/中日新聞社

優秀作品賞 「家族はつらいよ」


山田洋次監督85本目の作品となる本作は、「男はつらいよ」シリーズ(69~95)以来、約20年ぶりの喜劇作品。橋爪功、吉行和子、妻夫木聡ら「東京家族」で一家を演じた俳優陣が再結集。“熟年離婚”をめぐって大騒動を起こす家族の物語。「東京家族」撮影当時の雑談から物語のアイディアが生まれたという。寅さんシリーズと同じ家族をテーマにした物語で、自身の作品へのオマージュも込めて「家族はつらいよ」というタイトルとなった。「東京家族」撮影時に培われた役者たちの一体感が本作でも発揮され、テンポのいい人情喜劇となっている。2017年5月には続編「家族はつらいよ2」が公開予定。また、中国でリメイクもされている。今回の日本アカデミー賞では7部門を受賞。

監督:山田洋次 脚本:山田洋次/平松恵美子
製作:松竹/住友商事/テレビ朝日/木下グループ/博報堂DYメディアパートナーズ/松竹ブロードキャティング/読売新聞社/博報堂/朝日放送/日本出版販売/GYAO/メ~テレ/講談社/九州朝日放送/北海道テレビ放送

優秀作品賞 「湯を沸かすほどの熱い愛」


自主映画「チチを撮りに」(12)がベルリン国際映画祭をはじめ、国内外の映画祭で高い評価を受けた中野量太監督が、自らのオリジナル脚本で描いた家族の物語。余命二ヶ月を宣告された母親が、持ち前の明るさで、残される家族を再生させていく。主演の宮沢りえは脚本を読み、すぐにオファーを快諾。末期ガンの母親役に扮するにあたり食事制限をしたほか、娘役の杉咲花や伊東蒼と撮影前からメールのやりとりをするなど信頼関係を築きつつ、母の究極の愛を表現した。第41回報知映画賞作品賞邦画部門・新人賞(中野量太監督)、第38回ヨコハマ映画祭監督賞、脚本賞受賞。今回の日本アカデミー賞では5部門を受賞。

監督・脚本:中野量太
製作:クロックワークス/テレビ東京/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/パイプライン/ひかりTV

優秀作品賞 「64-ロクヨン-前編」


横山秀夫の小説を映画化。わずか7日間で幕を閉じた昭和64年に少女の誘拐事件が発生し、犯人は身代金を奪い逃走。5日後に少女の遺体が発見される。その事件は「ロクヨン」と呼ばれ、犯人はみつからないまま捜査班は縮小されていった。事件当時捜査にあたり、現在は警務部広報官となった三上義信は記者クラブや刑事部、警務部と対立しながらも「ロクヨン」を風化させないためマスコミを動かそうとする。未解決のまま時効を迎える寸前の「ロクヨン」を巡り、様々な人間の思いが交錯する骨太な社会派ミステリー。錚々たる俳優陣の白熱の演技合戦も見どころ。第29回日刊スポーツ映画大賞作品賞、第71回毎日映画コンクール撮影賞受賞。今回の日本アカデミー賞では10部門を受賞。

監督:瀬々敬久 脚本:久松真一/瀬々敬久
製作:TBSテレビ/東宝/電通/CBCテレビ/WOWOW/朝日新聞社/毎日新聞社/TBSラジオ/MBS・RKB/KDDI/コブラピクチャーズ/HBC・TBC・BSN・SBS・RSK・RCC/GYAO/TCエンタテインメント/日本出版販売
優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

最優秀アニメーション作品賞 「この世界の片隅に」


【最優秀受賞コメント】
6年以上かけて作った映画なんですが、あきらめなくてよかったです。途中でやめようかなと思ったときに、企画プロデューサーの丸山(正雄)さんが、まだもうちょっと続けようよと6年言い続けてくれました。もし途中でもういいかと思っていたら、たぶん皆さんの心の中に、すずさんという小さなかわいらしい主婦の姿は宿ることがなかった。今ここに立てているのは、いろんな人の支えがあってのことです。(片渕須直監督)

【作品情報】
2007から09年まで、『漫画アクション』に連載された、こうの史代の同名漫画を「マイマイ新子と千年の魔法」(09)などの片渕須直監督が映画化。太平洋戦争まっただ中の広島を舞台に、戦時下に生きた一人の女性の姿と市井の人々の日常に戦争が及ぼす影を丹念な描写で綴り、見る者の心に深い余韻を残す。クラウドファンディングにより製作資金を調達し、6年の歳月を経て完成。主人公のすずの声を女優のんが務めている。SNSや口コミを中心に評判が広がり、上映館数は当初63館から300館以上に拡大。第71回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、同音楽賞、第38回ヨコハマ映画祭作品賞、第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞、第59回ブルーリボン賞監督賞受賞。第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベスト・テン第1位。

監督・脚本:片渕須直
製作:朝日新聞社/エー・ティー・エックス/Cygames/TBSラジオ/東京カラーフォト・ウィングス/東京テアトル/東北新社/バンダイビジュアル/双葉社/マック/MAPPA/ジェンコ

優秀アニメーション作品賞 「君の名は。」


東京と岐阜県飛騨地方を舞台に美しい映像で描いたファンタジックな青春ラブストーリー。公開150日間で累計動員は1851万人、興収は240億円を突破(1月23日現在)。主人公・立花瀧の声を神木隆之介、ヒロイン・宮水三葉の声を上白石萌音が務め、映画音楽をRADWIMPSが担当。アメリカ、フランスをはじめ、世界各国で公開された。第49回シッチエス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門最優秀長編作品賞、第42回ロサンゼルス映画批評家協会賞アニメ映画賞、第33回山路ふみ子文化賞、第29回日刊スポーツ映画大賞監督賞、第41回報知映画賞特別賞、第71回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第59回ブルーリボン賞特別賞などを受賞。今回の日本アカデミー賞では4部門を受賞し、新海誠がアニメーション作品としては初めて優秀監督・優秀脚本を受賞する快挙を成し遂げた。

監督・脚本:新海 誠
製作:東宝/コミックス・ウェーブ・フィルム/KADOKAWA/ジェイアール東日本企画/アミューズ/voque ting/ローソンHMVエンタテイメント

優秀アニメーション作品賞 「映画『聲の形』」


「このマンガがすごい!2015」オトコ編第1位、「マンガ大賞2015」第3位、第19回「手塚治虫文化賞」新生賞を受賞するなど数々の賞を受賞し、人気と評価を集める大今良時による漫画を京都アニメーションが映画化。監督は、「映画けいおん!」(11)で長編デビューし、これが3作目の長編映画となる山田尚子が務めた。小学生のときガキ大将の石田将也は、耳が聞こえない転校生・西宮硝子をいじめ彼女は学校を去ってしまった。ところが仲間だった友人たちは手のひらを返し、今度は将也がいじめられる側になる。それ以来、心をずっと閉ざしていた将也は高校生になり硝子と再会。勇気をもって将也は過去の罪を償おうと、硝子と向き合う……。贖罪の物語であり、人とのコミュニケーションの難しさ、自分を肯定することの大切さを繊細に描いた。

監督:山田尚子 脚本:吉田玲子
製作:京都アニメーション/ポニーキャニオン/ABCアニメーション/クオラス/松竹/講談社

優秀アニメーション作品賞 「ルドルフとイッパイアッテナ」


シリーズ累計100万部のベストセラーとなっている、斉藤洋の同名児童文学作品を「劇場版ポケットモンスター」シリーズの湯山邦彦監督と3DCGアニメ『パックワールド』の榊原幹典監督がタッグを組み、3DCGアニメとして映画化。長距離トラックの荷台に迷い込み、飼い主のいる岐阜から東京に来てしまい途方に暮れる黒猫のルドルフ。野良のボス猫のイッパイアッテナと出会い、たくましく生き抜くための知恵を与えられ、愛する飼い主のもとへ帰る計画を立てるが……。黒猫のルドルフの冒険と出会い、別れ、友情を描き、誰もが楽しめるファミリームービー。猫の毛並や動き、日本の四季折々の風景にこだわった映像にも注目。声優として、ルドルフ役で井上真央、イッパイアッテナ役で鈴木亮平が参加。

脚本:湯山邦彦・榊原幹典 脚本:加藤陽一
製作:日本テレビ放送網/東宝/講談社/OLM/バンダイ/バップ/読売テレビ/電通/PPM/ホリプロ/D.N.ドリームパートナーズ/日本出版販売/ローソンHMVエンタテイメント/STV・MMT・SDT・CTV・HTV・FBS

優秀アニメーション作品賞 「ONE PIECE FILM GOLD」


原作者・尾田栄一郎が、前作に続き総合プロデューサーを務め3年半ぶりとなる待望の新作。劇場版としては第13作目で、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するのは、これが4作目となる。物語の舞台となる豪華黄金船“グラン・テゾーロ”をラスベガスでのロケハンをもとに大がかりなCG作業で制作したほか、オープニングのダンスシーンは、プロのダンサーの踊りをモーションキャプチャーして制作。シリーズで初めて4D上映も行われた。ゲスト声優として、満島ひかり、濱田岳、菜々緒、ケンドーコバヤシ、北大路欣也ほか、バラエティ豊かな面々が参加。アジア、北米、欧米など世界30か国以上で公開された。日本での興行収入は50億円を突破している。

監督:宮元宏彰 脚本:黒岩勉
製作:フジテレビジョン/東映アニメーション/東映/集英社/バンダイ/バンダイナムコエンターテインメント
優秀監督賞
最優秀賞庵野秀明/樋口真嗣「シン・ゴジラ」


■(総監督)庵野秀明
【受賞歴】初受賞

【最優秀受賞コメント】■(監督)樋口真嗣
60年前に怪獣を使って、映画を作ることを日本で始めた大先輩がいて、その先輩たちがずっとそれを作り続けて、受け継いできたバトンを僕らはもらったと思っています。そのバトンに恥ずかしくないようなものをと思い、今回のスタッフ、キャストと本気でゴジラと向き合って作りました。その結果がこうなったことは本当に嬉しいです。
【受賞歴】
第19回「ガメラ 大怪獣空中決戦」で特殊技術スタッフと共に特別賞特殊技術賞を受賞。優秀監督賞は第36回「のぼうの城」で初受賞。
優秀賞新海誠「君の名は。」


大変光栄な賞に身が引き締まる思いです。「君の名は。」の作品製作においては、監督と脚本の仕事は渾然であり区別がありませんでした。もっと言えば、脚本と音楽と演出がそれぞれに影響を与えあって映画の形を作っていったのが「君の名は。」でした。
【受賞歴】初受賞
※本作で第29回日刊スポーツ映画大賞監督賞、第33回山路ふみ子文化賞受賞。
優秀賞瀬々敬久「64-ロクヨン-前編」


これだけの俳優に集まっていただき作りあげていった映画ですので、まずは作品に評価を頂いたことをホッとすると共に喜んでおります。たった一人でも、この映画が好きだという人がいれば作っていけるという思いで今まで作ってきました。これからもそれを忘れず精進していきたいと思っています。
【受賞歴】初受賞
優秀賞中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」


まだまだ経験の足りない監督である僕をここまで押し上げてくれたのは、紛れもなく優秀なスタッフとキャストの力です。日本アカデミー賞・優秀監督賞だなんて、ちょっと押し上げ過ぎですよ(笑)中野組みんなで、この賞を喜びたいと思います。
【受賞歴】初受賞
※本作で第41回報知映画賞新人賞受賞。
優秀賞李相日「怒り」


吉田修一さんから、製本前の「怒り」の原稿が送られてきたのが全ての始まりでした。思えば、自分が本当に創りたいものを創り続けて来れたのは、同時代に同じ価値を見出せる仲間たちとの出会いによる賜物です。情熱的で忍耐強く、そして何より物好きな映画人たちとの出会いが僕を“映画監督”にしてくれました。全員ではなくとも、そんな彼らが壇上に上がる姿を見届けるのが今から楽しみでなりません。
【受賞歴】
第30回「フラガール」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第34回「悪人」以来、今回3度目の受賞。
※本作で第41回報知映画賞監督賞受賞、第40回山路ふみ子映画賞受賞。
優秀脚本賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞新海誠「君の名は。」


【最優秀受賞コメント】
最もいただけると思っていなかった賞でした。「君の名は。」はお客様に発見していただけた映画だと思っています。映像が美しい、音楽がすごいと言われることが多く、脚本について言及していただくことが比較的少ない映画でした。ただ、映画の根本は脚本にあると信じておりますので、そこを見ていただけたことが本当に何よりもとても嬉しく思っています。これからもたくさんの方に届く映画を作っていければと思っております。
【受賞歴】初受賞
優秀賞中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」


映画の出来は、半分以上が脚本で決まると思っています。約一年、粘って拘って「湯を沸かすほどの熱い愛」を書き上げました。正直、この脚本に、こんなにも素晴らしいキャストとスタッフが集まってくれるとは思ってもいませんでした。本当に嬉しかった!たとえ、無名、新人、オリジナルであろうと、面白い脚本をみんなが待ち望んでいる、それを知れたことが、今後の僕の大きな財産です。
【受賞歴】初受賞
優秀賞久松真一/瀬々敬久「64-ロクヨン-前編」


■久松真一
横山秀夫さんの魂ともいえる小説。佐藤浩市さんの役に対する情熱。そして監督をはじめとした多くの方々の映画に対する思い。それらを受けて、のたうち回るような日々、いや、実際にのたうち回った日々を昨日のことのように思い出します。
栄誉ある賞の受賞にあたり、瀬々監督には心から感謝するとともに、浩市さん、そして全てのキャストの皆さま、全てのスタッフの皆さまに感謝、御礼申し上げます。
【受賞歴】初受賞

■瀬々敬久
【受賞歴】初受賞
優秀賞山田洋次/平松恵美子「家族はつらいよ」


■山田洋次
【受賞歴】
今回で優秀賞18度目の受賞で最多受賞者。第1回「幸福の黄色いハンカチ」をはじめ、第4回、第17回、第26回で4度の最優秀賞を受賞。他、第6回特別賞、第36回協会栄誉賞を受賞。

■平松恵美子
「東京家族」で出会った家族たち(キャスト)が再び集まって、もうひとつの『家族』の物語、しかも『喜劇』としての物語を紡ぐ。そんなワクワクするような、そして同時に苦労と勉強も計り知れないくらい大きな機会に恵まれたことを感謝します。

【受賞歴】
第24回「十五才 学校Ⅳ」で初受賞。第30回「武士の一分」第34回「おとうと」など。昨年の「母と暮せば」に続き4年連続8度目の受賞。
優秀賞李相日「怒り」


【受賞歴】
第30回「フラガール」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第34回「悪人」以来、今回3度目の受賞。
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞佐藤浩市「64-ロクヨン-前編」


【最優秀受賞コメント】
久しぶりに大きい方の賞をいただいたんですけど、こんなに重かったかな。これは僕が50も半ばを過ぎて筋力が衰えたから重たいのか。それともまったく別な感慨でこの重たさを感じているのか。当然、後者の方です。またここに戻ってこられるよう、スタッフともども、皆で映画作りを続けていきたいと思います。
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警察上層部とマスコミの間で板挟みになりながらも、「ロクヨン」事件の真犯人を追いつめるべく奔走する警務部広報官・三上を熱演。重厚な人間ドラマを牽引した。日本アカデミー賞は第5回「青春の門」で新人俳優賞を受賞以来、優秀主演男優賞は今回で4度目の受賞。うち第18回「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で最優秀を受賞。また6度の優秀助演男優賞の受賞があり、第24回「ホワイトアウト」、第27回「壬生義士伝」で最優秀を受賞。本作で第29回日刊スポーツ映画大賞主演男優賞を受賞。
優秀賞綾野剛「日本で一番悪い奴ら」


「凶悪」(13)の白石和彌監督が、2002年に北海道県警の刑事が起こした不祥事を題材に描いた作品で、主人公・諸星役に扮した。新人警察官が危険な捜査を続ける過程で、麻薬に手を染め堕ちていくさまを徹底的に演じきった。第15回ニューヨーク・アジア映画祭でライジング・スター賞を受賞。16年は「リップヴァンウィンクルの花嫁」「64‐ロクヨン‐」「怒り」をはじめ7本もの映画に出演。日本アカデミー賞は第37回「横道世之介」「夏の終り」で新人俳優賞を受賞。
優秀賞岡田准一「海賊とよばれた男」


「永遠の0」チームが再結集した本作で、激動の時代に石油の将来性を予見し、様々な妨害にもめげず石油販売業に邁進した主人公・国岡鐡造に扮した。個性溢れる店員たちから慕われ、大事業を成し遂げる店主像を魅力的に作り上げている。青年時代から90代までを演じ、中でも半分以上を占める60代のシーンでは、日々特殊メイクに約3時間かけ、声の響かせ方も変えて演じきった。日本アカデミー賞は、第38回「永遠の0」で最優秀主演男優賞と話題賞[俳優部門]、「蜩ノ記」で同最優秀助演男優賞を受賞し、ダブル受賞という快挙を成し遂げた。
優秀賞長谷川博己「シン・ゴジラ」


本作で扮したのは、東京湾アクアトンネルの崩落を、いち早く海中に棲む巨大生物による仕業だと気付く内閣官房副長官・矢口蘭堂役。巨大不明生物特設災害対策本部の事務局長、やがてゴジラ対策の特命担当大臣……と役職を変えながら、予期せぬ危機に直面した国を救うため、政府首脳陣の代わりに最前線で勇敢にゴジラに立ち向かう、頼れるリーダーの姿を魅力的に演じた。日本アカデミー賞は第35回「セカンドバージン」で新人俳優賞を受賞。
優秀賞松山ケンイチ「聖の青春」


大崎善生のノンフィクション小説の映画化で、病と闘いながら将棋に打ち込み、29歳でその生涯を閉じた実在の将棋棋士・村山聖に扮している。体重を増やし、東京将棋会館に通いプロの打ち方や振る舞いを徹底的に身体に染み込ませ、渾身の演技を見せた。日本アカデミー賞は、第30回「デスノート 前編」で優秀助演男優賞、「男たちの大和 YAMATO」で新人俳優賞、第32回「デトロイト・メタル・シティ」で優秀主演男優賞および話題賞[俳優部門]を受賞。本作で第59回ブルーリボン賞主演男優賞受賞。
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞宮沢りえ「湯を沸かすほどの熱い愛」


【最優秀受賞コメント】
(杉咲)花が醸し出す演技を私が目の当たりにし、その表情が皆様に認めていただけたんだと思うので、こうやって受賞できたのは花のおかげです。中野監督にとって興行的なデビューの作品だったので冒険ではありましたけれど、冒険はしてみるもんだなあと思いました。(テレビ放送時のコメントより)
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突然、末期ガンで余命二ヶ月を宣告され、残された時間ですべきことをやりとげていく、明るく強く、エネルギッシュな母親・双葉を好演。日本アカデミー賞は、第12回「ぼくらの七日間戦争」で新人俳優賞を受賞。優秀主演女優賞は今回で4度目の受賞となり、うち第26回「たそがれ清兵衛」、第38回「紙の月」で最優秀賞を受賞。本作で第29回日刊スポーツ映画大賞、第41回報知映画賞、第90回キネマ旬報ベスト・テンの主演女優賞を受賞している。
優秀賞大竹しのぶ「後妻業の女」


直木賞作家・黒川博行の原作を鶴橋康男監督が映画化。金持ち老人をターゲットとし、何度も後妻に入る主人公を軽妙な大阪弁で圧倒的かつチャーミングに演じた。
日本アカデミー賞は第2回に「事件」で最優秀主演女優を、「事件」「聖職の碑」で最優秀助演女優賞のダブル受賞を果たす。優秀主演女優賞は今回7度目の受賞となる。うち第23回「鉄道員(ぽっぽや)」で最優秀賞を受賞。優秀助演女優賞は3度受賞している。本作の演技で、第59回ブルーリボン賞主演女優賞受賞。
優秀賞黒木華「リップヴァンウィンクルの花嫁」


岩井俊二監督が日本で撮った長編実写映画としては、「花とアリス」(04)以来12年ぶりとなる本作で、ヒロイン・皆川七海を演じた。原作は、黒木を想定して岩井監督が執筆した小説。格差や女性の自立、恋愛の多様性など、変わりゆく現代社会の中で、女性が精一杯生きる姿を描いている。日本アカデミー賞は、第37回「舟を編む」「草原の椅子」で新人俳優賞、第38回「小さいおうち」、第39回「母と暮せば」で2年連続最優秀助演女優賞を受賞。
優秀賞広瀬すず「ちはやふる‐上の句‐」


2007年より連載され、男女幅広い層に支持され続けている末次由紀の人気コミックの映画化で映画初主演を果たした。演じたのは高校に競技かるた部を創部し、仲間とともに全国大会を目指すヒロイン・綾瀬千早。かるた競技に取り組むときの真剣な表情、普段の天真爛漫な魅力の両方を爽やかに表現している。作品は2部作で公開され、今後続編の製作も予定されている。日本アカデミー賞は第39回「海街diary」で新人俳優賞受賞。今回、優秀助演女優賞とのダブル受賞。
優秀賞宮﨑あおい「怒り」


家出先の東京から実家の千葉へと連れ戻され、松山ケンイチ演じる身元不明の田代と恋に落ちる槙愛子役。役作りのために1ヶ月で体重を7キロ増やし、田代と彼を疑う父の間で葛藤する姿をエモーショナルに演じている。日本アカデミー賞優秀主演女優賞は第33回「少年メリケンサック」、第37回「舟を編む」で受賞。今回、優秀助演女優賞とのダブル受賞。本作で第30回山路ふみ子映画賞山路ふみ子女優賞、第29回日刊スポーツ映画大賞助演女優賞受賞(本作と「世界から猫が消えたなら」の演技に対し)。
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞妻夫木聡「怒り」


【最優秀受賞コメント】
こうやって今回この会場で皆さんと喜びを分かち合えることを、すごく嬉しく思います。小さい頃から何の取り柄もなかった自分が、いま俳優をやっていること自体がちょっと不思議なんですけれども、こうやって素敵な賞までもらえるという現実が夢のようです。李監督が「東京はお前に任せた」と言ってくれた一言は本当に嬉しかったです。終わってからも、「お前に救われた」と言われたのは僕の一生の財産となりました。
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3作目となる李相日監督作への出演。男と一夜限りの関係を続けていたが、綾野剛演じる大西直人と運命的な出会いをする藤田優馬役を熱演。撮影中、綾野と一緒に生活し、説得力のある関係性を生み出した。日本アカデミー賞は第25回「ウォーターボーイズ」で新人俳優賞および優秀主演男優賞をダブル受賞。この時を含め、優秀主演男優賞を4度受賞し、うち第34回「悪人」で最優秀賞を受賞。優秀助演男優賞は第37回「東京家族」以来2度目となる。本作と「ミュージアム」で第29回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞受賞。
優秀賞竹原ピストル「永い言い訳」


西川美和監督が第153回直木賞候補となった自身の小説を映画化した本作で、妻を事故で亡くしたトラック運転手、大宮陽一に扮した。純粋で不器用な男が、悲しみを乗り越えて前向きに生きようとする姿を無骨かつ繊細に演じ、存在感を発揮している。日本アカデミー賞は初受賞。シンガーソングライターとして活躍し、役者としては、「青春☆金属バット」(06)で映画初主演。2016年は100本超の弾き語りツアーを全国で行った。本作で第90回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞を受賞。
優秀賞東出昌大「聖の青春」


松山ケンイチ演じる村山聖にとって最大のライバルであり、96年に七大タイトルを全制覇し、七冠独占を達成したスター棋士、羽生善治に扮した。もともと将棋が好きで羽生のファンだったが、撮影前に羽生本人に会い、その仕草やクセ、棋譜、精神性までも研究し、リアリティを追求した。撮影では、羽生が七冠を獲った際、実際に使用していたメガネを着用して演じた。日本アカデミー賞は第36回「桐島、部活やめるってよ」で新人俳優賞受賞。
優秀賞森山未來「怒り」


「この役を演じられるのは彼しかいない」という李監督のオファーを受け、沖縄の離島で、広瀬すずと佐久本宝が演じる高校生と出会うバックパッカー・田中信吾役を演じた。クランクイン前から一人で無人島に乗り込み役作りを行い、田中の抑えきれない怒りや衝動を生々しい演技で見せた。日本アカデミー賞は第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で新人俳優賞と優秀助演男優賞をダブル受賞。このときを含め、優秀助演男優賞は今回が3度目の受賞。また、第36回「苦役列車」で優秀主演男優賞を受賞。
優秀賞リリー・フランキー「SCOOP!」


「モテキ」(11)、「バクマン。」(15)に続く大根仁監督作品への出演で演じたのは、福山雅治扮する主人公の中年パパラッチ・都城静の友人であり、怪しげな情報屋。その歯止めのきかなくなった狂気が、義理に厚い都城の運命を左右していく……。クライマックスシーンでは、鬼気迫る演技で見る者を圧倒した。日本アカデミー賞は第37回「凶悪」「そして父になる」それぞれで優秀助演男優賞を受賞し、「そして父になる」で最優秀賞を受賞。第59回ブルーリボン賞助演男優賞受賞(「聖の青春」と本作の演技に対し)。
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」


【最優秀受賞コメント】
今日が怖すぎて2週間ぐらい前から眠れなくて、やっと寝れたと思ったら悪夢を見たりして、この日が近づいてくると肌がぶつぶつざらざらしてきて本当に怖かったんです。でも昨日、おかあちゃんを演じた宮沢りえさんに「どうしよう」ってメールを送ったら、どんな結果であっても得たものは変わらないからってメールをいただいて、本当にそうだなと思ったんです。私が一番幸せなのはこの作品に携わらせていただけたことで、でもやっぱり嬉しいです。
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学校でいじめに遭うも助けを求めることができないような引っ込み思案で気弱な少女・安澄。母の励ましと愛情により自らの殻を破り、母のように強くたくましい女性へと変わっていく過程を凛とした存在感で演じた。日本アカデミー賞は初受賞にして、新人俳優賞とのダブル受賞となる。本作で第41回報知映画賞、第38回ヨコハマ映画祭、第90回キネマ旬報ベスト・テン、第59回ブルーリボン賞の助演女優賞を受賞している。
優秀賞石原さとみ「シン・ゴジラ」


本作で演じたのは、ゴジラ出現により、米国国務省から派遣された女性エージェントのカヨコ・アン・パタースン。日系三世で、父親はアメリカの上院議員。英語と日本語を話すバイリンガルで、将来の大統領の座を狙っているという個性の強いキャラクターをファッショナブルな衣装に身を包み颯爽と演じ、作品に華やかさをもたらしている。日本アカデミー賞は第27回「わたしのグランパ」で新人俳優賞、第29回「北の零年」で優秀助演女優賞を受賞。今回2度目の受賞。
優秀賞市川実日子「シン・ゴジラ」


巨大不明生物特設災害対策本部でゴジラの生態解析を担当する環境省自然環境局野生生物課長補佐、尾頭ヒロミを演じた。寝癖をつけたままで身なりに気を使わず、無感情かつ早口だが笑顔を見せる瞬間もある。そのギャップのあるキャラクターを見事に演じ、強い印象を残した。モデルとして活躍後、98年に女優デビュー。「blue」(03)で第24回モスクワ国際映画祭最優秀女優賞を受賞。日本アカデミー賞は初受賞。本作で第71回毎日映画コンクール助演女優賞受賞。
優秀賞広瀬すず「怒り」


原作を読み、自ら熱望しオーディションを受けて演じたのは、沖縄の離島で、森山未來演じる謎のバックパッカー・田中信吾と出会う高校生・小宮山泉役。これまでは明るく元気なキャラクターに扮することが多かったが、本作では心に傷を抱えてしまった女性の痛みや悲しみなどを渾身の演技で見せた。16年の活躍に対し第41回エランドール賞新人賞受賞。今回、優秀主演女優賞とのダブル受賞となる。
優秀賞宮﨑あおい「バースデーカード」


「キトキト!」(07)「旅立ちの島唄~十五の春~」(13)の吉田康弘監督の5本目の映画作品で、ガンでこの世を去る前に娘に毎年届くようバースデーカードを書き残す母・芳恵を演じた。しっかり者で優しく太陽のように明るい女性の温かく深い親心を繊細に表現し、観客の涙を誘った。日本アカデミー賞優秀助演女優賞は、第36回「わが母の記」で受賞しており今回が2回目となり優秀主演女優賞とのダブル受賞となる。
優秀音楽賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞RADWIMPS「君の名は。」


【最優秀受賞コメント】
「君の名は。」は本当に小さなところから始まった作品で、新海監督っていう全然すごくなく見えるすごい人がどこまでも情熱を走らせて、誰よりもあきらめずに、今までなかったものを作るんだという情熱で動き出した映画でした。監督は僕らを信頼してくれて、音楽に合わせてここをカットしますとか、この歌詞を聞かせたいからこのシーンを2分伸ばしますとか、今まであまり映画の世界で行われなかったようなことを平気でしていました。新海さんと仕事ができたことを、僕たち3人は本当に幸せに思いますし、見ていただいた皆さんに心から感謝します。
【受賞歴】初受賞
優秀賞コトリンゴ「この世界の片隅に」


素晴らしい作品に参加できたこと、そしてとても素敵な賞をいただけたこと、こころから嬉しく思います。この映画の音楽を担当するきっかけとなった曲は、加藤和彦さんとサトウハチローさんの『悲しくてやりきれない』です。私たちに素晴らしい曲をのこしてくださりありがとうございます、とお伝えしたいです。そして片渕監督のお仕事を間近で拝見できたことは、私にとって掛け替えのない経験となりました。
【受賞歴】初受賞
※本作で第71回毎日映画コンクール音楽賞受賞。
優秀賞鷺巣詩郎「シン・ゴジラ」


優秀音楽賞いただき、たいへん光栄です。
庵野秀明総監督をはじめ、この映画にかかわったすべての方々に感謝いたします。
もちろん、偉大なる伊福部昭先生にも・・・。
【受賞歴】初受賞
優秀賞佐藤直紀海賊とよばれた男


この度、「海賊とよばれた男」におきまして優秀音楽賞を承り大変光栄に思います。音楽は私ひとりで作り上げているのでは決してありません。監督を始めスタッフ皆様のご意見、キャストの皆様の素晴らしい演技に助けられてようやく音楽が完成します。このメロディーを生み出させてくれた関係者の皆様に感謝申し上げます。
【受賞歴】
第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第31回「ALWAYS 続・三丁目の夕日」、第38回「永遠の0」以来、今回4度目の受賞。
優秀賞村松崇継「64-ロクヨン-前編」


この「64-ロクヨン-」という映画に出逢い、こういった賞を後に頂けたこと、本当に嬉しく思います。音楽を映像にのせていく中で、キャストの方々の魂のこもった演技に感銘を受け、自分はそこに音楽としての+アルファ何ができるのか?を自問自答し続けました。そして監督にも多くのご指導を頂き、「64-ロクヨン-」の世界を音で作り上げる事ができ自分の音楽人生でもかけがえのない作品となりました。監督はじめ、この映画に関わった全てのスタッフの方々に感謝をしたいと思います。
【受賞歴】初受賞
優秀撮影賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞山田康介「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
「シン・ゴジラ」はAユニットからDユニットまでの4班で撮影されました。本当に多くのカメラマンに参加していただいてこの賞を取ることができました。皆で取った賞だと思います。
【受賞歴】初受賞
優秀賞笠松則通「怒り」


東京、沖縄、千葉と交わらない3ヶ所の話はそれぞれが濃密で映画3本撮っている様な大変さでしたが、レンズを通して役一人一人の生き様を見つめる事ができ幸せな時間でもありました。
【受賞歴】
第29回「亡国のイージス」で初受賞。ほか第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」第34回「悪人」など。今回6度目の受賞。うち、第37回「許されざる者」で最優秀賞を受賞。
優秀賞斉藤幸一「64-ロクヨン-前編」


元来、横山秀夫さんの小説のファンでもあったところに、佐藤浩市さん主演の瀬々監督作品を馴染みのスタッフと楽しく仕事することが出来て、本当にありがたいことでした。久々に、本格的な社会派映画を撮影することが出来て、念願叶った思いであります。多くの人に観て頂き、ありがとうございました。
【受賞歴】初受賞
※本作で第71回毎日映画コンクール撮影賞受賞。
優秀賞柴崎幸三「海賊とよばれた男」


風が吹くと舟が出せない、べた凪だと舟は出せるが、海らしさに欠ける。海上での撮影はなかなかの大騒ぎでした。毎日の様に小さな波大きな波が押し寄せるのが映画作り。これからも、大騒ぎしながら乗り越えて行きますか。みんなで。
【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」で初受賞にして最優秀賞を受賞。ほか第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」、第38回「永遠の0」で最優秀賞を受賞。今回5度目の受賞。
優秀賞近森眞史「家族はつらいよ」


今回の映画はただ笑って観ていただけたらイイ。そんなスタンスで撮影にのぞんだ映画でしたが、俳優陣の演技をただ笑うというだけではなく、お客さん自身がふと、自分自身のことを笑っているんだと気付く、そんな映画が理想ではありました。コロコロ変わる天候に邪魔されることのないセットの中で、お芝居を撮るということに集中できる環境を与えてくれた製作会社に感謝します。お芝居を撮ることの難しさを改めて実感した撮影でした。
【受賞歴】
第34回「おとうと」で初受賞。昨年の「母と暮せば」に続き4年連続受賞5度目の受賞。
優秀照明賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞川邉隆之「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
光栄な賞をいただけて大変嬉しく思っております。睡眠時間を削って頑張ってくれた助手の皆さん、とても感謝しています。他の部署の皆さん、とてもとても感謝しております。
【受賞歴】
第33回「剱岳 点の記」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第35回「岳-ガク-」以来今回3度目の受賞。
優秀賞中村裕樹「怒り」


三つの異なる場所での物語と事件、刑事篇をそれぞれに合致した力のある映像で描きたいと思って臨みました。「怒り」という映画の得体の知れない魔物を探す旅は、常に先頭に立って挑む監督、勇気のある俳優達、粘り強いスタッフの力が集結して成し遂げられたと思います。この長い旅に参加出来た事はこの上ない喜びでした。初参加の李組での受賞大変嬉しく思います。
【受賞歴】
第17回「水の旅人 侍KIDS」「はるか、ノスタルジィ」で初受賞。今回7度目の受賞。うち第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で最優秀賞を受賞。
優秀賞豊見山明長「64-ロクヨン-前編」


素晴らしい俳優陣と瀬々監督をはじめ日頃から親しみ慣れたスタッフと一緒にこの素晴らしい作品に参加して、受賞できたこと感謝しております。また、これを機に日本映画のために、ますますの貢献を出来るように、頑張りたいと思います。
【受賞歴】初受賞
優秀賞上田なりゆき「海賊とよばれた男」


今回の作品は、編集ラッシュから初号試写まで、一度も観る事ができませんでした。それで、映画館で初めて観たんですが、タバコを吸っている場面、人物の多さに、改めて驚きました。今のところ、日本禁煙学会等からの文句や抗議はきていないそうですが。白組の皆さん、VFXの仕上りは本当にすばらしかったです。それにしても、ロケで宿泊したホテル三日月(千葉・勝浦)は、温泉、部屋からの眺望、よかったな~。
【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第38回「永遠の0」でも最優秀賞を受賞。今回3度目の受賞。
優秀賞渡邊孝一「家族はつらいよ」


「男はつらいよ」のファンである自分が山田監督の喜劇映画に参加でき、そして優秀賞も頂けてとても幸せです。今作も大部分がスタジオ撮影で荷の重い仕事でしたが、家族の『日常』を観る人が自然に物語に入り込めるようなリアル照明を目指しました。無理難題を支えてくれた助手のみんな、そして全ての関係者の皆様に感謝します。
【受賞歴】
第26回「ピンポン」で初受賞。昨年の「母と暮せば」に続き4年連続7度目の受賞。うち第37回「許されざる者」で最優秀賞を受賞。
優秀美術賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞林田裕至/佐久嶋依里「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
■林田裕至
今回このような志の高い娯楽映画に参加させていただいて本当に嬉しく思っています。呼んでくださったプロデューサーの方々、導いてくださった3人の監督、ついてきてくれたスタッフにもお礼を言いたいと思います。
【受賞歴】
第34回「十三人の刺客」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第35回「一命」以来、今回3度目の受賞。
※本作で第71回毎日映画コンクール美術賞受賞。

■佐久嶋依里
この作品は美術的にデザインするというよりどこまでリアル感を追求できるか。スタッフ皆でメモ一枚から小さなモニターの中までこだわりぬいてつくりました。そんな皆を代表して受賞させていただいている気持ちです。こういう信念の太い映画に参加できたことを本当に嬉しく思います。
【受賞歴】初受賞
※本作で第71回毎日映画コンクール美術賞受賞。
優秀賞磯見俊裕「64-ロクヨン-前編」


瀬々組「64-ロクヨン-」での美術賞、とても嬉しく、有難うございます。美術部では、座長の浩市さんはじめ役者さん達が、存分に一気に動ける「場」を造る事ができればと思い、この作品に臨みました。そんなロケ場所を探し続けていただいた制作部の皆さん、またその無理難題に応じて頂いた長岡市をはじめ沢山のロケ地で関わって頂いた皆様、本当に有難うございました。
【受賞歴】
第28回「血と骨」で初受賞。今回2度目の受賞。
優秀賞倉田智子「家族はつらいよ」


素晴らしい賞を頂き大変うれしいです。何より山田組に参加させてもらえた事に感謝しております。監督との初めての打ち合わせで、この作品は平田家の階段の位置が一番重要なんだと言われ、それまで時代劇ばかりやってきた感覚を現代劇用に切り替え、何度も打ち合わせをし、やっと監督にも納得していただくセットが出来上がりました。それも不慣れな私を支えてくれたスタッフ、撮影所の皆様のおかげです。心から感謝しております。
【受賞歴】初受賞
優秀賞都築雄二/坂原文子「怒り」


■都築雄二
李監督を始めスタッフ、キャストの皆様に感謝します。
そして、この映画に参加出来た事を光栄に思います。
【受賞歴】
第39回「バクマン。」で初受賞。今回2度目の受賞。

■坂原文子
東京、沖縄、千葉。すばらしいロケーションが美術の方向性を導いてくださったのだと思います。ただただ突き進んだ日々でしたが、また戻ってきたい。そんな風に思える李組に参加できた事に感謝致します。
【受賞歴】初受賞
優秀賞新田隆之「殿、利息でござる!」


素晴らしい作品に参加できてとても幸せです。まして、このような名誉ある賞まで戴いて驚いております。支えてくれた美術・装飾チーム、そして行く先々のロケ地の皆さんの協力あっての賞です。監督はじめ、全スタッフ、キャスト、この作品に携わったすべての方々に感謝申し上げます。
【受賞歴】初受賞
優秀録音賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞中村淳/山田陽「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
■(録音)中村淳
この仕事を始めて実は42年目なんですが、どうしてもやりたい仕事が二つあり、そのうちの一つが「ゴジラ」でした。そのゴジラでこのような賞をいただけて本当に嬉しく思います。
【受賞歴】
第23回「金融腐蝕列島 呪縛」で初受賞。今回4度目の受賞。うち第34回「十三人の刺客」で最優秀賞を受賞。

■(整音)山田陽
驚いております。まさかゴジラをできると思ってなかったのでこのような機会を与えてくれた樋口監督、庵野監督に感謝しております。また「シン・ゴジラ」を何回も見てくれた皆様に感謝しています。
【受賞歴】初受賞
優秀賞岸田和美「家族はつらいよ」


今回「家族はつらいよ」において優秀録音賞をいただき、スタッフ・キャストの皆様に感謝申し上げたいと思います。家族を通して大きな共感の笑いと涙を届けてくれる作品です。空気感を大事に台詞を中心に自然な感じのMixを心がけました。
楽しく仕事ができました。
【受賞歴】
第24回「十五才 学校Ⅳ」で初受賞。昨年の「母と暮せば」に続き4年連続10度目の受賞。うち第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀賞を受賞。
優秀賞白取貢「怒り」


みっつの物語を音で結び付けていく作業は色々苦労しましたが、同時に楽しい時間でもありました。
音によって、どこまで観客の心を震わす事が出来るのか、これからも追求していきたいと思います。
【受賞歴】
第30回「フラガール」で初受賞。第33回「ディア・ドクター」第34回「悪人」以来、今回4度目の受賞。
優秀賞髙田伸也「64-ロクヨン-前編」


規模の大小に関わらず、映画作りへの情熱を絶やすことのない瀬々監督の作品で、このような賞を頂けたことがとても嬉しいです。
ご指導、ご協力頂いたスタッフ、キャストの皆様に心よりお礼申し上げます。
【受賞歴】初受賞
優秀賞藤本賢一「海賊とよばれた男」


撮影・仕上げの時に困難から逃げ、まぁこれでいいかなの気持ちになると、店主・国岡鐡造が発する「熱がたりんのよ、熱が!」が聴こえてきて、その言葉に「いっちょ やってやろうやないか!」と鼓舞し、映画をつくる航海を皆で渡り切った作品でした。今回、この嬉しい受賞に、国岡商会の旗を振り「国岡のもんよ!日本アカデミー賞持ってきたけぇ!!」と叫びたい思いです。
【受賞歴】
第35回「八日目の蟬」で初受賞にして最優秀賞を受賞。今回4度目の受賞。うち第38回「永遠の0」で最優秀賞を受賞。
優秀編集賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞庵野秀明/佐藤敦紀「シン・ゴジラ」


【最優秀受賞コメント】
■庵野秀明
【受賞歴】初受賞

■佐藤敦紀
(最優秀を)取ると思っていませんでした。本当はもう一人いるはずなんですけど、いないんですよね(笑)。何を言ったらいいかわからないですが、ともかくありがとうございます。
【受賞歴】初受賞
優秀賞石井巌「家族はつらいよ」


名誉ある優秀賞を頂きとても嬉しく思っております。撮影現場は監督はじめスタッフの方々も常に楽しそうに仕事に集中しておりましたし、編集も暖かい編集を目指して丁寧な編集が出来たと思います。観客の人々も、くすくす笑いの笑顔で見ていてくださったのが、とても印象的ですごく嬉しい思いをいただきました。次回作の励みになります。
【受賞歴】
第15回「男はつらいよ 寅次郎の告白」「息子」で初受賞。昨年の「母と暮せば」に続き4年連続12度目の受賞。うち第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀賞を受賞。
優秀賞今井剛「怒り」


ちょっと変わった見せ方をしたい。
最初に「怒り」の話を頂いた時に、監督は当初からビジョンがあるかの様な言い方をしていたのを覚えています。
編集に入ると、音先行やら画先行と様々なアイデアを取り入れそれを表現し、今までに無い構築の仕方で編集作業をしました。
演出と見せ方の創意が無ければ、こんな完成作品になっていなかったと思います。
そんな作品に参加できて良かったです。
【受賞歴】
第25回「GO」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」第34回「悪人」以来、今回6度目の受賞。
優秀賞早野亮「64-ロクヨン-前編」


瀬々監督、主演の佐藤浩市さん、そして素晴らしいスタッフとキャストで作り上げた「64-ロクヨン-」に編集として参加出来たことをとても感謝しております。今まで出逢ったすべての人に影響を受け、受賞できたと思ってます。本当に嬉しいです。
【受賞歴】初受賞
優秀賞宮島竜治「海賊とよばれた男」


作品毎に新しい試練に挑戦する山崎監督の気迫がいつも以上に画面から伝わってきた作品でした。それに気圧されないよう、丹念に繋いだ結果が優秀編集賞という評価を受け、大変嬉しく思います。更なる精進に励み、大きく変動する日本映画界に振り落とされないよう頑張ります。
【受賞歴】
第25回「ウォーターボーイズ」で初受賞。今回7度目の受賞。第28回「スウィングガールズ」第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」第38回「永遠の0」で最優秀賞を受賞。
優秀外国作品賞
(C)2016 Warner Bros. All Rights Reserved
最優秀賞ハドソン川の奇跡


【最優秀受賞コメント】
「ハドソン川の奇跡」を日本アカデミー賞優秀外国作品賞に選出いただき、関係者を代表してお礼を申し上げます。優秀かつ努力を惜しまなかったキャストとクルーだけではなく、事態に適切に対応した真のヒーローであるサリー自身にとってもこれは大変栄誉な受賞です。日本アカデミー賞の皆様に改めて心より感謝を申し上げるとともに、今後も引き続きご支援よろしくお願いいたします。(優秀賞受賞に際して寄せられたクリント・イーストウッド監督のメッセージより)

【作品情報】
“ハドソン川の奇跡”として日本でも大きく報道された、09年1月に起きた飛行機事故の実話をクリント・イーストウッドがトム・ハンクスと初タッグを組み映画化。一人の犠牲者も出すことなく、真冬のハドソン川に飛行機不時着を成功させたことにより、英雄となった機長サリー。しかし国家運輸安全委員会は、機長の決断が適切だったかどうか執拗に追及したため、サリーは英雄から一変して容疑者になった。奇跡のその後の真実をサリーの苦悩を通して描いた感動作。第71回毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞、第90回キネマ旬報ベスト・テン外国映画ベスト・テン第1位、同外国映画監督賞受賞。日本アカデミー賞において、クリント・イーストウッド監督作品は優秀賞を12作品受賞しており、第29回「ミリオンダラー・ベイビー」から第33回「グラン・トリノ」まで4年連続最優秀賞を受賞している。

原題:SULLY
監督:クリント・イーストウッド
脚本:トッド・コマーニキ
配給:ワーナー・ブラザース映画
優秀賞オデッセイ


新人作家アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を巨匠リドリー・スコットが映画化。火星の有人探査中に砂嵐が発生し、計画は中止に。クルーたちが撤退を余儀なくされる中、植物学者のワトニーはアクシデントに遭い、ひとり火星にとり残されてしまう。ワトニーが死亡したと判断し、クルーは地球に帰還。しかし、ワトニーは生存していた。次に有人機が来る4年後まで地球との交信手段もない中、ワトニーは火星で生き延びるべく自給自足の生活を始める。一方、地球でもワトニーの生存が判明し……。過酷な環境でもユーモアを失わず、生きることをあきらめない主人公をマット・デイモンが好演。昨年第73回ゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞した。また、同部門の作品賞も受賞。

原題:THE MARTIAN
監督:リドリー・スコット/脚本:ドリュー・ゴダード
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞ズートピア


「アナと雪の女王」(13)、「ベイマックス」(14)が世界で大ヒットしたディズニーの最新作。製作総指揮をジョン・ラセターが、「塔の上のラプンツェル」(10)のバイロン・ハワードと「シュガー・ラッシュ」(12)のリッチ・ムーアが監督を務めている。物語の舞台となるのは、動物たちが文明を築き、人間のように暮らす楽園・ズートピア。夢を叶え警察官になったウサギのジュディが、キツネの詐欺師・ニックとともに楽園を危機から救うべく奮闘する冒険ファンタジー。徹底的なリサーチにより、動物たちの習性やサイズなどをできる限り忠実に表現。デザイン性と融合したその最先端の映像表現も見もの。また、多民族国家アメリカが抱える問題を動物に置き換えて描いており、幅広い観客層の支持を得た。第74回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞受賞。第89回アカデミー賞ORの同賞にもノミネートされている。

原題:ZOOTOPIA
監督:バイロン・ハワード、リッチ・ムーア 共同監督:ジャレド・ブッシュ
脚本:ジャレド・ブッシュ、フィル・ジョンストン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
優秀賞スター・ウォーズ/フォースの覚醒


「スター・ウォーズ」シリーズ通算7本目となる最新作。物語の舞台は「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」から30年後。最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーが姿を消し、帝国軍の残党が台頭。砂漠の惑星に住むレイは、ドロイドのBB-8、ストームトルーパーの脱走兵フィンと出会ったことにより、戦いへ身を投じることになる……。新たなる3部作の1作目と位置付けられ、シリーズで初めて主人公が女性となった。監督は「スター・トレック」(09)などのヒットメーカー、J・J・エイブラムス。ハリソン・フォードをはじめ、人気キャストの再登場も話題となった。16年洋画興行成績1位の116.3億円を記録。17年に「エピソード8」、19年に「エピソード9」の公開が予定されている。

原題:STAR WARS:THE FORCE AWAKENS
監督:J.J.エイブラムス
脚本:ローレンス・カスダン&J.J.エイブラムス AND マイケル・アーント
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
優秀賞レヴェナント: 蘇えりし者


5度目のノミネートで念願の米アカデミー賞主演男優賞(第88回)をレオナルド・ディカプリオにもたらした本作品は、実在したハンター、ヒュー・グラスの実話をもとに描たサバイバル・アドベンチャー。アメリカ西部の未開拓地で毛皮のために動物を狩るハンターたち。ガイド役のグラスは熊に襲われ、重傷を負う。グラスに敵意を抱く仲間たちは、グラスの息子を殺した上に瀕死のグラスを置き去りに……。生き延びたグラスは、復讐のため仲間を探し追う……。極寒の過酷な大自然の中で撮影を敢行。圧倒的な映像美が展開する。第88回アカデミー賞Rにおいてアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に続き2年連続で監督賞を、撮影監督のエマニュエル・ルベツキは3年連続で撮影賞を受賞する快挙を成し遂げた。

原題:THE REVENANT
監督・脚本:アレハンドロ・G・イニャリトゥ 脚本:マーク・L・スミス
配給:20世紀フォックス映画
新人俳優賞
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」


【受賞コメント】
一生に一度いただけるかいただけないかの貴重な賞を、私の大好きな「湯を沸かすほどの熱い愛」という映画でいただけたことは何より嬉しいです。この経験を次につなげていけるように、私なりに丁寧にこれからももっと頑張ります。
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子役として活動後、テレビドラマ『夜行観覧車』(13/TBS)で注目を集める。以来、テレビ、映画、CMに多数出演。15年に出演した「トイレのピエタ」「愛を積むひと」で、高い評価を得る。16年はNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、主人公の妹役で出演し、話題を集めたほか、「スキャナー 記憶のカケラを読む男」にも出演。本作では、余命を宣告された母の深い愛情によって成長する、健気で気の優しい娘を演じている。今回、助演女優賞とのダブル受賞。
優秀賞高畑充希「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」


【受賞コメント】
「植物図鑑」は私が初めて主演した映画です。そんな大切な大切な映画でこの素敵な賞を、こうやって(共演の岩田剛典さんと)並んで受賞できたこと、とても幸せに思います。母に受賞をメールで伝えたら、「有言実行おめでとう」と返ってきて。物心ついた頃に、日本アカデミー賞をテレビで見ながら、私は将来このレッドカーペットを歩くと言ったらしくて。記憶がなかったんですが、その願い事をかなえることができてとても幸せに思っています。これからも一生懸命、一作一作頑張ります。
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オーディションでミュージカル『プレイバック part2~屋上の天使』(05)の主役の座を射止め女優デビュー。07年から6年間は『ピーターパン』の主役を、16年にはNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』のヒロイン役を務めた。本作で映画初主演。仕事も恋もうまくいかないOLが、植物おたくの青年と同居を開始。彼の手料理を食べ、彼に恋をし、日常生活が鮮やかに色づいていく様子をナチュラルに演じ、観客の共感を呼んだ。16年の活躍に対し、第41回エランドール賞新人賞受賞。
優秀賞橋本環奈「セーラー服と機関銃 ―卒業―」


【受賞コメント】
この名誉ある賞をいただけたのは「セーラー服と機関銃―卒業―」に関わってくださったすべての皆さんのおかげだと思います。この賞を励みとして、謙虚に、誠実に、映画界と演技の道に人生を捧げる覚悟でこれからも日々精進して参りたいと思っています。
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福岡のアイドルグループ『Rev. from DVL』のメンバー。小学校3年生より芸能活動をスタート。薬師丸ひろ子が81年に演じた赤川次郎のベストセラー小説「セーラー服と機関銃」の後日談を描いた本作で映画初出演。TVシリーズでは原田知世、長澤まさみが同じくヒロインの女子高生・星泉役を演じている。監督との約2ヶ月のリハーサルで役作りを行い、若くしてヤクザの組長となった星泉を可憐に演じ、大役をやり遂げた。
優秀賞岩田剛典「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」


【受賞コメント】
このたびは「植物図鑑」という作品で、名誉ある新人俳優賞をいただけて本当に今心から幸せです。劇中の樹とさやかで、ダブルで受賞できたことも本当に嬉しく思っています。この作品を通じて自分自身成長できましたし、この作品に出会えたことに感謝しています。これからもこの賞に見合う表現者に成長するべく頑張っていきます。
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10年、三代目J Soul Brothersのパフォーマーとしてデビューし、14年にEXILEにも正式加入。同年「クローズEXPLODE」で映画初出演を果たすなど、役者としても活躍する。有川浩原作の胸キュン小説を映画化した本作で、映画初主演。演じたのは、お腹がすいて倒れていたところをヒロインに拾われ、同居を開始する、家事万能でどこかミステリアスな主人公・樹。優しくて、さわやかで、笑顔が素敵な、女性の理想のようなキャラクターを魅力的に演じた。本作で第41回報知映画賞新人賞を受賞。
優秀賞坂口健太郎「64-ロクヨン-前編」「64-ロクヨン-後編」


【受賞コメント】
人生で一度しかない新人俳優賞を、今回「64」という作品でいただけたことを嬉しく思っております。僕は映画が好きでお芝居をしてみたいと思うようになりました。自分がテレビで見ていたこの舞台に立つことができるとは思っていなかったので、本当に今は光栄な気持ちです。
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10年、第25回『MEN’S NON-NO』モデルオーディションに合格し、モデルとして人気に。14年「シャンティ デイズ~365日、幸せな呼吸~」で俳優デビュー。「at Home」 「俺物語!!」「ヒロイン失格」(共に15)、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(16)など映画、ドラマに出演。本作で演じたのは、情報を制限する県警の広報部に対しフラストレーションを抱える、記者クラブ所属の若手新聞記者・手嶋。佐藤浩市、瑛太らオールキャストとの共演で俳優としての新たな可能性をみせた。16年の活躍に対し、第41回エランドール賞新人賞受賞。
優秀賞佐久本宝「怒り」


【受賞コメント】
こんな素晴らしい賞をいただけてとても嬉しいです。「怒り」と出会えたことが自分の中で一番大きなことです。これからも自分と向き合いながらしっかりと一生懸命頑張っていきたいと思います。
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沖縄県出身。現場版組踊で主役を務めた経験はあったが、映画出演は今回が初めて。東京・沖縄で行われたオーディションで、1200人の中から抜擢され、本作の沖縄パートにおける重要なキャラクター・知念辰哉を演じた。船を運転するシーンのために2級の船舶免許を取得している。広瀬すず演じる小宮山泉に好意を抱いていた辰哉だが、彼女を守ることができず、信じていた大人にも裏切られてしまう……。その行き場のない感情が爆発するシーンは、圧倒的な迫力で強いインパクトを与えた。
優秀賞千葉雄大「殿、利息でござる!」


【受賞コメント】
「殿、利息でござる!」という、僕の出身の宮城県が舞台の映画でこういった名誉ある賞をいただけてすごく嬉しく思っています。まだまだ至らないところがたくさんあると思うんですが、もっとたくさんの映画に参加して、現場でお久しぶりですと言えるような役者になりたいです。
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『天装戦隊ゴセイジャー』(10-11/EX)で俳優デビュー。以来、多数のテレビドラマ・映画に出演。主な映画出演作に「幕末高校生」「アオハライド」(共に14)「黒崎くんの言いなりになんてならない」「モヒカン故郷に帰る」(共に16)など。江戸時代の実話の映画化で、宿場を救うために資金集めに奮闘する男たちを描いた本作で、本格時代劇に初挑戦。村を代表して藩への折衝役となる大肝煎を好演し、メガホンを取った中村義洋監督に「とにかく素晴らしかった」と言わしめた。ちなみに、千葉自身、本作の舞台となった宮城県出身。
優秀賞真剣佑「ちはやふる-上の句-」「ちはやふる-下の句-」


【受賞コメント】
「ちはやふる」は僕が初めて日本で出演した映画です。その作品でこのような賞をいただけることは本当に光栄でしかないです。まだ芝居のことを全く知らなかった僕に、一から芝居を教えてくださったスタッフの皆さん、共演者の皆さん、そして監督、本当に感謝しています。人の心に響く芝居ができるような役者になっていけるよう、精進してまいります。
*******
ロサンゼルス出身。LA空手大会優勝の実績を持つ。アメリカで数本のショートフィルムなどに主演した後、14年から日本に拠点を移す。福井が舞台となる本作で扮したのは、祖父が競技かるたの永世名人で、自らもかるたの才能がある青年・綿谷新。撮影前に福井県に滞在し、福井弁やかるたを学び、ヒロイン・千早を競技かるたの世界へ引き込む新のキャラクターに説得力を持たせた。16年は、テレビドラマ『仰げば尊し』(TBS)や映画「少女」などにも出演。
会長功労賞
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞木下忠司【音楽】


戦後日本映画の黄金期を質量共に支えた作曲家、木下氏は、諸井三郎氏に音楽理論を学び、武蔵野音楽学校(現・武蔵野音楽大学)声楽科を卒業。第二次世界大戦中に応召し敗戦まで軍隊勤務の後、復員して、兄、木下惠介氏の紹介で松竹映画の音楽部員となる。46年木下監督「わが恋せし乙女」の音楽を担当しデビュー。「破れ太鼓」(49)には俳優としても出演し、以後「白蛇伝」(58)「人間の條件」6部作(59~61)「安寿と厨子王丸」(61)「路傍の石」(64)「なつかしい風来坊」(66)「あゝ決戦航空隊」(74)「トラック野郎」シリーズ(75~79)「衝動殺人 息子よ」(79)など、劇映画、アニメーション、テレビドラマなどで精力的に活躍。抒情的なワルツからジャズ、フラメンコ、シャンソン、マーチ、流行歌や唱歌のアレンジまで幅広く取り入れ、個々の作品の主題に丁寧に寄り添う親しみやすい旋律を奏でた。「女の園」「この広い空のどこかに」(共に54)では、第9回毎日映画コンクール音楽賞を受賞。16年4月から6月にかけて、東京国立近代美術館フィルムセンターで『生誕100年 木下忠司の映画音楽』と題して特集上映が行なわれ、好評を博した。
【受賞歴】
第3回「衝撃殺人 息子よ」「トラック野郎シリーズ」で音楽賞ノミネート(第3回まではノミネート方式)
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞京マチ子【俳優】


黒澤明監督「羅生門」(50)、溝口健二監督「雨月物語」(53)、衣笠貞之助監督「地獄門」(53)など、海外の映画祭で主演作が次々と受賞し、“グランプリ女優”と呼ばれた京マチ子氏は、36年大阪松竹歌劇団に入団し、娘役として売り出す。第二次世界大戦後、日劇のレビューショーで脚線美と躍動的な踊りによって人気を集め、49年に歌劇団を退団後は大映に専属女優として入社。谷崎潤一郎原作「痴人の愛」(49)でヒロインのナオミを演じ、肉体派女優として騒がれ出世作となる。前述したグランプリ受賞作や「偽れる盛装」(51)「あに・いもうと」(53)「或る女」(54)など、巨匠たちの秀作に立て続けに主演し、50年代の日本映画黄金時代を代表する女優として高く評価された。「穴」(57)「足にさわった女」(60)ではコメディエンヌとして、軽妙でモダンなタッチの演技を披露し、「鍵」「浮草」(共に59)「甘い汗」(64)「他人の顔」(66)でも観客を瞠目させる名演を見せた。その後「華麗なる一族」(74)「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」(76)「化粧」(84)などの映画や舞台、テレビで活躍を続けた。87年紫綬褒章、94年勲四等宝冠章を受章。
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞鈴木清順【監督】


「けんかえれじい」(66)「ツィゴイネルワイゼン」(80)「陽炎座」(81)など、その独特の映像美で映画ファンを熱狂させた清順監督は、48年松竹大船撮影所に入社後、岩間鶴夫監督の助監督を経て、54年製作再開後の日活に移籍。56年「港の乾杯 勝利をわが手に」で監督デビュー。やがて「野獣の青春」(63)「花と怒涛」(64)「刺青一代」(65)「東京流れ者」(66)など、モダンな感覚と奇抜な空間構成で注目され、“清順美学”を開花させる。だが「殺しの烙印」(67)が日活首脳部の逆鱗に触れて翌年会社を追われ、これに抗議したファンや映画関係者が“鈴木清順問題共闘会議”を結成、デモを行うなど、社会問題に発展する。以後、10年間のブランクを経て「悲愁物語」(77)でカムバック。荒戸源次郎プロデュースによる「ツィゴイネルワイゼン」は国内の映画賞を独占、ベルリン国際映画祭審査員特別賞を受賞する快挙を成し遂げる。「陽炎座」(81)「夢二」(91)と合わせて、迷宮を思わせる時空間と夢幻的な映像美の連作は“浪漫三部作”と呼ばれ、「カポネ大いに泣く」(85)「ピストルオペラ」(01)「オペレッタ狸御殿」(05)までその絢爛たる美学は一貫していた。
【受賞歴】
第4回「ツィゴイネルワイゼン」で最優秀監督賞を受賞。同作は最優秀作品賞も受賞している。
※授賞式を前にした17年2月13日に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。享年93歳。
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優秀賞西岡善信【美術】


美術監督として、またプロデューサーとして、日本映画の屋台骨を支える存在である西岡氏は、法政大学在学中、第二次世界大戦中に応召し、ソ連での抑留生活を経て、戦後帰国。48年に大映京都撮影所入社、美術部に配属される。安達伸生監督「天保水滸伝 利根の火祭」(52)で美術監督としてデビューし、以後「地獄門」(53)「炎上」(58)「ぼんち」(60)「雁の寺」(62)「越前竹人形」(63)「刺青」(66)「人斬り」(69)など伊藤大輔、衣笠貞之助、吉村公三郎、川島雄三監督ら巨匠たちの代表作に携わり、大映京都製作の市川崑監督作品全ての美術監督を務める。その後72年には旧大映の社員と共に“映像京都”を設立し、各社の撮影所機能が衰退を余儀なくされる中で、プロデューサーとしても積極的な活動を続ける。「鬼龍院花子の生涯」(82)「瀬戸内少年野球団」(84)「鑓の権三」(86)「利休」(89)「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(94)「御法度」(99)「最後の忠臣蔵」(10)など伝統を踏まえつつ作品ごとに斬新で独創的な工夫を盛り込んだ。その軌跡は映画史に燦然と輝いている。92年紫綬褒賞、97年勲四等旭日小綬章を受章。
【受賞歴】
第6回「鬼龍院花子の生涯」「怪異談 生きてゐる小平次」で初受賞にして最優秀受賞。優秀賞22回、うち最優秀賞10回。西岡氏が代表を務めた映像京都株式会社(1972-2010)が第34回岡田茂賞を受賞している。
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞橋本忍【脚本・製作・監督】


名実ともに戦後の日本映画を代表する脚本家のひとりである橋本氏は、伊丹万作監督に師事し、黒澤明監督「羅生門」(50)でデビューする。「羅生門」は第12回ヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞し、その緻密な構成の見事さで一躍脚光を浴びる。以後「生きる」(52)「七人の侍」(54)「悪い奴ほどよく眠る」(60)などの黒澤作品に参加する一方で、「真昼の暗黒」(56)「張込み」(58)「ゼロの焦点」(61)「切腹」(62)「白い巨塔」(66)「上意討ち 拝領妻始末」(67)「日本沈没」(73)など大作の脚本を次々と手がけ、その論理的で確固とした脚本が高く評価される。また自作のテレビドラマを自ら監督し映画化した「私は貝になりたい」(59)ではB級戦犯の問題を鋭く抉るなど、骨太な社会派作家としての一面を見せた。73年には映画製作の新たな可能性に挑むため“橋本プロダクション”を設立。「砂の器」(74)「八甲田山」(77)を製作し、いずれも記録的な大ヒットとなる。近年は中居正広主演でリメイクされた劇場版「私は貝になりたい」(08)で、自らの脚本をリライトし創作へのエネルギッシュな姿勢を見せ、その健在ぶりを示した。
【受賞歴】
第1回「八甲田山」「八つ墓村」で脚本賞ノミネート(※第3回まではノミネート方式)
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優秀賞八千草薫【俳優】


デビュー時は清純派の娘役、後年は、おっとりとした良妻賢母役で定評があったが、山田太一氏脚本のテレビドラマ『岸辺のアルバム』(TBS/77)で、そのイメージを覆す主婦役を見事に演じてみせた。47年宝塚歌劇団入団後は純情可憐な役柄で、絶大な評判と人気を博し、宝塚の一時代を風靡する。宝塚在籍のまま、51年に東宝と契約。稲垣浩監督「宮本武蔵」三部作(54~56)や日伊合作「蝶々夫人」(55)のヒロインで注目され、57年に退団後は、川端康成原作「雪国」(57)の葉子役などで、スターの地位を確立し、清楚な美しさが賞賛される。「美しさと哀しみと」(65)や「田園に死す」(74)などの野心作にも出演し、70年代からは前述した『岸辺のアルバム』や倉本聰氏脚本『うちのホンカン』(HBC/75~81)向田邦子氏脚本『阿修羅のごとく』(NHK/79)などのテレビドラマにも出演。劇場版「阿修羅のごとく」(03)や「しゃべれども しゃべれども」(07)「ディア・ドクター」(09)「舟を編む」(13)など近年も映画出演が続き、主演作「ゆずり葉の頃」(15)も公開されて、ファンを喜ばせた。97年紫綬褒章、03年旭日小綬章を受章。
【受賞歴】
第27回「阿修羅のごとく」で優秀助演女優賞を受賞。
会長特別賞
(C)日本アカデミー賞協会
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優秀賞出目昌伸【監督】


内藤洋子、黒沢年男、酒井和歌子ら60年代後半から70年代にかけて活躍した東宝青春映画のスターたちのフレッシュな魅力を引き出した出目監督は、57年に東宝撮影所に入社。黒澤明、堀川弘通、松林宗恵、古澤憲吾監督らの助監督を務め、68年内藤洋子主演「年ごろ」で監督デビューする。以後「俺たちの荒野」(69)「その人は女教師」(70)「誰のために愛するか」(71)「神田川」(74)など従来の青春映画とは一線を画す作品を発表し、栗原小巻主演「忍ぶ糸 第一部 古都のめぐり逢い 第二部 春の旅立ち」(73)では文芸大作にも手腕を発揮した。「星と嵐」(76)以降は、テレビドラマでベテランらしい確かな演出力を見せたのち、吉永小百合主演「天国の駅HEAVEN STATION」(84)で映画界にカムバック。「玄海つれづれ節」(86)や「ガラスの中の少女」(88)を経て90年代に入っても緒形直人、織田裕二、仲村トオル、風間トオルら若手スターによる反戦映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」(95)や岩下志麻、吉永小百合の二大女優初競演が話題となった「霧の子午線」(96)など大作映画を次々と手がけ、10年ぶりにメガホンをとった「バルトの楽園」(06)では骨太なヒューマニズム溢れる演出で、その健在ぶりをアピールした。
【受賞歴】
第19回「きけ、わだつみの声Last Friends」優秀監督賞を受賞。
優秀賞冨田勲【音楽】


日本におけるシンセサイザーの第一人者であり、アニメーション、文芸大作、時代劇、アクション映画など様々なジャンルで映画音楽を手がけてきた冨田氏は、慶応大学文学部在学中からNHKで放送音楽の仕事に携わる。YMCA芸術園で弘田龍太郎氏に音楽理論を、個人的に平尾貴四郎氏、小船幸次郎氏に作曲やオーケストレーションを学ぶ。フランス近代音楽に影響を受けた曲想やスケール感のあるオーケストレーション、アニメーション映画に見られる弾力性に富んだ描写力で「狼と豚と人間」(64)「ジャングル大帝」(66)「不信のとき」(68)「日本暗殺秘録」(69)「クレオパトラ」(70)「夜叉ケ池」(79)「学校」(93)「たそがれ清兵衛」(02)「武士の一分」(06)「母べえ」(08)「おかえり、はやぶさ」(12)など数々の映画を彩った。中でも「飢餓海峡」(65)における楽音を加工して得られる独特の響きは、異様な迫力を醸し出し、各方面から絶賛された。映画音楽以外にも歌謡曲、童謡、CMソング、交響組曲、舞台劇や歌舞伎の音楽、合唱曲、校歌、社歌、博覧会や展覧会のテーマ曲まで手がけ、音響クリエイターとしても世界各地で壮大なイベントを開催した。03年旭日小綬賞を受賞。
【受賞歴】
第3回「夜叉ヶ池」で音楽賞ノミネート。第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀音楽賞受賞。第30回「武士の一分」第34回「おとうと」などで優秀音楽賞を受賞。(※第3回までノミネート方式)
優秀賞松山善三【監督・脚本】


映画監督であると同時に名脚本家としても知られる松山氏は、48年に松竹大船撮影所に入社。木下惠介門下から「荒城の月」(54)で脚本家デビュー。「人間の條件」6部作(59~61)をはじめ小林正樹、成瀬己喜男、渋谷実、川島雄三監督作品の脚本を手がけたのち、若くして結婚した聾啞者の夫婦の第二次世界大戦末期から戦後にかけての生活を描いた「名もなく貧しく美しく」(61)で監督デビューし、第16回毎日映画コンクールと第12回ブルーリボン賞の脚本賞を受賞する。「われ一粒の麦なれど」(64)「六條ゆきやま袖」(65)「典子は、今」(81)「母」(88)「虹の橋」(93)などの監督作は、叙情性豊かなヒューマンな姿勢で庶民の切実な想いを描き、高く評価される。監督作を発表する傍ら、「千曲川絶唱」(67)「人間の証明」(77)「きみが輝くとき」(85)など話題作の脚本も執筆。女優高峰秀子とは助監督時代の55年に結婚。おしどり夫婦として知られていた。また『厚田村』『氷雪の門』『衣田勉三の生涯』など歴史上の事件や人物を題材にした骨太な小説を発表。その才能はジャンルを越え多岐にわたっていた。87年に紫綬褒章、95年に勲四等旭日小綬章を受章。
【受賞歴】
第17回「虹の橋」で優秀監督賞、「虹の橋」「望郷」で優秀脚本賞を受賞。

蜷川幸雄【演出家・監督・俳優】5月12日 没 享年80歳白川由美【俳優】6月14日 没 享年79歳風見章子【俳優】9月28日 没 享年95歳平幹二朗【俳優】10月22日 没 享年82歳池谷仙克【美術】10月25日 没 享年76歳
荒戸源次郎【製作・監督】11月7日 没 享年70歳りりィ【歌手・俳優】11月11日 没 享年64歳森勝【撮影】11月22日  享年86歳根津甚八【俳優】12月29日没 享年69歳

(※前年没日順)

協会特別賞
(C)日本アカデミー賞協会
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優秀賞相田敏春(あいだ としはる)【装飾・小道具】


【受賞コメント】
今日はこのような素晴らしい賞をいただいて恐縮しております。小道具を41年間やってきました。それも素晴らしい先輩、仲間、関係業者、尊敬する監督さんたちとの大いなる出会いがあったからだと思います。
*****
脚本を仔細に検討し、画面に登場する家具什器、生活用品、趣味娯楽用品や備品、陳列用品から種々雑多な大小物品、環境用品のための品々など諸道具を選び、セットやロケセットに適確に飾り込むという作業は、映画のクオリティを支える重要な仕事として認識されるべきだろう。早稲田大学文学部を経て、多摩芸術学園映画科を卒業後、五社英雄監督「雲霧仁左衛門」(78)で初めて映画作品に携わった相田氏は、以降ベテランから若手まで多くの監督に親しまれ、長年にわたり装飾小道具を担当して、日本映画の一翼を担ってきた。作品の表現目的や技法、演出の形態などを把握し技術パートの条件を考慮に入れた上で、ここで何が必要なのかという選択こそが画面を限りなく豊饒なものにする。「写楽」(95)「うなぎ」(97)「三文役者」(00)「明日への遺言」(08)「0.5ミリ」「野のなななのか」(共に14)から新作「島々清しゃ」(17)に至るまで、その柔軟な発想で数々の作品に参加し、日本映画大学では講師として後進を育成、映画界全体の向上に貢献されていることも記しておきたい。
優秀賞赤松陽構造(あかまつ ひこぞう)【タイトルデザイン】


【受賞コメント】
タイトルデザインというのは、皆さんたぶん耳にしない職能かもしれませんけども、私自身としては映画の中で大きい役割を果たしていると思っております。今年で仕事をはじめて48年目になりますが、この賞を機にこれからももう少し頑張っていきたいと思っています。
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映画の“顔”として作成されるタイトルデザインを手がける才能としては、海外ではソール・バスやカイル・クーパーなどが有名だが、日本映画界では赤松氏こそが第一人者である。かつて日本映画のタイトルの多くは手書きだったが、写植印刷の発展と共に80年代には、その専門家は殆ど姿を消してしまった。そうした状況の中で赤松氏は父親が起こした㈱日映美術を受け継いで、映画タイトルの仕事を始め、以来40年を越えて、400本以上のタイトルデザインを担当し、現在に至る。「東京裁判」(83)や「ゆきゆきて、神軍」(87)「Shall we ダンス?」(96)「うなぎ」(97)「HANA-BI」(98)「顔」(00)「美しい夏キリシマ」(03)「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」(09)「超高速!参勤交代」(14)「64-ロクヨン-前編」(16) 「64-ロクヨン-後編」(16)などの映画やオフィス北野、アルタミラピクチャーズなど製作会社のロゴマークを手がけ12年には毎日映画コンクール特別賞、文化庁映画功労賞をそれぞれ受賞。14年には東京国立近代美術館フィルムセンターで『赤松陽構造と映画タイトルデザインの世界』が開催され、人気を集めたものも記憶に新しい。
優秀賞岡瀬晶彦(おかせ あきひこ)【音響効果】


【受賞コメント】
僕は、(日本アカデミー賞を)受賞される録音部の応援に、ここ5、6年ずっと授賞式に来ていました。いつかこの舞台に上がることがあるのかな、たぶんないだろうなと思いながら毎年過ごしていました。音響効果という賞はないと思うので、今回が僕の映画人生最初で最後ではないかと思います。
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『音、沈黙と測りあえるほどに』とは、作曲家、故武満徹氏の著書の題名であり至言だが、映画の中の音響効果が、潜在的に観客に与える印象はとてつもなく大きい。沈黙と拮抗できるほどの音でなければ、台無しになってしまうこともあり、全ての臨場音が映画の生殺与奪の権を握っているといっても過言ではないだろう。90年に駒澤大学を卒業後、(有)東洋音響に入社、01年にフリーランスになって以後、音響効果マンとして数々の作品に参加してきた岡瀬氏は、その制作過程で日本映画に画期的な方法を導入した。スタジオにおいて、画に合わせて自分の身体や小道具を使って効果音を創り出す作業をフォーリーと呼ぶが、従来のフォーリールームから飛び出して実際にロケの行われた場所に行き、そこでフォーリー作業を行い「ピンポン」(02)や「下妻物語」(04)「眉山-びざん-」(07)「ノルウェイの森」(10)「八日目の蟬」(11)「鍵泥棒のメソッド」(12)「永遠の0」(13)などでその手法は見事に生かされた。常に新しい発想と確かな技術で日本映画に向きあうことがその可能性を広げるとすれば、音響効果における岡瀬氏の挑戦の意義は大きい。
話題賞
(C)2016「君の名は。」製作委員会

作品部門:「君の名は。」


監督・脚本:新海 誠
製作:東宝/コミックス・ウェーブ・フィルム/KADOKAWA/ジェイアール東日本企画/アミューズ/
(C)2016「植物図鑑」製作委員会

俳優部門:岩田剛典「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」


監督:三木康一郎
脚本:渡辺千穂
製作:松竹/ホリプロ/LDH/幻冬舎/木下グループ/ポニーキャニオン/ローソンHMVエンタテイメント
第40回特別賞
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞池広一夫【監督】


「沓掛時次郎」(61)や「中山七里」(62)「ひとり狼」(68)など市川雷蔵主演の股旅映画に新鮮な情感を盛り込み、大映時代劇に新風を吹き込んだ池広監督は、50年大映京都撮影所に入社。溝口健二、市川崑、吉村公三郎、新藤兼人監督らに師事し、60年「薔薇大名」で監督デビュー。権力者を風刺した2作目「天下あやつり組」(61)が会社首脳の怒りを買い、助監督に降格されるが、チーフ助監督(ノンクレジット)として参加した「大菩薩峠」(60)で那智滝を撮影したカットを見た市川雷蔵に高く評価され、雷蔵直々の指名で「沓掛時次郎」を撮り、復帰。「眠狂四郎 女妖剣」(64)では眠狂四郎の円月殺法のシーンで初めてストロボ撮影を用いて成功し、以後シリーズ中に踏襲された。勝新太郎主演「座頭市」シリーズの「千両首」「あばれ凧」(共に64)や「海を渡る」(66)、若尾文子主演「雁」(66)谷崎潤一郎原作の異色作「おんな極悪帖」(70)でも才気を見せ、「片足のエース」(71)では文部省青少年映画賞最優秀賞を受賞。大映での仕事を経て“映像京都”に参加し「無宿人御子神の丈吉」シリーズ(72~73)や「化粧」(84)を手がけ、現在もテレビドラマの第一線で新作を撮り続けている。
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞沢島忠【監督】


東映娯楽時代劇にミュージカルを融合させたモダンな演出で知られる沢島監督は、50年東横映画入社。マキノ雅弘、渡辺邦男、松田定次監督らの助監督を務めたのち「忍術御前試合」(57)で監督デビュー。初代中村錦之介(萬屋錦之介)の当たり役である「一心太助」シリーズ(58~63東映)や「殿さま弥次喜多」シリーズ(58~60)などを軽妙なテンポで描き、好評を得る。また「ひばり捕物帖 かんざし小判」(58)「ひばりの森の石松」(60)「ひばり・チエミの弥次喜多道中記」(62)など、ひばり主演作品を多く手がけ、美空ひばりが最も仕事をしやすい監督と考えて指名されることが度々あった。後年、美空ひばりの舞台演出を手がけたのも、そうした事情による。他に「暴れん坊兄弟」(60)「大江戸評判記 美男の顔役」「酔いどれ無双剣」(共に62)「股旅三人やくざ」(65)などで、東映時代劇のエースとなる。鶴田浩二主演「人生劇場 飛車角」三部作(63~64)は任侠映画の魁となり、以降の東映の路線を決定した。71年には“コマ・プロダクション”を設立し、「幻の殺意」(71)を撮り、「巨人軍物語 進め!!栄光へ」(77)以後は、舞台演出家として数多くの作品をハイペースで手がけた。
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞萩原憲治【撮影】


半世紀にも及ぶ撮影監督としての軌跡は、そのまま“生きた日本映画史”でもある。102本を数える萩原氏のフィルモグラフィーを俯瞰すれば自ずと映画への真摯な佇まいが窺えるだろう。50年大映撮影所に入社し、峰重義氏、渡辺公夫氏に師事。54年製作を再開した日活撮影所に移籍し、「天に代わりて不義を討つ」(61)で撮影監督デビュー。以後「若い人」(62)「青い山脈」(63)「愛と死をみつめて」(64)「けんかえれじい」(66)などの青春映画から、「鉄火場破り」(64)「日本任侠伝 血祭り喧嘩状」(66)「対決」「東京市街戦」(共に67)などの任侠、アクション映画に至るまで幅広く手がけ、ダイニチ映配の最終作「八月の濡れた砂」(71)のシャープな撮影が話題を呼ぶ。78年にはホリプロに入社し、「伊豆の踊子」(74)「潮騒」「絶唱」(共に75)「春琴抄」(76)「ふりむけば愛」(78)「ホワイトラブ」「天使を誘惑」(共に79)など、一連の山口百恵主演作を担当。大林宣彦監督「青春デンデケデケデケ」(92)の躍動感溢れる撮影も忘れ難い。撮影監督協会理事として長年に亘り、若手の育成指導にも尽力を続ける。富士フィルム技術賞2回、文化庁映画功労賞受賞。