1月18日(火)、東京・神楽座にて、第45回 日本アカデミー賞「優秀賞・新人俳優賞」記者発表が行われた。
本年度の日本アカデミー賞優秀作品賞には、松竹映画100周年の記念作で、原田マハの同名小説を山田洋次監督が映画化した「キネマの神様」、第42回に4部門で最優秀賞を獲得した「孤狼の血」の続編「孤狼の血 LEVEL2」、西川美和監督がはじめて小説原案の作品を手掛け、優秀主演男優賞最多19回目の受賞となる役所広司が主演した「すばらしき世界」、村上春樹による同名小説の映画化で、カンヌ国際映画祭やゴールデングローブ賞など世界の注目を集めている「ドライブ・マイ・カー」、瀬々敬久監督が佐藤健と再びタッグを組み、中山七里の同名ミステリー小説を映画化した「護られなかった者たちへ」の5作品が受賞となった。
アニメーション作品賞も注目したい。主人公が歌う主題歌が話題を呼んだ「竜とそばかすの姫」がアニメーション作品賞に加え音楽賞を受賞。明石家さんまが企画プロデュースした「漁港の肉子ちゃん」、庵野秀明が手掛けたシリーズ完結編となる「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、ポンコツ“Ai”と高校生たちが織りなす青春を歌と共に描く「アイの歌声を聴かせて」、そして、少年ジャンプ連載中の人気漫画の映画化「劇場版 呪術廻戦 0」と、昨年に引き続き話題作、実力作そろった。
優秀主演女優賞最多20回目となる吉永小百合から、初受賞となる草笛光子、永野芽郁、鈴木亮平、仲野太賀、清原果耶、西野七瀬など、まさしく2021年の映画界を牽引した作品・俳優・スタッフが名を連ねた。
今年の授賞式について日本アカデミー賞協会の島谷能成会長は、「45回目を迎える日本アカデミー賞は、映画人の大先輩たちが、さまざまな問題がありながらも懸命に続けてきた。その歩みを振り返ると共に映画界の新たな飛躍につながるような記念式典の開催を目指したい」と挨拶を述べた。
また、大角正総合プロデューサーは、本年度のテーマのひとつに、コロナパンデミックの最中で映画制作に携わったスタッフおよび配給、映画館経営者など多くの映画関係者への労いと感謝を込めた式典にすることをあげた。
今年司会者を務めるのは、羽鳥慎一さんと、昨年「MOTHER マザー」で第44回最優秀主演女優賞を受賞された長澤まさみさん。3回連続の司会となる羽鳥さんは「日本アカデミー賞は、映画関係者の方々にとって年に1度のお祭り、集大成の場と聞いています。今年も皆さんの晴れ舞台を盛り上げるお手伝いができればと思っております」と語った。一方、初の司会となる長澤さんは「授賞式はその場にいるからこそ聞ける俳優さんたちのスピーチがあり、とても勉強になります。普通はできない経験をさせてもらっているんだなと思っておりました。この日本アカデミー賞が楽しいと感じでいただけるような和やかな司会がしたいと思う」と意気込みを語った。
45回の節目を迎える今回の式典は、映画界の未来への希望が込められた、温かな明るい式典になることだろう。
授賞式は3月11日(金)、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催される。