第43回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2020(平成32)年3月6日(金)
場所: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
司会: 羽鳥慎一/安藤サクラ

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優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)2019「新聞記者」フィルムパートナーズ

最優秀作品賞 「新聞記者」


【最優秀受賞コメント】
「嬉しいです。純粋に。ここにはいないスタッフの方々、関係者の方々と今すぐにでも喜びを分かち合いたい気分です」松坂桃李
「本当に、思いもよりませんでした。ありがとうございます。なんとも言えない気持ちで、光栄です」シム・ウンギョン
「本当に、本当に『嬉しい』しか言えないんですけど、たくさんのスタッフとみんなで力を合わせてこの映画を作ったので。早くみんなに報告したいと、桃李くんと同じ思いです」藤井道人監督

***
【作品紹介】
現役の東京新聞社会部記者・望月衣塑子によるベストセラー『新聞記者』を原案に、オリジナルストーリーで描いた意欲作。差出人不明で新聞社社会部にファックスで送られてきた極秘公文書の取材を進める女性記者と、外務省から内閣情報調査室に出向し、マスコミ工作を担当するエリート官僚が、官邸が秘密裏に進める“ある計画”を知ることに。それぞれの正義を貫くため、葛藤する人間模様を描いた。現実社会とリンクするような衝撃の内容で、見る者の心に一石を投じる。メガホンを取ったのは、「デイアンドナイト」(19)で高い評価を得た藤井道人監督。公開時は満席の劇場が続出するなど、SNSや口コミで広がり、大ヒットを記録した。第32回日刊スポーツ映画大賞作品賞、第74回毎日映画コンクール日本映画優秀賞・女優主演賞、第11回TAMA映画賞最優秀新進女優賞と特別賞を受賞。今回の日本アカデミー賞では6部門を受賞。

監督:藤井道人 脚本:詩森ろば/高石明彦/藤井道人
製作:VAP/スターサンズ/KADOKAWA/朝日新聞社/イオンエンターテイメント

優秀作品賞 「キングダム」


【作品紹介】
壮大なスケールゆえ、映画化不可能と言われた大ベストセラーコミックが、原作者の原泰久も脚本に参加し、実写映画となった。舞台は紀元前、中国春秋戦国時代。天下の大将軍になることを夢見る戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す秦の王・嬴政(のちの始皇帝)の活躍を描く。アクションシーンはもちろん、戦いを経て成長し、夢の実現に向かっていく若き二人の輝きも見どころ。中国では浙江省・象山影視城を中心に20日間にわたる撮影を敢行。雄大な自然を求め日本各地でもロケ撮影を行った。奥行きのある美しい空間を背景に登場人物たちが躍動し、幅広い世代で楽しめるエンターテインメント超大作となった。興行収入は57億円を突破し、19年の邦画実写映画第1位を記録。第44回報知映画賞監督賞、第62回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。今回の日本アカデミー賞では9部門を受賞。

監督:佐藤信介 脚本:黒岩 勉/佐藤信介/原 泰久
製作:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/日本テレビ放送網/集英社/東宝/読売テレビ放送/KDDI/GYAO/ CREDEUS/ジェイアール東日本企画/東急エージェンシー/博報堂/ぴえろ/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送

優秀作品賞 「翔んで埼玉」


【作品紹介】
漫画家・魔夜峰央の未完の作品『翔んで埼玉』を「のだめカンタービレ」シリーズ(09、10)や「テルマエ・ロマエ」シリーズ(12、14)を大ヒットに導いた武内英樹監督が映画化。埼玉県民が、東京都民から迫害され通行手形なしには都内に自由に出入りできない、架空の日本が舞台。埼玉解放戦線の主要メンバーである隠れ埼玉県人に東京都知事の息子が恋をし行動を共にする、愛と革命の物語。千葉県出身の武内監督が、映画オリジナルの要素として加えた埼玉VS千葉の戦いもユニークで、観客の郷土愛を刺激する。荒唐無稽な世界観をゴージャスな衣裳と美術が彩った。興行収入は37億円を突破。第21回ウディネ・ファーイースト映画祭はじめ、数々の映画祭で観客賞に輝いたほか、第62回ブルーリボン賞作品賞、第44回報知映画賞特別賞を受賞。今回の日本アカデミー賞では12部門を受賞。
  
監督:武内英樹 脚本:徳永友一 
製作会社:フジテレビジョン/東映/テレビ埼玉

優秀作品賞 「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【作品紹介】
精神科医の作家・帚木蓬生の山本周五郎賞受賞作『閉鎖病棟』を「、愛を乞うひと」(98「) エヴェレスト 神々の山嶺」(16)などの平山秀幸監督が、初めて自ら脚本も手掛け、念願の映画化。08年に原作と出会い、企画を立ち上げてから11年越しでの実現となった。とある精神科病院を舞台に、患者たちの心の交流を描くヒューマンドラマで、それぞれに悩み、苦しみ、絶望を抱えながらも、一歩踏み出し、それぞれの朝を迎える登場人物たちの姿が観る者を勇気づける。笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈はもちろん、脇役も含めキャスト陣の好演が光る。実際に精神科の専門医療施設を使用してロケ撮影を行い、リアルな空気感漂う映像となった。第44回報知映画賞助演女優賞受賞。今回の日本アカデミー賞では11部門を受賞。

監督・脚本:平山秀幸
製作会社:東映/東映ビデオ/木下グループ/朝日新聞社/MBS/ダイバーシティメディア/山陽鋼業/JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント/ブースタープロジェクト

優秀作品賞 「蜜蜂と遠雷」


【作品紹介】
直木賞と本屋大賞の史上初のW受賞を果たし、17年のベストセラー1位となった恩田陸の小説を、「愚行録」(16)で長編監督デビューを果たし、新藤兼人賞銀賞を受賞した石川慶監督の手で映画化。国際ピアノコンクールを舞台に、4人のピアニストがお互いに刺激し合い、悩み葛藤しながら闘い抜く姿を描いている。4人が奏でるピアノは、世界で活躍する4人の日本人ピアニストがそれぞれのキャラクターに沿って演奏するなど、こだわり抜いた音楽にも注目。第74回毎日映画コンクール日本映画大賞、監督賞、第44回報知映画賞作品賞、第41回ヨコハマ映画祭監督賞、第32回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞受賞。鈴鹿央士が第74回毎日映画コンクール、第44回報知映画賞、第93回キネマ旬報他多数新人賞を受賞している。今回の日本アカデミー賞では6部門の優秀賞と新人俳優賞(2名)を受賞。
 
監督・脚本:石川 慶
製作会社:東宝/木下グループ/幻冬舎/ソニー・ミュージックエンタテインメント/博報堂/朝日新聞社/東急エージェンシー/ひかりTV/日本出版販売/時事通信社/ヤマハ/河合楽器製作所/ヒラタインターナショナル/フォスター/GYAO/中日新聞社
優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)2019「天気の子」製作委員会

最優秀アニメーション作品賞 「天気の子」


【最優秀受賞コメント】
3年前の「君の名は。」では、今回同様プレゼンターは齋藤優一郎さん、司会が安藤さんで、RADWIMPSが音楽賞をとったのに、最優秀アニメーション作品賞はもらえませんでした。その傷を引きずっていたのですが、今日晴れました。大勢のスタッフの力を借り、業界中の仲間たちに助けてもらって完成させた作品で、日本で一番由緒ある賞をもらうことができ、本当に嬉しく思っています。(川口典孝/製作)
【作品紹介】
社会現象を巻き起こした「君の名は。」(16)の新海誠監督作品。東京にやってきた家出少年・帆高は、“祈る”ことで天気を晴れにする力を持つ少女・陽菜に出会う。二人が運命に抗いながら自分たちの生き方を“選択”する物語。気候変動など世界規模のメッセージを含みながら、緻密で繊細なタッチで描かれた東京の街と躍動感溢れる演出で、エンターテインメント性の高い作品となった。2000人を超えるオーディションの中から選ばれた醍醐虎汰朗、森七菜に加え、本田翼、倍賞千恵子、小栗旬らが声優を務めた。音楽は前作から引き続きRADWIMPSが担当。興行収入140億円を記録し、19年興行収入1位を記録した。またアメリカ、フランスをはじめ世界140の国と地域で順次公開され、世界からの注目を浴びている。第44回報知映画賞アニメ作品賞、第74回毎日映画コンクール音楽賞を受賞。今回の日本アカデミー賞では優秀音楽賞も受賞。

監督・脚本:新海 誠
製作会社:東宝/コミックス・ウェーブ・フィルム/STORY/KADOKAWA/ジェイアール東日本企画/voque ting/ローソンエンタテインメント

優秀アニメーション作品賞 「空の青さを知る人よ」


【作品紹介】
「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(13) 「心が叫びたがってるんだ。」(15)の監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里、キャラクターデザイン&総作画監督・田中将賀らが再びタッグを組み、姉妹の絆を軸に、交差する“過去”と“現在”の世界で、それぞれが自分の殻を破っていく再生の物語を描いた。東京でバンドデビューを夢見る高校生のあおい。そんな妹を心配する親代わりの姉・あかね。二人の前に過去からやってきた高校生の“しんの”と、夢に破れたギタリストで現在の慎之介が現れる。声の出演は、初挑戦となる吉沢亮が一人二役で18歳と31歳の慎之介を演じた。また吉岡里帆、松平健らが揃った。夢を追うキャラクターたちの心の動きを描くことに、ゴダイゴの『ガンダーラ』やあいみょんが書き下ろした主題歌と劇中歌が一翼を担い、物語を彩った。

監督:長井龍雪 脚本:岡田麿里
製作会社:アニプレックス/フジテレビジョン/東宝/STORY/KADOKAWA

優秀アニメーション作品賞 「名探偵コナン 紺青の拳」


【作品紹介】
劇場版「名探偵コナン」シリーズ23作目。シリーズで初めて海外が舞台で、シンガポールで江戸川コナンや怪盗キッドが活躍する。メガホンを取った永岡智佳はシリーズ初の女性監督。恒例のアクションはさらにスケールアップしながらも、セリフやファッション、恋愛模様など随所に新しいチャレンジが見られる。脚本は、21作目の「から紅の恋歌」以来2度目となる推理作家の大倉崇裕が担当。山崎育三郎、河北麻友子がゲスト声優として参加し、英語を交えた見事なセリフ回しを披露するほか、登坂広臣(三代目 J SOUL BROTHERSfrom EXILE TRIBE)の主題歌も作品を彩る。コスプレ&応援グッズの持ち込みOKの“根性の応援上映”などリピーターが続出。興行収入は93億円を超え、7作連続でシリーズ最高興行収入を更新。日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞は11度目の受賞となる。

監督:永岡智佳 脚本:大倉崇裕
製作会社:小学館/読売テレビ/日本テレビ/小学館集英社プロダクション/東宝/トムス・エンタテインメン

優秀アニメーション作品賞 「ルパン三世 THE FIRST」


【作品紹介】
『ルパン三世』の原作者で、デジタルマンガ協会の初代会長も務めたモンキー・パンチが、長年「観たい」と熱望していた「ルパンシリーズ」初のフル3DCGアニメーション映画。15年夏から企画が動き始め、数々のヒット作を世に送り出してきた山崎貴が脚本および監督として参加。アルセーヌ・ルパン(ルパン一世)が唯一盗むことに失敗した“ブレッソン・ダイアリー”とそこに記されたお宝の争奪戦が、パリ、メキシコ、ブラジルを舞台に繰り広げられる。ルパンはじめキャラクターの動きは、人間の動きをモーションキャプチャーを用いてCGに取り込むのではなく、ひとつひとつをアニメーターの手作業でつけていき、よりルパンらしい動きが可能に。ルパン役の栗田貫一はじめ、おなじみのキャストが勢揃いし、ゲスト声優として広瀬すず、吉田鋼太郎、藤原竜也が参加。大野雄二の劇伴も作品を盛り立てる。

監督・脚本:山崎 貴
製作会社:トムス・エンタテインメント/日本テレビ放送網/東宝/バップ/読売テレビ放送/白組/阿部秀司事務所/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送

優秀アニメーション作品賞 「劇場版 「ONE PIECE STAMPEDE」」


【作品紹介】
TVアニメーション『ONE PIECE』(97~/CX)の放送20周年記念作品で、劇場版第14作目。海賊の、海賊による、海賊のための「海賊万博」が開催され、メインイベントである“海賊王の遺した宝探し”を目当てに世界中から海賊が集結する。主人公ルフィが率いる海賊団「麦わらの一味」はもちろん、王下七武海(世界政府公認の七人の海賊)ほか海賊たち、海軍、革命軍、諜報機関CP-Oなど、名前のあるキャラクターだけでも200人以上が登場。オールスターが揃い、アニメ20年の記憶がちりばめられた、お祭り感たっぷりの作品となった。原作者の尾田栄一郎が監修を務め、ユースケ・サンタマリア、指原莉乃、山里亮太(南海キャンディーズ)がゲスト声優として参加。『プリキュア』シリーズや『ON E PIECE』の監督・演出の大塚隆史が、監督と共同脚本を担当した。主題歌はWANIMA。日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞は、シリーズとして5度目の受賞となる。

監督:大塚隆史 脚本:冨岡淳広/大塚隆史 
製作会社:フジテレビジョン/東映アニメーション/東映/集英社/バンダイ/バンダイナムコエンターテインメント
優秀監督賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞武内英樹「翔んで埼玉」


【最優秀受賞コメント】
埼玉733万8000人の県民の皆さま、映画を温かく見守っていただき、ありがとうございました。冗談で企画を出したら通ってしまい、埼玉県民に刺されるのではないかという緊張感の中で作りました。基本は郷土愛の話ですが、差別を扱うということで2~3回頓挫。生まれてはいけない作品なのかと思った時期もありました。公開できただけでも嬉しかったのに賞までいただき、生み出して本当に良かったです。
初受賞
優秀賞佐藤信介「キングダム」


【受賞コメント】
内容的にも、規模的にも、いろいろ未知の挑戦が多かった作品でした。胸のすくような冒険活劇を目指して、これまでの経験を頼りに、知恵を絞り合い、一つずつ壁を乗り越えながら作っていきました。とても大変な撮影だったため、スタッフの方々、出演者の方々とまた授賞式でお会いできることが、今はとても嬉しいです。
初受賞。
本作で第44回報知映画賞監督賞受賞
優秀賞周防正行「カツベン!」


【受賞コメント】
初めて自分で脚本を書かずに、監督だけに専念した作品です。今までは自分の脚本であるということが、演出する上での拠り所となっていました。今回は、片島章三さんの脚本を皆で読み込みながら、より自由な発想を大切にして演出することができました。全スタッフ、キャストの皆さんに心より感謝いたします。
【受賞歴】
第16回 「シコふんじゃった。」第20回「Shall we ダンス?」で最優秀監督賞、第31回「それでもボクはやってない」で優秀監督賞受賞。他に第16回「シコふんじゃった。」第20回「Shall we ダンス?」で最優秀脚本賞、第31回「それでもボクはやってない」で優秀脚本賞受賞
優秀賞平山秀幸「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
原作を初めて読んだのは12年前でした。小諸高原病院、精神科病棟、白衣、車椅子…ほんの一年前の記憶です。重くて辛い特殊な題材でした。それでも、絶望と不条理の中で諦めずに生きようとする人たちに思いを込めて、この作品を作り上げた全スタッフ、全キャストに感謝します。ありがとうございました。
【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」で最優秀監督賞、第26回「OUT」で優秀監督賞受賞
優秀賞藤井道人「新聞記者」


【受賞コメント】
シム・ウンギョンさん、松坂桃李さんはじめ、キャスト、スタッフ一丸で挑んだ覚悟がこのような評価をいただけたこと、心から光栄に思います。決して平坦な道のりではありませんでしたが、我武者羅に走り抜けた日々は自分の人生においても大きな糧になりました。選出してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
初受賞
優秀脚本賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞徳永友一「翔んで埼玉」


【最優秀受賞コメント】
大変恐縮しております。まずなによりも、埼玉の皆さん、本当にすみませんでした! 脚本家になって15年、ずっとドラマ畑で書いておりましたので、映画人としてはまだまだ新参者でございます。ですので、この賞をきっかけに気持ちを改めて、一から頑張っていきたいと思っております。「最新作がいつも面白い」と、そう言われるような脚本家になりたいと思っております。
初受賞
優秀賞片島章三「カツベン!」


【受賞コメント】
活弁はノスタルジーではない。活弁は日本独自の話芸であり、今もなお受け継がれているエンタテインメントである。映画「カツベン!」を機に、忘れられた名画たちが活弁の語りと共に再び脚光を浴び、多くの人に鑑賞される機会が増えればこの上ない喜びである。初受賞
優秀賞詩森ろば/高石明彦/藤井道人「新聞記者」


【受賞コメント】
詩森:映画初の私にとり運がよかったのは、ジャーナリズムと政治という蓄積の必要な題材を与えてもらったことでした。映画の志に、物語を書くことで参加できたことを嬉しく思います。初受賞
高石:いかにしてエンターテインメントとして届けるか。そのポイントに重点を置き、整えるのが私の役割でした。その中で一つだけ、出産における夫婦のすれ違いは、私と妻との実話をアレンジして書いています。スタッフ、キャストの皆様、そして妻に感謝したいと思います。初受賞
藤井:初受賞
優秀賞平山秀幸「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
今回初めて自分の作品の為に脚本を書きました。身体の右半分がセリフを考える脚本家で、左半分がセリフを削って映像で表現したい演出家という不思議な体験でした。ともあれ、新人脚本家デビューです。よろしくお願いします。
【受賞歴】
初受賞。他に第22回「愛を乞うひと」で最優秀監督賞、第26回「OUT」で優秀監督賞受賞
優秀賞三谷幸喜「記憶にございません!」


【受賞コメント】
難しい題材でした。政治をテーマにしたコメディ。主人公が総理大臣のコメディ。それでいて特定の人物や団体を揶揄せず、政治批判はしない。とはいえ絵空事の政界ものにもしたくない。リアルとアンリアルの中間。難しい。難し過ぎる。まあ、そんな難しいシナリオを僕に書けと言ったのは、僕自身なんですが。
【受賞歴】
第21回「ラヂオの時間」で最優秀脚本賞受賞。第25回「みんなのいえ」第26回「竜馬の妻とその夫と愛人」第28回「笑の大学」第30回「THE 有頂天ホテル」第32回「ザ・マジックアワー」第35回「ステキな金縛り」第37回「清須会議」で優秀脚本賞受賞。他に優秀監督賞を6回受賞
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞松坂桃李「新聞記者」


【最優秀受賞コメント】
この作品は、僕の知る限り、実現までに二転、三転、四転、五転、いろいろなことがあって……。それでもこの作品を皆さんにお届けしたいという人たちが集まり、藤井道人監督の舵の元、完成させることができました。ハードルの高い役でしたが、ウンギョンさんと一緒に最後まで駆け抜けました。今日という日を糧に、また自分が新たな作品の一部になれるように努めていきたいと思っています。
【受賞者紹介】
内閣情報調査室へ外務省から出向し、上司の指示に従ってマスコミへの情報操作を行う若きエリート官僚を演じた。身重の妻を抱え、葛藤を押し殺して勤勉に職務を全うしようとするが、外務省時代の上司の死と政府の恐ろしい計画を目にしたとき、自分の取るべき行動について思い悩む。国家に尽くす矜持を持ちつつも、一個人としての思いとの間でもがく男の苦悩を体現。ラストシーンの表情は特に忘れがたい。
【受賞歴】
初受賞。第42回「孤狼の血」最優秀助演男優賞受賞。第36回「ツナグ」「麒麟の翼」「今日、恋をはじめます」で新人俳優賞受賞
優秀賞笑福亭鶴瓶「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞者紹介】
「ディア・ドクター」(09)以来10年ぶりの主演作。母親や嫁を殺した罪で死刑となるが、執行が失敗し、精神科病院にいる男・秀丸に扮した。平山秀幸監督から長文の手紙でオファーが届き、その思いに打たれ出演を快諾。短期間で7キロの減量を行い撮影に臨んだ。壮絶な過去がありながらも、同じ病院にいる患者たちと心を通わせ、慕われる男を包容力のある演技で表現。作品に温かみと切なさをもたらした。
【受賞歴】
第33回「ディア・ドクター」第34回「おとうと」で優秀主演男優賞、第38回「ふしぎな岬の物語」で優秀助演男優賞受賞
優秀賞菅田将暉「アルキメデスの大戦」


【受賞者紹介】
漫画家・三田紀房の原作の映画化で、百年に一人の天才と言われる数学者・櫂直役。山本五十六に勧誘され、巨大戦艦の建造を阻止するため、見積もりの不正を暴こうとする。数学の力で戦争を回避すべくひたむきに取り組む櫂を好演し、作品を牽引。海軍省大会議室にて、難解な数式を解きながら発言するシーンでは、実際に計算しながら演じ、共演のベテラン俳優陣も唸るほど。圧巻の説得力を見せた。
【受賞歴】
第41回「あゝ、荒野 前篇」で最優秀主演男優賞、第37回新人俳優賞、第41回「帝一の國」で話題賞[俳優部門]受賞
優秀賞中井貴一「記憶にございません!」


【受賞者紹介】
三谷幸喜監督の長編映画8作目となる政界コメディで、史上最低支持率の総理大臣に扮した。悪徳政治家だったが、怒れる一市民に石をぶつけられ記憶喪失になり、以降は人が変わったように善良なおじさんに変身。一から政治を学び、公務に取り組むうちに、清廉潔白で人間味のある政治家に変貌していく。笑いを生む絶妙な間合いと、三谷監督が絶大な信頼を寄せる演技力で、魅力的なキャラクターを作り上げた。
【受賞歴】
第27回 「壬生義士伝」で最優秀主演男優賞、第19回「マークスの山」第23回「梟の城」第38回「柘榴坂の仇討」で優秀主演男優賞受賞。他に最優秀と優秀助演男優賞を各1回受賞。第5回「連合艦隊」で新人俳優賞受賞。本作で第44回報知映画賞主演男優賞、第62回ブルーリボン主演男優賞受賞
優秀賞GACKT「翔んで埼玉」


【受賞者紹介】
まさかの高校生役となったが、もともと魔夜作品のファンだったことからオファーを快諾。都内の名門私立高校・白鵬堂学院に転校してきた容姿端麗な帰国子女・麻実麗をどこまでも美しく、どこまでもシリアスに演じた。都会的で東京の人間にしか見えないが、実は埼玉県人で埼玉解放戦線の主要メンバーというギャップも魅力的に表現。「麗は他に考えられない」と魔夜に絶賛された。
初受賞
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞シム・ウンギョン「新聞記者」


【最優秀受賞コメント】
(受賞するのが)自分だと思わなかったので、全然準備してなかったです。まず、映画「新聞記者」を観てくださった皆さん、藤井道人監督をはじめ、河村光庸さん、詩森ろばさん、高石明彦さん、ありがとうございます。一緒に共演することが叶って本当に光栄だった、松坂桃李さん。本当に、本当にありがとうございました。これからも頑張って活動します。今日はありがとうございます。
【受賞者紹介】
韓国のトップ女優として活躍し、17年より日本でも本格的に活動を始めた。本作で演じたのは、日本人の父と韓国人の母の間に生まれ、アメリカ育ちという複数のアイデンティティを持つ女性記者役。新聞記者だった父の死の真相も知るべくこの仕事につき、マスコミのあり方に疑問を感じながらも真実を追い求め、しなやかに突き進む姿は強い印象を残した。日本語をマスターして19年は舞台と本作含め2本の映画に出演するなど日本での活躍も著しい。
【受賞歴】
初受賞。本作で第74回毎日映画コンクール女優主演賞、第11回TAMA映画賞最優秀新進女優賞受賞
優秀賞二階堂ふみ「翔んで埼玉」


【受賞者紹介】
魔夜峰央の漫画を実写映画化した本作で扮したのは、東京都知事の息子で、白鵬堂学院生徒会長の壇ノ浦百美。埼玉を見下していたが、埼玉県人の麻実麗に惹かれ、やがて埼玉解放運動に傾倒していく。当初、女性キャラに変更する案もあったが、二階堂の提案で原作通り男性役となり、男役に初挑戦。原作から飛び出てきたようなビジュアルで、恋をして揺れ動く男心も鮮やかに表現した。
【受賞歴】
第38回「私の男」で優秀主演女優賞、第36回「ヒミズ」「悪の教典」で新人俳優賞受賞
優秀賞松岡茉優「蜜蜂と遠雷」


【受賞者紹介】
ピアニストとして将来を嘱望されていた天才少女だったが、母の死をきっかけに表舞台から姿を消し、国際コンクールで再起をかける栄伝亜夜に扮した。亜夜のピアノへの思い、孤独や葛藤、ライバルたちとの友情や絆などを丁寧に演じ、キャラクターの成長を繊細に表現。「松岡さんが演じることで、僕が当初思い描いていたよりも、深く内面を掘っていくような亜夜になりました」と石川慶監督もコメントしている。
【受賞歴】
第42回「勝手にふるえてろ」で優秀主演女優賞、「万引き家族」で優秀助演女優賞受賞。本作で第32回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞受賞
優秀賞宮沢りえ「人間失格 太宰治と3人の女たち」


【受賞者紹介】
蜷川実花監督が構想に7年を費やし、太宰治のスキャンダラスな恋と人生を描いた本作で、3人の子供を抱え家庭を守る、太宰の正妻・美知子に扮した。夫の作家としての才能を信じ、不貞を知りながらも咎めることなく献身的に支える。太宰の著作『ヴィヨンの妻』のモデルとされる人物を、凛とした美しさと母性あふれる演技で表現し、奥ゆかしくもたくましい女性像を生み出した。
【受賞歴】
第26回「たそがれ清兵衛」第38回「紙の月」第40回「湯を沸かすほどの熱い愛」で最優秀主演女優賞、第31回「オリヲン座からの招待状」で優秀主演女優賞受賞。第12回「ぼくらの七日間戦争」で新人俳優賞受賞
優秀賞吉永小百合「最高の人生の見つけ方」


【受賞者紹介】
ハリウッド版「最高の人生の見つけ方」(07)のリメイクとなった本作で演じたのは、末期がんで余命宣告を受けた専業主婦・幸枝。真面目で辛抱強い幸枝は自分の病気のことを家族にも告げずに、一人で抱え込む。だがマ子と出会い、ある少女の“死ぬまでにやりたいことリスト”を実行する中で解放され、大胆さやかわいらしさを見せていく。幸枝の明るさや優しさをナチュラルに体現し、スクリーンで輝いた。 
【受賞歴】
第8回「おはん」「天国の駅 HEAVEN STATION」第12回「つる-鶴-」「華の乱」第24回「 長崎ぶらぶら節」第29回「 北の零年」で最優秀主演女優賞受賞。他に優秀主演女優賞は14回受賞
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞吉沢亮「キングダム」


【最優秀受賞コメント】
優秀助演男優賞の発表の時、最初に「おめでとう」と連絡をくれたのは主演の山﨑賢人で、「次は続編で、二人で来ようぜ」と熱く語り合いました。彼が引っ張ってくれたから素敵な作品になったと思うし、一緒にお芝居をしたことでこのような結果になったと思っています。監督、スタッフ、皆さんの力があっての受賞。嬉しいです。これからも素敵な作品を届けられるように精一杯頑張ります。
【受賞者紹介】
中華統一を目指す秦王・嬴政(のちの始皇帝)と、嬴政と瓜二つだったために影武者となり、身代わりで命を落とす少年・漂の二役を見事に演じわけた。主人公・信の親友で戦災孤児の漂を演じる際は、表情豊かで時に無邪気な一面も見せる一方、嬴政役では、国王の威厳と気品を感じさせる空気を身にまとい、強烈なオーラを放っている。また、役により剣術にも違いを出すなど緻密な役作りで作品に貢献した。  
【受賞歴】
初受賞。第42回「リバーズ・エッジ」で新人俳優賞受賞。本作で第62回ブルーリボン助演男優賞受賞
優秀賞綾野剛「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞者紹介】
サラリーマンとして働いていたが、幻聴に苦しみ、家族から疎まれて精神科病院に入院しているチュウさん役。普段は穏やかだが、大切な人を傷つけられたりすると発作が起こる。笑福亭鶴瓶演じる秀丸と心を通わせ、小松菜奈演じる由紀のことを見守るが、2人の身に変化が訪れたとき、病棟を出て一歩を踏み出す勇気を示す。その感情の動きを丁寧に演じ、作品に深みを与えている。  
【受賞歴】
初受賞。第40回「日本で一番悪い奴ら」で優秀主演男優賞 、第37回「横道世之介」「夏の終り」で新人俳優賞受賞
優秀賞伊勢谷友介「翔んで埼玉」


【受賞者紹介】
武内監督が「絶対に彼にやってほしかった」という、映画オリジナルのキャラクター・阿久津翔役を演じた。東京都知事の執事を務めているが、実は千葉解放戦線のリーダーという裏の顔を持つ曲者で、関東三番手争いのライバル埼玉に先んじて、通行手形制度を撤廃するために暗躍する。奇想天外な世界観に違和感なく溶け込み、千葉県のため
に闘う姿は、作品を支える強力な柱となった。  
【受賞歴】
第35回「あしたのジョー」で優秀助演男優賞受賞
優秀賞柄本佑「アルキメデスの大戦」


【受賞者紹介】
軍人経験がないのに突然自分の上官になった櫂直の面倒を見る羽目になる海軍少尉を演じた。当初は不満を抱えているが、やがて櫂の人柄や仕事ぶりに惹かれ、心酔するように。不可能に見えた巨大戦艦の見積もりを出すための右腕となっていく。その心境の変化を絶妙なバランスで演じ、作品にユーモアをもたらした。また菅田との息もぴったりで、バディものとしての面白さを引き立てた。
初受賞
優秀賞岡村隆史「決算! 忠臣蔵」


【受賞者紹介】
「殿、利息でござる!」(16)の中村義洋監督が、東京大学史料編纂所教授・山本博文の著書「『忠臣蔵』の決算書」を原作に、討ち入りの必要経費に焦点を当てて映画化。金遣いが荒く、女遊びも盛んな幼馴染の大石内蔵助とは逆に、藩の財政を管理し、節約し職務を全うしようとする勘定方・矢頭長助を演じた。一生懸命で真面目で笑いには絡まないが、どこかユーモラスな佇まい。その独自の存在感が光った。
【受賞歴】
初受賞。第34回「てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~」で話題賞[俳優部門]受賞
優秀賞佐々木蔵之介「空母いぶき」


【受賞者紹介】
巨匠・かわぐちかいじの同名漫画を、「沈まぬ太陽」(09)等の若松節朗監督が実写映画化。国籍不明の軍事勢力が、日本の領土・初島に上陸し、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦(いぶき)が向かうことに。海上自衛隊の生え抜きで、空母いぶきの副長となる新波歳也をいぶし銀の魅力で体現。武力行使もやむを得ないとする艦長と議論を戦わせ、あくまでも防衛に徹し、平和を守ろうと全力を尽くす信念の男を好演している。
【受賞歴】
初受賞。第38回「超高速!参勤交代」で優秀主演男優賞受賞
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞長澤まさみ「キングダム」


【最優秀受賞コメント】
17歳の時に最優秀助演女優賞をいただいた時はまだよく分かっていなかったのですが、歳を重ねるごとにこの仕事の魅力を感じて、自分にできることは何だろうと考えながら、日々仕事と向き合ってきました。まだまだこの先、自分がどうなるか見えていませんが、見えない自分というか、まだ会ったことない自分を目指して、これからも励んでいきたいと思います。ありがとうございました。
【受賞者紹介】
佐藤信介監督と2度目のタッグとなった本作で、秦国の若き王・嬴政が協力を求める山界の死王・楊端和を演じた。ほぼ紅一点といえるキャラクターだが、圧倒的カリスマ性で山の民を率いる、美しく強くミステリアスな王の姿を、説得力をもって体現している。アクションシーンでは、長い手足を活かし鮮やかな二刀流の戦いを披露するなど、新たな魅力も開花させた。
【受賞歴】
第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で最優秀助演女優賞と話題賞[俳優部門]、第39回「海街diary」優秀助演女優賞受賞。他に第30回「涙そうそう」第35回「モテキ」第41回「散歩する侵略者」で優秀主演女優賞、第27回「ロボコン」で新人俳優賞受賞
優秀賞天海祐希「最高の人生の見つけ方」


【受賞者紹介】
仕事漬けの人生を送る中、末期がんで余命宣告を受けた社長・マ子役。聡明な女性を颯爽と体現し、ファッションでも観る者を楽しませる。自分と正反対の生き方をしてきた専業主婦・幸枝との旅を経験し、弱さも見せられるようになるマ子を魅力的に演じた。吉永小百合たっての希望により、「千年の恋 ひかる源氏物語」(01)以来となる共演を果たした。吉永との共演を「奇跡のような時間」だったと語る。
【受賞歴】
第25回「千年の恋 ひかる源氏物語」で優秀助演女優賞、第20回「クリスマス黙示録」で新人俳優賞受賞
優秀賞小松菜奈「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞者紹介】
精神科病院を舞台に繰り広げられる人間ドラマで、義理の父親からのDVが原因で入院する女子高生・島崎由紀の苦悩と悲しみをリアルに演じた。実の母親ともうまくいかず、居場所は病院にしかなかったが、そこすら去らざるを得ない出来事が由紀の身に起こってしまう。どん底に落ちた由紀が町を彷徨い、朝を迎えるシーンでは、生きる強さと覚悟を感じさせる演技が観る者の胸を打った。 
【受賞歴】
初受賞。第38回「渇き。」で新人俳優賞受賞。本作で第44回報知映画賞助演女優賞受賞
優秀賞高畑充希「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」


【受賞者紹介】
筋ジストロフィーを患いながら、自立した生活を送った鹿野靖明氏の実話をもとにした物語で、映画デビュー作以来となる前田哲監督作品への出演となった。演じた安堂美咲は鹿野に一目ぼれされて半ば強引にボランティアとなるが、明るくはっきりした性格で、鹿野に言いたいことを言い、やがて心を通わせていく。観客が共感できるキャラクターをチャーミングに演じきった。
【受賞歴】
初受賞。第40回「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」で新人俳優賞受賞
優秀賞二階堂ふみ「人間失格 太宰治と3人の女たち」


【受賞者紹介】
『人間失格』の誕生秘話を描いた本作で、小栗旬演じる太宰治の最後の愛人・山崎富栄役に扮した。蜷川監督曰く「難しいし、やり甲斐があるし、女優さんにとってはある種の賭けにもなるような役」。美容師として手に職を持ち、終戦直後としては珍しく自立した女性だったが、太宰を盲目的に愛し、壊れ、心が引き裂かれていく様子を凄みのある演技で魅せた。
【受賞歴】
初受賞。第38回「私の男」で優秀主演女優賞、第36回「ヒミズ」「悪の教典」で新人俳優賞受賞
優秀音楽賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞RADWIMPS「天気の子」


【最優秀受賞コメント】
公開の2年前から新海誠監督と動き始め、60曲くらい制作し、恋人のように約400通のメールを重ね、何十回と打ち合わせをして作りました。アニメーション映画は、何百人という人が関わって一つの作品を作ります。その一部となるのは喜びの時間でした。終わるたびに「もう嫌だ」と思いますが、その快感がまさり、やはり音楽が大好きだと改めて感じさせてくれる瞬間でした。
【受賞歴】
第40回「君の名は。」で最優秀賞受賞。本作で第74回毎日映画コンクール音楽賞受賞
優秀賞周防義和「カツベン!」


【受賞コメント】
映画創生期への愛に溢れた作品に参加できたことはとても幸せなことでした。劇中無声映画の音楽シーンの為にシナリオ段階から作曲し撮影にも立会い思い出深い仕事になりました。和洋折衷、ホンキートンクピアノ、レトロジャズ、ポルカ等ノンジャンルムードで包み、エンド曲の奥田民生さんもばっちり! 楽しき仕事での受賞に感激です!
【受賞歴】
第20回「Shall we ダンス?」第38回「舞妓はレディ」で最優秀賞、第31回「それでもボクはやってない」で優秀賞受賞
優秀賞藤倉大/篠田大介「蜜蜂と遠雷」


【受賞コメント】
藤倉:生まれて初めて映画の為に書いた作品『春と修羅』で日本アカデミー賞を頂けるとは、嬉しいです。脚本ができる前に、自由に『春と修羅』を書かせてくださり、本当に石川監督と東宝のプロデューサーに大感謝です。
初受賞
篠田:この度は、賞を頂き大変光栄です。映像を見ながら、この映画にとってどんな音楽が最適か、監督と打ち合わせを重ねて作り進めたことを思い出します。この作品に携われてとても幸せです。
初受賞
優秀賞やまだ豊「キングダム」


【受賞コメント】
優秀音楽賞ありがとうございます。監督から頂いた“夢”や“胸熱”というキーワードをもとに、本当に自由に音楽を書かせて頂きました。壮大なスケールの映像にプレッシャーもありましたが、2人の少年の成長の物語を通して、自分も大きく成長できた作品です。「キングダム」で受賞出来た事を、本当に嬉しく思います。
初受賞
優秀賞Face 2 fAKE「翔んで埼玉」


【受賞コメント】
武内監督とはTVドラマをいくつかご一緒させて頂き、映画での参加は今回初となり光栄に思います。「今世紀最大の茶番劇なんだよ…」と笑いながら打ち合わせしたのが懐かしいです。意気込みと想いが凝縮された制作がこの様に評価され、大変嬉しく思っています。今後もより一層様々な作品に貢献できるよう努めていきます。
初受賞
優秀撮影賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞河津太郎「キングダム」


【最優秀受賞コメント】
賞とは無縁でしたので、まさか貰えるとは思っておらず、何を言っていいか分からなくなっています。ただ、やっぱりどうしても感謝を伝えたい人がいます。ガファーをやってくれた小林仁さん。彼には本当に感謝しかありません。本当に嬉しいです。ありがとうございました。
初受賞
優秀賞柴崎幸三「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
平山組「愛を乞うひと」での初受賞から21年経ちました。いまだに新人カメラマン気分が抜けきらず、新しい作品の度にソワソワ、ドキドキしています。進化も停滞もありました。今回の受賞を励みに、少しでも進化が上回れる様に次に向かいたいです。
【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」第38回「永遠の0」で最優秀賞受賞、第31回「ALWAYS 続・三丁目の夕日」第40回「海賊とよばれた男」第41回「DESTINY 鎌倉ものがたり」で優秀賞受賞
優秀賞谷川創平「翔んで埼玉」


【受賞コメント】
まさかの優秀撮影賞に驚いております。監督を中心にスタッフ全員笑い転げながら作った作品を皆様に愛して頂いたことが一番の幸せだと思います。これも世界埼玉化計画の一環かもしれません。
初受賞
優秀賞ピオトル・ニエミイスキ「蜜蜂と遠雷」


【受賞コメント】
Last years Japan became second home for me and I am very happy to be accepted by Japanese filmmakers, who let me feel as a part of the family. It is honor and privilege.
この数年で、日本は私の第二の祖国となりました。家族の一員のように感じている、日本の映画製作者の皆様が、私を受け入れて下さったことをとても嬉しく思っております。この度はこのような名誉な賞を頂き、本当に光栄です。
初受賞
優秀賞藤澤順一「カツベン!」


【受賞コメント】
考えてもいなかったことで大変光栄に思います。映画「カツベン!」は文明の利器、撮影機・映写機が活動写真を生み出した頃のお話。あれから百年程でアナログからデジタルに取って代わった現代。昔も今も映画の精神は変わらずに生きていると感じます。これからも映画を楽しむ心を持ち続けたいと思います。
【受賞歴】
第35回「八日目の蟬」で最優秀賞、第37回「舟を編む」第39回「ソロモンの偽証 前篇・事件」で優秀賞受賞
優秀照明賞
優秀賞上田なりゆき「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
8年ぶりの平山監督との映画になりました。実際の精神科病棟を使っての撮影は、リアルさ故の緊張感も相まって、スタッフ、キャストの熱い思いが作品にとって良い結果をもたらしたと思います。映画を観終わって、優しい作品になっていると思いました。現場は本当に楽しかったです。鶴瓶さん、また焼肉ご馳走して下さい。
【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」第38回「永遠の0」で最優秀賞、第40回「海賊と呼ばれた男」第41回「DESTINY 鎌倉ものがたり」で優秀賞受賞
優秀賞李家俊理「翔んで埼玉」


【受賞コメント】
この度は、優秀照明賞を頂き誠にありがとうございます。まさかこのような賞が頂けるなんて、想像もしていなかったので本当に驚いています。お世話になったスタッフ、キャストの皆様と共に真剣に大真面目にこの作品に取り組めたことに感謝致します。
初受賞
優秀賞宗賢次郎「蜜蜂と遠雷」


【受賞コメント】
昨年「散り椿」で初受賞させていただき、2年連続で受賞できて光栄です。「蜜蜂と遠雷」に関わった優秀賞のない全スタッフの代表として受賞したいと思います。石川監督、プロデューサー、撮影ピオトルを始めとする全スタッフ、キャスト、家族に感謝します。今後もこの賞に恥じないよう映画人として精進したいと思います。
【受賞歴】
第42回「散り椿」で優秀賞受賞
優秀賞長田達也「カツベン!」


【受賞コメント】
映画創生期に作り上げられた作品に触れ、先達の好奇心と挑戦を感じ、そしてその映像を模する機会を得て、当時走り回る活動屋に応えることはできたかは分からないが、「カツベン!」を担当できたことに感謝。
【受賞歴】
第20回「Shall we ダンス?」で最優秀賞、第25回「陰陽師」第27回「壬生義士伝」第31回「それでもボクはやってない」第33回「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」第37回「舟を編む」第41回「花戦さ」で優秀賞受賞
優秀美術賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞斎藤岩男「キングダム」


【最優秀受賞コメント】
40年近くこの仕事を続けてきましたが、今回初めてこの場所に立たせてもらいました。まず僕がしなければならないのは皆さんへのお礼です。40年経ってこういうふうにしてもらえたのは、本当に優秀な美術、装飾のスタッフに恵まれていたからに他なりません。皆さんによっていただくことができたので、一緒にこの喜びを分かち合いたいと思います。本当にありがとうございました。
初受賞
優秀賞あべ木陽次「翔んで埼玉」


【受賞コメント】
埼玉と東京の対立、千葉、群馬へと広がっていくこの物語。初めはどう表現するか未知数でした。ロケハンを重ね、スタッフでアイデアを出し合い、この世界観に挑戦していく過程は大変刺激的でした。この作品で賞をいただいたことを励みに、少しでも多くの作品に挑戦していけたらと思います。本当にありがとうございました。
初受賞
優秀賞磯田典宏「カツベン!」


【受賞コメント】
もはや、時代劇である大正時代。その雰囲気と活弁士が活躍した世界をどう出せるか考えました。メインの靑木館をどうするか、選択肢はありましたが、セットではなく明治に建てられた築100年の移築された芝居小屋で、弁士の声が響き渡る事にこだわりました。今回、優秀美術賞をいただき、関係者の皆様に心より感謝します。
【受賞歴】
第36回「のぼうの城」(近藤成之と)で最優秀賞、第26回「Dolls<ドールズ>」第27回「座頭市」で優秀賞受賞。本作で第74回毎日映画コンクール美術賞受賞
優秀賞上條安里「アルキメデスの大戦」


【受賞コメント】
選んで頂いてありがとうございます。この作品はフィクションではありますが、かなり史実に則っているので、美術はなるべくリアルにと思い、かなり限界まで資料を集めて作りました。また漫画原作なので、なるべく元の漫画の印象からも外れないように心がけました。狂ったような暑さの夏に皆頑張りました。
【受賞歴】
第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」第38回「永遠の0」で最優秀賞、第31回「ALWAYS 続・三丁目の夕日」第41回「DESTINY 鎌倉ものがたり」で優秀賞受賞
優秀賞中澤克巳「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
冒頭のシーン、刑場のセット図面を描くのは辛かった。改めて死刑制度について考えさせられました。病院のシーンは、実際の精神科病院で撮影されました。本物の現場から受けるリアルな空気感、その空気感を実際に映像化できるよう最大限の注意をはらいました。 【受賞歴】
第22回「愛を乞うひと」で最優秀賞、第19回「学校の怪談」第21回「東京日和」第37回「少年H」で優秀賞受賞
優秀録音賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞久連石由文「蜜蜂と遠雷」


【最優秀受賞コメント】
ありがとうございます。コンクールで競い合うピアニストを描いた映画。それぞれのピアノの音を表現するのはとても難しかったのですが、僕の同級生である音楽ミキサーとやらせてもらったことで、とてもいい音に仕上がり、皆さんを感動させる音を作り出せたと思っています。この映画で賞をいただけて、本当に嬉しいです。古川君ありがとう。
【受賞歴】
第41回「アウトレイジ 最終章」で優秀賞受賞
優秀賞加藤大和「翔んで埼玉」


【受賞コメント】
この度は優秀録音賞をいただき、とても光栄に思います。受賞の知らせを聞いたときは驚きました。本作はスケールの大きな大茶番劇コメディですが、音のアプローチはシンプルに真面目にを意識して作り上げたつもりです。撮影時、ポスプロ時にたくさんの方に協力して頂き、本当に感謝しています。ありがとうございました。
【受賞歴】
第37回「舟を編む」で最優秀賞、第33回「ディア・ドクター」(白取貢と)で優秀賞受賞
優秀賞郡弘道「カツベン!」


【受賞コメント】
録音賞の受賞ありがとうございます。この作品は現在の映画の黎明期の姿を、わたしたちに教えてくれました。みなさんにも是非観て頂きたい作品です。監督はじめスタッフの皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。
【受賞歴】
第28回「スウィングガールズ」で最優秀賞、第25回「ウォーターボーイズ」第31回「それでもボクはやってない」(阿部茂と)第33回「沈まぬ太陽」で優秀賞受賞
優秀賞小松将人「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
アクションやホラーのように音に趣向を凝らして物語を牽引する作品ではなかったので、むしろ主張せず、観客の方が音を意識しないで自然と作品の中に入れるように心がけたつもりです。ですから優秀賞など頂けるとは思ってもいなかったので、とても嬉しく思っています。お世話になった、今は亡き師匠もこの日本アカデミー賞で数々の賞を頂いているので、ようやく一人前の録音技師になれたかなと感慨無量です。仏前にご報告に行きたいと思います。
初受賞
優秀賞横野一氏工「キングダム」


【受賞コメント】
佐藤監督とは「GANTZ」以降の全作品に録音技師として参加し、もう11年になります。娯楽大作志向で、賞とは無縁のなか、「キングダム」は獲るべくして獲った作品だと思います。撮影の最中、スケールのデカさにこれはとんでもない作品になるぞと感じていました。今回の受賞、大変喜ばしく思います。
初受賞
優秀編集賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞河村信二「翔んで埼玉」


【最優秀受賞コメント】
ありがとうございます。信じられない気持ちです。「翔んで埼玉」は、シンプルに笑っていただきたい、楽しんでいただきたいという思いで作業を進めました。武内英樹監督をはじめとする、チーム「翔んで埼玉」の皆さんには感謝しかありません。ありがとうございました。
初受賞
優秀賞今井剛「キングダム」


【受賞コメント】
中国の壮大な大地と、登場人物たちそれぞれの熱い想い。表現の難しい題材を、スタッフの努力とキャストのパワーで見事にフィルムに焼き付け、それを編集室に届けてくれました。僕はそれをただ安心して繋げるだけでした。その後のCGチームや音チームの適切な表現で「キングダム」は佐藤組の一つの集大成になったと思います。
【受賞歴】
第25回「GO」で最優秀賞、第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」第29回「春の雪」同回「北の零年」30回「フラガール」第34回「悪人」第40回「怒り」で優秀賞受賞
優秀賞洲﨑千恵子「閉鎖病棟-それぞれの朝-」


【受賞コメント】
私の映画編集人生にとって最大の恩師である平山秀幸監督と俳優部技術部一同揃っての受賞。長年胸中に描いた夢が現実になりました。まるで、初めてフィルムを繋いで以来、作品を超え、試行錯誤して繋ぎ続けていたらレッドカーペットに繋がっていたかのような。一体何フィート繋いだのだろう。悲願の頂、素晴らしい景色です。
【受賞歴】
第34回「必死剣鳥刺し」で優秀賞受賞
優秀賞古川達馬「新聞記者」


【受賞コメント】
日本映画にない雰囲気を作ろうと監督と共に編集を進めた本作で、このような賞をいただけて本当に嬉しく思います。本作の素晴らしいキャスト・スタッフをはじめ、この業界に入るきっかけを作ってくださった皆様、育ててくれた師匠、そして家族に心から感謝しております。ありがとうございました。
初受賞
優秀賞宮島竜治「アルキメデスの大戦」


【受賞コメント】
映画界に足を踏み入れて、丸30年の節目にこのような賞をいただき、大変嬉しく思います。本作は監督からの要望もあり、今までの山崎組の編集リズムよりかなりタイトに繋いでいます。菅田将暉さんをはじめに現場の熱量がそのまま観客に伝わるよう鮮度の高い編集ができたと自負しています。山崎監督並びにスタッフ・キャストの皆さん、そして今作に携わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。
【受賞歴】
第28回「スウィングガールズ」第29回「ALWAYS 三丁目の夕日」第38回「永遠の0」で最優秀賞、第25回「ウォーターボーイズ」第31回「ALWAYS 続・三丁目の夕日」第33回「ディア・ドクター」第40回「海賊と呼ばれた男」で優秀賞受賞
優秀外国作品賞
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
最優秀賞ジョーカー


【最優秀受賞コメント】
多くの素晴らしい外国作品のなかから選んでいただいて、本当に感謝申し上げます。この作品ほど業界関係の方から、「観たよ」と声をかけていただいた作品もありません。本当に皆さまに育てていただいたんだなと思っております。アメリカのDCチームはじめ、作品を作った映画の制作チームにこの喜びを伝えたいと思います。(高橋雅美/ワーナー・ブラザース映画)

【作品紹介】
「バットマン」史上最強の悪役「ジョーカー」誕生をオリジナルストーリーで描く。コメディアンを夢見る主人公を演じるのは、この役のために20キロ以上の減量を行ったというホアキン・フェニックス。社会から疎外されたと感じる孤独な男性が狂気をまとい、ジョーカーに変貌していく姿を熱演し、観る者を圧倒する。「ハングオーバー」シリーズ(10~13)や「アリー/スター誕生」(18)のトッド・フィリップス監督が共同脚本も務め、現実の格差社会にも通じる問題作を作り上げた。第92回アカデミー賞ではR指定作品としては異例の最多11部門にノミネート。うち主演男優賞(ホアキン・フェニックス)と作曲賞を受賞。第77回ゴールデングローブ賞主演男優賞・作曲賞、第76回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞など多数の賞を獲得。日本でも、第62回ブルーリボン賞外国作品賞、第74回毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞、第44回報知映画賞外国作品賞、第93回キネマ旬報ベスト・テン外国映画監督賞(トッド・フィリップス)などを受賞。

原題:JOKER
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルバー 
配給:ワーナー・ブラザース映画
優秀賞イエスタデイ


【作品紹介】
「スラムドッグ$ミリオネア」(09)のダニー・ボイル監督と「ラブ・アクチュアリー」(04)の脚本家リチャード・カーティスがタッグを組み描いたファンタジーコメディー。売れないシンガーソングライターのジャックは、原因不明の停電が起きた際に交通事故に遭い、目覚めると史上最も有名なバンド『ザ・ビートルズ』が存在しない世界になっていた。音楽で成功することを夢見ていたジャックが、ビートルズの曲の力を借りスターダムへと駆け上がるにつれて生まれる葛藤を丁寧に描く。ジャック役は本作が映画初出演となるヒメーシュ・パテル。オーディションでダニー・ボイルを唸らせた歌唱力で、全編自身で歌い上げた。シンガーソングライターのエド・シーランが本人役で出演したことも話題に。ルーフトップ・コンサートや『アビイ・ロード』ジャケットなどビートルズ・ファンが楽しめるエピソードをちりばめ、ビートルズ愛に溢れる音楽映画となった。

原題:Yesterday
監督:ダニー・ボイル
脚本:リチャード・カーティス 
配給:東宝東和
優秀賞グリーンブック


【作品紹介】 
プロデューサー、監督、脚本家、俳優としてマルチに活躍のニック・バレロンガが、ニューヨーク・ブロンクスの有名ナイトクラブで用心棒をしていた父トニー・リップと黒人ピアニストのドクター・シャーリーの実話を、コメディの名手ピーター・ファレリーに託し映画化。育った環境も性格も正反対の二人が、旅を通じて徐々に心を通わすロードムービーに仕上げた。粗野な育ちだが周囲から頼りにされるイタリア系白人用心棒をヴィゴ・モーテンセンが約20キロ増量して演じた。また、ピアニストのドクター・シャーリーにはマハーシャラ・アリがピアノを習得して臨み、「ムーンライト」(17)に続いて、本作でも米アカデミー賞助演男優賞に輝く快挙を成し遂げた。作品は第43回トロント国際映画祭で最高賞の「観客賞」を受賞し、第76回ゴールデングローブ賞作品賞(コメディ/ミュージカル部門)、脚本賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、第91回アカデミー賞助演男優賞のほか脚本賞、作品賞を受賞した。第32回日刊スポーツ映画大賞外国作品賞受賞。

原題:Green Book
監督:ピーター・ファレリー
脚本:ニック・バレロンガ&ブライアン・カーリー&ピーター・ファレリー 
配給:ギャガ
優秀賞運び屋


【作品紹介】
90歳を前にして今なお作品を送り出すクリント・イーストウッドが10年ぶりに自らの監督作で主演も務めた本作。“メキシコ麻薬組織の伝説の運び屋”と呼ばれたアール・ストーンを演じた。14年6月に『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』に掲載された実際の事件をベースに、「グラン・トリノ」(09)のニック・シェンクが脚本を手掛けた。仕事一筋で家族をないがしろにしてきたアールは事業に失敗し、金もなく、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられた。90歳のアメリカ犯罪史上最高齢の老人が起こした前代未聞の事件だが、描かれたのは時代から取り残された老人の家族との軋轢と贖罪の物語。ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシアらが集結。イーストウッドの実娘アリソン・イーストウッドも出演している。日本アカデミー賞において、イーストウッド監督作品は第40回の「ハドソン川の奇跡」以来で、これまで優秀賞を12作品、うち最優秀賞を6回受賞している。

原題:The Mule
監督・脚本:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク 
配給:ワーナー・ブラザース映画
優秀賞ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド


【作品紹介】
クエンティン・タランティーノ監督の9作目。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スター初共演が話題を呼んだ。69年の映画の都ハリウッド。落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、チャールズ・マンソン率いるカルト集団による、女優シャロン・テート殺害事件や、スティーヴ・マックィーンやブルース・リーなど、実際の事件・実在の人物とフィクションを織り交ぜて、黄金期のハリウッドの光と闇を描いた。映像、音楽、衣裳、街並みなど忠実に当時を再現。現実の悲劇をフィクションの中で希望に変えたラストは、タランティーノ監督の映画愛とリスペクトが感じられる。第77回ゴールデングローブ賞で最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル部門)、脚本賞、助演男優賞(ブラッド・ピット)を、第92回米アカデミー賞では助演男優賞と美術賞を受賞。
原題:Once Upon a Time... in Hollywood
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ 
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
新人俳優賞
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」


【受賞コメント】
このような場に立つ人生になるとは思っていなかったので、ちょっとワクワクしています。「蜜蜂と遠雷」と「決算!忠臣蔵」で出会ったスタッフやキャストの方が本当に素晴らしく、僕は現場が好きなりましたし、これからもこういう場で生きていきたいなと思いました。この2作品に出会えてよかったです。ここにいらっしゃる皆さんと仕事をする機会がいただけたなら、また精一杯頑張ります。
【受賞者紹介】
通っていた高校に映画の撮影で来ていた広瀬すずの目に留まり、スカウトされる。18年第33回『MEN’S NON-NO』専属モデルオーディションでグランプリを受賞。100人を超えるオーディションを勝ち抜き、本作で俳優デビューを飾る。自身と同じように、新星のごとく現れたミステリアスな少年・風間塵を演じた。ピアニストしてとてつもない才能の持ち主で怖いもの知らずの塵を、ピュアな空気感を漂わせ見事に体現。「心中するような気持ちでキャスティングして本当に良かった」と石黒裕亮プロデューサーに言わしめた。19年は他に「決算!忠臣蔵」がある。
優秀賞森崎ウィン「蜜蜂と遠雷」


【受賞コメント】
映画「蜜蜂と遠雷」に出会えて、恩田陸先生、そして石川慶監督をはじめ、最高のスタッフ、キャストの皆さまとご一緒できたこと、本当に光栄に思います。僕は、10歳のときにミャンマーから日本に来ました。今もミャンマーに住んでいるおばあちゃんに、今日、大きな孝行ができたかなと思っています。これからもお世話になったすべての方々に恩返しできるよう、日々精進してまいります。
【受賞者紹介】
ミャンマー出身。小学4年の時に来日。08年にダンスヴォーカルユニットPRIZMAX加入。同時期に俳優活動も開始。18年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」の主要キャストに抜擢。三カ国語を使いこなす国際派俳優として期待される。本作で演じたのは、天才ピアニストでコンクールの大本命のマサル。ルックスも育ちも良く“ジュリアード王子”と呼ばれる青年の風格と、音楽家として新しい道を切り拓こうという葛藤を説得力ある演技で表現し、作品に貢献した。19年は他に「海獣の子供」(声の出演)がある。
優秀賞横浜流星「愛唄 -約束のナクヒト-」「いなくなれ、群青」「チア男子!!」


【受賞コメント】
作品に携わられたスタッフ、キャスト、関係者の皆様のおかげで、このような素敵な賞をいただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。3作品を通して、たくさんのことを得ましたが、それ以上に自分の力不足も痛感しました。いただいたからにはこの賞に恥じないように、心に残る素敵な作品を作っていけたらと思っていますし、またこの場に立てるよう日々精進したいと思います。
【受賞者紹介】
『烈車戦隊トッキュウジャー』(14/EX)で注目され、19年『初めて恋をした日に読む話』(TBS)で人気を不動のものに。GReeeeNが音楽、共同脚本として参加し、実話から着想を得たストーリー「愛唄 -約束のナクヒト-」では余命宣告された青年を、ファンタジー要素のある青春群像劇「いなくなれ、群青」では謎だらけの島で悲観的に過ごす高校生を、朝井リョウ原作の映画化「チア男子!!」では3か月間の特訓を経て、男子チアリーディング部結成に奔走する青年役を熱演。19年は受賞作を含む4本の映画と3本の連続ドラマに出演し飛躍した。
優秀賞岸井ゆきの「愛がなんだ」


【受賞コメント】
撮影に入る前、事務所の社長に「あなたの名刺になる映画にしてきなさい」と背中を押してもらいました。その映画で賞をいただけて本当に光栄です。スタッフ、キャストならびにお世話になった皆様に感謝します。「愛がなんだ」のテルコは、恋人になれないのに、大好きな人の傍にいて思い続けるという役でした。そんな手に入りそうで入らない希望を、今やっと手に入れたような気がします。
【受賞者紹介】
09年ドラマ『小公女セイラ』(TBS)でデビュー。16年NHK大河ドラマ『真田丸』の真田信繁(幸村)の側室たか役で注目される。17年「おじいちゃん、死んじゃったって。」で映画初主演。18年NHK連続テレビ小説『まんぷく』ヒロインの姪役でお茶の間の顔に。角田光代による同名小説を映画化し、ロングランヒットを記録した本作では、女にだらしないダメ男にまっすぐ過ぎる愛を注ぐテルコ役。仕事をクビになるほど執着し、都合のいい女になってしまう恋愛依存のキャラクターを魅力的に演じ、多くの女性の共感を得た。19年は他に「いちごの唄」がある。
優秀賞黒島結菜「カツベン!」


【受賞コメント】
この作品で、私は初めて役を通して自分のことを自分で受け入れられたような気がしました。そんな作品でこのような賞をいただけたのは、とても大きなことだと思っています。周防正行監督、スタッフの皆さん、支えてくれる事務所の方々、いつも応援してくれている家族に感謝いたします。これからも目の前にあることを一つひとつ私なりに一生懸命頑張っていきたいと思います。
【受賞者紹介】
13年「ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~」で映画デビュー。以降『アシガール』(17/NHK)『いだてん~東京オリムピック噺~』(19/NHK)や「サクラダリセット」(17) プリンシパル ~恋する私はヒロインですか?~」(18)などに出演。オーディションで「カツベン!」のヒロインを射止め、周防組に初参加。女優になる夢を叶える、強さと切なさを併せ持つ女性を見事に表現した。劇中では活弁を披露するシーンもあり、撮影前から活弁の練習やボイストレーニングに通って、鮮やかにやり遂げた。19年は他に「十二人の死にたい子どもたち」がある。
優秀賞吉岡里帆「見えない目撃者」「パラレルワールド・ラブストーリー」


【受賞コメント】
両作品ともスタッフ、共演者の方々に励まされ、助けられながら撮影した記憶が鮮明に蘇ります。特に、「見えない目撃者」撮影中、昨年優秀照明賞を受賞された藤井勇さんが授賞式ギリギリまで現場にいらして、式後も急いで帰ってきてくださった姿が印象深く、現場を大切に思う方々と仕事ができることを誇らしく思いました。大先輩の姿に学び、お客様のプラスになる瞬間が作れるよう頑張ります。
【受賞者紹介】
15年「マンゴーと赤い車椅子」で映画初出演。翌年NHK連続テレビ小説『あさが来た』で脚光を浴びる。『カルテット』(17/TBS)での高評価を経て、18年「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」で映画初主演。女子高生連続殺人事件を追う「見えない目撃者」では自らの過失で弟と視力を失い、心に傷を負った元警察官のヒロインを、東野圭吾のミステリー小説を映画化した「パラレルワールド・ラブストーリー」では、劇中で描かれる2つの世界でそれぞれ別の男性の恋人となる、物語の鍵を握る謎の女性を好演した。
協会特別賞
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞金子鉄男【オプチカル】


【受賞コメント】
改めてオプチカルをしていて良かった。沢山の人に支えられ、自分が一番好きだった仕事で、映画が好きで会社に入って3年間京都に居たけど、退職する迄オプチカルで過ごす事が出来、日本アカデミー賞を貰えました。推薦してくれた人に御礼したいです。 
【受賞者紹介】
69年に東洋現像所(現IMAGICA Lab.)入社。12年の退職まで43年間、オプチカル技術に従事。オプチカルの手法には、フェイド・イン、フェイド・アウト、オーヴァーラップ、トリミング、逆回転、マスク合成、コマ落としなどがある。映画を豊かに支えてきたそれらの技術は、創成期の1920年代末には考案され、30年代からは一般化。90年代以降はフィルムからデジタルに移行したこともあり、VFX技術の向上も含め、編集におけるエフェクトは格段に進化した。そのなかで、アナログ・フィルム的な表現を大胆かつ繊細に再現し、作者の意図を最大限に表現する役割を果たしてきた。高校時代から映画に憧れ、当初はCF制作に関わるが、竹中直人監督「119」(94)から映画を手がけ、「Shall we ダンス?」(96)「陰陽師」シリーズ(01、03)「解夏」(04)「誰も知らない」(04)「ALWAYS 三丁目の夕日」(05)「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」(07)「おくりびと」(08)「ディア・ドクター」(09)など多様な作品で、オプチカル技術を通して、映画全体の完成度を高めることに貢献した。
優秀賞小田部羊一【アニメーター 】


【受賞コメント】
子供の頃から大好きだった漫画映画。
東映動画を出発点に、同志と出会い沢山の作品を作り、ただ楽しんで生きてきました。
その結果、映画の名誉ある賞を戴き、人生のしめくくりを飾って頂けたことに感謝いたします。
【受賞者紹介】
「アルプスの少女ハイジ」(75)や「母をたずねて三千里」(80)のキャラクターデザインでは、まっすぐしなやかに生きるハイジやマルコを描き、子どもたちを魅了。背景でも、さりげない日常描写や波の表現などの技術で、日本アニメーション史に確かな足跡を残す。東京藝術大学日本画科に在学中、「白蛇伝」(58)に衝撃を受け、59年に東映動画(現東映アニメーション)に入社。「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68)には原画として参加し、以後「空飛ぶゆうれい船」(69)で作画監督、「どうぶつ宝島」(71)では背景を手がける。71年、高畑勲、宮崎駿監督と共にAプロダクション(現シンエイ動画)へ移籍。『アルプスの少女ハイジ』(74/フジテレビ)では全52回のキャラクターデザインと作画監督を務める。その後も「龍の子太郎」(79)「じゃりン子チエ」(81)「風の谷のナウシカ」(84)など第一線でアニメーション制作に携わり、85年からは任天堂に勤務して「劇場版 ポケットモンスター」シリーズなどを監修した。NHK連続テレビ小説『なつぞら』(19)ではアニメーション時代考証を担当。第19回文化庁メディア芸術祭功労賞受賞。東京国際アニメフェア2010 第6回功労賞受賞。その画力で多くのアニメーターに影響を与えた。
優秀賞丹羽邦夫【製作担当・ロケーションマネージャー】


【受賞コメント】
人生でこんな晴れ舞台に立つことができ、とても嬉しいです。皆さんの応援のおかげです。自分のことを「昭和の忘れ物」みたいに思っていましたので、嫁と二人で最高の思いをさせていただきました。有難うございました。
【受賞者紹介】
監督や美術監督が指示した特定の場所で撮影ができるよう、ロケーション撮影を行う際に必要な交渉や手続きなどの実務を担当。撮影を円滑に進行することが必須である映画制作において重要な役割を務める。64年に大映入社。製作部として映画人生をスタートする。71年の大映倒産後も、映画撮影のロケ地を探すロケーションマネージャーとして活躍。特に土地に詳しく、神社仏閣とも独自の信頼関係を築いている京都を中心とする関西地区のロケーション探しにおいては、作品の世界観を豊潤なイメージで満たす力となる。勝新太郎監督「顔役」(71)「新座頭市物語 折れた杖」(72)、黒澤明監督「乱」(85)「夢」(90)、篠田正浩監督「瀬戸内少年野球団」(84)「鑓の権三」(86)「梟の城」(99)、市川崑監督「どら平太」(00)「かあちゃん」(01)などの名作で力を発揮。以降も、原田眞人監督「駆込み女と駆出し男」「日本のいちばん長い日」(共に15)、犬童一心監督「引っ越し大名!」(19)などロケ地が重要となる作品を多数手がけている。最新作は小泉堯史監督「峠 最後のサムライ」(20)。風景が激変する現代において、その役割はますます大きくなっていく。
優秀賞山田好男【装飾】


【受賞コメント】
この度この様な名誉ある素晴らしい賞をいただき感謝しております。
次の仕事が決まるまでと思い、アルバイト感覚で16mmフィルム時代の小道具に付き、
性に合ったのか、諸先輩から親切に教えていただき、40年強続けられて良かったと思っています。体が動く間今しばらく頑張っていきたいと思います。
【受賞者紹介】
「復讐するは我にあり」(79)の装飾応援から今村昌平監督作品に参加し、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品「うなぎ」(97)までの装飾を担当。00年に『グループ飾り屋』を立ち上げ、大がかりな仕掛けから家具什器、生活用品、陳列用品など大小種々雑多な物品や、環境表現のために必要なあらゆる小道具を揃え、映画の世界観づくりに貢献。台本からイメージを膨らませ、遊び心と型にはまらない発想で、物語に新しい視点を与える。マキノ雅彦監督「寝ずの番」(06)や役所広司監督「ガマの油」(09)のようなコメディタッチの作品や、漫画原作の本木克英監督「ゲゲゲの鬼太郎」(07)、中村義洋監督「映画 怪物くん」(11)など手がけるジャンルは幅広い。堤幸彦監督「トリック劇場版」シリーズ(02~14)では監督の全幅の信頼のもと、独自の映像世界を作り出すことに成功。吉田大八監督「桐島、部活やめるってよ」(12)、園子温監督「地獄でなぜ悪い」(13)「新宿スワンⅡ」(17)、犬童一心監督「猫は抱くもの」(18)、河合勇人監督「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(19)など若手監督との仕事も多く、常に進化し続けている。
会長功労賞
優秀賞高田宏治【脚本】


【映画人生を振り返って】
彼の八千草薫さんが脚本賞のプレゼンターをされたとき映画は脚本からと言われたのが強く印象に残っています。私ごときの業績が映画人最高の晴れの舞台で顕彰されるのを深く感謝しつつ思うのは直近の映画製作で耳にする脚本作家の軽視冷遇で映画を日本文化の華として世界に認めさせたのは決して一人の天才の力だけではないと言うことを再認識していただきたいと心より願う次第です。蛇足ながら平均寿命越えのいまなお書いております。
【受賞者紹介】
時代劇、仁俠映画、実録シリーズなど東映を中心に数多くの脚本を執筆。東京大学文学部卒業後、58年に東映入社。東映京都撮影所において内田吐夢監督の助監督を経て、比佐芳武に師事。60年、TV時代劇『白馬童子』の一篇『南蛮寺の決斗』で脚本家デビュー。61年、東映退社。以降、集団抗争時代劇の名作「忍者狩り」(64)をはじめ、70年代の「まむしの兄弟」シリーズ(71~75)や「日本の首領(ドン)」3部作(77~78) 「仁義なき戦い 完結篇」(74)などでダイナミックな男の世界を描いて、剛腕をふるった。その一方、五社英雄監督とのコンビとなる、宮尾登美子原作の女性3部作「鬼龍院花子の生涯」(82)「陽暉楼」(83)「櫂」(85)や、「極道の妻たち」シリーズ(86~05)で、バイタリティ溢れる女性ヒロインを創出した。他に「北陸代理戦争」「西陣心中」(共に77)「野性の証明」「赤穂城断絶」(共に78)「復活の日」(80)「女帝 春日局」(90)などでも、豪快かつ繊細な筆致で独自の人間ドラマを生み出し、幅広いジャンルで映画史に残るヒット作を連発した。著書に『高田宏治 東映のアルチザン』(96/西谷拓哉との共著/カタログハウス刊)がある。 
【受賞歴】
第7回「陽暉楼」で最優秀脚本賞受賞。第1回「西陣心中」「日本の首領 野望篇」「やくざ戦争 日本の首領」「北陸代理戦争」でノミネート、第6回「鬼龍院花子の生涯」「青春の門・自立篇」第9回「櫂」「春の鐘」第19回「藏」で優秀賞受賞
優秀賞宝田明【俳優】


【映画人生を振り返って】
久し振りに映画、「ダンスウィズミー」に出演し、マカオ映画祭の初日に中国語で舞台挨拶をして喝采を浴びた。毎年映画の先達や戦友が亡くなり淋しい限りだ。映画演劇を通じ二百本を超える作品に出演、それは己れとは異なる二百人の貴重な人生を生きた事となり人生の教師となっている。知らぬ事を恥とせず役者道を歩み続けるつもりだ。
【受賞者紹介】
53年、第6期東宝ニューフェイスとして俳優のキャリアをスタートさせ、54年の熊谷久虎監督「かくて自由の鐘は鳴る 福澤諭吉傳」でデビューを飾る。同年特撮映画の原点であり金字塔となる「ゴジラ」第1作目の主演に抜擢。池部良に次ぐ東宝の看板スターとして、その明朗な個性が人気を博し「大学の侍たち」(57)「花の慕情」(58)「若い恋人たち」(59)などに主演し、「小早川家の秋」(61)「放浪記」(62)で演技に開眼。同時に香港との合作映画「香港の夜」(61)「香港の星」(62)「香港の白い薔薇」(65)の主演で、その人気はアジア全域まで広がり、国際的な知名度を得る。ミュージカルでの初舞台は、江利チエミと共演した64年の『アニーよ銃をとれ』で、それ以降『サウンド・オブ・ミュージック』『マイ・フェア・レディ』など数々の大作ミュージカルに出演。『ファンタスティックス』(12)では制作・演出・主演を務め、文化庁芸術祭大衆芸能部門大賞を受賞。矢口史靖監督「ダンスウィズミー」(19)では、杉江敏男監督「ひばり チエミ いづみ 三人よれば」(64)以来、55年ぶりにスクリーンで歌声とダンスを披露し、話題を呼んだ。
第2回日本アカデミー賞授賞式司会
優秀賞司葉子【俳優】


【映画人生を振り返って】
令和元年の良き年に思わぬご褒美が舞い込んできました。 65年にわたる貢献度ということでしょうか? いつまでも若輩と思っていたのですが。思い起こせば人の勧めで芸能界に入門。幸運に恵まれました。松竹の映画、小津安二郎監督の「秋日和」、中村登監督「紀ノ川」、東宝映画は成瀨巳喜男監督「ひき逃げ」、「乱れ雲」が代表作となり、また、舞台にも恵まれ、全盛時代の菊田一夫先生との出会い、そして山田五十鈴さん、三益愛子さん、森光子さんとも共演。充実した活動を歩むことが出来ました。ここに、この賞を喜んで拝受いたします。有難うございました。
【受賞者紹介】
短大卒業後、大阪の新日本放送(現 毎日放送)に勤務しているときに、知人の推薦で引き受けた雑誌のモデル姿が、丸山誠治監督の目に留まり、池部良主演「君死に給うことなかれ」(54)のヒロインとして映画デビュー。一本だけの約束だったが、池部の強い推薦もあり、女優の道に進む。清楚で知的な美貌が人気を集め、鈴木英夫監督「不滅の熱球」(55)「その場所に女ありて」(62)、堀川弘通監督「青い野獣」(60)「別れて生きるときも」(61)などに出演し、東宝期待の新人女優として注目される。小津安二郎監督「秋日和」(60)「小早川家の秋」(61)、黒澤明監督「用心棒」(61)を経て、中村登監督「紀ノ川」(66)で第9回ブルーリボン賞主演女優賞、第22回毎日映画コンクール女優主演賞、第40回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞など、その年の映画賞を独占。代表作となる。高評価を得た成瀬巳喜男監督「乱れ雲」(67)、小林正樹監督「上意討ち 拝領妻始末」(67)、市川崑監督「獄門島」(77)などへの出演と同時に、70年代以降は活躍の場を広げ、TV、舞台、司会業、日本大正村の第2代村長や東京福祉大学の特任教授と才媛ぶりを発揮している。03年紫綬褒章、10年旭日小綬章を受章。
優秀賞中島貞夫【監督・脚本】


【映画人生を振り返って】
映画の全盛期東映に入社し、京都撮影所へ送り込まれて以来六十年が過ぎました。その間にやったこと、やれたこと、只々悔いのみが残っております。今回の受賞、ありがたきことと思いながらも、自身では未だ現役のつもりでおります。
【受賞者紹介】
59年東映に入社し、東映京都撮影所に配属されマキノ雅弘、田坂具隆、今井正、沢島忠監督らの助監督としてキャリアをスタート。64年、山田風太郎原作「くノ一忍法」で監督デビュー。66年には東映京都12年ぶりの現代劇「893愚連隊」を発表。ハンディカメラを駆使したオールロケのゲリラ撮影を敢行し、第7回日本映画監督協会新人賞受賞。以後「大奥㊙物語」(67)「日本暗殺秘録」(69)「木枯らし紋次郎」2部作(72)「脱獄広島殺人囚」(74)「狂った野獣」(76)「日本の首領(ドン)」3部作(77~78)「真田幸村の謀略」(79)「瀬降り物語」(85)など時代劇、アクション、コメディ、ドキュメントなど幅広いジャンルに挑み、東映京都のエースとして活躍する。高田宏治が脚本を担当した「まむしの兄弟」シリーズ(71~75)では、菅原文太の新たな面を引き出して、既成の任俠映画とは一線を画し、女性映画「序の舞」(84)「女帝 春日局」(90)「新・極道の妻たち」(91)でも手腕を発揮する。大阪芸術大学芸術学部映像学科では教授、学科長として、積極的に後進の指導にあたり、山下敦弘、熊切和嘉、向井康介らを育成した。20年ぶりの長編劇映画「多十郎殉愛記」(19)のラスト30分は、映画史に残る立ち回りとして話題を呼んだ。
優秀賞若尾文子【俳優】


【映画人生を振り返って】
この度は名誉ある賞をいただき、心より御礼申し上げます。10代で大映に入社して以来、いただいたお仕事にただ精一杯取り組んでまいりました。溝口健二先生、小津安二郎先生、市川崑監督や川島雄三監督、そして増村保造監督などの名匠をはじめ、キャスト、スタッフなど多くの仲間たちと仕事させていただいたことをとても誇らしく思いますし、それら素晴らしい作品は今でも私の宝物です。
【受賞者紹介】
長谷川一夫主宰の新演技座を経て、51年、大映の第5期ニューフェイスとして映画界入り。翌年、小石栄一監督「死の街を脱れて」でデビュー。瑞々しさと親しみやすさを備えた新人として注目され、1年目にして、久松静児監督「秘密」(52)など9本の映画に出演。「祇園囃子」(53「) 赤線地帯」(56)で溝口健二監督に鍛えられ、小津安二郎監督「浮草」(59)、市川崑監督「ぼんち」(66)を経て、川島雄三監督「女は二度生まれる」(61)、増村保造監督「妻は告白する」(61)で女優として本格的な転機を迎える。川島監督とは「雁の寺」「しとやかな獣」(共に62)、増村監督とは「『女の小箱』より 夫が見た」(64)「清作の妻」(65)「刺青」「赤い天使」(共に66)「華岡青洲の妻」「妻二人」(共に67)でも組み、いずれも激しい情念と強い意志をほとばしらせ、女優として不動の地位を確立。ブルーリボン賞主演女優賞に2度、キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞に3度輝くなど、スターとして大映黄金期を支えた。06年には毎日映画コンクール田中絹代賞を受賞。200本に及ぶ出演作を持つ。70年代以降も「男はつらいよ 純情篇」(71)「竹取物語」(87)「春の雪」(05)などの映画や舞台、TVと活躍を続け、国内では度々〈若尾文子映画祭〉が開催されているが、19年はドイツでもレトロスペクティブが行われた。
会長特別賞
優秀賞市原悦子【俳優・声優】1月12日没 享年82


【受賞者紹介】
57年、俳優座養成所に第6期生として入所。養成所の卒業公演『海抜三千二百米』(57)の演技で注目され、翌年『びわ法師』のお露役で第1回新劇新人推賞を受賞。豊田四郎監督「雪国」(57)の芸者役で映画デビュー。その活躍はめざましく、舞台では『千鳥』(59)で芸術祭奨励賞、『ハムレット』(64)でゴールデンアロー賞新人賞を受賞し、女優としての地位を固める。豊田四郎監督「暗夜行路」(59)「甘い汗」(64)、成瀬巳喜男監督と川島雄三監督「夜の流れ」(60)、松山善三監督「われ一粒の麦なれど」(64)などの助演で白眉の演技。71年に俳優座退所後も、映画、舞台、TVと幅広いフィールドで精力的に活躍する。個性溢れる演技に加え、聴く人を惹きつける魅力的な声の響きから、アニメーション作品やナレーションの出演も相次ぎ、TBS『まんが日本昔ばなし』(75~94)で好評を得る。また、ドラマ『家政婦は見た!』シリーズ(83~08、テレビ朝日)はお茶の間の幅広い世代の記憶に残る作品
となった。市川崑監督「幸福」(81)、今村昌平監督「黒い雨」(89)「うなぎ」(97)、河瀬直美監督「あん」(15)、東伸児監督「しゃぼん玉」(17)など晩年まで数々の映画に名演を残した。  
【受賞歴】
第13回「黒い雨」で最優秀助演女優、第21回「うなぎ」優秀助演女優賞受賞
優秀賞降旗康男【監督】5月20日没 享年84


【受賞者紹介】
東京大学卒業後、57年、東映に入社。東映東京撮影所で、家城巳代治監督らの助監督を経て、サントロペに憧れる少女の脱出願望を描いた「非行少女ヨーコ」(66)で監督デビュー。2作目の「地獄の掟に明日はない」(66)で高倉健と運命的な出会いを果たし、以後「新網走番外地」シリーズ(69~72)「冬の華」(78)「駅 STATION」(81)「居酒屋兆治」(83)「夜叉」(85)「あ・うん」(89)「鉄道員(ぽっぽや)」(99)「ホタル」(01)「あなたへ」(12)まで半世紀近く20本もの作品を共にし、日本映画史に寡黙で心優しいヒーロー像を創出した。菅原文太主演「現代やくざ与太者の掟」(69)では、フランス映画を思わせる洒落たタッチを滲ませ、また三田佳子主演「別れぬ理由」(87)「極道の妻たち三代目姐」(89)、佐久間良子主演「遺産相続」(90)、南野陽子主演「寒椿」(92)では、それぞれの女優たちの新たな面を引き出した。70年代半ばからは、山口百恵主演『赤いシリーズ』(74~78、TBS)などのTVドラマを撮り、高視聴率を叩き出した。他、「藏」(95)「赤い月」(04)「憑神」(07)「少年H」(13)「追憶」(17)などの作品を監督。生涯現役として、49本の映画作品を残した。  
【受賞歴】
第23回「鉄道員(ぽっぽや)」で最優秀監督賞、最優秀脚本賞(岩間芳樹と)受賞。第5回「駅 STATION」「仕掛人梅安」第13回「あ・うん」「極道の妻たち三代目姐」「将軍家光の乱心 激突」第19回「藏」第25回「ホタル」第36回「あなたへ」で優秀監督賞受賞。第25回「ホタル」で優秀脚本賞受賞
優秀賞高島忠夫【俳優】6月26日没 享年88


【受賞者紹介】
51年、新東宝第1期ニューフェイスとして芸能界入りし、翌年、井上梅次監督「恋の応援団長」でデビュー。続いて佐伯幸三監督「チョイト姐さん思い出柳」(52)で初主演を飾る。その都会的な容姿と明朗な演技で早くから注目され、デビューしてからの10年間で100本もの映画に出演。近江俊郎監督「坊ちゃん」シリーズ(56~59)には、全8作中7本に主演(スケジュールが合わず1本のみ宇津井健主演)、人気を集める。59年に菊田一夫の勧めで演劇界にも進出。その音楽的な才能を生かして、井上梅次監督「嵐を呼ぶ楽団」(60)や、須川栄三監督「君も出世ができる」(64)のミュージカル映画や、日本初のブロードウェイ・ミュージカル『マイ・フェア・レディ』に主演する。筧正典監督「出世コースに進路をとれ」(61)、川島雄三監督「イチかバチか」(63)などのコメディや、本多猪四郎監督「キングコング対ゴジラ」(62)「海底軍艦」(63)「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」(65)ほか特撮映画への出演も多い。後年はTV番組の司会や、CX『ゴールデン洋画劇場』(73~98)の映画解説も務め、親しみやすい語り口でお茶の間の人気を集めた。
第14回~18回日本アカデミー賞授賞式司会
優秀賞和田誠【監督・脚本・イラストレーター】10月7日没 享年83


【受賞者紹介】
本業のグラフィック・デザイン、イラストレーションだけでなく、文筆、音楽、落語、俳句と幅広いジャンルで活躍。映画監督としても並外れた才能を発揮した。多摩美術大学在学中に、映画「夜のマルグリット」(55)のポスターで日本宣伝美術会賞を受賞。卒業後、59年にライトパブリシティ入社。タバコ『ハイライト』のパッケージや企業の広告デザインを多数手がけたのちに退社。フリーランスとなり、雑誌の表紙など多くのイラストレーションやデザインを世に送り出し、後進を刺激した。64年に16ミリの短篇アニメーション「殺人 MURDER!」を製作・監督し、第19回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。「麻雀放浪記」(84)で長編劇映画を初監督。第9回報知映画賞新人賞を受賞し、自身がデザインしたトロフィを手にした。続く「快盗ルビイ」(88「) 怖がる人々」(94「) 真夜中まで」(99)も高く評価された。71年から山田宏一の『キネマ旬報』での連載『シネ・ブラボー!』のイラストを担当。73年からは自身が同誌で連載『お楽しみはこれからだ』を開始した。ほか『映画に乾杯』『銀座界隈ドキドキの日々』『シネマ今昔問答』など映画への深い造詣と愛情に満ちた書籍を多数執筆。広く映画ファンから愛され支持された。
【受賞歴】
第8回「麻雀放浪記」で優秀監督賞、優秀脚本賞(澤井信一郎と)受賞

佐々木すみ江【俳優】
2月17日没 享年90
内田裕也【歌手・俳優】
3月17日没 享年79
織本順吉【俳優】
3月18日没 享年92
萩原健一【俳優】
3月26日没 享年68
モンキー・パンチ【原作】
4月11日没 享年81
杉葉子【俳優】
5月15日没 享年90
吉武美知子【プロデューサー】
6月14日没
中村和子【アニメーター】
8月3日没 享年86
鈴木肇【録音】
8月19日没 享年58
植村伴次郎【プロデューサー】
10月15日没 享年90
山谷初男【俳優】
10月31日没 享年85
木内みどり【俳優】
11月18日没 享年69
柴田駿【配給】
12月11日没 享年78
梅宮辰夫【俳優】
12月12日没 享年81
ジャニー喜多川【ジャニーズ事務所 代表・プロデューサー】
7月9日没 享年87
■佐藤純彌【監督・脚本】
2月9日没 享年86
第42回会長功労賞受賞
■京マチ子【俳優】
5月19日没 享年95
第40回会長功労賞受賞
■川又昻【撮影】
10月5日没 享年93
第41回会長功労賞受賞
■西岡善信【美術】
10月11日没 享年97
第40回会長功労賞受賞
■八千草薫【俳優】
10月24日没 享年88
第40回会長功労賞受賞
■松田孝【衣裳】
2018年9月22日没 享年78
第33回協会特別賞受賞
■坂上順【プロデューサー】
5月18日没 享年79
第23回協会特別賞受賞
■多良政司【音響技術】
11月3日没 享年68
第38回協会特別賞受賞
■矢島信男【特撮監督】
11月28日没 享年91
第34回協会特別賞受賞

■印「会長功労賞」と同趣旨の「会長功労賞」や特別賞をこれまで受賞された方々

話題賞
(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会

作品部門:「決算! 忠臣蔵」


監督・脚本:中村義洋
[製作会社]
松竹/吉本興業/ハピネット/電通/朝日新聞社/イオンエンターテイメント
(C)2019「引っ越し大名!」製作委員会

俳優部門:星野源「引っ越し大名!」


監督:犬童一心 脚本:土橋章宏
[製作会社]
松竹/テレビ東京/木下グループ/博報堂/イオンエンターテイメント/ホリプロ/松竹ブロードキャスティング/キングレコード/朝日新聞社/BSテレ東/テレビ大阪/コロナワールド