国宝
チームでこの場に立てた喜びは生涯忘れません。作り手だけでなく、宣伝、営業、映画館の方々、何より観客の方々、共に盛り上げていただいた皆さんに感謝します。[李相日] 良いものを作れば必ず見てもらえると励みになりました。今後も作品命で役を生きるのみと思っています。[横浜流星] 経験したことないほど多くの反響があり、同い年の役者が役者の仕事はかっこいいと思ったと話をしてくれたのも、心に残っています。本気で打ち込む姿は人を感動させるのだと思います。[吉沢亮]
芥川賞作家・吉田修一が、歌舞伎の黒衣となり、3年間にわたり舞台裏を取材。その経験を血肉として書き上げた大河小説『国宝』を、「悪人」(10)「怒り」(16)でもタッグを組んだ李相日監督が映画化。極道の息子が歌舞伎の世界に身を置き、人間国宝となるまでの波乱万丈の50年を力強く描き切る濃密なストーリーに加え、重厚な映像美や役者陣の熱演でも見る者を圧倒。半年以上のロングラン上映となり、実写の日本映画として歴代1位の興行収入を記録した。25年の国内の映画賞を席巻し、今回の日本アカデミー賞では12部門で16賞(助演男優賞と助演女優賞は3名ずつ)と新人俳優賞を受賞。また、第98回米アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞に日本映画として初めてノミネートされている。
宝島
大ヒットを記録した映画「るろうに剣心」シリーズ(14~21)や、沖縄を舞台にしたNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』(01~04)などの大友啓史監督が、直木賞はじめ3冠受賞の小説『宝島』(真藤順丈著)を実写映画化。日本返還前、アメリカ統治下の混沌とした沖縄を舞台に、現実に翻弄されながら必死で生き抜こうともがく若者たちの怒りや悲しみ、葛藤を力強く映し出す骨太なドラマ。70年に発生したコザ暴動を、取材をもとに延べ2000人のエキストラを動員して再現するなど、リアリティも追求し見る者に強く訴えかける。
コロナ禍の影響で2度の撮影延期があったものの完成にこぎつけ、戦後80年の節目となる25年に公開された。上映時間3時間11分の超大作。第38回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞受賞。今回の日本アカデミー賞では8部門で優秀賞を受賞。
爆弾
『このミステリーがすごい!2023年版』『ミステリが読みたい!2023年版』の両方で1位を獲得した呉勝浩の同名ベストセラー小説を、「帝一の國」(17)「キャラクター」(21)等の永井聡監督が実写映画化。山田裕貴演じる警視庁捜査一課の刑事・類家をはじめとする警察側と、霊感があると自称し都内で起こる爆発事件を次々と予告する謎の男・スズキタゴサク(佐藤二朗)が、密室空間で真っ向から対峙するサスペンス・アクション大作。緊張感漂う取調室で、類家やタゴサクが発する言葉の数々が、社会の闇や誰しもの心の奥底にあるような悪意をあぶりだし、見る者に鋭く突きつける。一方、爆弾の爆発シーンも壮大なスケールで描写。凄惨な事故現場までも容赦なく映し出し強烈なインパクトを残した。今回の日本アカデミー賞では11部門で優秀賞を受賞。
ファーストキス 1ST KISS
数々の名作TVドラマや、映画「花束みたいな恋をした」(21) 「怪物」(23)などを手掛けた脚本家・坂元裕二によるオリジナル脚本を、「ラストマイル」「グランメゾン・パリ」(24)など次々と話題作を世に送り出す、塚原あゆ子監督の演出で映画化したラブストーリー。結婚して15年目、不仲だった夫を事故で亡くした妻がタイムトラベルの術を手に入れ、夫と出会う直前の過去へ。若かりし頃の彼に再び恋をして、夫の死なない未来に書き換えようと奮闘する。妻役の松たか子、夫役の松村北斗ともに魅力的なキャラクターを好演。タイムトラベルを繰り返すという現実離れした設定でも、心に残るのは普遍的なメッセージで、日々を大切に生きようと思わせてくれる珠玉の一本。今回の日本アカデミー賞では5部門で優秀賞と話題賞を受賞。
TOKYOタクシー
日本映画界を長年にわたって牽引する山田洋次監督の91本目となる作品は、23年に日本で公開されたフランス映画「パリタクシー」の舞台を東京に移してリメイクした極上のヒューマンドラマ。85歳のマダム・高野すみれと、彼女を終の棲家まで送り届けることになったタクシー運転手・宇佐美浩二の一期一会の奇跡を描く。乗車ルートは東京・柴又の帝釈天前から、神奈川・葉山の高齢者施設まで。これで東京も見納めだというすみれは、運転手に頼んでゆかりのある場所に寄り、いろいろあった人生を振り返る。倍賞千恵子と木村拓哉が、アニメ映画「ハウルの動く城」(04)以来の、実写映画では初の共演を果たし、二人が心を通わせていく過程を阿吽の呼吸で演じた。今回の日本アカデミー賞では10部門で優秀賞と新人俳優賞を受賞している。
劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
この賞はufotableのスタッフ一同、作品関係者の皆様、全員の手柄であると共に、観客の皆様のおかげです。まだ二章、三章とありますので鬼舞辻無惨を倒すため、心を燃やして竈門炭治郎と一緒にスタッフ一同頑張っていきます。[外崎春雄/監督]
延べ900名以上のスタッフ・仲間と共に作りあげることができました。僕たちufotableの現場が長い時間をかけて一緒に作ってきた熱や意志、想いの積み重ねの一端を感じていただけたなら嬉しいです。[寺尾優一/撮影監督・フィニッシング演出監督]
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載され、19年からアニメ化した吾峠呼世晴の大人気漫画原作の劇場版アニメ最新作。大正時代、鬼となった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入った竈門炭治郎は、仲間と共に戦いながら成長を遂げてきた。遂に始まった鬼の根城での最終決戦『無限城編』を三部作で映画化する第一章。緻密に描き込まれた2Dの手描きキャラクターと3DCGの背景を融合させたufotable制作の美しいアニメーション表現がさらに進化し、ダイナミックな高速アクションの死闘と感動の人間ドラマが展開する。世界各国で大ヒットし、日本映画史上初の全世界累計興行収入1000億円超えや第83回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞ノミネートなどの快挙も達成。第44回で最優秀アニメーション作品賞&最優秀音楽賞&話題賞を受賞した、前作「無限列車編」(20)の日本映画歴代最高興収407.5億円超えも期待されている。
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』
第48回最優秀アニメーション作品賞受賞作「ルックバック」の原作者・藤本タツキが現在『少年ジャンプ+』(集英社)で連載中の大人気漫画を、22年にアニメスタジオのMAPPAがTVアニメ化。その続編で、原作でも人気のエピソード“レゼ篇”を長編映画化。悪魔の心臓を持つチェンソーマンとなり、公安対魔特異4課に所属するデビルハンターの少年・デンジが、偶然出会った少女・レゼに翻弄されながら予測不能な運命へと突き進む。異色の“ボーイ・ミーツ・ガール”のラブストーリーが、日本ならではの最高の手描きアニメの作画技術と3DCGが融合した疾走感溢れるバトルアクションと相まって、シリーズ未見でも心を揺さぶる映画となった。日本だけでも興収106億円を突破。アメリカ(北米)の週末興行収入ランキングで1位を獲得するなど世界的に大ヒットし、世界累計興収は約300億円に迫る。第53回アニー賞で映画部門の監督賞にノミネート。
ひゃくえむ。
TVアニメ化もされた漫画『チ。-地球の運動について-』で、手塚治虫文化賞マンガ大賞を最年少受賞した魚豊の初連載漫画を、「音楽」(20)の岩井澤健治監督が映画化。生まれつき足が速い才能ですべてを得てきた小学生のトガシは、辛い現実から逃れるためがむしゃらに走っていた転校生の小宮に速く走る方法を教え、練習を重ねた二人は100m走を通してライバルかつ親友のように成長していく。青年時代のトガシと小宮の声優には松坂桃李と染谷将太を起用。わずか10秒前後の100m走競技にすべてを懸ける、一瞬の輝きに魅せられたスプリンターたちの情熱と苦悩を濃密に描く。実写撮影した俳優や陸上選手の動きをトレースするロトスコープを駆使し、リアルな人間の動きとアニメにしかできない表現を融合させた独自の質感を持つ熱いスポーツ青春映画で、ディテールの細かさやレースシーンの没入感も観客を魅了した。
ペリリュー -楽園のゲルニカ-
原作は、『ヤングアニマル』(白泉社)で連載され、第46回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。太平洋戦争末期のパラオ南西部ペリリュー島での激戦と、終戦を知らずに洞窟へ立てこもり続けた日本兵の実話がベースの同名戦争漫画を、原作者・武田一義自身も脚本に参加して映画化。ペリリュー島に駐屯した漫画家志望の心優しい一等兵・田丸と頼れる上等兵・吉敷の戦火の中の友情を中心に、戦場の兵士たちが命を奪い合う壮絶な世界で飢えや伝染病にも苦しみながら生き抜こうとする姿を描く。かわいらしいタッチのキャラクターながら、南国の美しい島が戦場に変わり、飢えや伝染病でも仲間が次々と命を落としてゆく戦場の悲惨さを圧倒的リアリティで描写。声優は板垣李光人、中村倫也らが務めた。戦後80年の節目に、忘れてはいけない戦争の記憶を継承すべく、戦争の狂気や愚かさをアニメの表現力で幅広い層に訴えかけた。
劇場版『名探偵コナン 隻眼(せきがん)の残像(フラッシュバック)』
『週刊少年サンデー』(小学館)で連載中の国民的人気漫画をTVアニメ化したシリーズの劇場版第28作。毛利小五郎が刑事時代に仲の良かった元同僚・鮫谷と久々に再会する直前、鮫谷が銃殺される。事件の鍵は鮫谷が調べていた長野での大和警部の雪崩事故にあると思われ、小五郎は警視庁刑事の長野での捜査に同行。コナンと蘭も阿笠博士と少年探偵団の国立天文合野辺山での天体観測ツアー参加を口実に長野へ向かう。今回のキーパーソンは、幼馴染の長野県警の大和・上原・諸伏の刑事3人と小五郎で、大和と上原による大人の恋模様や安室徹ら公安の暗躍、そして小五郎の大活躍などの見所が満載。今回も原作者・青山剛昌が制作参加した劇場版オリジナルのアクション・ミステリーが、雪山を舞台に大スケールで展開する。邦画初の2年連続観客動員数1000万人突破やシリーズ3作連続100億円超えの快挙を達成した。
李 相日「国宝」
歌舞伎関係者の方も含め、皆が一緒にのめり込み、作品に命を吹き込もうと振り絞ったスタッフ・キャストの献身がスクリーンから迸っているからこそ、多くの人の心を打ったのだと確信し、感謝しかありません。人間同士の不信や格差、信頼が揺らぐ今だからこそ、人間ならではの美しさを描きたかった。衝動だけで走ってきましたが、世界が悪い方にいく流れを映画でくいとめたいし、まだまだ映画で闘う価値は十分あると心から思っています。
第30回「フラガール」で最優秀監督賞と最優秀脚本賞、第40回「怒り」第34回「悪人」で優秀監督賞と優秀脚本賞受賞。本作で他に第99回キネマ旬報ベスト・テン、第80回毎日映画コンクール、第50回報知映画賞と第47回ヨコハマ映画祭、第38回日刊スポーツ映画大賞などの監督賞受賞
内田英治「ナイトフラワー」
「ミッドナイトスワン」に続いて素晴らしい場に呼んでいただき、ありがとうこざいます。スタッフ、キャストの皆さんのおかげであり、感謝しかこざいません。とくに俳優の皆さんには渾身の演技をしていただきました。主演の北川景子さん、助演の森田望智さんとともに会場に行けること、大変嬉しく思います。
第44回「ミッドナイトスワン」で優秀監督賞受賞
大友啓史「宝島」
ここ数年その実現のためにすべてを捧げてきた作品で、栄えある賞をいただけたこと、大変うれしく光栄に思います。作品を支え、尽力してくださったキャスト・スタッフの皆さん、沖縄の皆さまはじめ多くの方々に感謝の念が尽きません。ありがとうございました。
初受賞
塚原あゆ子「ファーストキス 1ST KISS」
たくさんの素晴らしい作品の中から、この映画が賞をいただけるということが、とても嬉しく誇らしい気持ちで一杯です。観てくださった皆様、選出してくださった皆様に感謝申し上げます。脚本の坂元裕二さんはじめ、プロデューサー陣、素晴らしい映像と美術を創り上げてくださったスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
第48回「ラストマイル」で優秀監督賞受賞
永井 聡「爆弾」
いつも私を支えてくれている家族、やりたい放題させてくれる会社、スタッフに感謝しております。そして、キャストの熱意が作品の質を何段階も上げてくれたと思います。ありがとうございました。
初受賞
奥寺佐渡子「国宝」
この映画に誘ってくださった李相日監督、喜久雄たちを生み出してくださった吉田修一先生、全身全霊で役を演じてくださったキャストの皆様にお礼申し上げます。劇中に歌舞伎役者の強い執着を表した「役者いうんは、ホンマに意地汚い」という原作同様の台詞があります。キャストもスタッフも、ある意味、意地汚さや強い執着のような何かをもって映画を作っているのだと思いました。また素晴らしい現場に巡り合えるよう、なお一層励みます。
第35回「八日目の蟬」で最優秀脚本賞、第19回「学校の怪談」で優秀脚本賞受賞。本作で他に第99回キネマ旬報ベスト・テン、第80回毎日映画コンクール、第47回ヨコハマ映画祭の脚本賞受賞
内田英治「ナイトフラワー」
演出とともに優秀脚本賞も大変嬉しいです。オリジナル脚本、そしてオリジナル作品の灯火が少しでも続いていってくれれば幸いでございます。
第44回「ミッドナイトスワン」で優秀脚本賞受賞
福田果歩「366日」
映画の脚本家になりたい! という小学生の頃からの夢が叶ったデビュー作で憧れの賞をいただき、本当に光栄です。素晴らしいスタッフ・キャストの皆様、そして劇場に足を運んで作品を観てくださったすべての皆様と一緒に手にした賞だと思います。今後も皆様と良い作品が作れるよう、日々精進して参ります。
初受賞
山浦雅大/八津弘幸「爆弾」
「爆弾」――とても好きな作品です。試写で2回、自腹を切っての映画館で3回観ました。素晴らしすぎる。脚本家のコメントじゃないですね(笑)最高の原作があって、(手前味噌ながら)優秀な脚本を八津さんと二人で書けて、それが演者さんとスタッフの皆さんの手で何倍も魅力的な映像となって。理想でした。心から感謝いたします。(代表:山浦)
山浦:第47回「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」で優秀脚本賞受賞
八津:初受賞
山田洋次/朝原雄三「TOKYOタクシー」
現代フランス映画をオリジナルに近い形で翻案したもの、受賞は意外ですが、キャスト、スタッフのおかげで良い作品になったようです。(代表:朝原)
山田:最優秀賞は第1回「幸福の黄色いハンカチ」を始め4回、優秀賞は18回受賞。第36回協会栄誉賞、第6回特別賞、本作で他に第68回ブルーリボン賞監督賞受賞
朝原:第47回「こんにちは、母さん」第45回「キネマの神様」第44回「男はつらいよ お帰り 寅さん」で優秀脚本賞受賞
吉沢亮「国宝」
励まし合いながら共に大変な稽古期間を乗り越えた横浜流星がいなければ喜久雄になれなかったし、この場に立つこともできませんでした。かけがいのない存在です。キャスト・スタッフの皆様に支えていただき素晴らしい景色をたくさん見させていただいております。芸の道に生きる人間の業や道のりの険しさを改めて痛感し、その先にある本当の喜びのようなものにも少し触れられたような気がして、この道に生きる自分を見つめ直す機会になりました。
任侠の一門に生まれるも、女形の才能を買われ歌舞伎の世界に入り、芸を極めていく主人公・立花喜久雄役。血筋が重視される世界で実力勝負し、日本一の歌舞伎役者になるため全てを捧げる喜久雄の生きざまを全身全霊で表現し、見る者の心を震わせる。初タッグとなった李相日監督が、「喜久雄を演じるのは吉沢亮しかいない」と語った“吉沢亮ありき“のプロジェクトで、1年半かけて歌舞伎を猛特訓。舞台のシーンも吹き替えなしで稀代の女形を演じ切った。
第43回「キングダム」で最優秀助演男優賞、第42回「リバーズ・エッジ」で新人俳優賞受賞。本作などで他に第99回キネマ旬報ベスト・テンと第80回毎日映画コンクール、第50回報知映画賞と第47回ヨコハマ映画祭、第38回日刊スポーツ映画大賞などの主演男優賞受賞
妻夫木聡「宝島」
戦後の沖縄で、米軍基地から物資を奪い、地元住民たちに分配する若者集団“戦果アギヤー”の一員だったが、のちに警察官となり、現実と自らの思いの狭間で葛藤、苦悩するグスク役。思い入れがあるという沖縄を舞台にした作品で、魂のこもった演技で強い印象を残した。また、本作の宣伝アンバサダーとして大友啓史監督と共に全国キャラバンを行い、約1万5000キロを移動。何度も舞台挨拶を行うなど、熱意と愛情をもって作品を届けた。
第46回「ある男」第34回「悪人」で最優秀主演男優賞、第40回「怒り」で最優秀助演男優賞受賞。他に優秀主演男優賞を3回、優秀助演男優賞を2回、第25回新人俳優賞受賞。本作で他に第68回ブルーリボン賞主演男優賞受賞
長塚京三「敵」
筒井康隆の小説『敵』を吉田大八監督がモノクロで映画化した本作で、フランス近代演劇史の元大学教授・渡辺儀助を監督たっての希望で演じ、12年ぶりの映画主演となった。妻亡き後、独り慎ましく暮らしていたが、「敵がやってくる」というメッセージを目にし、現実と夢が入り混じる。3人の女性に翻弄されるインテリの主人公を、フランス留学の経験があり、知的で、大人の色気漂う長塚がナチュラルに体現。ほぼ全シーンに登場し作品を牽引した。
第21回「瀬戸内ムーンライト・セレナーデ」で優秀主演男優賞初受賞。本作で他に第37回東京国際映画祭と第17回TAMA映画賞の最優秀男優賞受賞
松村北斗「秒速5センチメートル」
新海誠監督が2007年に発表した同名アニメーション映画を、写真家としても活躍する奥山由之監督が実写化した作品で、映画単独初主演を果たした。「すずめの戸締まり」(22)で声優を務め、新海監督に“最も信頼する俳優”と言わしめる松村が担ったのは、主人公・遠野貴樹役。18年後にまたここで会おう、と大切な人と交わした約束。その日がめぐってくることをきっかけに、過去と向き合い、一歩前に踏み出そうとする貴樹の心情を真摯に、繊細に演じている。
第46回「ホリック xxxHOLiC」で新人俳優賞と「すずめの戸締まり」「ホリック xxxHOLiC」で話題賞俳優部門受賞
山田裕貴「爆弾」
都内に仕掛けられているという爆弾の爆発を予言し始める正体不明の男・スズキタゴサクを取り調べる警視庁捜査一課の刑事・類家に扮した。もじゃもじゃヘアと丸眼鏡がトレードマークで、一見、飄々としつつも、その推理力は確か。タゴサクに「人を殺してみたいと思ったことがあるか?」と聞かれ「あるよ」と答えてしまう率直さ、図太さも持つ。モンスターのようなタゴサクにも引けを取らない、強烈なキャラクターを演じ、圧倒的な存在感を放っている。
第47回「BLUE GIANT」「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/ -決戦-」「キングダム 運命の炎」「ゴジラ-1.0」で話題賞俳優部門受賞
倍賞千恵子「TOKYOタクシー」
どうしましょう、震えてます(笑)。本当に嬉しいです。素晴らしい映画を一緒に作り上げた皆さんのおかげです。ここに山田洋次さんと相方の木村拓哉君がいないのが寂しいですが、木村君にもずいぶん力をいただきました。長くこの仕事をしてきましたが、また新たに私は映画というものを考え直しました。今日、皆さんのお話を聞いて、これからも映画を好きな皆さんと出会っていけたらいいなと思っておりますし、精進してまいります。
山田洋次監督作品には「下町の太陽」(63)で初出演して以来、「男はつらいよ」(69~19)シリーズの全50作品をはじめ数多く参加し、本作で7年ぶり70本目の出演となった。演じたのは終活中の老婦人・高野すみれ役。戦後の日本の歩みとともに、時に時代に翻弄されながら生き抜いた日々を、タクシー運転手相手に赤裸々に語る。凛とした佇まいが美しく、壮絶な過去を明かす口調は、時に清々しさすら感じさせる。さすがの存在感で、スクリーンで輝いた。
第4回「遥かなる山の呼び声」「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」で最優秀主演女優賞受賞。他に優秀主演女優賞を4回、主演女優賞と助演女優賞のノミネートを各1回、第6回で特別賞受賞
北川景子「ナイトフラワー」
「ミッドナイトスワン」(20)の内田英治監督が原案・脚本も担当した作品で、二人の子供を育てる貧しいシングルマザー・永島夏希を演じた。パートや夜の仕事で必死に稼いでいたが、金銭的にも精神的にも追い詰められ、ドラッグの売人を始めることに。愛情深い母親が、犯罪に手を染めざるを得なかった極限の心理状態がひしひしと伝わる熱演で見る者の胸を締め付けた。ナチュラルな関西弁でのまっすぐな感情表現も心に響く。
第41回「探偵はBARにいる3」で優秀助演女優賞初受賞。本作で他に第50回報知映画賞主演女優賞受賞
長澤まさみ「ドールハウス」
矢口史靖監督と11年ぶりのタッグで、5歳の長女を不運な事故で亡くし、娘に似た日本人形を愛でるようになる主婦・鈴木佳恵に扮した。次女が生まれ人形の扱いが疎かになるにつれ、身の回りで次々と変な現象が起きていく。もともと明るかった佳恵が笑顔を失い、悲しみや不安、恐怖で極限まで追い詰められていく様子を、振り切った演技で表現。観客の感情を大きく揺さぶって物語に引きこんだ。
第44回「MOTHER マザー」で最優秀主演女優賞、第43回「キングダム」第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で最優秀助演女優賞受賞。他に優秀主演女優賞を4回、優秀助演女優賞を1回、第28回話題賞、第27回新人俳優賞受賞
広瀬すず「遠い山なみの光」
ノーベル賞作家、カズオ・イシグロの長編小説デビュー作を石川慶監督が脚本・編集も務めて映画化した本作で、戦後まもない、1950年代の長崎で生きるヒロイン・悦子に扮した。自身の被爆を疑い、お腹の子供への影響に不安を感じている悦子は、どこかミステリアスで陰も感じさせるキャラクター。芯の強さと、相反する脆さも持ち合わせる悦子を抑えた演技で表現し、作品の世界観を見事に創り上げた。
第41回「三度目の殺人」で最優秀助演女優賞受賞。他に優秀主演女優賞を3回、優秀助演女優賞を2回、第39回で新人俳優賞受賞。本作などで他に第68回ブルーリボン賞と第47回ヨコハマ映画祭と第38回日刊スポーツ映画大賞などの主演女優賞受賞
松たか子「ファーストキス 1ST KISS」
『カルテット』(TBS/17)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(CX/21)など、坂元裕二脚本のTVドラマへの出演経験はあるが、映画は本作が初。事故で夫を亡くすも、過去へタイムトラベルする術を手に入れ、自分と出会う前の若き日の夫・硯駈と恋に落ちる硯カンナ役をチャーミングに演じた。夫が事故で死ぬ未来をなんとか回避しようと一生懸命な姿もいとおしく、駈だけでなく、観客をも虜にした。
第33回「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」で最優秀主演女優賞、第36回「夢売るふたり」第34回「告白」第28回「隠し剣 鬼の爪」で優秀主演女優賞、第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で優秀助演女優賞受賞
佐藤二朗「爆弾」
これは泣くなあ。正直僕はここ最近、日本映画を見ていませんでした。嫉妬を感じるから。でも去年初めてこの場に出席して、俳優仲間みんなが日本映画を応援しているのを感じて小さい自分が恥ずかしくなった。それからたくさんの日本映画を見て、なんて闘う価値がある場所なんだろうと心から思いました。日本映画に携わるみんな、日本映画を愛するみんな、愛するほどでなくてもたまに見るぜっていうみんな、愛してるぜ! 今夜はいい夜だ、ありがとう‼
暴行容疑で警察に連行され、取調室にて「10時ぴったりに秋葉原で何かある」と予言。その後も爆発を次々と予告し、刑事らを翻弄する得体のしれない中年男・スズキタゴサクを怪演。ほとんどの出演シーンが、密室内で座っての演技となったが、緩急を自在に操る独特のセリフ回しで場を支配。謎解きの質問や過激な発言で相手を挑発していく。一瞬たりとも目が離せない、その存在自体がこの作品における一つのエンターテインメントとなっている。
第48回「あんのこと」で優秀助演男優賞初受賞。本作で他に第99回キネマ旬報ベスト・テンと第68回ブルーリボン賞と第50回報知映画賞の助演男優賞、第80回毎日映画コンクール助演俳優賞受賞
田中泯「国宝」
日本舞踊や歌舞伎の表現を一から学び、当代一の女形で人間国宝の小野川万菊を演じた。芸に全てを捧げ、その道を極めた万菊のオーラ、異質な存在感を見事に表現。鋭い眼光やセリフの一言一言に凄みを持たせ、劇中で披露する歌舞伎『鷺娘』は人間離れした美しさで見る者の目を釘付けにする。唯一無二のダンサーとして半世紀以上にわたり世界を舞台に活躍する田中だからこそ体現できた万菊が強烈な印象を残した。
第26回「たそがれ清兵衛」で最優秀助演男優賞と新人俳優賞受賞。本作で他に第47回ヨコハマ映画祭と第38回日刊スポーツ映画大賞の助演男優賞受賞
松村北斗「ファーストキス 1ST KISS」
松たか子演じる硯カンナの夫・硯駈に扮した。45歳のカンナがタイムスリップした先で出会う、若き日の駈は、マイペースで、カンナに負けず劣らずユニークでチャーミング。年の差を全く感じさせず、運命的に惹かれ合う様子を、松たか子との息もぴったりに絶妙な温度感で演じている。一方、カンナと離婚寸前の45歳の駈は、過ぎた年月を感じさせる、年相応の落ち着きが備わった佇まい。どちらの駈にも説得力を持たせる緻密な演技で作品に貢献した。
第46回「ホリック xxxHOLiC」で新人俳優賞、「すずめの戸締まり」「ホリック xxxHOLiC」で話題賞俳優部門受賞
横浜流星「国宝」
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎の息子・大垣俊介役。「流浪の月」(22)に続く李相日監督作品への出演で、歌舞伎を1年半にわたり猛特訓して撮影に臨んだ。将来を約束された御曹司のはずが、女形として共に切磋琢磨してきた喜久雄に居場所を奪われ、葛藤する。喜久雄の生涯のライバルであり、友である俊介の壮絶な人生を体当たりで演じ、濃厚な人間ドラマに奥行きを与えている。
第48回「正体」で最優秀主演男優賞、第46回「流浪の月」で優秀助演男優賞、第43回「愛唄 -約束のナクヒト-」「いなくなれ、群青」「チア男子!!」で新人俳優賞受賞
渡辺謙「国宝」
「許されざる者」(13)「怒り」(16)に続く李相日監督作品への出演で、歌舞伎の名門の当主で看板役者の花井半二郎を演じた。極道の息子だった喜久雄の女形の才能を見初めて育てあげ、後継に選ぶが、実の息子・俊介とは疎遠に。血筋よりも命よりも芸を優先する、半二郎の役者としての矜持、スターと呼ぶにふさわしい華やかな佇まい、その裏にある孤独と苦悩を、卓越した演技力で表現。作品を力強く支えている。
第33回「沈まぬ太陽」第30回「明日の記憶」で最優秀主演男優賞、第44回「Fukushima 50」で最優秀助演男優賞受賞。他に優秀主演男優賞を1回、優秀助演男優賞を3回受賞
森田望智「ナイトフラワー」
信じられない気持ちです。俳優の仕事がなくて辞めることも考えていた大学生の頃、蒼井優さんが最優秀主演女優賞受賞時(第41回)に「映画は本当に素敵なものだから、ぜひ映画界に来てください」とおっしゃったのをTV放送で見て、もう少し頑張ってみようと背中を押された一人です。あの時の自分に諦めないでありがとうと言ってあげたいし、今めげそうになっている誰かの背中を少し押してあげられるような日になっていたらいいなと思っています。
総合格闘家で、夜は風俗嬢として働く芳井多摩恵役。北川景子扮するシングルマザーの夏希と出会い、彼女がドラッグを売る際のボディーガードとして手を組む。半年以上にわたる格闘技の特訓と食事管理で7キロも体重を増やすなど、徹底的な肉体改造を行い、激しいアクションもすべてノースタントで、気迫に満ちた演技を披露。孤独だった多摩恵が夏希やその子供たちと過ごすことで表情が変わっていく様子も巧みに演じた。
本作で新人俳優賞と共に初受賞。本作で他に第68回ブルーリボン賞と第50回報知映画賞の助演女優賞受賞
蒼井優「TOKYOタクシー」
山田洋次監督作品への出演が6度目となる本作で、若き日の高野すみれ役を担った。キラキラした初恋から、切ない別れ、別の男性との結婚、子供と自分への家庭内暴力と、とある衝撃の出来事まで。倍賞千恵子演じる85歳のすみれがタクシー運転手に明かす、人生のターニングポイントとなったエピソードのそれぞれで、感情豊かにすみれを演じ、物語に貢献。すべてを糧にして生きる今のすみれに、バトンを渡している。
第41回「彼女がその名を知らない鳥たち」で最優秀主演女優賞、第30回「フラガール」で最優秀助演女優賞と新人俳優賞、第37回「東京家族」第34回「おとうと」第30回「男たちの大和/YAMATO」で優秀助演女優賞受賞
高畑充希「国宝」
喜久雄の幼馴染で、彼を追って長崎から大阪へやってくる福田春江を可憐に演じた。喜久雄と俊介と共に激動の数十年に寄り添い、見守っていく。喜久雄のことが好きだったが、静かに身を引き、歌舞伎の名門の血筋でありながら喜久雄に居場所を奪われた俊介を傍で支えることを選ぶ。自らの思いは心の内に秘め、健気にふるまう春江の人となりや切ない思いを繊細に丁寧に表現し、作品を彩っている。
第43回「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」で優秀助演女優賞、第40回「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」で新人俳優賞受賞
寺島しのぶ「国宝」
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎の妻で、息子・俊介の母親である大垣幸子役。夫が女形として見初め、家に引き取った喜久雄が、俊介を差し置いて半二郎の名跡を継ぐことにいら立ちを隠せない。毅然とした佇まいの裏にある複雑な感情を熟練の演技で魅せた。
一門を支える女将・幸子を実際に歌舞伎の名門に生まれ、人間国宝の血を引く寺島が演じたことで作品により一層のリアリティをもたらし、高みに導いている。
第27回「赤目四十八瀧心中未遂」で最優秀主演女優賞、第34回「キャタピラー」第31回「愛の流刑地」で優秀主演女優賞、第36回「ヘルタースケルター」第29回「東京タワー」で優秀助演女優賞受賞
森七菜「国宝」
歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘で、喜久雄を慕う彰子を演じた。無邪気に輝く笑顔が印象的な若き日の彰子は、喜久雄への好意もわかりやすく真っすぐで、彰子の血筋にすがろうとした喜久雄と結ばれる。歌舞伎の表舞台に戻れず、落ちぶれた喜久雄がどん底の時期にあっても、その傍を離れず、献身的に寄り添う、芯の強い女性を好演。言葉にせずとも、陰りを増していく表情がその心情を雄弁に伝える。確かな演技で、鮮烈な印象を残した。
第44回「ラストレター」で新人俳優賞受賞
原 摩利彦「国宝」
李相日監督と杉田寿宏音楽プロデューサーと、京都で40日間に渡る合宿を経て、みっちり作り上げました。辛抱強く待ってくださってありがとうございます。僕を映画音楽の世界に誘ってくれた録音の白取貢さんや素晴らしい演奏家の方たちにも恵まれ、音の質感や音色を追求して、この音楽は生まれました。
初受賞。本作で他に第80回毎日映画コンクール音楽賞受賞
岩崎太整「TOKYOタクシー」
茶道には“一期一会”という言葉がありますが、私はこの映画を通してその真意に触れたような気がします。山田監督をはじめ、皆様と本作のストーリーにも通じるような、二度と戻らない豊かな時間を共有できたことは、私にとって生涯の宝となりました。その締めくくりとして、このような賞をいただけたことを大変嬉しく思います。
第45回「竜とそばかすの姫」で最優秀賞、第35回「モテキ」で優秀賞受賞
佐藤直紀「宝島」
このたびは、優秀音楽賞を賜り、誠に光栄に存じます。数々の素晴らしい作品と並んで評価いただき、身の引き締まる思いです。「宝島」に携わった関係者への感謝とともに、作品を受け取ってくださった皆さまに御礼申し上げます。併せて、音楽制作を支えてくれたスタッフ、演奏家に深謝いたします。
第29回「ALWAYS三丁目の夕日」で最優秀賞、第44回「罪の声」第40回「海賊とよばれた男」第38回「永遠の0」第31回「ALWAYS 続・三丁目の夕日」で優秀賞受賞
日向 萌「366日」
今回の賞は、皆様に愛されているHYさんの楽曲と、作品に携わるすべての関係者の皆さまと共に受賞したものだと、心から感じております。このような機会をいただけましたことに、深く感謝申し上げます。
初受賞
Yaffle「爆弾」
やったー! 嬉しいです。永井組が作り上げた映像とストーリーに導かれるままクオリティーを研いでいったら、スズキタゴサクという、底知れぬ存在に立ち向かう、悲しみを抱えた者たちのための怪獣映画音楽のような仕立てになりました。この映画のために集めた最高の音楽チーム、支えてくれた家族と一緒にこの賞を分け合いたいと思います。
初受賞
ソフィアン・エル・ファニ「国宝」
由緒ある映画賞を受賞できて光栄です。素晴らしいスタッフ・キャストの皆さんが僕を受け入れてくれ、いつもホームのように感じて仕事ができました。僕は戦争がたくさん起きている地球の反対側に住んでいます。正義、平和、人権、地球へのリスペクトがある世の中と良い未来を一緒に映画で目指しましょう。
初受賞。本作で他に第80回毎日映画コンクール撮影賞受賞
今村圭佑「秒速5センチメートル」
撮影の賞というのは映画の中に映ってくれた全てのものの賞だと思います。僕より前を作ってくれる全ての皆さんありがとうございます。その中でもこの作品は光や風や雲や鳥や自然にとても愛された作品だと思います、いつもありがとうございます。これからも宜しくお願いします、精進しますので。
初受賞
近藤哲也「爆弾」
この度は素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。監督をはじめ俳優部、スタッフの皆さん本当にお疲れ様でした。「爆弾」を撮影させて貰えたことに心から感謝です。今回の受賞を励みに、これからも良い作品作りができるように精進していきたいと思います。
初受賞
相馬大輔「宝島」
この作品に込めた想いが誰かに届いた、と思って受賞を喜んでいます。スタッフ一同、衝動を描こうと努力した結果が報われました。これを機に、今後も誰かの心に残る「宝島」になればと願ってます。
第48回「ゴールデンカムイ」で優秀賞受賞
近森眞史「TOKYOタクシー」
2020年頃から日本国内に導入が始まったLEDウォール。無責任に知人に使用を勧めたりしていたのだが、まさか経験不足の自分がバーチャルプロダクションでの撮影に挑戦することになるとは思っていなかった。上手く行っていない部分もあるにも関わらず、受賞する事ができて有難い事です。
第47回「こんにちは、母さん」第45回「キネマの神様」第44回「男はつらいよ お帰り 寅さん」第41回「家族はつらいよ2」第40回「家族はつらいよ」第39回「母と暮せば」第38回「小さいおうち」第37回「東京家族」第34回「おとうと」で優秀賞受賞
中村裕樹「国宝」
撮影監督のソフィアンと僕のコラボレーションは、彼の素晴らしい技術と人格により、円滑に撮影を進めることができました。ソフィアンに感謝します。そして、優しい優しい李相日監督による毎回ハードルの高い目標への挑戦に、並走する僕たちも進化できたことに対しても、感謝したいと思います。
第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で最優秀賞、第46回「流浪の月」第40回「怒り」第36回「あなたへ」第29回「北の零年」「春の雪」第20回「スワロウテイル」第17回「水の旅人 侍KIDS」「はるか、ノスタルジィ」で優秀賞受賞
上野甲子朗「秒速5センチメートル」
この度は照明賞を頂き大変光栄に思います。充実した環境で撮影に参加させて頂けた事を感謝します。今後も映画に貢献できるよう精進してまいります。
第48回「正体」で優秀賞受賞
溝口 知「爆弾」
沢山ライト使って大規模なナイター照明を作る時もあれば、シンプルに役者の表情を繊細に描写するべき時もある。リアリティが大切な時、ファンタジーを爆発させる時、いつもドキドキさせてくれる照明という職業が大好きです。携わっていただいた全ての照明メンバーの皆様のおかげです。
初受賞
永田ひでのり「宝島」
全てのスタッフキャストはもちろん、全ての沖縄に対して!
にふぇーでーびる、にふぇーでーびたん!
第30回「わが母の記」で優秀賞受賞
土山正人「TOKYOタクシー」
見習いで入った現場で、山田洋次監督と倍賞千恵子さんと出会ってから40年が過ぎました。「TOKYOタクシー」でこの賞を頂けると聞いたとき、これまでの思い出が蘇り、久々に大船撮影所の夢も観ました。先輩や仲間、家族・友人によい報告ができます。LEDウォールでの撮影は大変でしたが、映画は基礎の上で常に進化してゆくのだと改めて感じました。
第47回「こんにちは、母さん」第45回「キネマの神様」第44回「男はつらいよ お帰り 寅さん」で優秀賞受賞
種田陽平/下山奈緒「国宝」
「国宝」チームのトップバッターみたいで塁に出なきゃとの気持ちでした(笑)歌舞伎の大道具さん、京都の撮影所の皆さん、我々東京のスタッフ、皆の力をあわせて良い作品になりました。[種田陽平]
映画の世界に導いてくれた種田陽平さんと携わってくださったスタッフ皆さんのおかげです。[下山奈緒]
種田:第33回「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」で最優秀賞、第37回「清須会議」第35回「ステキな金縛り」第34回「悪人」第32回「ザ・マジックアワー」第30回「フラガール」「THE 有頂天ホテル」第22回「不夜城」第20回「スワロウテイル」で優秀賞受賞。下山:初受賞。共に本作で他に第80回毎日映画コンクール美術賞と第47回ヨコハマ映画祭特別大賞受賞
杉本亮/岡田拓也「爆弾」
杉本:この受賞は、画作りに関わった全てのスタッフの功績です。作品が多くの方に届いたことが何よりも嬉しく、関わってくれた皆さんに感謝しています。
岡田:このお話をいただいて、最初に台本を読んだ時の緊張感は、今でもよく覚えています。その中で自然と浮かんできたイメージを、皆で話し合い、探りながら撮影していた時間だったのではないかと思います。いつも支えてくださっている皆様に、心より感謝しております。
杉本:第37回「許されざる者」第34回「悪人」で優秀賞受賞 岡田:初受賞
西村貴志「TOKYOタクシー」
東京の街並みを背景に、すみれという一人の女性を通して、昭和から令和の時代をどのように表現していくのか。物語の展開に合わせて、リアリティの中にファンタジーの要素が感じられる舞台を創りたいと考えました。馴染み深い先輩方や、新たに山田組に参加する若いスタッフと共に、充実した時間を過ごさせていただきました。
第47回「こんにちは、母さん」第45回「キネマの神様」第42回「空飛ぶタイヤ」で優秀賞受賞
花谷秀文「宝島」
このたび「宝島」で日本アカデミー賞優秀美術賞を頂戴し、心より光栄に存じます。キャスト・スタッフ全員が心血を注ぎ、細部まで挑み続けた成果が評価されたことを、何よりの喜びとして受け止めています。支えてくださった皆さまに深く感謝します。
第39回「海難1890」で最優秀賞、第34回「大奥」で優秀賞受賞
松﨑宙人「室町無頼」
私の軸とする時代劇でこのような賞をいただき、驚きと喜びを噛み締めています。あまり描かれることのない室町時代でしたが、美術・VFXチームと共に、奇を衒わないリアルな世界を構築できたと実感しております。この賞を励みに、これからも映画作りに精進して参ります。
初受賞
白取貢「国宝」
久々に皆さんとお会いでき、こんなご褒美までいただき感謝感激です。音のことで言うと、原摩利彦さんの劇伴と歌舞伎の音源のシームレスな融合でお客様を物語に惹きこめたことが、多くの方に見ていただけた要因の1つかなと。これからも世界に立ち向かえる映画を音の立場から頑張っていきます。
第40回「怒り」第34回「悪人」第33回「ディア・ドクター」第30回「フラガール」で優秀賞受賞。本作で他に第80回毎日映画コンクール録音賞受賞
石貝 洋「爆弾」
このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に存じます。監督やプロデューサー、現場のスタッフも勿論のことですが、音響効果の北田雅也氏をはじめとした最終的なミックス作業で共鳴共闘した方々全ての人にこの賞の栄誉があると思っております。
初受賞
田辺正晴「366日」
撮影に向かう朝、いつも『366日』を聴きながら家を出ていました。曲と物語に寄り添えるような音を意識して仕上げました。映画の音は録音部だけではなく、監督をはじめすべての現場スタッフと仕上げスタッフ、そして俳優部によって作られるものだと思っています。
初受賞
長村翔太「TOKYOタクシー」
優秀録音賞を賜り、誠にありがとうございます。VP(バーチャルプロダクション)撮影は初めての経験で、試行錯誤の連続でした。俳優の皆様のお芝居のニュアンスを可能な限りそのままお届けできるよう努めました。
第47回「こんにちは、母さん」第45回「キネマの神様」で優秀賞受賞
湯脇房雄「宝島」
撮影現場はとても、とても、大変でした。でも、制作部、演出部、撮影部、照明部、美術部、衣装部、メイク部、etc,全てのスタッフが超一流の凄い人々で、撮影現場は凄く楽しかったです。録音部も本当に助けてもらいました。チーフ庄司寿之、セカンド德永芽依、サード川上翔生。とても良い助手達、本当に良い録音が出来ました。
仕上げ部、音響効果、勝俣まさとし氏、選曲、石井和之氏、東宝スタジオポスプロの関係者、作品に寄り添ったとても良い音になりました。ありがとうございます。
初受賞
今井剛「国宝」
僕は第25回の「GO」以来、24年ぶりで2度目の最優秀賞を受賞しました。非常に貴重な賞をいただけたことを、その重みと共に実感しています。「国宝」チームに参加できて本当に良かったです。皆さんに力をいただいたことによっての“最優秀”だと思っています。
本当にありがとうございました。
第25回「GO」で最優秀賞、第48回「キングダム 大将軍の帰還」第43回「キングダム」第40回「怒り」第34回「悪人」第30回「フラガール」第29回「北の零年」「春の雪」第28回「世界の中心で、愛をさけぶ」で優秀賞受賞
杉本博史「TOKYOタクシー」
すみれさんたちと宇佐美タクシーに乗車しているかのような感覚を味わっていただくために、実景の入れどころやテイクなど、皆で試行錯誤し丁寧に重ねました。それが上手く伝わったのではないかなと思っております。私を信じて任せて下さった山田監督。そして、最高の素材を届けてくださった多くのスタッフの皆様に、深く感謝申し上げます。今後も映画業界の発展に貢献できるように頑張ります。
第47回「こんにちは、母さん」で優秀賞受賞
瀬谷さくら「8番出口」
「8番出口」はシンプルな構成だからこそ編集が難しく、試行錯誤の連続でした。観客の方に楽しんでもらえる作品になってほしいという思いで精一杯編集したので、このように評価していただけたこと大変嬉しく、光栄に思います。本作に関わったすべての皆さま、ご覧くださった皆さまに心より感謝申し上げます。
初受賞
西尾光男「ファーストキス 1ST KISS」
初夏の折、撮影された素材を受け取り、観客がずっと観ていたいと思えるような映画になればと意気込んだことを思い出します。長年の目標でもあったこの賞をいただけたこと、大変光栄に思います。
初受賞
二宮 卓「爆弾」
「爆弾」は取調室という狭い空間で物語の軸が進む少し特殊な形でしたが、全てのシーンが現場スタッフ、キャストの創意工夫と熱意が満ち溢れる素材ばかりで、編集もそれに応えるべくとてもやりがいのある毎日でした。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
初受賞
教皇選挙
投票していただいた日本アカデミー賞会員の皆様、本作の公開に携わったスタッフの方々、本当にありがとうございます。この賞をいただけて幸せです。原題の“ C O N C L AV E ”は、日本語の“根競べ”と間違われるかもしれないため、この邦題をつけさせていただきました。まだ見ていない方もいらっしゃると思いますので、これを機に是非見ていただきたいです。今後もいろんな作品を送り出していきますので、よろしくお願いいたします。[木下直哉/キノフィルムズ代表取締役社長]
完全秘密主義でベールに覆われた、カトリックの最高指導者の新教皇を決める神聖な選挙戦“コンクラーベ”の内幕を描くロバート・ハリスの小説を映画化したミステリー。ローマ教皇が急逝し、新教皇選出のため世界各国から高位聖職者の枢機卿がバチカンに集結。スキャンダルや陰謀の発覚で有力候補が脱落し、4回の投票でも必要票数獲得者がいない混戦の中、3日目の投票中に大事件が勃発する。疑惑や野心が渦巻き、政治的駆け引きで情勢がめまぐるしく変化して混迷する選挙戦は、外部から隔離された密室の閉塞感やレイフ・ファインズら名優たちの絶妙なアンサンブルと相まってスリリング。現代社会の縮図のようでもあり、衝撃の結末まで目が離せない。第97回米アカデミー賞脚色賞、第82回ゴールデングローブ賞脚本賞、第78回英国アカデミー賞で作品賞と英国作品賞などを受賞。
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
かつて香港・九龍に存在した巨大スラム街・九龍城砦が舞台のアクション巨編。80年代、香港へ密入国したチャン・ロッグワンは、裏社会のルールを拒んで組織に追われ、運命的に九龍城砦へ逃げ込む。そこで信頼できるリーダーや仲間と出会うも、過去の因縁が黒社会の覇権争いを激化させてしまう。ルイス・クー、サモ・ハン、アーロン・クォックら香港映画界のレジェンド豪華俳優陣が集結。日本からアクション監督に谷垣健治、音楽に川井憲次も参加。約10億円を投じた迷宮のような九龍城砦のセットで繰り広げられる激闘と友情が胸熱で、社会現象的に香港で大ヒット。日本でもSNSや口コミで話題を呼んでロングランし、香港映画で久々のヒット作となった。第43回香港電影金像奨で作品賞を含む9部門で最優秀賞、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀監督賞などを受賞。
ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
トム・クルーズが極秘諜報組織IMFのエージェントを演じる大人気スパイアクションシリーズの第8弾。人工知能エンティティによる世界崩壊の危機が近づく中、エンティティの破壊を目指すイーサン・ハントは、ソースコードが眠る潜水艦を探すため、仲間のバックアップを信じて単独で危険な賭けに出る。監督は5作目から続投し、「トップガン マーヴェリック」(22)の脚本なども含めトムとは11本目のクリストファー・マッカリー。シリーズとしても、96年の1作目が初プロデュースだったトムとしても、培ってきた全てを注ぎ込んだ集大成的作品で、物語もシリーズ全てを包括しつつ、単独でも楽しめるよう制作。小型飛行機にしがみつく空中スタントや燃えるパラシュートでの降下スタントなど、深海から大空までを舞台にした大スケールの危険なアクションをトム自身が実演した超大作。
ワン・バトル・アフター・アナザー
世界3大映画祭で監督賞を制覇した唯一の監督、ポール・トーマス・アンダーソンの長編10作目。革命家のボブは妻の逮捕で戦いから離れ、最愛の娘と平凡で冴えない日々を過ごしていたが、16年後、因縁深い変態軍人に居場所がバレて襲われる。パニックに陥りつつも逃げたボブは、さらわれた娘を救うべく闘争心を取り戻し、再び戦いに身を投じる。レオナルド・ディカプリオ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロらオスカー俳優が共演。ヒッピーの元革命家を主人公に、クライムアクション、スリラー、コメディ、社会問題など様々な要素を交えて親子の物語を描く。クライマックスの丘陵地帯のカーチェイスまで162分全編に監督の創意工夫が溢れ、第60回全米映画批評家協会賞で作品賞を含む4部門受賞など多数の映画賞を獲得。第98回米アカデミー賞でも12部門13賞にノミネート。
F1®/エフワン
ブラッド・ピットが「トップガン マーヴェリック」の監督&プロデューサーと組んだ、モータースポーツの最高峰が舞台の超大作レース映画。天才と呼ばれたルーキー時代のクラッシュでF1から離れ、様々なレースを渡り歩いていたベテランレーサーが、どん底チームのオーナーに請われてF1に復帰。当初は混乱や衝突を生むも、彼の常識破りの作戦や豊富な経験値は、伸び悩んでいたルーキーレーサーやチームメイトに化学変化を起こし、勝てるチームに変えていく。現役トップレーサーのルイス・ハミルトンが製作に参加し、F1界も全面協力。本物のレーシングカー&サーキットで撮影されたリアリティ溢れるレースシーンの没入感と、地位や名声よりもただ走ることに魅入られたレーサーたちの熱い物語は、F1ファン以外も虜にした。第98回米アカデミー賞では作品賞など4部門にノミネート。
河内大和「8番出口」
この場に僕がいることこそ最大の“異変”ですが(笑)、この歳で偉大な賞をいただき、まだまだ新人として頑張れるんだと背中を押してもらえた気持ちです。強烈なコンプレックスを感じて生きてきた自分の個性が、今は勇気を与えてくれるものだと強く感じています。
大学の演劇研究部などを経て、00年の舞台『リチャード三世』で本格的に俳優デビュー。シェイクスピア作品を中心に多数の舞台で活躍。13年からは“G.GARAGE///ジーガレージシェイクスピア道カンパニー”を主宰し、企画・演出も手掛ける。23年の『VIVANT』(TBS)でTVドラマ初出演。本格的な初出演映画の本作で演じた“歩く男”は、規則的な動きを正確に繰り返す不気味な芝居が、作品の緊迫感を生むと共に世界観を支える役割も担い、その強烈な存在感は一躍注目を集めてブレイクした。
白山乃愛「秒速5センチメートル」
約3年前にお仕事を始めて経験を重ねるうちに、お芝居の楽しさと同時に難しさも感じるようになりましたが、上手く表現できず悔しい時でも不思議とワクワクしている自分がいて、この先も続けたいと強く思いました。成長してまた戻ってこられるように頑張ります。
【受賞者紹介】
22年の第9回『東宝シンデレラ』オーディションで、史上最年少の10歳3カ月でグランプリを受賞。23年の初出演TVドラマ『Dr.チョコレート』(NTV)のヒロインとなる天才外科医少女役で注目される。24年の「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」で映画初出演。本作では、ヒロイン・篠原明里(高畑充希)の小学生から中学生までを演じ、明るさの中にも孤独を抱えた繊細な芝居で、作品の根幹となる主人公・遠野貴樹の淡くて切ない初恋の印象を深めた。25年は他に声優を務めた「果てしなきスカーレット」がある。
中島瑠菜「TOKYOタクシー」
まだ少し信じられない気持ちでこの場にいます。この賞は私にはまだ少し早いんじゃないかとの気持ちも正直ありました。まだまだ頑張りたいし成長したいと、ずっと思っています。いつかまたこの場所に自信をもって戻ってこられるように、頑張りたいと思います。
21年の『松竹 JAPAN GP GIRLS CONTEST』で約1万人の中からグランプリを受賞。22年のTVドラマで女優デビュー。23年の「なのに、千輝くんが甘すぎる。」で映画初出演。本作では、タクシー運転手・宇佐美浩二の愛娘で音大付属高校進学を目指す奈菜を演じた。両親とも仲の良いティーンエイジャーを明るく奔放に演じ、浩二が働く原動力となる愛らしさを醸し出した。25年は他に初主演映画「蔵のある街」や「水の中で深呼吸」「レイニーブルー」などがあり、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にも出演。
坂東龍汰「爆弾」
この映画で一生に一度の新人賞をいただき心から嬉しいです。僕の所属事務所名は鈍牛倶楽部なので、これからも牛歩のごとく一歩一歩ゆっくり着実に成長し、映画という素晴らしい芸術に誠心誠意向き合っていきます。現場でお会いした時は、よろしくお願いします。
17年にTVドラマで俳優デビューし、22年の初主演映画「フタリノセカイ」で第32回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞。本作では、刑事になる野心をみなぎらせ、街中で爆弾捜索に奔走する交番勤務の巡査長・矢吹を演じ、直接的に爆弾に対峙する緊張感と躍動感ある芝居が、緊迫した取調室での静かな闘いとのコントラストを生み出した。25年は他に主演映画「君の忘れ方」や「雪の花 -ともに在りて-」「ルノワール」と、洋画の吹替版で主演声優を務めた「ヒックとドラゴン」がある。
松谷鷹也「栄光のバックホーム」
大好きな横田慎太郎さんと向き合った時間を評価していただき、本当に嬉しいです。無名の僕を主役に抜擢してくださった皆様、映画を見てくださった皆様、そしてここまで連れてきてくれた慎太郎さん、本当にありがとうございます。これからもそばにいてください。
16年に俳優デビュー。本作の秋山純監督の下で製作や助監督など現場の修業を積むと共に、元プロ野球選手の父を持つ元高校野球児の経歴や体格などの共通点も多かったことから、主人公の元阪神タイガースの横田慎太郎さん役に抜擢される。生前の横田さんの入院先に通って親交を深め、社会人野球チームで野球の練習にも励み、横田さん本人のグラブを借りて劇中の“奇跡のバックホーム”をリアルに再現。闘病中の姿まで生き写しのような魂を込めた熱演を見せた。本作で第50回報知映画賞新人賞も受賞。
見上 愛「国宝」
私がこの仕事を始めようと思うきっかけになった親友の河合優実が司会の年に同じ場に立てて嬉しいです。この作品で良い現場の一つの答えを見た気持ちがしましたし、そういう現場で作られた作品は、必ず観客の方々の心を揺り動かすのだと確信しました。
演出家を目指して大学に進学しつつ、ワタナベエンターテインメントの養成所で演技も学び、19年のTVドラマで女優デビュー。20年「星の子」で映画初出演。21年のTVドラマ『きれいのくに』(NHK)で注目される。本作では、主人公・立花喜久雄の才能をいち早く見抜き、婚外子をもうける京都・花街の芸妓・藤駒を演じた。日本舞踊や三味線、芸妓の所作などの稽古にも励み、品と艶の中に強さと儚さも併せ持つ芸妓の10代から30代までを体現した。25年は他に「かくかくしかじか」がある。
森田望智「ナイトフラワー」
子どもの頃にかっこいい大人たちが作る映画の撮影現場を見て、その中に入りたいと思いました。今日は憧れていた扉の門を叩けたような気持ちでいっぱいです。まだまだ新人で一番できないからもっと頑張ろうと、ずっと思い続けられる人間になっていきたいです。
11年のCMで女優デビュー。19年配信のNetflixドラマ『全裸監督』のヒロイン役で注目される。本作では、夜は風俗嬢として働く格闘家で、主人公のボディーガードとなる芳井多摩恵を演じた。クランクインの半年前から徹底的な食事管理と格闘技の訓練を重ね、格闘シーンもすべて本人が実演。孤独な女性が命懸けで試合に挑む姿に迫真のリアリティを与えた。本作で優秀助演女優賞と第68回ブルーリボン賞や第50回報知映画賞の助演女優賞も受賞。25年は他に「火喰鳥を、喰う」がある。
小川久美子【衣裳デザイナー】
飽きずに面白がって続けられる仕事をしたいと思ってきましたが、衣裳の仕事はまさにそれがすべて詰まった楽しい仕事です。でも続けるうちに奥の深さもわかると悩みも生まれるので、この受賞が本当に励みになって嬉しいです。若い人たちのためにも、いつか衣裳デザイン賞を作っていただけたら嬉しいです。
映画の中での衣裳の役割を小川さんは「人物のキャラクター像と時代の変遷を表現すること」、そして「画面の色彩構成が大事であり、色で人物像を描き分けること」と語る。同時に「衣裳の計算が前に出すぎて、観客の鑑賞の妨げになるのを避けたい」とも語り、映画全体へのそうした心遣いが数多くの名作の奥行きを広げている事は間違いない。福岡県出身の小川さんは、CMスタイリストを経て、デビュー当時の薬師丸ひろ子の写真集のスタイリングを手掛けたことが縁になり、相米慎二監督「セーラー服と機関銃」(81)で映画の衣裳デザイナーとしてデビュー。主演の薬師丸が劇中で着用したセーラー服は、同作のアイコンとなる。監督の演出意図を正確に汲み取り、時代背景を巧みに表現するデザイン力は高く評価され、「ナビィの恋」(99) 「血と骨」(04) 「大奥」(10) 「紙の月」(14) 「岸辺の旅」(15) 「すばらしき世界」(21)などを担当。「キル・ビルVol.1,2」(03~04)では、ヒロインの黄色いジャンプスーツを手掛け、世界的な評判となる。李相日監督とは「悪人」(10)以後も、「怒り」(16) 「流浪の月」(22)でコンビを組み、「国宝」(25)の大ヒットにも衣裳を通して大きく貢献した。
黒澤和子【衣裳デザイナー】
衣裳を通して、その登場人物の内面や時代背景を大胆かつ繊細に表現するために、黒澤さんは普段から「その時代に、どんな素材や色の着物を身につけていたのか、地域や身分の上下によってどう違うのか、飛鳥時代から幕末まで時代考証し、資料を収集する」という。そうした弛みない努力が映画作りの根幹を支え、観客に豊饒な世界を提供し、楽しませることにつながっているのだろう。黒澤さんは父・黒澤明監督の進言で、「夢」(90)から、ワダエミ率いる衣裳部へ入り、「八月の狂詩曲」(91)「まあだだよ」(93)まで黒澤組の衣裳を担当。山田洋次監督「たそがれ清兵衛」(02)「隠し剣 鬼の爪」(04) 「武士の一分」(06)、小泉堯史監督「雨あがる」(00) 「阿弥陀堂だより」(02) 「博士の愛した数式」(06) 「峠 最後のサムライ」(22)、熊井啓監督「海は見ていた」(02)、北野武監督「座頭市」(03) 「アウトレイジ」シリーズ(10~17) 「首」(23)、是枝裕和監督「歩いても 歩いても」(08) 「そして父になる」(13) 「海よりもまだ深く」(16) 怪物」(23)など、日本映画界を代表する多くの監督たちとタッグを組み、「万引き家族」(18)では第69回芸術選奨文部科学大臣賞(映画部門)を受賞した。
新藤次郎【プロデューサー】
一緒に仕事をする仲間から推薦され表彰していただけることが、どれだけ光栄なことかを今、実感しています。50年以上たくさんの映画に関わってきましたが、プロデューサーがこうして公に褒めていただける機会はほぼありません。できたら陽の目を浴びる職種になればいいなと思っております。
長年にわたり数々の優れた名作を製作、プロデュースしてきた。その功績は日本映画の豊かさとその多様性を体現するものとして高く評価されている。その足跡は、日本大学藝術学部在学中から、父・新藤兼人監督作品を中心に、独立プロ作品のスチールを担当したことから始まり、79年からは三船プロダクションで『大江戸捜査網』(TX)のプロデューサーとして、撮影現場を統括する。「ブラックボード」(86)から近代映画協会のプロデューサーとなった後、近代映画協会代表取締役に就任。「午後の遺言状」(95) 「生きたい」(99)「 三文役者」(00) 「折り梅」(02) 「雨鱒の川」(04) 「サヨナラCOLOR」(05) 「転がれ!たま子」(06) 「石内尋常高等小学校 花は散れども」(08) 「パートナーズ」(10) 「島々清しゃ」(17)などの作品を手掛け、97年から23年までは26年間にわたり日本映画製作者協会の代表理事も務め、業界の発展と後進の育成に尽力する。また、同協会では96年より最優秀新人監督賞として新藤兼人賞を設立。12年に「一枚のハガキ」(11)で第62回芸術選奨文部科学大臣賞(映画部門)、及び第31回藤本賞を受賞した。
西田忠光【組付大道具】
今日はありがとうございました。これで終われる感じがします。皆さん、どうか映画を目一杯楽しんでください。映画で得られる喜びを存分に味わってください。ありがとうございました。今日は楽しんでください。
撮影前に美術セットを組み立て、撮影後に解体するのが大道具スタッフの仕事だが、“組付”とは撮影チームに常に同行し、スタジオ内でのセット撮影はもちろん、ロケセット撮影・ロケーション撮影でも、街並みや山野といった自然の風景をも含めて、画面内の背景を整えていく大道具である。それだけ深く撮影に関与するため、同じ監督の組に指名されるケースも多くなってくる。西田さんは41年生まれ。61年に東宝へ入社。大道具スタッフとしてキャリアをスタートさせるが、黒澤明監督「天国と地獄」(63)を皮切りに、“組付”として、数々の現場に携わる。「八甲田山」(77) 「影武者」(80) 「駅 STATION」(81) 「あ・うん」(89) 「青春デンデケデケデケ」(92) 「誘拐」(97)などの話題作に参加。特に市川崑監督からの信頼は篤く、「犬神家の一族」(76) 「幸福」(81) 「細雪」(83) 「おはん」(84) 「ビルマの竪琴」(85) 「鹿鳴館」(86)「映画女優」(87) 「四十七人の刺客」(94)などのほとんどの作品で指名される。また「ゴジラVSモスラ」(92「) ゴジラVS
スペースゴジラ」(94) 「ゴジラVSデストロイア」(95)などの平成ゴジラシリーズでも活躍した。
小川眞由美【俳優】
1961年文学座付属研究所第一期生を経て文学座へ入所し、67年『シラノ・ド・ベルジュラック』で主演を果たすや、杉村春子の後継者と衆目を集め一躍脚光を浴びる。その後も映画、TV、舞台演劇など活躍の場を問わず、各分野で数多の賞に輝いた。映画は新藤兼人監督作品「母」(63)でスクリーンデビューし、初主演の「二匹の牝犬」(64)では裸も辞さず体当たりの演技で大ヒットした。その後「白い巨塔」(66)「八つ墓村」(77)「鬼畜」(78)「復讐するは我にあり」「配達されない三通の手紙」(79)「さらば箱舟」(84)「食卓のない家」(85)「白い手」(90)など一筋縄ではいかない人物を多彩に演じ、その妖艶さは見る者に強い印象を残した。TVドラマ『浮世絵 女ねずみ小僧』(CX/71、72、74)ではコミカルな娯楽時代劇、演劇では自らプロデュースした『ドリスとジョージ』(81)や三島由紀夫作品にも数々出演するなど、喜劇から悲劇まで全身全霊を懸けて“身体が反応するまで”役へ没入し、生身の人としての光と影、そして情念をスクリーンに解き放った類稀な功績は今なお色褪せることはない。
第3回「配達されない三通の手紙」「復讐するは我にあり」で最優秀助演女優賞、第14回「遺産相続」「白い手」「遥かなる甲子園」で優秀助演女優賞受賞。第2回「鬼畜」「燃える秋」で助演女優賞ノミネート
佐久間良子【俳優】
若い時代、暗中模索のまま映画の世界に入った私が、尊敬する監督やスタッフの導きにより、長い道のりを歩き続ける事が出来ました。残した作品は、私の中で大きな財産になりました。感謝。
東京都出身。東映にスカウトされ1957年に東映ニューフェイス第4期として入社。本格デビューは「台風息子」(58)だが、それ以前に同年公開の東映動画「白蛇伝」のヒロインのモデルとして初めてカメラの前に立つ。その後は時代劇やギャング映画の主役を張る男優陣の相手役をこなしながら、メロドラマ出演の機会を待ち続けていた。『雪の記憶』(富島健夫著)に出合い、当時の東映社長・大川博に映画化権獲得を直談判し、同作は「故郷は緑なりき」(61)として映画化され、その願いは結実し演技への意欲が膨らんだ。「人生劇
場 飛車角」(63)で清純派女優の殻を破り、汚れ役を見事に演じ切り、演技の幅がさらに拡がる。「五番町夕霧楼」(63)「越後つついし親不知」「肉体の盛装」(64)「花と龍」(65)「湖の琴」(66)と東映作品を支えた。活躍の場をTVや舞台に移して、NHK大河ドラマ『おんな太閤記』では史上初の女性主役を務め、舞台『唐人お吉』では菊田一夫演劇大賞(83年度)と文化庁芸術祭賞(94年度)を受賞した。田坂具隆監督から贈られた言葉“有志在形” を信条に人との縁を紡ぎながら現在に至る。
第14回「遺産相続」で優秀主演女優賞受賞
杉井ギサブロー【アニメーション映画監督】
ぼくのアニメ人生において第一の幸運は日本初の長編アニメーション映画を製作した東映動画に入社。第二は手塚治虫先生と出会い世界初のTVアニメ『鉄腕アトム』に関われたこと。第三の幸運は多くの仲間と出会えたこと。次の幸運を楽しみにしています。
1958年に東映動画へ入社して「白蛇伝」(58)の動画アニメーターから始まり、虫プロ創立にも参加。TVアニメ『鉄腕アトム』(63~66)『悟空の大冒険』(67)や「千夜一夜物語」(69)など、黎明期から日本アニメの王道を牽引した。70年代から10年間監督業を離れ、絵を売り歩きながら日本中を漂泊し見聞を広めた後、あだち充作品『ナイン』(CX/83)との出会いから再びアニメーション監督として本格復帰。「銀河鉄道の夜」(85)では、宮沢賢治作品独自の哲学や抽象的な世界観を崩さずに、キャラクターの内面を映像表現として具現化しアニメ映画の可能性を切り拓いた。その他にも「紫式部 源氏物語」(87)「あらしのよるに」(05)「グスコーブドリの伝記」(12)やTV『タッチ』(CX/85~87)『陽だまりの樹』(NTV/00)など作品ごとに新たな表現を求め、その1コマに意匠を込めた。大人から子どもまで万人を魅了するアニメーション映画を志す、“一代のアニメ師”。その生涯の夢と比類なき探究の足跡は、映画史に残る傑作群を生み出し続けている。また、12年には自身のアニメーション映画監督人生を追ったドキュメンタリー「アニメ師・杉井ギサブロー」(石岡正人監督)も公開された。
田中陽造【脚本】
広い映画界の片隅を長々と歩いてきて、気づいたら老人になっていた。その老人に功労の賞を下さるという。私は迷った。自分がそれに値するのか。しかし、八十六歳という年齢が囁いた。生涯さいごの賞だぞ。いただいておけ。
39年東京・日本橋生まれ。週刊サンケイのルポライターとして活動する間、鈴木清順、大和屋竺らの脚本グループ‘具流八郎’に参加して「殺しの烙印」(67)では中盤の中心パートを担当。単独執筆のデビューはTV作品『「恐怖劇場アンバランス」木乃伊の恋』(CX/70年制作・73年放映)。主戦場として日活ロマンポルノで多数のシナリオを執筆。代表作として「㊙女郎市場」(72)「花と蛇」(74)「『妻たちの午後は』より 官能の檻」(76)「青い獣 ひそかな愉しみ」(78)「おんなの細道 濡れた海峡」(80)「女教師 汚れた放課後」(81)がある。その間、日活以外でも作品を発表。原体験の記憶と日常のリアリティを掬い上げ、映画的言語を注ぎ込み、脚色の場合は枝葉を伸ばすべく原作者の全要素を抽出して換骨奪胎してシナリオを仕上げた。「ツィゴイネルワイゼン」(80)「セーラー服と機関銃」(81)「魚影の群れ」(83)「居酒屋ゆうれい」(94)「透光の樹」(04)「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」(09)「最後の忠臣蔵」(10)「ゆきてかへらぬ」(25)など手掛けた作品は時空を超えて今なお、輝き続けている。
第35回「最後の忠臣蔵」第33回「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」第18回「居酒屋ゆうれい」第7回「魚影の群れ」第5回「陽炎座」「ラブレター」「仕掛人梅安」「女教師 汚れた放課後」第4回「ツィゴイネルワイゼン」「女の細道 濡れた海峡」で優秀脚本賞受賞
毛利清二【刺青絵師】
スターの肌に墨を流して五十年。肌絵一筋、東西の撮影所を生きてきた職人人生です。作品があり、役者さんとスタッフが揃い、私の仕事が続けられました。時代が大きく変わっても、大事なことは新作を撮ること。すべての映画人に心からの敬意を。九十六の春。
30年に京都府に生まれる。55年、東映京都撮影所に大部屋俳優として入所。東映剣会に入会し俳優をしながら近衛十四郎の付き人を務める。絵心を見込まれて64年「博徒」から“刺青絵師”となる。浮世絵からインスピレーションを得て、二度と同じ形が現れない<炎・雲・波>をモチーフに図案を考察。特殊配合の秘伝絵具を駆使して鶴田浩二、藤純子、高倉健、仲代達矢、北大路欣也、松方弘樹、渡瀬恒彦、黒木瞳、高島礼子、高橋英樹、松平健、渡辺謙など延べ2,000以上の俳優の躰に墨を流した。任侠映画の光と闇を濃く鮮やかに銀幕に遺し、TVドラマにおいても繊細なデザインと色使いを描出した。東映京都撮影所で制作された刺青を纏った人物が登場する作品の全てに関わり、その作品数は200を超える。03年までの40年間、京都と東京を奔走して撮影所の至宝といわれている。彼が保存していた下絵は24年に、おもちゃ映画ミュージアム(京都)で展示され、フランス、アメリカ等海外でも展覧会が営まれた。それらの下絵はデジタル化され、現在は東映太秦映画村・映画図書室に保管されている。
第15回協会特別賞受賞
いしだあゆみ【俳優】
3月11日没 享年76
あなたは表現者として生涯現役を貫きました
古風な佇まいと現代的な相貌を併せ持ち 独立独歩を信条に
人としての芯の強さと慈愛に満ちた存在でした
1987年「火宅の人」「時計 Adieu l'Hiver」で
第10回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞
『阿修羅のごとく』 『北の国から』 『金曜日の妻たちへ』など
テレビでも重要な役を演じ 何気ない表情と仕草で万人を魅了
遺作「室井慎次 敗れざる者」「 室井慎次 生き続ける者」でも
その役柄を見事に具現化して演じ切りました
偉大なアーティスト人生に敬愛を込めて 会長特別賞を贈ります
~感謝を込めて 表彰状より~
第10回「火宅の人」「時計 Adieu l'Hiver」で最優秀主演女優賞、第20回「学校Ⅱ」第6回「野獣刑事」「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」で優秀主演女優賞、第5回「駅 STATION」で優秀助演女優賞受賞。第1回「青春の門 自立篇」で助演女優賞ノミネート
仲代達矢【俳優】
11月8日没 享年92
あなたは1955年に俳優座に入団
映画と演劇の両分野で追随を許さぬ活躍を続けて来られました
名立たる監督たちの作品で海外を含む数多の映画賞を受賞された栄誉と
1975年創設の無名塾から俊れた後継俳優を輩出した功績を讃え
2015年度文化勲章を受章されました
1995年に名誉館長に就任した能登演劇堂での最後の舞台
2025年『肝っ玉おっ母と子供たち』に至る70年
柔和な人間性と峻烈な役者魂を併せ持って
弛まぬ研鑽の中で生涯現役を貫いた堂々たる俳優人生に
深甚なる敬意とともに会長特別賞を贈り 永く顕彰します
~感謝を込めて 表彰状より~
第39回で協会栄誉賞、第10回「熱海殺人事件」「道」第6回「鬼龍院花子の生涯」で優秀主演男優賞受賞
原田眞人【監督・脚本】
12月8日没 享年76
あなたは幼少から監督を志し 1973年に渡米
ジャーナリストとしてハワード・ホークス始め映画の魅力を伝えました
アメリカン・ニューシネマを自らの血肉にし
吹替字幕翻訳では完璧主義のキューブリックをも唸らせました
「関ヶ原」「 燃えよ剣」のような時代劇作品でも
アメリカ仕込みの娯楽性が根底を貫いて躍動し
オリジナル脚本「KAMIKAZE TAXI」から社会派骨太エンターテイメント
「金融腐蝕列島 呪縛」「 クライマーズ・ハイ」など 描く世界は幅広く
ロケ地に拘り セリフにアクションに拘り抜いた
映画に恋してやまない “永遠なる映画少年” に会長特別賞を贈ります
~感謝を込めて 表彰状より~
第41回「関ヶ原」第23回「金融腐蝕列島 呪縛」で優秀監督賞、第39回「日本のいちばん長い日」第36回「わが母の記」第32回「クライマーズ・ハイ」第26回「突入せよ!『あさま山荘』事件」で優秀監督賞と優秀脚本賞受賞
大谷信義【松竹名誉会長】
12月10日没 享年80
あなたは1968年に松竹株式会社に入社
1984年専務取締役 株式会社歌舞伎座代表取締役を経て
1998年松竹株式会社代表取締役社長に就任
日本映画製作者連盟 映画産業団体連合会 日本演劇興行協会
日本映画テレビプロデューサー協会 諸団体会長を歴任され
“和を以て貴しとなす” を座右の銘に
万人が認める “松竹の顔” として その温和な笑顔を以って
日本の芸能発展に多大なる貢献を果たされました
その類稀な映画演劇への愛と功績を讃え
深甚なる感謝を添えて 会長特別賞を贈呈します
~感謝を込めて 表彰状より~
藍綬褒章受章・中央区名誉区民顕彰(22)、「映画の
日」特別功労大章 受章(20)
ファーストキス 1ST KISS
松村北斗
自分でいただいた賞というより支えてくださる皆様や劇中の登場人物のおかげ。これからも誰かのためになれるよう成長していきたい。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』 ufotableデジタル映像部
本作の映像化において欠かせない“無限城”を、単なる背景美術ではなく“縦横無尽に動く巨大な演者”として表現することに成功。デジタル映像部の手腕により最新デジタル技術を駆使し、数千のパーツが複雑に蠢く不可思議な空間を構築した。徹底的なライティングと撮影処理により、3DCG特有の硬さを排除しつつパワフルなカメラワークで、2Dキャラクターと3Dのデジタル空間を見事に融合させた。熟練作画スタッフをはじめ、自社スタッフ一人一人の莫大な労力と技術の結晶によって、手描きの作画の持つ“画の力”と“熱量”を生かしてダイレクトに伝わる効果を生み出した。圧倒的密度、圧倒的熱量のエフェクトが四方に散らばっていくことで2次元である画面に3D的奥行きを与えて、新たな映像体験を提供した。
デジタル映像部として作品のスケールや空気感を損なわず、手で描くことにより生まれるアニメーションの魅力を最大限引き出すことを目指して取り組んできました。現場の多くのスタッフと積み重ねた成果として受け止め、今後も表現の可能性を広げていければと思います。
「国宝」ヘアメイクチーム
ヘアメイク:豊川京子 特殊メイク:JIRO 床山:荒井孝治 宮本のどか
歌舞伎化粧:日比野直美 舞台面床山:西松 忠
本作のヘアメイクチームの仕事は、登場人物の内面や時代背景、さらには50年に及ぶ人生の流れを観客に自然と伝える重要な役割を果たした。特に歌舞伎という特殊な世界のヘアメイクは、白塗りをベースに役柄や心情を表現する歌舞伎化粧、そして役ごとに細かな決まりのある床山の専門技術が必要不可欠であった。数多くの映画を手掛けてきた豊川京子氏を筆頭に、その伝統的な歌舞伎舞台のための化粧を、物語や登場人物の感情に沿ってスクリーンに映えるように再構築。メイク、床山、歌舞伎化粧、舞台面床山がヘアメイクチームとして一丸となって印象的なシーンを生み出すことに尽力した。その芸術性は海外でも高く評価され、第98回米アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞に日本映画として初めてノミネートされた。
メイク、特殊メイク、歌舞伎化粧の連携により、多種多様な顔を作り上げることが出来ました。この様な素晴らしい賞を頂けたことは、我々メイクチームにとっての大きな励みになると思います。この作品に携わった全ての方に感謝いたします。
谷口裕和/吾妻徳陽
李相日監督から「生まれながらの歌舞伎俳優に見えるように指導して欲しい」と依頼された日本舞踊家・振付師の谷口裕和氏は、振付・舞踊指導として、また、日本舞踊吾妻流・七代目家元の吾妻徳陽氏(歌舞伎役者としては中村壱太郎)は所作指導として、主演の吉沢亮を始め、横浜流星、渡辺謙、田中泯などの出演俳優陣に稽古をつけた。さらには李監督の要望で、踊りのシーンのない俳優たちにも一曲は踊れるよう指導。吉沢、横浜らへの1年半に及ぶ稽古を経て作り上げた、劇中の“生来の歌舞伎役者”としてのリアリティは、登場人物そのものが情景となるような映像表現の最も深い領域に触れたといえ、本作の成功に多大な貢献を果たした。
谷口:「すり足」に始まり、「すり足」に終わる。削ぎ落された中に、生き様が宿るのが本来の舞踊です。私はただ「まっすぐ」にということを教えただけ。それを理解してかたちにしてくれた役者、スタッフの皆さんに感謝します。
吾妻:歌舞伎俳優としても、日本舞踊家としても嬉しい限りです。これも一重に、共に振付として所作の礎を築いてくださった谷口裕和さんのおかげ、"歌舞伎"、"日本舞踊"に並々ならぬ情熱を注いでくださった出演者の皆様のおかげだと思います。映画「国宝」に関わらせていただけたことを誇りに思い、感謝の念でいっぱいです。
原 摩利彦 feat.井口 理「国宝」
原摩利彦氏による荘厳な劇伴の世界観の終幕を飾る井口理氏の歌声は、人間の性をも超越した唯一無二の響きを放ち、主人公・喜久雄の歩んだ運命を慈しむかのようにスクリーンから優しく降り注ぐ。それは坂本美雨氏が紡ぎ出した歌詞と共に、喜久雄の苦悩や孤独をすべて“よろこび”へと昇華させ、観客を喝采の終幕へと誘う。音楽、歌声、言葉が一体となった響きは、芸に生涯を賭けた人間の生き様への讃美と鎮魂でもあり、まさに曲名が示す通りに暗闇を照らす一筋の光となって鑑賞するすべての人々の魂を震わせ、物語の余韻を結晶させた。
作詞:坂本美雨 作曲・編曲:原摩利彦 歌唱:井口理
原(写真右):本編の音楽だけでなく、主題歌の作曲まで託してくださった李相日監督。輝く言葉を紡いでくれた坂本美雨さん。そして、美しいという言葉では表せられない、でも美しいとしかいいようがない歌唱をしてくれた井口理さんに心から感謝しています。いつまでも響き続けますように。
井口(写真左):このたび主題歌賞を受賞することができ、とても光栄です。原摩利彦さんの音楽と向き合う時間の中で、表現に対して常に無我でありたいという思いが、より一層強くなりました。これからも驕ることなく、自分をひけらかす事なく、ひとつの作品と誠実に向き合っていきます。
「国宝」製作チーム「国宝」
企画・製作・配給・宣伝・興行の一連の功績に対して
吉田修一氏の原作を基に、芸と舞台に生きる歌舞伎役者の光と闇を描いた本作は、3時間近い長尺にも関わらず幅広い観客層に支持され、日本映画実写作品の興行収入記録を22年ぶりに更新。更には歌舞伎界そのものにも好循環を生み出す社会現象となった。全国の映画館で9カ月以上にわたってロングラン公開中で現在も数字を伸ばし続けている。公開255日間(2月15日時点)で観客動員数1415万2409人、興行収入200億851万9000円を記録し、日本公開作品の歴代興収ランキングでも第10位となる200億円超えの快挙を成し遂げた。本作の評価と興行の双方での成功は、企画・製作・配給・宣伝・興行の本作に関わったすべての役職が、主役級の仕事で互いを繋ぎ合ったチームワークの結集の賜物であり、この製作チームだからこそ名実共に最高の作品を生み出した。
中村鴈治郎[歌舞伎指導・出演]:チームとしてこんなに素敵な賞をいただけることは、大変嬉しい限りです。本当にこのチームは、素晴らしい方たちの集まりです。この作品に関われたことは私の歌舞伎人生の中でも、心に残る貴重な経験をさせていただいた、大きな出来事だと思っております。チーム「国宝」の皆さん、本当におめでとうございます!
上田正治【撮影】
1月16日没 享年87
代表作:「乱」(85)「雨あがる」(00)「まあだだよ」(93)「蜩ノ記(ひぐらしのき)」(14)「峠 最後のサムライ」(22)「雪の花 -ともに在りて-」(25)
第47回会長功労賞、第24回「雨あがる」第17回「まあだだよ」「虹の橋」第15回「八月の狂詩曲(ラプソディ一)」で最優秀撮影賞、第46回「峠 最後のサムライ」第38回「蜩ノ記」第26回「阿弥陀室だより」第14回「夢」第9回「乱」で優秀撮影賞受賞
篠田正浩【監督】
3月25日没 享年94
代表作:「はなれ瞽女おりん」(77)「瀬戸内少年野球団」(84)「少年時代」(90)「写楽」(95)「泉の城」(99)「スパイ・ゾルゲ」(03)
第41回で会長功労賞、第19回「写楽」で最優秀編集賞と優秀監督賞、第14回「少年時代」で最優秀監督賞、第27回「スパイ・ゾルゲ」で優秀監督賞と優秀脚本賞、第23回「梟の城」、第8回「瀬戸内少年野球団」で優秀監督賞受賞。第1回「はなれ瞽女おりん」で監督賞と脚本賞にノミネート
吉行和子【俳優】
9月2日没 享年90
代表作:「にあんちゃん」「才女気質」(59)「遺書・白い少女」(76)「愛の亡霊」(78)「折り梅」(02)「東京家族」(13)「家族はつらいよ」シリーズ(16~18)「ココでの話」(24)「金子文子 何が私をこうさせたか」(26)
第44回会長功労賞、第37回「東京家族」で優秀主演女優賞、第2回「愛の亡霊」で主演女優賞ノミネート
池広一夫【監督】
10月15日没 享年95
代表作:「沓掛時次郎」(61)「中山七里」(62)「眠狂四郎 女妖剣」「座頭市千両首」(64)「ひとり狼」(68)「おんな極悪帖」(70)「片足のエース」(71)「無宿人御子神の丈吉」シリーズ(72~73)「化粧」(84)
第40回特別賞
映画界に多大なる功績を残された2025年に逝去された映画人(没日順)
川辺久造
【俳優・声優】下條アトム
【俳優・声優】山口 崇
【俳優・司会】露口 茂
【俳優】石森史郎
【脚本】斎藤 歩
【劇作家・俳優】藤村志保
【俳優】ジェームス三木
【脚本】栗山富夫
【監督・脚本】堀越謙三
【プロデューサー】中林千賀子
【プロデューサー】和泉雅子
【俳優・歌手・冒険家】上條恒彦
【俳優・歌手・声優】長峯達也
【アニメーション監督】菅原俊夫
【殺陣】橋 幸夫
【俳優・歌手】栗塚 旭
【俳優】松本良二
【装飾】関根忠郎
【惹句師・映画ライター】菅原浩志
【監督・脚本・プロデューサー】中島ゆたか
【俳優】