レビュー一覧
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はるかさん(女性/25歳) |
「ぴあ特別会員に選ばれました」というメールを受け取って一年。今まで以上にたくさんの映画に映画館で触れあえた幸せな一年でした。もともと映画館ではどちらかというと迫力のありそうな映画を選びがちだった今までの私。せっかくの機会だからといろいろなジャンルの映画を観ていくうちに、静かに流れていくけれど心に重く響く映画に出会えたり、心が癒される青春映画に出会ったりと、映画館という場所で観ることで、DVDで観る時とは全く違った魅力が惹き出される新しい発見がたくさんありました。 また、有楽町や新宿、渋谷などには「はしご」できる距離にそれぞれの味をもった映画館があり、映画の「はしご」も楽しんでいました。例えば、有楽町。TOHOシネマズやピカデリー、東映で大迫力の映画を観たあとに、東劇や角川シネマで少し味のある映画を観るなど、その映画館ならではの雰囲気で味わう面白さもたくさん見つけました。特に私が好きになった映画館が有楽町スバル座です。観終わったあとに、しばらく余韻に浸りたくなる映画に何度も出会い、映画館を出るたびにいつもと同じ風景が違って見える感覚を味わうことができ、何度も足を運びました。今後もスバル座でどんな映画に出会えるのか楽しみです。 私がこの一年間で一番感じたことは、どの映画にも心が動かされる瞬間があって、どの映画にもたくさんの人が関わって、たくさんの伝えたい気持ちが詰まっているということです。口コミや批評で低い評価でも、観る人にとっては感じ方が違ったり、観る角度や解釈によって全く違う感情が生まれます。その映画で感じたことを一緒に映画を観た人と話せる楽しみも映画ならではだなと思いました。本当に、一年間楽しかったです。映画を観ることは人の心を豊かにしてくれる素敵な時間だなと改めて感じました。 |
後藤早苗さん(女性/30代) |
2016年の国内の映画興行収入は過去最高となり、6年振りに記録を更新したというニュースは皆さんの記憶にも新しいと思います。私自身、2016年はこれまでの人生で一番多くの映画を観た年となりました。 ぴあ特別会員になるまでは、何となく自分が好きな監督や好きな俳優が出ていたり、何となく好きなジャンルの映画を選んで観ていました。しかしぴあ特別会員になってからは、自分の中での好みはあるものの、より幅広いジャンルの映画を選んで観るようになりました。そして鑑賞後は作品のメッセージや監督が伝えたかった事を自分なりに考え、その良さを人に伝えられるよう具体的な言葉で表すようになりました。映画の素晴らしいところは、エンターテインメントであり、アートであり記録でありジャーナリズムでもあるような、その多様性にあると私は考えます。また、映画館の大きなスクリーンで映画を観るということがいかに躍動感に溢れ、作り手の思いや伝えたかった事をダイレクトに感じ取ることが出来るものなのか、ということを改めてこの一年で感じました。 映画を観ることが好きで、その素晴らしさを感じている人は大勢いると思います。しかしながら、その素晴らしさをどのように周りに伝えたら良いか分からず、自分の中のみに意見や感想を留めておく人も多いと思います。ぴあ特別会員という立場で映画を観た自分の感想を外に向かって発信する、そのような機会を頂けた経験は人生の中でも大変貴重なものとなりました。これからも自分が映画を楽しみ、それが映画を応援することに繋がれば大変嬉しく感じます。 |
髙安 杏さん(女性/19歳) |
映画は私の人生に多くのきっかけをくれました。ぴあ特別会員として活動できたことも映画が好きだったからこそであり、この1年間は映画がくれた贈り物だと思うと一生忘れられない日々になりました。振り返るとほとんど毎日、頭の中は映画のことで8割は埋まっていて、気になる作品の上映館を検索するのが日常になっていた様に思えます。今までDVDで観ようと諦めていたものを劇場で観られる、そんな胸いっぱいの幸せを常に噛み締めていました。12月に入ると1日が終わる度に寂寥感が増して行き、終わったときには夢が覚めてしまったような感覚でした。こんなに新年を迎えたくないと思ったのは生まれて初めてでした。 今回、数多くの作品を観たことで気づくことがたくさんありました。はじめに、普段なら観ない作品の中にも驚くような発見があるということです。大きな衝撃を与えてくれるものだったり、自分にとって大好きな作品となったり、そんなときには、思いもよらない宝物を見つけたみたいで胸が高鳴りました。次に、文章を書いて人に伝えることが好きだと知りました。レポートを書くことが待ち遠しく、自分の番でなくても周りの人に伝えたいと思う映画が何作もありました。初めて行く劇場で鑑賞することも楽しみの一つでした。劇場によって観客の雰囲気も変わり、時間帯で年齢層が違い上映する作品の特徴があって、自分の中で特別な時間と場所が見つかった気がします。 この経験を想い出にするだけでなく、生かしていくことが何よりも大切だと思っています。私は身近な人に映画の面白さを伝えるのはもちろん、SNSを通して周りの人に作品の魅力を伝えていくことも続けて行きたいです。また普段の生活に戻っても行ったことのない劇場に足を運んだり、新しいジャンルにも挑戦して行きたいです。 最後に何よりも伝えたいことは劇場で映画を観ることの素晴らしさです。私は家でDVDを観るのも大好きですが、目の前に広がる大きなスクリーンと身体に響く音響、観客との一体感は劇場でしか味わえないと改めて感じました。今は感謝の気持ちでいっぱいです。 |
阪本佳純さん(女性/20歳) |
去年の今頃のことですが、ぴあ特別会員に選ばれたときはとても嬉しくて、会員証が届いてすぐ映画館に駆け込んだことを覚えています。それから一年間、とても楽しく映画を観ることができ、あっという間に過ぎてしまったなと、レポートを書きながら実感が沸いてきています。 都内あらゆる映画館での鑑賞が身近になり、私の映画の趣向の幅も広がりました。子供ころにしか観たことなかったような小さい子供向けの映画を観にいってみたり、ホラー映画を一人でなんてもってのほかだったのに、今は好きなジャンルの一つです。 さまざまな映画に足を運び、多様な作品を観るようになってからは、やはり口コミやレビューなどは個人の一感想にすぎなくて、百聞は一見にしかずだと気付かされました。 自分が期待した以上のものだったり、当初イメージした内容と違った作品もありましたが、絶対に同じものはなく、どの作品も、何かしら私に刺激やひらめきのようなものを与えてくれ、強いモチベーションになっていました。ひどく落ち込んだ日も、「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」(16)を観れば元気になりましたし、「怒り」(16)という作品は私に人生や自分そのものを見つめ直すきっかけをくれました。なかでも、「奇蹟がくれた数式」(16)そして「ニュースの真相」(16)は私にとって最もハイライト的で、真摯に物事に向き合う大切さ、自分のミスを認め、最後まであきらめず戦う強さを学んだ大きな2本でした。 このように振り返ると、去年の作品は本当に素敵なものが多かったなと感じます。なかには3、4回同じものを観たり、時間が許す限り、映画館をはしごして贅沢に映画を観たりすることもできました。本当に映画三昧の幸せな日々でした。来月の授賞式では、どの作品が、誰が、受賞するのか本当に楽しみですし、他のぴあ特別会員の方々とも、お会いできるはじめての機会ですので、とてもわくわくしています。会員としての活動に区切りはあっても、私はこれからも映画への探求心と愛を燃やし続けたいと思います。人生を潤してくれる素晴らしい作品に、たくさん出会いたいです。 |
陳 珍九さん(女性/38歳) |
今だに信じられません。自分が日本アカデミー賞ぴあ特別会員に選ばれ、この公式HPに映画レポートを書いていたなんて…。でも読み返すと、鮮やかにこの一年の事を思い出します。スクリーンとPCの前で一喜一憂、悪戦苦闘の2016年。大好きな事に1年もの間こんなにも真剣に純粋に向かい合えるなんて!大人になるとなかなか出来ないありがたい経験でした。 不思議ですが『映画』と真正面から向き合う事で、私は自分自身とも無意識に向き合っていた気がします。『映画』に教えられ、考えさせられ、励まされ、勇気と希望をもらい、心の奥に消えない灯が残りました。振り返れば子供の頃から大人になった今でも、私の心友は『映画』でした。レポートを書く事で少しでも愛する『映画』に恩返しが出来ていたら…映画館に足を運んで大スクリーンで『映画』を観る事の素晴らしさを伝えられていたら…とても嬉しいです。 きっと宝物の様なこの時間は、私の今後に大きな影響を与え続けることでしょう。映画館の真っ白いスクリーンを見る度に、私は心を真っ白に洗濯し、真っ直ぐな曇りのない目でこれからも『映画』としみじみ向き合っていきたいです。映画を観る数時間、心豊かな時をこれからも大切に…。 |