レビュー一覧
|
川端七成さん |
子どもの頃に観た映画は細かい部分まで覚えているのに、大人になってから観た映画は面白かったこと自体は覚えていても、具体的にどこがよかったのか、だんだん忘れてしまいます。それは多分、日々観たり聴いたりするものが増えるにつれて、自分にとっての『特別』の濃度が薄まっていくからではないかと思うのですが、日本アカデミー賞の投票に関わったこの1年間は、濃度の高いたくさんの『特別』と出会う日々でした。 その集大成として迎えた授賞式の日。スクリーン越しに見ていた方々を目の前にし、尊敬、憧れ、感動、愛…彼らを称えるたくさんの言葉や感情が自分の中に溢れ出してきて、それを最大限に伝えるため、何度も何度も手を叩きました。 中でも岸井ゆきのさんの受賞スピーチには胸を打たれました。『あぁ、これを観るために今までがあったんだなって思うことがあって、映画はずっとそこで、見つけてもらうのを待ってくれている』。このスピーチを聞いて、岸井さんは女優さんでありながら、私たちと同じように、ただ映画を愛している人でもあるのだなと思えてとても嬉しかったです。作品を通して、自分の過去や人生そのものを肯定してもらえたような気持ちになれる。そんな瞬間に出会ったことがあるから、私は映画を観続けているのだと思います。これからも映画を愛し、映画に救われる日々を送っていきたいです。 |
細井ゆうきさん |
1年間、日本アカデミー賞協会ホームページにて、とても楽しく映画レポートを書かせて頂きました。そしてその最後に、まさかの『第46回日本アカデミー賞授賞式』への参加という至高の空間に連れていって頂きました! 名だたる映画人たちが、数メートル先のレッドカーペットを歩き、同じ空気を吸っているという事実に大興奮!更に、緊迫感の中、最優秀賞の結果発表を聞き…終始特別なひとときを噛み締めていました。 特に、最優秀助演女優賞受賞者・安藤サクラさんのスピーチにはグッときました。撮影期間中は育児の両立の難しさから女優業の引退を考えることもあったそうですが、そんな撮影を乗り越え大きな賞を掴む姿は本当に格好良かったです。私は春から新社会人となりますが、これから大きな社会に飛び込む者として、同じ女性として、大変勇気を頂きました。 また、最優秀主演女優賞受賞者・岸井ゆきのさんが「ケイコ目を澄ませて」がまだ上映中とお話されていたので、早速劇場へ足を運びました。岸井ゆきのさん演じるケイコの、真っ直ぐな瞳と、鍛え上げられた肉体で、健常者に負けない力強さに大変圧倒されました。 性別・年齢など関係無く全ての人々が、育児や仕事に悩むことのない世界、さらには全ての人間が平等にチャンスを掴める世界であって欲しいです。その世界を後押しする存在のひとつが映画であることを心から願っています。 |
小塚すずゆさん |
一年間ぴあ特別会員として活動させていただき、最後の役目となる日本アカデミー賞授賞式への出席は、私にとって手に汗を握りつつ感動と喜びを感じた経験でした。 ホテルに着き、扉を開けるとテレビの画面でしか見たことのなかったレッドカーペットと煌びやかな会場が目の前に広がっていました。著名な受賞者たちの緊張と、受賞の喜びをスピーチから感じた3時間でした。 長いようで短かった授賞式の中で1番印象的だったのは最優秀アニメーション作品賞が発表された時です。どの作品も本当に素晴らしく、一体何が選ばれるのだろうと固唾を飲んで見守っていました。友達と一緒に鑑賞した『THE FIRST SLAM DUNK』が受賞した時はとても嬉しかったです。 会長功労賞の加山雄三さんがスピーチにて、人生において感動すること、関心を持つこと、感謝することが大切とお話しされていました。私もこれからも、映画やドラマ、様々な芸術に関心を持って、感動する心を持ちつつ、自分の周りの人、感動を与えてくれた作品への感謝を忘れずに過ごしたいと思います。 |